【デレマス×ガンダムブレイカー3】CINDERELLA of Gund@m breakerS 外伝 エクストラバトル編   作:擬態人形P

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序章:エクストラバトル(泉・さくら・亜子)

雪原をモチーフにした白い大地のステージを複数の白服のスノーボーダーが駆ける。

………否、それはスノーボーダーでは無い。

モノアイレールのカメラアイを持ったモビルスーツ…「ジュラッグ」と呼ばれる機体の寒冷地用仕様だ。

「ポーラ・ベアー(ホッキョクグマの英名)」とも呼ばれるその機体の群れは、スノーボードに見立てたシールドである「スレッジ」で滑走し、メイン武装の「ビームマシンガン」を小刻みに自分達の敵に向かって乱射してくる。

しかし………。

 

「ぶっ放しまぁす!!」

 

威勢のいい…しかし、何処か可愛げのある咆哮が聞こえた途端、巨大なピンク色のビームがそのジュラッグの群れを薙ぎ払う。

四門の「シグマシスキャノン」による固有EXアクションである「フォートレスフォアブラスター」が炸裂したのだ。

その圧倒的な威力と光は戦場をピンクに染め上げ、ジュラッグの群れを文字通りかき消していく。

 

「それそれそれそれぇ!」

 

反応が追いついた機体は「スレッジ」で防御態勢を取ろうとするが、圧倒的な威力の前にパーツをバラバラに撒き散らして消し炭になるだけである。

そして、砲撃が止んだ瞬間、その場にいた機体は全て消滅していた。

 

「やったよー!イズミン!アコちゃん!」

 

声の主は346プロのアイドルの村松さくら。

彼女は「ジェスタ」をモチーフにした「ジェスタ・ピーチブラスター」と命名したピンク色に塗装されたガンプラを駆っていた。

「ブラスター」の名の通り、砲戦に特化した機体で「ガンダムヴァーチェ」の「GNバズーカ」に、「ジェスタ・キャノン」の「4連マルチランチャー」や「ビーム・キャノン」といった豊富な武装を取り揃えているのが大きな特徴だ。

オプションも砲撃を強化する物を重視している他、「熱核ホバーエンジン」でホバー移動が出来るので機動力も確保できている。

 

「流石さくらね、偉い偉い。」

「敵増援のペースがさくらの砲撃に追い付いとらんな~………。後詰めのアタシの出番も無いし、それだけさくらが凄いってことやな!」

 

さくらのピーチブラスターの頭?をよしよしと撫でるのは青い「ジェガン」と黄金の「ジムⅢ」。

青いジェガンを扱うのは大石泉。

「ジェガン・ネイビーリコン」と命名されており、「EWACジェガン」をスリムにしたフォルムをしている。

ビルダーズパーツでレドーム等を作成した他、実際にオプションでセンサー系統などのサポート能力を強化しているのがポイントだ。

さくらが砲戦機なら泉は「リコン」の名が示す通りの偵察機。

敵陣に斬り込み、情報収集をして仲間の二人に敵の情報を伝達し、更には強化しているスピードや運動性でかき乱すのが役目だ。

そして、黄金のジムⅢを扱うのは土屋亜子。

「ジムⅢ・サルファーアーマー」と名付けられたガンプラは、射撃武装こそ、最低限しか無いものの、接近戦では「ガンダムエピオン」の「ビームソード」が猛威を振るう。

何より「アーマー」の名の通り、全身に施された「アレックス」の「チョバム・アーマー」や「デュエル」の「アサルトシュラウド」が目を引く。

オプションでとにかくガチガチに硬くし、敵から目立つ黄金で塗られた鎧で囮役を担うのが本機の仕事だ。

また、前に飛ぶだけのブーストの出力も上がっている為、敵の懐に飛び込むだけの瞬発力もある。

さくら・泉・亜子の3人のユニットである「ニューウェーブ」は個々の役割がハッキリしており、泉が敵陣に飛び込み情報を収集しながらかき乱し、その情報を受け取ったさくらが砲撃で薙ぎ払い、逃げ延びた敵を亜子が近接戦闘でトドメを刺すのが一番の特徴だった。

だが、今回の「テスト」はさくらのピーチブラスターの火力が強すぎて、亜子のサルファーアーマーの出番がなくなってしまった。

しかし………。

 

『流石に彼等だけでは力不足みたいですね………。』

『やっぱり、俺達が頑張らねぇとな!』

「!?」

 

通信と共にまた複数のジュラッグのホログラムが現れ実体に代わる。

それと共にアラートが響き、空から新たな敵が降ってきた。

 

「その声………、もしかして、カリス・ノーティラスさんにガロード・ランさんですかぁ!?」

「大将機のお出ましやな!」

『手合わせ願いますよ、ニューウェーブの皆さん。』

『炎のモビルスーツ乗りの力、見せてやるぜ!』

 

現れたのは白い流線型の「ペルティゴ」に似たガンダムと白を基調とし肩が青く塗られた「ガンダムX」に似た機体。

 

「「ガンダムヌーヴェル」に「ガンダムX3号機」ね………。敵の動きは………!」

 

初めて戦う敵ではあるが、予め知識として持っていた泉が「ギュネイ専用ヤクト・ドーガ」の「ビーム・アサルトライフル」をすかさずガロードのガンダムX3号機に向け、連射する。

 

『甘いぜ!』

 

だが、ガロードは難なくそのビームを躱すとお返しと言わんばかりに泉に向け、右手に持った「シールドバスターライフル」と左肩に担いだ「ハイパーバズーカ」を同時に撃ってくる。

 

「させへんで!」

 

流石に回避が難しかった攻撃を亜子機が射線上に入り、受け止める。

「耐ビームコーティング」や「アサルトシュラウド」等で強化した装甲には、さほどのダメージは無い。

しかし、ガロードはすかさず装備を入れ替えると「大型ビームソード」で亜子機に向け突進してくる。

亜子はエピオンのビームソードで対応。

高出力のビーム刃の鍔迫り合いになる。

 

『この距離なら砲撃支援はできないな!』

「成程!………でも、「サテライトキャノン」を使わず、アタシと接近戦とはええ度胸や!」

『アレを使うだけの隙も無いし、使いたくはないからな………それに、敵は俺だけじゃないぜ!』

「というと………!?」

 

ガロードの後方で只、たたずんでいるだけに見えたカリスのガンダムヌーヴェルが、両腕に搭載された「スラッシュシールド」から無数のコマのような物体を飛ばす。

 

「い、イズミン!アレ、何!?」

「「AIドローンビット」!72基のオート操作のビットによる攻撃よ!」

「な、ななじゅうにぃ!?」

 

泉から告げられたその恐るべき数を聞いたさくらは、無数に湧いてくるジュラッグを迎撃しながら仰天する。

カリスはそのビットに指示を出すと、亜子機に指を向ける。

 

『ビットよ!僕の敵を討て!』

「うわわわわ!?」

 

亜子機の周りに集まった無数のビットが、全方位から細かいビームを放つ。

ある程度制御がされているのか、ガロードのガンダムX3号機には傷がつかないのに、亜子のサルファーアーマーにはどんどんビームが集中する。

 

「り、「リペアキット」!………ってどんどん回数が減っていく!?」

 

塵も積もれば何とやら。

じわじわと耐久値が減っていく為、亜子は最大計20回使える、自機を回復させるリペアキットを連続で使っていくしかない。

後何回使えるか分からない回復の恐怖が重なると自然とビームソードの動きも鈍り、その隙を狙ったガロードの大型ビームソードを受けていき、更に状況は悪化する。

 

「い、いずみ!援護して!!」

「ゴメン!私もさくらも似たような状況!」

 

泉のネイビーリコンとさくらのピーチブラスターにも、AIドローンビットが集中している。

更に泉機にはカリスのガンダムヌーヴェルが詰め寄り、さくら機にはジュラッグ達が群れてきている。

 

「急に難易度高すぎやろ………。どう打開する、いずみ!」

「『フィールドリペア』で三機全てを一度に回復する!その隙に………!」

 

泉は隙を見てドローンビットを何とか撃ち落とそうと砲撃を空に放つさくらに敢えてオープン通信で叫ぶ。

 

「さくら!亜子ごとガロードを吹き飛ばして!」

「ええっ!?」

『何ぃッ!?』

 

とんでもない指示に驚くさくらとガロード。

しかし、亜子は泉に回復して貰った瞬間に、動揺したガロードに向けチャンスと言わんばかりに詰め寄り、また鍔迫り合いにもっていく。

 

「そう来るか!構わへん!さくら、撃て!」

「撃てませぇん!」

「可能性に殺されるぞ!………じゃなくて、いずみを信じろ!はよ撃て!」

「………ゴメンねぇ、アコちゃん!」

 

さくらはGNバズーカを構えると亜子のサルファーアーマーとガロードのガンダムX3号機に向けてピンクの圧縮粒子の球体を作り出す。

 

「GNバズーカ!ハイパーバーストモード!!」

『やっべっ!?』

 

さくらが本気で撃ってくるのが分かったガロードは亜子機を蹴り飛ばし後ろにステップをしてバランスを崩しながらも避ける。

結果、GNバズーカから放たれた高出力の球体は亜子機だけを巻き込み爆散するが………。

 

「いっくでーーーッ!!」

『いいッ!?』

 

爆炎の中から一直線に飛び出してくる亜子のサルファーアーマー。

シールド扱いのチョバム・アーマーのパーツが外れていたが、右手に持ったビームソードは無事だった。

予想外の亜子機の出現にガロードは横に避けようとするが、もつれた足はそう簡単に言う事を聞かない。

それを泉は見越していたのだろう。

亜子はこの機を逃すものかとガロード機に突撃するとEXアクションの「ブラストタックル」の体当たりから「スラッシュペネトレイト」の斬り払い、更には「ブレードストーム」の連続攻撃を喰らわせて、最後に打ち上げる。

 

「さくら!でっかい花火や!」

「「メガランチャー」!!」

 

胸から極太のビームを放つさくらのピーチブラスター。

高威力の連続攻撃からトドメの砲撃を受けたガロード機は空中で爆散する。

 

『ティファにもっといい所見せたかったなぁ………。でも、アンタ達凄いぜ!』

 

そう愚痴と称賛の言葉を言いながら。

 

『さくら機の威力と亜子機の耐久値、そして貴女自身の回復値をしっかり計算していたようですね。』

「それが私の役目。戦術プランは常に練っておかないと。」

 

ガンダムヌーヴェルに備え付けられたスラッシュシールド先端の「ビームサーベル」を躱しながら泉は答える。

勝利の為に必要な事は仲間を信じる事。

幸い、彼女にはプライベートにおいても、アイドル活動においても、そしてガンプラバトルにおいても、その仲間が存在した。

それが、一見無茶苦茶に見えるプランも可能にしてくれるのだ。

実際、足止めをされる形になった泉のネイビーリコンも、逆にカリス機を足止めしていると判断すれば、状況は変わってくる。

そこに、ガロード機を撃破した亜子のサルファーアーマーとさくらのピーチブラスターも飛んできた。

 

『僕らの完敗です。貴女達の未来が明るい物であることを願います。』

「ありがとう、優しいAIね、貴方達は。」

 

大きくパワーバランスが崩れた事で、間もなく勝負は決した。

 

 

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「お疲れ様、バトルはどうだった?」

「最後は随分激しい戦いだったが、やっぱり難易度がきつかったか?」

 

346プロに設置された「ガンプラバトル」のシミュレーターから出てきたニューウェーブの三人に向けてアイドル仲間である八神マキノと池袋晶葉が話しかけてくる。

彼女達二人と泉は電子機器に詳しいアイドルという事で、このシミュレーターの整備を担当している。

独特な設定を持ったガンプラ談義にも熱が入る事があり、最近はよく話す機会も増えていた。

 

「雑魚敵とボスのレベル差が気になるわ。もう少し調整が必要かも。」

「でも、楽しかったでぇす!」

「最後はやっぱりいずみの戦術勝ちだったけれどな~。」

 

泉と共に、さくらと亜子もそれぞれ感想を言っていく。

今回のバトルは実は「テストプレイ」であって、今回のバトルのステージが実際のシミュレーターに対応されているわけではない。

それもそのはず、実は今回登場したジュラッグ、ガンダムヌーヴェル、そしてガンダムX3号機は………。

 

「シミュレーション非対応機。原作のパイロットをモチーフにしたAIを含め、どんな動きをするか興味があったが、これは面白そうだ。」

「あれ?マキノさんもバトルしたくなったんですかぁ?」

「正直に言えば………ね。私も晶葉もうずうずしていたのは事実よ。」

「アレだけの柔軟性と動きを見せられて興味を持たない方がおかしいだろう。」

「まあなぁ………。しかし、カドマツさんもおもろい物持ってきますな!」

 

亜子がその場にいたもう一人の人物………唯一アイドルでなく男性である人物に話題を振る。

カドマツと呼ばれた男は色々と考えこみながら発言をする。

 

「ニューウェーブの嬢ちゃん達を実験台にする形になって申し訳ないが、正直俺も驚いてるよ。現在ガンプラバトルシミュレーターを管理しているVer.3の運営の中にこういう部門がある事は知っていたが、まさかここまでの事をやっていたとはな………。」

「ところで………そろそろこんな素敵なバトルのデータを披露してくれた、詳しい経緯を明かしてくれないかしら?」

 

マキノの言葉にカドマツは説明する。

シミュレーターには、まだまだ非対応のガンプラが存在している。

そうしたガンプラの種類を少しでも増やす為に、実験的にデータを盛り込んでいる部門がある。

そうした部門では、更に実験的にそのガンプラのモチーフになった機体の搭乗者のAIを搭載するという実験も行われているらしい。

 

「その1つが今回のガンダムX世界………いや、「機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」」をモチーフにしたバトルというわけさ。」

 

この世界はガンダムXの続編で、成長したガロード・ラン達が登場する漫画作品である。

今回のバトルに登場したAIや機体はその物語に登場するモビルスーツをモチーフにしたものが含まれていた。

まだ未対応のモビルスーツやAIと試験的に戦える。

そんな、ある意味素敵な企画の部門の秘蔵データを何故外部のカドマツが持っているのかというと………。

 

「やっぱり………先日の件ですか?」

「ああ。ミスターガンプラから「お詫び」という形で実験的なデータを幾つか貰ってな。」

 

ジャパンカップのエキシビジョンマッチ。

「彩渡商店街チーム」とミスターガンプラのバトルが終わった後、突如「タイムズユニバース」の若き経営者であるウィルが乱入してきた。

そして、ミスターガンプラを倒した村上巴達を圧倒した後、後日直々に彩渡商店街チームの前に現れ、宣戦布告してきたのだ。

 

「ミスターガンプラの話じゃアイツにも色々何か思う所があるらしいが、こっちも黙って負けてられないからな。俺も大人の一人として色々考えたのさ。」

「カドマツさぁん………。」

 

思わずさくらは涙ぐみそうになる。

大人として、カドマツはリーダーのミサに発破をかけて修行の旅に出し、ロボ太の方を改修しながら、更には巴を始めとしたアイドル達にも何か提供できないか考えていたのだ。

 

「ええなぁ………。そういう人物の存在は有難いわ。」

「おいおい、褒めても何も出ないぞ?悪いが俺も暇じゃないんだからな。」

「謙遜しなくていい。もしかしたら父性とは、そういう物なのかもな。………で、その結論が、ミスターガンプラから密かに譲って貰ったそのシミュレーションのデータってわけか。………「エクストラバトル」とも呼べばいいか?」

 

何か含みのある亜子や晶葉の言葉を聞きながら、カドマツはデータの入ったメモリを複数取り出す。

このデータは修行の参考としてジャパンカップに出た村上巴、喜多見柚、関裕美、藤原肇、荒木比奈の5人のアイドル達を高める為に使えるだろう。

問題は………。

 

「誰からこのエクストラバトルのデータを渡していくかだな………。先にアジアツアーに行く裕美の嬢ちゃんのグループにはうってつけの物を内緒でモチヅキに渡してあるが………。ここに関して、マキノの嬢ちゃんは何かいい情報入手してるか?」

「勿論。………と言ってもあまりいい情報ではないな。一緒に修行をしているユニットの人達に密かに人間観察をして貰ってるんだけれど………その五人の中で、一人ちょっと焦りを抱いている娘がいるのよ。」

「焦り………?巴の嬢ちゃんか?」

「いいえ、巴よりは柚かしら。」

「柚の嬢ちゃん?確かに祝勝会じゃ、かなり荒れてたが………。」

 

マキノは説明する。

とても友達想いで、実は負けん気が強くて、今は少し空回りしてしまっている少女の事を。

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