【デレマス×ガンダムブレイカー3】CINDERELLA of Gund@m breakerS 外伝 エクストラバトル編   作:擬態人形P

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4章:結晶となるアイディア(比奈・菜々・奈緒・春菜・由里子)・1話

荒木比奈はアイドルであり、オタクである。

………というよりは、オタクだった所をアイドルにスカウトされたという経歴がある。

その為か、彼女はアニメ等の二次創作漫画を描くのが趣味だ。

只、お世辞にも「締切」を守れる程の計画性と時間には恵まれてない為………。

 

「ああ!沙紀ちゃん、由愛ちゃん!本当にありがとうっス!二人がいなかったら今頃どうなってたか………!」

「いや、いいんすけれどね。前にもボロボロになった比奈さんの手伝いにみんなで行った事あったし。」

「でも………比奈さん、目の下にクマ出来てますよ?もしかして、また徹夜したんじゃ………。」

 

ある日の朝、オフであった比奈の家に漫画作成のアシスタントとして急遽招かれているのは、アイドル仲間である吉岡沙紀と成宮由愛。

二人共、アートに長けているアイドルで、特に由愛は13歳でありながら、人力飛行機の作成の中心人物となって仕事をした経歴もある。

そんな二人にトーン貼り等の作業を手伝って貰っているお陰で、一気に効率が加速していた。

………実は、本来はガンプラの世界大会に向けて鍛えている同志である、関裕美が手伝って(というより比奈の私生活を管理して)いるのだが、海外に修行に行っている為に加勢して貰えて無かった。

 

「フ、フフフ………なんのなんの。栄養ドリンクがあるからまだまだ大丈夫っスよ………。でも、裕美ちゃんの有難さ、身に染みるっス………。」

「は、早く入稿しましょう………。それで、ゆっくり眠らないと………。」

「そうっスね………。裕美ちゃんが帰って来た時に怒りのハイメガキャノンフルパワーを喰らわないようにする為にも………。」

「………ダメっすね。テンションがハイになって意識が朦朧としてるっす。只でさえアイドル活動が忙しいのに、最近はガンプラ修行も極めている最中だから余計時間が取れて無い影響がモロに出てるっす。」

「あの………今回は諦めたほうが………。」

「アタシはアイドルっス!実は負けず嫌いなんスよ!アイドル活動も世界大会も、そして漫画の入稿も止める気は無いっスよ!」

 

ガっと立ち上がり両手で握り拳を作った比奈は力強く語る。

とはいえ、焦点のあってない目で言われても説得力は無い。

案の定、そのままフラッと後ろに倒れ掛かって、急いで立ち上がった沙紀に支えられる形で気を失う。

 

「限界みたいっすね。ネタは仕上がってるみたいだし、入稿はアタシ達で進めておくからしばらく寝ておくっす。」

 

そんな、沙紀の言葉を最後に聞きながら………。

 

 

---------------------------------------------------------

 

 

「ん………?」

 

比奈が目を覚ますといつの間にやら夕方になっていた。

見れば、布団が掛けられており、テーブルの向こう側では沙紀と由愛が黙々と漫画の入稿に向けて作業を行っていた。

 

「えっとアタシは………。」

「あ………おはようございます、比奈さん。夕方ですけれど………。」

「作業は順調に進めているから安心するっす。みんなにも来て貰ったっすよ。」

「みんな………?」

「比奈センセ!春菜ちゃんと一緒に洗濯しといたじぇ!」

「こちらは奈緒ちゃんに手伝って貰って、晩御飯を作っておきました!」

 

部屋の奥から出てきたのは比奈のユニット仲間である大西由里子、上条春菜、そして安部菜々と神谷奈緒である。

それぞれ「壁サーの花」、「サイバーグラス」、そして「虹色ドリーマー」というユニット名で活動しているのが特徴だ。

彼女達は4人共、自分達のオリジナルガンプラを持っているのも特徴である。

 

「来てくれたんスか………何か申し訳ないっス。」

「今更ですよ。比奈ちゃんが入稿で周りを巻き込むのはもう、御馴染みですから。」

「それはそれで、何か………。」

「ま、とにかくだ。折角沙紀がアタシ達を呼んでくれたんだし、ガンプラについて談笑しながら飯を食べようぜ!」

 

こうして奈緒の提案で、7人はテーブルを囲んでご飯を食べる事になった。

 

「あー、アタシも柚ちゃんみたいにライトニング覚醒を得意としていたら入稿もビュンビュンできるのになー。」

「柚ちゃんと言えば比奈センセ。巴ちゃんと合わせて二人共大丈夫なのかな?」

「うーん、大丈夫なんじゃないでスかねぇ?」

 

由里子の言葉に比奈は意外と余裕そうな顔を見せる。

ウィルの乱入を受けて、特に巴や柚は傷を負ってしまった感じだ。

しかし比奈は、自分のやるべき事は彼女達の心配では無いとハッキリ決めている。

 

「少なくともここにいるみんなは、誰かを憎んでバトルをしてるわけじゃないっス。それならば、道を踏み外す事は無いっスよ。」

「何だかんだ言って比奈さん、20歳の大人だよなぁ………。感心するよ。」

「何だかんだは余計っス。………まあ、そういう事もあって、本当はパパっと愛機も組み上げたいんスけれど………。」

 

そう言うと、比奈は自分のガンプラを棚から取り出す。

もう、アイディアは結晶のように固まっている。

只、入稿の都合等もあって時間が少し確保できていなかった。

本当はさっさと組み上げてテストしたくてうずうずしている面もあるのだが………。

 

「本当に締切破ろうかな………。」

「止めようかなと言わない所は流石っすね。………まあ、気晴らしと組み立て前の最終テストも兼ねてカドマツさんから貰ったエクストラバトル、試してみるっすか?」

「そうっスね。エクストラバトル………ん?」

 

沙紀の言葉に比奈は怪訝な顔をする。

何気なく彼女の取り出したメモリに事情を知っていたらしい由愛以外の5人の目が集中する。

そこで、沙紀がその中身について説明すると、途端に比奈や由里子、奈緒や菜々の目が輝いた。

 

「なんスか!?その夢のような、バトルは!」

「比奈センセ、喰いつき凄い!でもアタシもその気持ち分かるじぇ!」

「ガンダムアニメのキャラと会話できるのか!?」

「凄い楽しそうじゃないですか!」

「え、ええまあ………。で、そのバトルは346プロのシミュレーターにセットすれば可能になりますが………。」

「無論、今すぐ行くっスよ!」

「あの、漫画の入稿は………。」

「終わった後で完徹すればいいっス!」

「比奈ちゃん、やっぱり諦めるって言わないんですね………。」

 

春菜の苦笑と共に、一同はご飯を食べ、比奈の家を飛び出し346プロへと向かう。

時間は夜になっていたが、一戦くらいはできる余裕はあった。

シミュレーター室の中で沙紀と由愛が準備をする中、比奈達は自分達のガンプラの手入れを行う。

 

「そう言えば沙紀ちゃん、アタシ達の戦う舞台は何処っスか?」

「「ジャブロー」っすよ。地球連邦軍の一員となってジオン軍の襲撃から基地を守るっす。」

「おお!ジャブロー!地下でアムロ・レイ達が「ホワイトベース」を守る為に、「ズゴック」に乗ってきたシャア・アズナブル達と戦うステージっスね!」

「あ………ゴメンなさい、比奈さん。今回のステージは「地上」らしいんです………。」

「地上………?由愛ちゃん、組むのはアムロ達じゃないんスか?」

「そこは始めてからのお楽しみで頼むっすよ。」

 

どうやら初代ガンダムのステージでは無いらしい。

色々と比奈は考えながらも、言われた通り楽しもうと気持ちを切り替える。

 

「ところで比奈さん………。その子のカラーは決めてるんですか………?」

「勿論、前と同じくアタシ色の緑で決めるっス。今はまだ蒼黒いままっスけれどね。」

 

比奈が由愛に見せたガンプラは「ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]」のパーツを用いて作った「スタビライズド・ヘイズル」と仮名している機体だ。

本来は背中のシールドブースターによる加速力が武器となっている機体であるが、ガンプラを始めた頃に比奈がテストした際、その機動力故に扱いきれなかった為、「スタークジェガン」のパーツに置き換えている。

比較的マイルドな操作性にまとめたためスタビライズド(安定化)と呼んでいるのだ。

武装に関しては、「グフカスタム」の「ガトリング・シールド」が主軸となっており、近距離戦では「レジェンドガンダム」の「デファイアント改ビームジャベリン」で対処するのが特徴。

また、脚の「サブ・アーム・ユニット」にはビームライフル2門が備えられており、自動でオート射撃をしてくれる。

そして、比奈が得意とする覚醒は緑に輝く「ガーディアン覚醒」で、耐久力を全回復し、防御力と自動回復能力を高める事ができた。

 

「奈緒ちゃんの「シナンジュ」は何処か「ゲルググ」に近いフォルムっスねぇ。」

「お、分かる?実は「シナンジュ・スタイン」がシーマ艦隊のような海賊部隊に流れ着いたらどうなるか考えて作ったんだ!」

 

そう言いながら奈緒が掲げる紫色の「シナンジュ・カービングペイン」は、確かに頭部のモノアイがゲルググに近い形状になっていた。

これはシナンジュの頭部にビルダーズパーツを埋め込み、敢えてそうさせたからである。

設定としては重装甲型として強度を増しているのがポイント。

しかし、リミッターを外せば袖付きシナンジュ並みの高機動を発揮する事が可能。

だが、フレーム負荷が高く、数分もしない内に自壊するというという諸刃の剣であり、それを「ヅダ」の「土星エンジン」で再現している。

武装は「ガンダムXディバイダー」の「ビームマシンガン」や「ガーベラ・テトラ」の「110mm機関砲」等シンプルで、ガンプラ使用者の腕の見せ所となっていた。

奈緒がシナンジュを元にこうした改造を試みたのは、ガーベラ・テトラと出自が似ているという事に気づいたからで、アニメ等の設定に深い物を持っている彼女らしさが発揮されていると言えた。

 

「アタシの機体はEXアクションとかで加速力を得るタイプだけれど、菜々さんの機体は元々素早いよな。」

「「マジカル☆ウサミンガンダム」はウサギのようなステップと機動力に長けてますから!その気になれば柚ちゃんにも負けません!」

 

菜々の取り出したピンク色の機体のベース機は「ガンダムアストレイレッドドラゴン」。

何でもシミュレーターVer.2の頃から愛用しているガンプラであるらしく、「ガンダム試作1号機フルバーニアン」の胴や「高機動型ザク後期型 ジョニー・ライデン専用」の脚を使い、シンプルに軽い機体をモットーに改造を施していた。

特に、菜々の本領が発揮されているのは、アストレイレッドドラゴンの固有EXアクションの「ドライグヘッド」。

頭の竜の角をウサミミに見立て、菜々なりの本気モードを見せつける事で、更なる機動力を確保する事ができた。

本人の言う通り、反応性とステップ距離と運動性は最大限強化されており、最大パワーを発揮する時は、ライトニング覚醒時の柚のガンプラに匹敵する程の物を持っているのだ。

その代わり、ビルダーズパーツは一切採用しておらず、奈緒とは違った意味でシンプルさも見せていた。

 

「由里子さんの機体は劇薬ですが………機体コンセプトはしっかり練られてますよね。」

「合体は正義!………とまあ、アタシの「ユナイトジャスティスガンダム」も考えに考えたからね。」

 

青い「ストライクフリーダムガンダム」と赤い「インフィニットジャスティスガンダム」が合わさったような形状が由里子のガンプラ。

キラとアスランが協力して操作するという彼女の欲望の詰まった機体だが、そのコンセプトは意外と考えられている。

ラクス・クライン政権下のザフトで再びユニウス条約のような戦力保有制限が制定された時の為に、最強のパイロット二人を一つの機体で運用する事で、高い戦果を上げられるようにできないかと考察したガンプラとして由里子なりに組み上げたのだ。

近接武装である「インパルスガンダム」の「エクスカリバー」や遠距離武装である「デュエルガンダム」の「5連装ミサイルポッド」等、他の機体の要素もちゃんと織り交ぜている。

更に「スーパードラグーン」の固有EXアクションを発揮する事で、光パルス高推力スラスターによる高速オールレンジ戦闘も可能であるのだ。

これはこれでガンプラの担い手に高い操縦性を求められる機体と言える。

 

「ま………徐々になれていくよ。大事なのは愛だじぇ!春菜ちゃんも分かるでしょ?」

「はい!私の「ガンダム・グラシャラボラス」ならぬ「ガンダム・グラシアクリアネス」もその為に生まれた機体ですからね!」

 

春菜が特殊な形状の眼鏡?を磨いていたガンプラは青い「ツインドライブシステム」を装備した猫耳の付いたガンプラだ。

グラシャラボラスというのは、鉄血世界のオリジナルガンダムフレームのナンバー25に値する機体であり、つまりはソロモン72柱の悪魔の名前の1つである。

その名前を文字って春菜の眼鏡要素を付けたのがグラシアクリアネスと呼ばれる本機であり、索敵や遠距離攻撃を主軸にした機体として改造されていた。

武装はデュエルガンダムの「ゲイボルグ」を主体に、「パワードジムカーディガン」の二門の「大型ビームキャノン」等の射撃兵器を装備しており、出来る限りの強化を施されている。

また、大型ビームキャノンの出力アップの設定として装備したツインドライブシステムにより、EXアクションの「トランザム」が使用可能で、高濃度圧縮粒子を解放して一時的に機動力を上げる事も可能だった。

これで、比奈機以外、4機全機が異なる機動力を上げるEXスキルを扱える。

 

「凄いっスねぇ………。アタシは、高速戦闘はダメなんで、その足回りで守って下さい。ついでに漫画も………。」

「完徹には付き合えないんでそこは自分でやって下さい。………さて、セットお願いするっす。」

 

沙紀の言葉に比奈達は次々にシミュレーターに入りガンプラを起動させる。

そして、ガンダム世界でお馴染みの出撃シーンに移る。

 

「折角なんで………由愛ちゃん。オペレーターみたいに発進シークエンスの掛け声を頼むっス。」

「ええ!?………わ、分かりました。スタビライズド・ヘイズル………発進、どうぞ!」

「おお!このパターンもいいっスね!じゃあ………システムオールグリーン!荒木比奈、出撃っス!」

「続いて、シナンジュ・カービングペイン………発進、どうぞ!」

「あー………比奈さんの気持ち分かるかも!よーし、神谷奈緒………暴れてくるぜっ!」

「えっと、マジカル☆ウサミンガンダム………発進、どうぞ!」

「由愛ちゃん、才能ありますよ!安部菜々!ステーキとパインサラダを褒美に出撃します!キャハッ!」

「それはマズイフラグじゃ………ユナイトジャスティスガンダム………発進、どうぞ!」

「フラグは折る物だじぇ!というわけで、大西由里子!キラとアスランのハートを胸に行くじぇ!」

「最後にガンダム・グラシアクリアネス………発進、どうぞ!」

「私達の帰る場所を確保して下さいね!上条春菜………皆と共に、レンズの向こう側に旅立ちます!」

 

そんな感じでかなり楽しそうにしながら5人のパイロット達は出撃していった。

 

 

---------------------------------------------------------

 

 

比奈達が降り立ったのは、海岸に面した森林地帯である。

その木々の少し開けた場所に降り立った彼女達は、中央に立つ1機のガンダムを見た。

デュアルアイは赤く、二門のキャノン砲を背負っており、隙を作らないように身構えている。

 

「「ガンダム6号機」………「マドロック」………「ザクⅠ」に負けたガンダム………!」

『最後は余計だ。………まあ、そこまで言うなら知ってるとは思うが、俺はパイロットの「エイガー」だ。アンタが荒木比奈か?』

「そうっスよ。………設定上6号機はジャブローでは未完成状態のはずでスが、ここでは完成系なんスね。」

『有り得ない展開を有り得る状態にした戦いが今回のジャブロー戦だからな。勿論、それは敵さんにも言えるから、気を抜くと痛い目を見る。………気を付けな。』

 

どうやら今回のエクストラバトルの味方AIは「ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079」の地球連邦軍のエイガーとガンダム6号機の完成系であるマドロックであるらしい。

 

「結構コアな所で来たっスね………。これはこれで燃える物がありまスけれど!」

「あの、比奈ちゃん………私、ガンダムが6機あるなんて知らないんですけれど………。」

「確か、設定上は8号機まであるんじゃなかったっけ?」

「はい!7号機まではプラモもありますよ!」

「え?え?え?」

「あー………こうなると春菜ちゃんは付いていけないかもしれないじぇ………。」

 

エイガーの登場に、知識量が他の4人より少し劣る春菜は頭に疑問符を浮かべる。

流石にアニメを網羅していても、ゲーム等の外伝作品となるとすぐに知識を得るのは難しかった。

 

「春菜ちゃんは何かあったらアタシ達に聞いて欲しいっス。まあ、とりあえずバトルを楽しめばいいっスよ。………で、エイガーさん。敵は何処っスか?」

『大抵は「ガウ」に乗って空から降ってくるぜ。ほら、連中のお出ましだ。』

 

マドロックが刺した方向を見ると、成程確かに陸地側に紫の空母ガウが見え、そこから「ザクⅡ」や「グフ」………それに「ドム」までもが姿を現している。

 

『あいつ等が降りてきたら、攻撃開始だ。』

「………質問なんスけれど、降りてる時はどうしてるんスか?」

『へ?………そりゃ、スラスター吹かしてバランスとるので精一杯で………。』

「そうっスか。」

 

比奈はそう言うとヘイズルのバックパックに装備した二門の「マイクロミサイルランチャー」を何と空中から降りるのに精一杯の敵に向ける。

 

「ひ、ヒナサン………!?」

「ま、まさか………。」

「こんな隙を逃す手は無いっスよねぇ………?」

 

引きつった笑みを浮かべる奈緒や菜々の前で、ヒナはニヤリを悪役の笑みを浮かべてミサイルを見える範囲の降下する敵全てにロックオン。

そのまま一斉発射をし、何もできない敵を次々と爆破していく。

 

『う、うわあああああああ!?』

『ぐわああああああああ!?』

『ぱ、パワーが違うゥゥゥ!?』

 

圧倒的な物量のミサイルを前に、ザクⅡもグフもドムも関係なしにパーツを撒き散らし霧散していく。

その姿を前に呆然とする味方達(とエイガー)。

 

『………鬼か!お前は!?』

「戦略と言って欲しいっス。………ホラ、エイガーさんも敵が地に足を着く前に「300mmキャノン砲」で撃ち落とすっス。ユリユリや春菜ちゃんも!」

『わ、分かった………。』

 

比奈の指示にエイガーは渋い顔でバックパックの二門のキャノン砲を発射する。

設定上は「ビームキャノン」である説もあるのだが、このバトルでは実弾採用を取っているらしい。

 

「先制攻撃は大事とはいえ、比奈センセ、容赦ないじぇ………。」

「ご、ごめんなさぁい!」

 

由里子のユナイトジャスティスはストライクフリーダムの「MA-M21KF 高エネルギービームライフル」を連結させて空中に照射。

更に春菜のグラシアクリアネスもゲイボルグの拡散弾を発射し、複数の敵を纏めて落としていく。

これに対し、空中のガウは「ザクⅠ・スナイパータイプ」も降下させて「ビーム・スナイパー・ライフル」を空中から撃たせるが、比奈のヘイズルには大したダメージを与えられず、由里子機と春菜機、エイガー機には簡単に避けられてしまう。

そして、反撃でミサイルやキャノン等が飛来し、次々と餌食になるだけであった。

 

「さあ………アタシ達をもっと楽しませて欲しいっスよ!」

『お前、このバトルをしゃぶりつくす気満々だな………。』

「当然っス!こんな機会、一生に何度あるか!………って、アレ?」

 

急にガウから敵が降下してこなくなる。

最初の段階はクリアという事だろうか?

辺りは再び静寂に包まれてしまう。

 

「これでクリア………なワケ無いっスよね?」

「あ!?比奈ちゃん!ガウより更に上空から巨大な「筒」を掴んだ変な機体が!?」

「はい………?筒?」

 

索敵に長けた眼鏡型センサーの「グラスセンサー」を持つ春菜機が上空を見上げ指を刺す。

空中で動き回っているのか、その指が色んな方角をなぞっていく。

しかし、比奈達には全くその姿が見えなかった。

 

「春菜!敵の特徴は!?」

「よ、よく分からないんですけれど………大きな筒があって………。」

「頭部はどうなっているじぇ!?」

「えっと………水色の………ズゴックの上半身でしょうか?」

「それ!モビルダイバーの「ゼーゴック」っスよ!?抱えてるのは対艦拡散ビーム砲の「クーベルメ」っス!」

『エントリィィィッ!!』

「ッ!?」

 

比奈達がようやくその姿を視認出来た時、搭乗者である「ヴェルナー・ホルバイン」のお馴染みの掛け声と共に、宇宙からダイブしてきたゼーゴックのクーベルメの致命的な威力のビーム砲が地上に向けて放たれる。

地面を抉り、木々を薙ぎ払う、一般的なガンプラにとっては決して当たってはならない驚異的な砲撃が縦横無尽に展開される。

 

『回避しろ!掠ったら文字通り吹っ飛ぶぞ!?』

「あ、アタシ耐久型っスが!?」

「奈緒ちゃん!」

「分かった!」

 

機動力で劣る比奈のヘイズルを菜々のウサミンガンダムと奈緒のカービングペインが両脇から抱えて砲撃範囲から何とか逃げる。

エイガーのマドロックはホバーで動き、由里子のユナイトジャスティスと春菜のグラシアクリアネスも必死に避ける。

 

「春菜ちゃん!撃ち落としを頼むじぇ!」

「分かりました!「ブレイカーシュート」で!」

 

クーベルメの次発を撃たれる前に春菜がシューティングモードに素早く入り、パーツアウトを誘発する精密射撃のEXアクションでゼーゴックのその筒を撃ちぬき爆発させる。

 

「やった………!ッ!?」

『まだ終わっちゃいねぇ!!』

 

しかし、残ったゼーゴックの上半身が左腕の「アイアン・ネイル」を突き出し、春菜機に向けて突貫してくる。

 

「自爆覚悟は同じ「機動戦士ガンダム MS IGLOO」の作品のヅダだけにするじぇ!」

 

それだけはさせまいと、由里子機が春菜機の前に出て腹部の「カリドゥス複相ビーム砲」で撃ちぬく。

 

『やるな!だがまだ………。』

「まだ?何かあるのかな?………っと、春菜ちゃん大丈夫?」

「はい………ありがとうございます、由里子さん。あんな機体もあるんですね。………あ!今度は陸地の方に巨大な機体が二機!?」

 

ヴェルナーの最後の言葉を聞いた由里子達だが、春菜が更なる敵影に気づく。

メキメキと木をなぎ倒す音も聞こえる。

 

「今度は何ですか!?」

「えっと………サンドカラーの………ザクの頭が埋め込まれた巨大な戦車?」

「ま、まさか「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で」に登場する「ライノサラス」!?頭の上にデカい砲身ついて無いか!?」

「は、はい………!付いて………光って………!?狙いは比奈ちゃんとエイガーさんです!」

『躱せ!比奈!』

「そんな無茶な要求言われても!?」

 

比奈が悲鳴を上げた途端に極太のビームの光が木々を消し飛ばしてくる。

遅れて豪快な発射音。

エイガー機はホバーで横にスライド移動し、比奈機はまた菜々機と奈緒機に抱えられ横に跳ぶ。

彼女達の居た所に巨大なビーム砲………「バストライナー砲」が通過していく。

 

『モビルタンクが時代遅れってのは古い発想だ。俺達の意地、見せてやるぜ!』

 

通信から聞こえたのは機動戦士ガンダム MS IGLOOに登場する「デメジエール・ソンネン」。

見れば、消し飛んだ森の向こうに二機の巨大なライノサラスが見えて、片方の前にソンネンの緑色のタンクである「ヒルドルブ」が、もう片方の前に複数の赤色のキャノン砲を背負った車輪の機体である本来はまだ生産されてないはずの「ギガン」が立ちはだかっていた。

 

「一方的にやられる痛さと怖さを教えてくれるとは………なんて敵っスか………。」

『それ、お前が言うか………?』

 

ヘイズルで身構える比奈に対し、横に立つマドロックのエイガーがツッコミを入れた。

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