Fate/spring blade (仮名) 《Fate×SAO》   作:クロス・アラベル

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かけがえのない日常は、長くは続かない。


prologue ⑤

 

 

「和人、アズリカ先生呼んでたわよ」

「アズリカ先生が呼んでた?」

 

「うん。あなた、何かやらかしたんじゃないでしょうね?」

「いや、そんな事は_____ない」

「和人、何故返事するのに間が空いたのかな。それ自信ないんじゃ…」

 

「……やっぱり、今日の小テストについてか…?」

「有り得そうだけど、先生日直のあなたに頼みたいって言ってたわ。早めに行ってきたら?」

「あー……そだな。行ってくるか。ユージオ、ありがとな。この続きはまた明日にでも」

「うん、わかった。待ってるね」

「いや、待たなくていいよ。先に帰っておいてくれ。多分時間かかるだろうからさ………多分、俺がこの前日直の仕事完全に忘れてたこと根に持ってるんだよ」

 

その日の放課後。

アリスは帰り際、担任のアズリカ先生に「日直の桐ヶ谷さんを呼んできて下さい」と頼まれ、教室にいるであろう和人の元へ向かった。

アリスの予想通り、彼は教室でユージオと一緒だった。

和人はユージオに勉強を教えて貰っていたらしい。

 

教室を出る和人。

「…じゃあ、帰りましょ。随分と遅くまで残ってたのね、二人とも」

「まぁね、和人が珍しく勉強を教えて欲しいって言ってきてさ。ならいい機会だと思って、みっちり教えてたんだ。和人も別に馬鹿な訳じゃない、どちらかというと頭良い方だし、あとはやる気の問題だからね」

「ふぅん……和人が勉強を、ねぇ」

珍しいものもあるものだ、とアリスは思った。

 

外はもう日が落ちようとしている。

夕日に照らされた教室で席に座り、外を眺めるユージオはいつもより、儚く格好いいとアリスは感じた。

 

少し、顔が熱くなっているのに気付いてブンブンと首を振る。

時たま、今のようにユージオは言葉では言い表せないほどに格好良く見える瞬間がある。

アリス自身、幼馴染でいつも一緒だったからなんとも思わなかったが、ふとした時に気づく。

____ああ、彼はとんでもなく格好いいんだな。

と。

 

「_____さ、早く帰りましょう!早くしないと日が落ちちゃうわ」

「_____あ、そうだね。そうしよう」

二人は教室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

「〜♪」

商店街でアリスは一人、エコバックを片手に鼻歌を歌いながら魚屋さんへ。

『今夜の夕飯の買い出しですか、マスター』

「うん、今日は何にしようかしら………うーん…」

念話で話しかけてきたキャスターに周りにおかしく思われない程度に返事をするアリス。

「あ、姉さん!」

「?」

 

魚屋で何を買おうか悩んでいると、後ろから声をかけられた。

「あ、セルカじゃない。今から帰り?」

「うん!もしかしたら姉さんここで買い物してるかなって思ったら、ドンピシャだったわ!」

声をかけたのはセルカだった。同じく学校帰りらしい。

 

「そう、買い物終わったらすぐ家に帰るから。先に帰ってる?」

「一緒に買い物いきましょ、姉さん!」

「そうしてくれるとありがたいわ、セルカも一緒なら悩まずに済むかも………ね、キャスター?」

最後にアリスがそっと小声で言うと、セルカは「あっ」と口を塞いで同じく小声で聞いてくる。

 

「あ、キャスターもいるの?」

「ええ、念話はマスターとしか出来ないから」

「そっか、じゃあ早めに買い物済ませましょ、姉さん」

「勿論、早く帰って夕飯の支度をしましょう」

そのまま二人で商店街を周り、買い物を済ませた。

 

 

 

 

 

「________それでね、珪子と一緒に勉強してたの。図書館に居残って長く続けてたからちょっと遅くなっちゃった」

「受験勉強は順調みたいね、セルカ。まぁ、焦らずに頑張りなさい」

「うん!」

帰り道。

日も暮れて、辺りは暗くなってしまった。

二人でセルカは1つ、アリスは2つの買い物袋を持って坂道を行く。

アリスや和人、ユージオ達の家は坂道を登った上_____丘の上の住宅地にある。

この道はもう慣れたものだ。

登りもそこまで辛い訳ではなかった。

二人で楽しく談笑しながら坂道を登っていた時_______キャスターが二人に声をかけた。

 

 

「_____マスター、セルカ。魔力反応を感知しました。恐らくは、昨日の魔力の残滓と同じです」

 

「____!!」

「えっ…!?」

霊体化を解き、実体化するキャスター。周りに誰も居ないことを確認してのことだった。

いきなりの警告に驚く二人。

 

「_____セルカ、先に帰って。重いだろうけれど、荷物をお願い。私、行くわ」

「うん……姉様…あの、…」

「大丈夫よ、私にはキャスターがいるから。さあ、早く!」

「___はいっ!」

 

セルカに荷物を任せて、アリスは坂道のガードレールへと歩く。

「キャスター、お願いね」

「はい、失礼します」

短く言葉を交わして、キャスターはアリスをお姫様抱っこした状態で、街へと跳んだ。

 

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