というわけで某騎手TV回
私は動画欄のリンクに気になるタイトルを見つけた。
「滝カナタTV……グレートエスケープ特集?」
滝カナタTVとは、インターネットでのみ放送されている、競馬番組のこと。
競馬の開催が終わるごとに放送され、滝カナタが競馬の内容やGIレースを振り返ったり、ゲストのジョッキーや調教師とトークする。
ウマ娘の元になった競走馬がピックアップされた動画のアーカイブは再生数がやたら多いらしい。
「見てみるか……あ、会員登録が必要なのね。まぁ、いいか。月のお金くらい……」
会員登録を済ませると、早速グレートエスケープ特集回を再生する。
SP回らしく内容盛りだくさんのようで、オープニングの間に飲み物を持ってくることにした。
×××
〇オープニング
――日本のホースマンにとって、凱旋門賞は長らく悲願だった。
多くのサラブレッドが挑んでは、届かなかったその舞台に、初めて到達した馬がいた。
その馬の名前は、グレートエスケープ。
滝カナタを鞍上に、世界最高峰の舞台へ届いたスターホースは8月26日にこの世を去った。
そんなスターホースを偲び、今回はグレートエスケープスペシャルとして、滝カナタとゲストの二人で振り返る。
「――カナタさん、こんにちは」
「こんにちは。お疲れ様です。なんだかちょっと緊張してる?」
「少しだけ。今回はスペシャルですから。本日の滝カナタTVは先日この世を去った名馬グレートエスケープ特集ということで、やっていきます。
司会は私、マジテレビアナウンサーの飯原直樹でお送りさせていただきます」
「今日はゲストも来ているんだよね」
「そうですね、早速こちらに来ていただきましょう。今回のゲストはこちらの方です。
通算GI勝利数25勝、そしてグレートエスケープに騎乗してGIを4勝した主戦騎手、梶田健二さんです!」
「どうも。よろしくお願いします」
通算GI勝利数25勝、グレートエスケープの主戦騎手としてGIを4勝し、初めてのダービー制覇もグレートエスケープと達成したトップジョッキー、梶田健二。
今回の滝カナタTVは梶田騎手と共に、名馬グレートエスケープを振り返る。
「早速ですが……カナタさん、梶田騎手、両名共に馴染み深い馬、グレートエスケープ号が先日亡くなられたということで……まずは、カナタさんから。
知らせはどのように……?」
「そうですね。ちょうど夏の開催で北海道にいて、亡くなる1週間くらい前に健二と一緒に会いに行ってるんですよ。歳の割にすごい元気で……なぁ?」
「すごい元気でしたよ。俺とカナタさんを見つけると走ってきて、筋肉もムキムキでしたから。まさか1週間で亡くなるとは……」
「牧場関係者によると老衰、ということで放牧地で亡くなっているところを発見されたようです。
その後の競馬開催では追悼競走となり、梶田騎手は札幌2歳Sを勝利。
そしてその馬がグレートエスケープのラストクロップにあたるグレートチャンプだったと」
先日の札幌2歳ステークス他、メインレースは副題にグレートエスケープ追悼競走が冠された。
そこで梶田騎手が騎乗したグレートエスケープ産駒のグレートチャンプが見事勝利。
初重賞勝利を飾ると共に、父への手向けとした。
「まず……グレートチャンプはどんな馬でしょうか。梶田騎手、いかがでしょう」
「見た目はグレートエスケープを一回り小さくしたような、よく似ているんですけど性格やレースの適性は全然似てないですね。
父親はレースに対する理解も高かったんですけど、ちょっとレースを覚えきってないね。
集中力がないからすぐあっち向いてこっち向いて……」
「新馬戦は同じレースに乗ってたけど、健二は返し馬であっちこっち行ってたもんな」
「はははは。言うことあんま聞かないっすね。
でもポテンシャルはあります。競馬を覚えてきたら来年のクラシックが楽しみになるかな。
正直グレートチャンプとクラシックに挑みたい気持ちはあります」
「ええ、ええ。そうですよね。グレートチャンプはグレートエスケープと同じ牧場、同じオーナー、そして調教師は黒井厩舎で調教助手だった白村調教師と」
「チーム『グレートエスケープ』って感じだよね」
「そうっすね……いいんですか、グレートエスケープの話しなくて」
「あ、失礼しました。後々グレートチャンプのこともお話するとして、まずグレートエスケープのデビューから」
〇デビュー前
「梶田騎手は黒井先生から依頼を受けてというかたちでグレートエスケープに?」
「そうです。期待してる馬がいるから最終追い切りから乗ってくれって……当日黒井厩舎に行ったら、ホウキとチリトリを渡されたんだけど」
「え、なんでまた」
「ダービージョッキーになりたかったら掃除しておけ、って言われて……」
「黒井先生も独特やからな」
「それは黒井先生の癖のようなものなんですか?」
「後から聞いたらちょっと調教の準備が遅れてたから時間潰せってことだったらしいっすね。なんで掃き掃除なのかわかんないけど」
「それで……当時グレートエスケープのデビュー前の評判というのは、いかがでしたか?」
「黒井厩舎では2歳で一番期待されてたよ。実際良い馬だったし。ただGⅠまではいけそう、って雰囲気でもなかったかな。
カナタさんはダンスパートナーの追い切りに乗ってたから、知ってますよね」
「そうだね、ただ丁度オークスの追い切りのときに乗ってたんやけど、そこでグレートエスケープで併せたんだよね。
GI狙える馬と新馬を併せるから『えっ!?』ってなったけど、グレートエスケープは負けないくらい走ったからね……そこでこの馬はすごいかもな、とは思った」
「デビュー前から大器の片鱗は見せていたんですね。そして新馬戦は3着、未勝利戦で勝ち上がり、と」
「ちょっと新馬戦は競馬に慣れてなかったね。でも未勝利戦では落ち着いていて、あっさり勝った。
そこから加速的に馬が良くなっていったかな」
〇クラシック
グレートエスケープは未勝利戦を勝利すると、GIII、GIIと連勝し、皐月賞へ駒を進めた。
このときには1番人気に推されるなど、実力は認められていた。
「皐月賞では1番人気も大敗……これはやはりゲートを出て躓いたのが敗因ですか?」
「そうだねー。馬も競馬を理解してたから、やばい! ってのがわかったのかな。そこからもうかかりっぱなしで……この皐月賞は本当に勿体なかった」
「梶田騎手もそう感じるんですね」
「ダンスインザダークもバブルガムフェローも回避しましたからね。これはもう勝たなきゃなって気持ちがありましたよ……カナタさんはダンスインザダークだったから乗ってなかったですよね」
「その日は阪神乗ってた。ちょうどジョッキールームにいて、阪神競馬場でも『あぁ〜』って声出てた」
「はははは、まぁ1番人気でしたからね」
「そこでは大敗してしまいましたが……次の日本ダービーに対してはどのような思いが?」
「そりゃあ勝つしかないって思ってましたよ」
次走の日本ダービーでは皐月賞を回避した滝カナタが騎乗するダンスインザダークが1番人気。
グレートエスケープは4番人気に推された。
グレートエスケープはハナを切ると快走。直線ではフサイチコンコルドとダンスインザダークが猛追するが、振り切ってレコードタイムでダービー制覇を決めた。
これが初めてのGI制覇だった。
「映像にも出ましたが……父アイネスフウジンのタイムを更新するダービーレコードと。
梶田騎手、如何でしたか」
「安堵しましたね。デビュー時には重賞は勝てると評判でしたけど、次第に馬がすごい成長を見せてくれたので。
これはGI取らなくちゃと思いましたね。このダービー制覇でグレートエスケープも一皮剥けた感じがありました。
ある意味覚醒のポイントでもありましたね」
「カナタさんはこの時ダンスインザダークに騎乗し、3着。初のダービー制覇に期待がかかっていたと思いますが、如何でしたか」
「我ながら完璧なレースをしたと思うんですよね。
勝ち馬のグレートエスケープを見ながら、直線では仕掛けて……そこからさらに伸びましたから。
この時は……このレースで勝てないなら勝てる馬はいないんじゃないかな? って思いましたよ」
「フサイチコンコルドに差されちゃいましたね」
「そのこと頭に入らんかったわ」
「カナタさんも、驚きの強い勝ち方だったんですね。梶田騎手も仰っていましたが、グレートエスケープはここでさらに一皮剥けたんですね」
「普通はダービーがピークなんですけどね。ダービーを勝ったことで馬が勝利ということを理解するようになりました。
あの馬はすごい賢かったですから」
「確かに賢かったよな。ディープとか、キタサンブラックみたいに賢い馬はいるけど、ちょっと一線を画した賢さがあったよね」
「普通のと言ったら変なんですけど、賢い馬っていうのは悪いことを注意したらすぐやめるんですよ。
でもグレートエスケープは注意したらその場ではやめるんですけど、見ていないところでやるんですよ。
人のルールがわかってるんでしょうね」
「それはまたすごいですね! 競馬サークルでも有名ではありましたが、本当だったんですね」
「レースでは真面目ですけどね」
ダービー勝利、これはただのダービーだけでなく、陣営には特別な想いがあった。
オーナーの橘馬奈氏は若い身でありながら末期ガンにより余命幾ばくもない状態だった。
愛馬のためにも負けられないと、陣営の気合いは満点だった。
「この勝利はオーナーの橘氏にも捧げる勝利でしたね」
「そうですね、この時もう……かなり、体調を崩されていた時ですから。
グレートエスケープは橘オーナーに凄く懐いていましたし、勝てて嬉しかったと思いますよ。オーナーが亡くなってから寂しそうにしていましたから……」
「ふらつくオーナーを支えるグレートエスケープの写真は有名ですもんね。テレビで何度も放送されていましたし……」
「本当にいい馬ですよね。僕も負けたあとは正直、仕方ないのかなとも思いました。流石に口に出したら怒られるので、当時は言いませんでしたけどね」
日本ダービーを勝利した後、グレートエスケープは休養に入る。
その後、復帰戦の神戸新聞杯を快勝すると菊花賞へ駒を進め、1番人気に推された。
しかし菊花賞では滝カナタが騎乗するダンスインザダークの猛烈な末脚に屈して惜しくも2着に終わった。
「この時のダンスインザダークは強かったですね……映像に出てるカナタさんもめっちゃ喜んでる」
「いやー、ダービー勝てなかったし、クラシックは勝たなきゃって思いが強かったからね。
グレートエスケープに真っ向勝負を挑んで勝てたのは嬉しかったよ。
その後脚を悪くして引退しちゃったけど……」
「正直、黒井厩舎では一番チャンスがあるのは菊花賞って話でしたから。負けたのは悔しかったです」
「梶田騎手は直線で、グレートエスケープの手応えは如何でしたか?」
「『勝ったわこれ!』でしたよ」
「はははは……それだけ手応えがよかったんですね?」
「完璧に乗って、グレートエスケープも応えてくれましたから」
「ダービーでダンスインザダークに乗ってるとき、それは俺が思ったわ」
「完全に逆になりましたね。でも……これ言って怒られないかな」
「どうした?」
「ダンスインザダークが怪我しなくても、古馬になってからは負けなかったと思いますよ」
「まぁそうやね。菊花賞では勝てたけど、やっぱり正面きって戦うにはグレートエスケープの方が強いと思うよ。古馬になってからの方がグレートエスケープは強かったもんな」
「度々負けちゃいましたけどね」
「御二方の間でもグレートエスケープの方が強い、という見解なんですね」
「やっぱりね……ダンスインザダークもいい馬ですけどね」
「3歳春はなんだかんだ勝てなかったからね」
〇ジャパンカップ
このあとグレートエスケープは有馬記念ではなくジャパンカップを選択。
1番人気に推されると凱旋門賞馬エリシオ、キングジョージ勝利馬のペンタイア、後にドバイWCを制覇するシングスピールなどの海外の強豪馬を退け勝利。
内国産馬として史上初めて、3歳馬がジャパンカップを勝利した歴史的なレースとなった。
「ジャパンカップでは見事逃げ切り勝ちでGI2勝目。このときのメンバーがエリシオにシングスピール、ペンタイアと、錚々たる顔ぶれですね」
「凱旋門賞馬にキングジョージに……これだけのメンバーはジャパンカップに中々来ませんからね。カナタさんはこのレース乗ってないですよね」
「このときは多分……京都にいたんじゃないかな。このレースも一緒に走ってなかったわ」
「ははは……梶田騎手、このときは錚々たるメンバーの中で1番人気でしたけど、いかがでしたか」
「正直ダービーの時よりは気が楽でしたね。グレートエスケープも調子が良かったので、スタートが問題なければいつものレースをすればいいだけだったから」
「最後の100メートルくらいから追ってないもんな」
「この馬の持ち味が発揮されましたね。折り合いをついて、自分のペースで前を走ったら勝てる馬はそんなにいないですね。
特に東京競馬場みたいな大きなコーナーで、直線が長いと力が発揮しやすかったです」
「やっぱり、グレートエスケープは成績も東京競馬場の成績がいいですけど、梶田騎手も感じるところがありましたか?」
グレートエスケープの東京競馬場成績【4-1-0-1】
「ウオッカとか東京競馬場得意だったのは有名ですけど、グレートエスケープもそうでしたね。やっぱり気合いが入ったんでしょう。
馬って本来繊細で怖がりのはずなんですけど、大歓声とか聞くと気合いが入るタイプだったんですよ。
そのせいでかかるときもありましたけど」
「レースをよく理解している馬……だったね。強い馬は総じて賢いですね」
〇4歳シーズン
グレートエスケープは翌年、天皇賞・春でマヤノトップガンなどに敗北。さらに骨折で春のシーズンを棒に振ってしまう。
復帰は京都大賞典となったが、ここで滝カナタが初騎乗となった。
「4歳時の京都大賞典ではカナタさんはグレートエスケープに、梶田騎手はシルクジャスティスに騎乗していましたが……まずカナタさん。
グレートエスケープと初コンタクトというのは、如何でしたか」
「そうですね……イメージとしては結構ガツンとかかる馬なのかな? と思ってましたけど、健二からは大人しくて言うことをしっかり聞いてくれる馬と聞いたから。
調教では最終追い切りで初めて乗りましたけど『これはすごいな』って思いました」
「カナタさんにとって、すごくいい感触?」
「その年のダービーでスペシャルウィークで勝たせてもらって、さらに夏には札幌記念でエアグルーヴに乗ってたんですよ。
その2頭と比べても『ちょっとこれに勝てないかもな』と思ったからね……」
「カナタさんが言うから相当でしょうね。俺は年内シルクジャスティスの先約があって、そっちを優先したんですけど、京都大賞典の本馬場入場やパドックでは『やばい』と思いましたね」
「それは、勝てないという意味で?」
「カナタさんに盗られるって思って」
「あははは」
絶好の状態で臨んだレース。
しかし直線では持ち味の粘りは見られず、結果は最下位の12着に終わった。
これに対して勝ち馬であるシルクジャスティスに騎乗していた梶田健二と、グレートエスケープ鞍上の滝カナタは。
「結果的にはまさかの最下位でしたが、グレートエスケープはこのとき、どういう状態で」
「脚とか故障はなかったですね。ただ直線に入ったら手応えが急に悪くなって……粘るところを全く粘れなかったから、なんだろうなってみんな首傾げてましたね」
「僕はシルクジャスティスであっさり躱して勝ちはしましたけど、終わったあとすぐカナタさんに聞きに行っちゃいましたからね」
「ケンジはインタビュー終わったらすぐ『グレートエスケープは故障じゃないですよね?』って聞きに来たもんな」
「二回目じゃないかと心配してましたよ」
このあとグレートエスケープはジャパンカップを勝利。翌年は滝カナタとのコンビで阪神大賞典から始動した。
阪神大賞典を勝利すると天皇賞・春へ。
そこで後続を完封する横綱相撲で、グレートエスケープは4つ目のGIタイトルを奪取した。
〇5歳シーズン
「天皇賞・春は見事に先行押し切り。梶田騎手は引き続きシルクジャスティスに騎乗していていましたがどうでしたか」
「やっぱり強かったですね。シルクジャスティスは最後は一杯になってしまったけど、グレートエスケープは引き離していきましたから。メジロブライトやステイゴールドも相手にしていませんでしたね」
「カナタさんは前走に引き続き騎乗していました。前年と比べて乗り味といいますか、変化はありましたか?」
「やっぱり馬が直線でもスピードが落ちなかったですよね。この時は先行して、もう坂の下りに合わせて手綱を緩めたら自分から行って……本当の実力を初めて知った感じですね。
阪神大賞典はまだ余裕を残していたし」
「レースでは先行して、そのまま後続を振り切るという強い勝ち方ですよね。このレースの後、カナタさんはメジロマックイーンの名前を出しましたね」
「そうそう。体格とかはあまり似てないけど、適性が似てるなぁって。メジロマックイーンよりはステイヤーと言うより、スピードに対応できる方でしたけど」
「この時はメジロマックイーンに比肩するような名馬だと、カナタさんは感じたんですね」
次走は宝塚記念。
鞍上は梶田騎手に戻り、エアグルーヴやサイレンススズカらと三強を形成した。
結果はアタマ差の2着。稀代の逃亡者に対して、グレートエスケープは惜しくも届かなかった。
「宝塚記念。ここでやはり名前が出てくるのは、サイレンススズカ。カナタさんも思い出深い馬だと思いますが、この時鞍上は西井克洋騎手で。カナタさんはエアグルーヴ、梶田騎手は再びグレートエスケープと。
今こうしてみるとすごい豪華なメンバーですね。
さらにはステイゴールドやメジロドーベルなんかもいて」
「まぁ、面白いときでしたよね。グレートエスケープが1番人気でしたけど、サイレンススズカやエアグルーヴも変わらないくらい人気でしたよね」
「梶田騎手は人気こそ分け合ったとのことでしたが、この時の自信のほどは」
「負けられないって思ってましたよ。いやほんと……黒井先生(※グレートエスケープの管理調教師)から『結果残せなければ腹を斬れ』と言われましたから」
「はははっ。ケンジは乗せてくださいってお願いしに行ったんだっけ?」
「お願いしますって恥を忍んで言ったらそう言って……でも優しい人ですよ。普通乗せないですからね」
「シルクジャスティス選んだんだもんな、一度は」
「ああ、やっぱり一度ほかの馬に乗ってしまうと、ちょっと難しいことがあるんですね」
「普通はないけど、グレートエスケープほどの馬でしたからね。怪我でちょっと依頼とか予定が合わなくなってしまったのもあるんですけど」
「負けられない思いで臨んだ宝塚記念ですが、グレートエスケープは2着」
「やっぱりサイレンススズカが強かったですね。最後は届くかなと思いましたけど、捉えきれませんでした」
「カナタさんは如何でしたか、宝塚記念は」
「僕はもう……エアグルーヴの手応えがあまりよくなくて、最後は少し苦しくなってたから……早めに捉えようとして動いたのに、前の方がいい脚使ってるんですから、そりゃ勝てないですよ」
「結果的にサイレンススズカが初GI制覇……すごいレースでした」
グレートエスケープは札幌記念でエアグルーヴと衝突。レコード決着となったレースではハナ差で惜しくも敗れる。
次走は天皇賞・秋となり、再びサイレンススズカとの激闘が期待された。
しかしサイレンススズカは競争を中止。
グレートエスケープはそのまま逃げ切り、史上2頭目の天皇賞春秋連覇を達成したが、涙無しには語れないレースだった。
「まずは梶田騎手ですが……レース前、やはりサイレンススズカは意識していましたか?」
「そうですね、東京2000mでグレートエスケープに勝てる馬は当時はサイレンススズカくらいだと思っていましたから。
自分のペースで逃げると思っていたぶん、グレートエスケープもそのペースについていかせようとしました」
「結果的にはサイレンススズカに故障が発生し、中止する中でそのまま1着で入線しました。レース後はやっぱり異様な雰囲気だったように感じましたけど……」
「やっぱり、どよめいていましたよ。僕もどうなったのかすごく気になりましたし……グレートエスケープも、やっぱり勝ったときの雰囲気とは違ったんでしょうね。
普段は勝ったあとは堂々としているんですけど、すごいキョロキョロしてました」
「カナタさんとしては、やっぱり語りづらいところもあると思うんですけど……」
「まぁ、いい馬でしたし、思い出の馬でもありますから。この時は本当に絶好調でね……グレートエスケープも千切れると思いました」
「展開予想としては如何でしたか」
「予想も何もなかったですよ。もう、スズカのペースで逃げるだけでしたから。付いてきた時は『おっ?』と思いましたけどね」
グレートエスケープは天皇賞・秋を勝利すると、ジャパンカップを回避して有馬記念へ。
ここでは1番人気に推され、ラストランの予定のエアグルーヴや、古馬戦線で戦ってきたメジロブライト、この年の二冠馬セイウンスカイや2歳王者グラスワンダーを相手に先行して押し切る競馬で勝利した。
「では梶田騎手……有馬記念は前年のシルクジャスティスに続いて2連覇。
このときは強い相手も多くいましたが、1番人気。レース前からは黒井調教師の自信を持った発言が多くありましたが、梶田騎手としては如何でしたか」
「中山芝2500mがトリッキーなコースですから、正直ジャパンカップの方がよかったかもな、とは思いました。
ただ、この時は心身共に充実していましたし、小回りの中山でもやれるという自信はありました。
黒井先生の自信満々な発言には『大丈夫ですか!?』ってプレッシャー感じていましたけどね」
「すごい自信満々だったよな……俺はエアグルーヴに乗ってたけど、実際強かったよな。ディープインパクトみたいなわかりやすいタイプではなかったけど、すごく安定感があった。
わかりやすく王道の競馬ができる馬でしたからね……」
「映像では内側の芝は避けて……このとき中山競馬場の芝コースは内側がすごい荒れていたとお聞きしていますが、セイウンスカイもかなり内側から離れて逃げていますね。グレートエスケープのレースプランなどはあったんですか?」
「そうですね、これでだいぶやりやすくなりました。もっとスルスル逃げるならしっかり付いていこうと思いましたけど、セイウンスカイも楽に逃げられないですから。
いいポジションをとって、折り合いをつけたらあとはグレートエスケープに頑張ってもらった形ですね。
かからない馬なので、本当に楽ですよ。ちょっと正面スタンド前の歓声では行きたくなる素振りがありましたけど、自分でこらえてましたから。
正直、ずっと乗ってきてこのときのグレートエスケープが一番良かったかもしれないですね」
「5歳の年末で最高の状態と……カナタさんはエアグルーヴに騎乗していましたが、グレートエスケープに対しては」
「マークしようとしていましたけど、ちょっとエアグルーヴも途中で落鉄してしまったのでついていけなかったですね。
早めに仕掛けたのもあって、最後は苦しくなりましたし……不運ではありましたけどね。ただ、これだけ勝つ馬と真っ向勝負し続けた牝馬なんてずっといませんでしたから……グレートエスケープが活躍した分だけ、エアグルーヴの凄さが伝わるんじゃないかな」
「直線ではセイウンスカイを躱し、グラスワンダーとメジロブライトが追い込んできますが寄せ付けず勝利。
グラスワンダーもよく復活しましたが、抑え切りましたね」
「グラスワンダーも強かったですけどね、グレートエスケープも前に付けてあれだけの上がりを使っていましたから。
後ろの馬には苦しい展開でしたよね。正直道中は楽に走れたので、後ろはあまり気にしませんでした」
「これでグレートエスケープはGI6勝、翌年は凱旋門賞へ進むことになりました」
〇海外遠征
グレートエスケープは6歳シーズンも現役を続行。
陣営は欧州長期遠征を決定した。
初戦のプリンス・オブ・ウェールズSを快勝したが2戦目のエクリプスSでは7着と大敗。
不安を残しながら、イギリス最高峰のGIレース、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSに出走した。
「海外遠征は本来梶田騎手が騎乗する予定でしたが、直前に落馬して大怪我、そのため滝カナタさんが騎乗することになりました」
「健二ほんと持ってないよな」
「ちょ、やめてくださいよ……元々欧州のジョッキーに乗ってもらう予定もあったらしいですけどね」
「メモリアルとか、フランキー……ベットーリですね。バリエも乗りたいとか言ってたかな」
「その中でオファーを頂いたので本当に光栄なことだったので嬉しいんですけど、落ちました」
「馬からね」
「陣営もやはり一番馬をよく知る梶田騎手で、というところだったんでしょうが……そこからカナタさんへオファーがありましたけど、欧州の騎手より優先で、ですか」
「馬主の橘オーナー……亡くなったオーナーの妹さんなんですけどね。『グレートエスケープはフランス語とか英語わからなさそう』ってことで、日本人で騎乗経験がある僕にオファーが来ました」
「あ、そういう……とてもユニークなオーナーで……」
「ちょっと天然なところがある方でした。でもグレートエスケープのことをすごい大事に思っていて……勝った時はすごい喜んでいましたからね。
欧州でもぜひお願いします、と」
「そこで迎えた当時GIIのプリンス・オブ・ウェールズSは快勝したものの、エクリプスSで敗北と……カナタさん、これはやはり欧州の馬場が合わないとか、そういうところでしょうか」
「いやー……そんなに馬場は苦にしてなかったんじゃないかな。
黒井先生や当時調教助手の白村くん……今は調教師になりましたが、白村さんはイギリスに来たばかりのときはすごい苦労しながら走っていた、と言ってましたけど、そのときは楽に走れていましたからね。
エクリプスSでは結構引っかかってしまって……僕も控えた競馬をしようと思っていたのもあって……ちょっとチグハグになってしまった結果、直線では脚が残ってなかったですね」
「控えて、というのは逃げるよりも先行した方が、といったところでしょうか」
「無理にハナを取ろうとは思ってなかったので……他に行く馬がいたから控えようと思いましたけど、グレートエスケープが行きたがってしまいましてね……まぁ僕もちょっと逃がすか逃がさないか中途半端になりまして……下手に乗っちゃいましたね」
「梶田騎手としては、このレースいかがですか」
「いや……あまり言えないですよ、カナタさんが乗ってるのに」
「内心、下手くそって思ってるんじゃない?」
「いやいやいや! やっぱり実際に乗らないとわからないですから……テレビで見てましたけど、直線で『あー』って言ってたのは覚えてます」
「やっぱり落ち込みましたか」
「イギリスの……それも中距離のGIですからね。やっぱり偉業達成の瞬間を見たかったですよ」
「いやぁ……ごめんなさい」
「あはははは!」
〇キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス
「そして迎えたキングジョージですが、グレートエスケープは3番人気」
「前走あれだけ負けた後にしては評価してもらえてますよね。調教もちょっと暴走したりと、珍しいところを見せましたけど……状態はそんなに悪くないですよ?」
「僕もスポーツ新聞で知りましたけど2面か3面かな? 『グレートエスケープ、ニューマーケットで爆走! カナタ落ちかける!』なんて見出しでしたから、エスケープはアカンちゃうかなとか思いましたよ」
「でもカナタさんや黒井調教師の間では悪くはなかったと」
「そうですね……グレートエスケープもイギリスの馬場の走り方を理解してきましたし、レースを使ったことでやっぱり闘志とかもあるんでしょうね、興奮しすぎず、かといって静かになりすぎず、いい塩梅でレースに入れました」
「キングジョージは映像とともに振り返っていきましょう。スタートはどうですか、良いように見えますが」
「ロケットスタートでした。やっぱりゲート上手いよな?」
「グレートエスケープはゲート上手いですよ。ただ大事なところでコケたりするだけで、タイミングとって出ようとしますから。常に100%のスタートを狙った結果、馬場が悪いと足を滑らせたりするんでしょうけど」
「グレートエスケープは非常にゲートが上手いと……それもあって逃げ、あるいは先行で結果を残しているんですね」
「前に行けるなら前にいた方がいい馬ですから」
「道中は緩まず、早過ぎず、平均ラップですね。カナタさんは道中どのように気をつけて乗っていましたか?」
「時計が速くなるとデイラミがいましたから、それだけを気をつけていましたね。瞬発力勝負にならないよう、ポジションは早くに上げられると思ってましたし」
「なるほど。梶田騎手でしたら如何ですか、このキングジョージでは」
「当時の僕なら少し後ろを離して逃げたかもしれないですね。付いてくるかどうかにもよりますけど。後ろの馬がね」
「ああ、なるほど」
「梶田先生の御眼鏡に適う騎乗ができたかどうか」
「変なこと言うと番組の後呼び出されるからノーコメントで」
「ははは……」
「でも今の僕だったら……逆にデイラミにぴったり合わせちゃうかもしれませんね。日本の馬場では前でやった方が確実だったのでそれをしましたけど、欧州ではそこまで切れる脚は繰り出せないですから」
「今の梶田騎手ならマークする形で進めて、差し切る戦法を取るんですね。
最後の直線ですが、デイラミとの一騎打ちでした」
「最後の直線は気合い入りましたよ……併せる中でフランキーとぶつかるくらいでしたし、何度かお互いの肘とか腕が当たって追いながら『フランキーごめーん!』『カナタごめーん!』って言い合ってました」
「ぶつかり合うほど激しいスパートだったんですね。最後の直線ではどうでしたか、手応えは」
「いやぁ、勝ったなと思いましたよ。クビ差出てるのはわかってましたし、クビだけ前に出るようなタイミングでしたから」
「あー、そこまでわかるものなんですね」
「こんなこと言ってますけど、カナタさんはレースの後『首の上げ下げのタイミングを上手く合わせられたわ』って誇ってましたから」
「やめろ健二。たまたまですよ。たまたま……ただ、グレートエスケープはそれだけ強い馬でしたから。やらないとね、これグレー(これぐらい)、と」
「ははは」
「わはは」
〇凱旋門賞へ
「凱旋門賞は不良馬場で行われました。相手には先程のデイラミに加えてエルコンドルパサー、モンジュー、クロコルージュといった名馬がずらりと並んでいますが……流石の凱旋門賞ですね。
人気を背負っての出走ですが……カナタさんとしては、ホワイトマズル以来で日本調教馬に騎乗して初の凱旋門賞でした」
「いやー、勝っちゃいましたね」
「いきなりそんな……このときの心情としては如何でしたか」
「緊張とかはあまりなかったですね。むしろキングジョージの方が緊張してましたし、馬に気づかれたくらいですから。
前走勝って、もしかしたら勝てるかもっていうワクワクの方が強かったですねー……スタートした瞬間は『えぇっ!?』って思いましたけどね」
「カナタさんとグレートエスケープが出遅れた時すごかったですよ、日本では日曜の競馬開催終わったから後輩呼んで家でレースを見てたんですけど……全員が『あぁーっ!』って叫びましたから」
「日本中が叫んだやろなぁ……」
「それだけ期待を背負っていましたし、逃げ馬としてみんな考えていますから出遅れというのは、かなりきついですよね」
「俺たちはすぐにエルコンドルパサーの応援に切り替えました」
「薄情な後輩ですよ」
「結果的に中団から……これはもう末脚にかける、という判断ですか」
「あまりスローにはなっていませんでしたし、ちょっとスタート後にかかりそうになりましたけど、すぐに落ち着きを取り戻しましたから……これなら脚を溜めよう、と思って追走しました」
「グレートエスケープは逃げ、或いは先行で結果を残してきましたけど、中団での競馬というのは如何でしょうか」
「賢いし、馬群も苦にはしないですからね。全然ダメってことは無いです」
「ただ当時のサンデーサイレンス産駒みたいな瞬発力……最高速度までの加速力はちょっと負けてしまう場面がありましたね。
やっぱり前で進めた方がいいんですけど、このときの凱旋門賞みたいに捲っていくレースもできますよ。最高速度はちゃんとあるので」
「では勝算がないわけではなかった、というわけですね。レースはエルコンドルパサーが単独で逃げて、モンジューは内側、デイラミはグレートエスケープのすぐ内側で控える展開です。このまま直線に向かって……フォルスストレートでするする上がってますね、グレートエスケープは」
「軽く促すだけでじっくり加速してくれましたよね。大抵の馬はがつんと引っかかるのを抑え続けるか、全然行こうとしない馬に何回もゴーサインを出すかのどちらかなんですが、グレートエスケープは合図を出すとスッと前に出てくれますね」
「テレビで見てても『手応えいいけどいけるんじゃないか!?』って僕らもまた盛り上がりましたよ。
直線ではエルコンドルパサーが粘っていたし、日本馬が勝てる! と思いましたけど……」
「最後はモンジューがすごい脚を使ってましたね。不良馬場であるにも関わらずこの走り……しかしさらに外からグレートエスケープが伸びてきました。
そして最後はクビ差捉えきって勝利、エルコンドルパサーも差し返して2着と日本調教馬がワンツーを達成しました。
カナタさん、凱旋門賞の最後はどうでしたか」
「嬉しかったですねー。本当にもう、最後はグレートエスケープが頑張ってくれたって感じでした。
これまで逃げと先行でやってきた中で差した訳ですから、本当にすごい馬ですよ」
「当日はもうお祭り騒ぎだったんじゃないですか?」
「いやぁ、グレートエスケープが完全に疲れきってたので、ささやかな食事会をしたらすぐ解散になりましたね。
世界一になった割にはこじんまりとしてましたけど、僕は好きでした。
その日のワインは美味しかったです」
「カナタさんこんなこと言ってますけど、この日はベロベロになって次の日の飛行機を寝過ごしてますからね」
「あっ、そうだったんですか!?」
「まぁ……朝起きないのはよくあるんですけど、次の日もすごい気持ち悪かったですから、あんなに飲んで気分悪くなったのは……サイレンススズカの天皇賞・秋と、ディープインパクトが負けた有馬記念くらいですよ」
「じゃあこの日は勝利の美酒ということで……盛り上がりましたか」
「凱旋門賞に出ていたエルコンドルパサーに乗っていた海老原くん……同級生だけあってね、彼は優しいですよ。二日酔いでダウンしてる僕と一緒に残って帰ってきてくれましたから」
「競馬学校時代からの同期ですけど……助けられてしまいましたね」
「海老原くんからは『潰れたいのはこっちだよ』と怒られました」
「梶田騎手はご自宅でとのことでしたが、後輩の騎手たちと盛り上がりましたか」
「それはもう。次の日オフなのもあってどんちゃん騒ぎしてました」
「誰が来てたの? 遊四郎(滝カナタの弟)がいってたのは覚えてるけど」
「確か……勝山星樹、前川浩児、御幸英美……あたりだったかな? 本当に若い後輩連中がメインだったですね」
「遊四郎がケンジの奥さんにすげえ怒られたって言ってました。全員怒られたらしい」
「騒ぎすぎましたね。テキより怖かったです」
「でもそうなるくらいの快挙ですからね……グレートエスケープはこの凱旋門賞勝利でラムタラ以来の凱旋門賞とキングジョージの同一年制覇。これも話題になりましたね。
カナタさんはどんな感想ですか」
「日本の馬がイギリスとフランスの最高峰のレースをダブルで制覇するわけですからね。本当に幸せなことだなと思いますよ。
それでもあれからまだグレートエスケープに続いて凱旋門賞を勝つ馬は出てきていませんから。
ディープインパクト、メイショウサムソンに乗ったけど勝てませんでしたし、オルフェーヴルなんかも勝てなかった。
またグレートエスケープみたいな馬に出会いたいです」
「梶田騎手は如何でしょうか」
「騎手をやっていて、未だにグレートエスケープに乗れなかったのは心残りですね。
正直、数年前とかは騎手やめようと思う時もあったんですけど……また凱旋門賞に挑む時までは、と思って頑張っています。
早くグレートエスケープよりもすごい馬に乗りたいです」
「ありがとうございます。御二方からとても熱いコメントを頂いたんですが……まだ、引退レースのジャパンカップが残っているんですよ」
「あっ、そっか」
「完全に終わりの流れでしたよね」
「ちゃんと最後までやらせていただきます。ラストランとなったジャパンカップでは、スペシャルウィークと激突しました――」
×××
ジャパンカップのことを最後に語られてから、滝カナタTVはグレートエスケープの紹介を終えた。
きっと、全てを語った訳では無いのだろうが、二人はグレートエスケープが好きだったことは間違いないのだろう。
グレートエスケープを語る時は、なんだか楽しそうな表情に見えたから。
「うーん……種牡馬としては死んじゃったんだもんな……グレートチャンプは……あっ、一昨年にそのまま凱旋門賞まで勝っちゃったんだ。
すげえな……」
私はウマ娘として実装されたグレートエスケープのファンアートが投稿されているSNSを見て回った。
見る度に、グレートエスケープに興味が惹かれていくのを感じた。
「……次はどんなものを調べようか」
いっそのことグレートエスケープの故郷まで行ってみようか、と北海道行きの経路を調べてみるのだった。
仕事なんていつでもできる。
ジョッキーたちがグレートエスケープと出会ったときのように、私もグレートエスケープを知ったのだから――今この時が、大切だろう。
私は躊躇することなく、宿の予約をするのだった。
空気になっているウマ娘パート。連載中から「毒にも薬にもならんウマ娘パート」「ウマ娘パートいる?」「あっ、読み飛ばしてるっす……」と定評のあるウマ娘パートを投稿しないと……本当に空気になる……
本音を言うとやっぱ同時連載は無理があったので書き直したい気持ちもある!!
それはそうとネタ募集アンケ中です。
気が向いたらどうぞ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=270000&uid=37842