【デレマス×ガンダムブレイカー3】CINDERELLA of Gund@m breakerS 外伝 エクストラバトル編   作:擬態人形P

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5章:その器の名は… (肇・芳乃・文香・凛・夕美・琴歌)・1話

シミュレーターに入った依田芳乃は自分のガンプラを出撃させ、荒野へと立っていた。

「山紫水明」のユニットコンビであり、世界大会に向けて自身とそのガンプラを高めている最中の藤原肇から、実戦の相手になってくれと頼まれたのだ。

 

「肇さんの得意分野は狙撃………そんな名手と戦えるのは、正直わたくしも楽しみなのでー。」

 

何処か間延びした口調でありながらも内にある闘争心を高める芳乃。

そんな中アラートが鳴り響き、遅れて肇の通信が聞こえてくる。

 

「遅くなりました、芳乃さん。今日は宜しくお願いします。」

「どうぞ、お気になさらずー………ん?」

 

しかし、そこで芳乃は奇妙な事に気づく。

上空から降ってきた肇の機体は両腕両脚が筋骨逞しい太いモビルスーツである。

 

「肇さんー?それはー………。」

「不肖、藤原肇………美羽ちゃん直伝のギャグを披露します!」

「はいー………?」

 

着地した肇は、自らが操るガンプラ………「ガンダムAGE-1 タイタス」で何とサイドチェストのポーズを取り、叫ぶ。

 

「ガンダムAGE-1 タイタス………!芳乃さんと真剣勝負を………ハジメマッスル!」

「……………。」

 

渾身の氷点下のダジャレとポーズに、芳乃は固まった。

 

 

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「肇さんー………?」

「は、はい………。」

 

一通りシミュレーションを終えた藤原肇は、依田芳乃の前で赤面をしながら正座をさせられていた。

それもそのはず。

普段の姿からは有り得ない位、変な方向に振り切った彼女は戦闘中もハジメニーキックだの、ハジメラリアットだの、珍妙な技名を叫びながら芳乃に襲い掛かったからだ。

これでは、笑いを取りに来ているような物である。

………いや、彼女は至極真面目にやっていたのだろうが。

 

「美羽さんに何を吹き込まれたのでー………。事によっては彼女に至近距離から法螺貝の音色を響かせねばなりませぬー。」

「み、美羽ちゃんは悪くないんです!………只、格闘戦が苦手な私に、ガンダムシリーズの中で近接武装に長けた機体を紹介して貰ったんですよ。」

「それで、ぎゃぐやだじゃれまで真に受けてどうするのですかー………。」

 

彼女達の話題に挙がっている美羽………矢口美羽はダジャレ等のギャグが好きなアイドルだ。

一応、可愛い顔に14歳にしてはスタイルのいいボディを持っているのだが、敢えて正統派ではなく面白人間を目指しているのが特徴。

そんな彼女にわざわざ肇が興味を持ったのは、ボディビルダーのようなポーズを始めとしたモノマネを得意としているからである。

何というか、肇も陶芸という表現が得意な者である為、惹かれる物があるのだ。

 

「彼女との「特訓」は、中々に良い勉強になりました。他にも正統派の狙撃手のモノマネも教えて貰いましたし。」

「ならば何故、そちらをばとるで披露しようとしないのでー………。わざわざその為だけに、たいたすのがんぷらまで作り上げるなんてー………。」

「先程言った通り、狙撃戦だけでなく、格闘戦も極めたいからです!」

「肇さん………こちら側に帰って来てくださいー。格闘戦の前にぎゃぐを極めようとしては根本的におかしいですよー………。」

「す、すみません………。」

 

どうも今の肇は、少し………いや結構空回りしている傾向がある。

何かに焦ってしまっているような、そんな………。

 

「皆さん………柚ちゃんも巴ちゃんも、裕美ちゃんも比奈さんも、順当に成長していっているじゃないですか。」

「そうですねー。遅れていると思っているのですかー?しかし、肇さんが格闘戦を極めるのは、一朝一夕ではなりませぬー。」

「分かっています。焦っても何も変わらないって。でも………。」

「ふむ………やはり、あのウィルさんに負けたく無いという想いがあるでしょうか?」

「はい………。あのようなやり方………本当は認めたく無いですから。」

 

肇は告白する。

乱入してきたウィルの手口は褒められた物では無い。

勿論、それは直接的に被害を受けた村上巴自身が吹っ切れなければいけない問題だ。

しかし、だからと言って肇自身は、傍観者でいられる程冷静でも無かった。

 

「あんな水を差す行為なんて………。」

「……………。」

 

16歳である肇は喜多見柚や巴程、子供ではない。

しかし、荒木比奈程、大人でもいられなかったのだ。

 

「………あの、いいでしょうか?」

「はい?」

 

悩む肇に呼び掛けたのは芳乃ではない。

見れば、シミュレーター室の扉の外から栗原ネネと乙倉悠貴が入ってきていた。

 

「あ、ごめんなさい!………そう言えば、今度御二人の番組にゲストで出演をするから、ミーティングをしないといけなかったんですよね!すっかり………。」

「いえ、いいんですっ!………それより、丁度肇さんに会わせたかった方がいるんです!」

「え………?」

 

悠貴の言葉に更に扉から入ってきた人物を見て、肇は息を呑む。

それは、白衣を着て罰の悪い顔をしたカドマツだった。

 

「カドマツさん………。」

「悪いな………肇の嬢ちゃんを探して、丁度ネネの嬢ちゃんと悠貴の嬢ちゃんとバッタリ会ってしまって、案内して貰ったんだが………。」

「すみません………。」

「いや、嬢ちゃんが謝る事じゃないさ。割り切れないのは誰だって同じだし、負けられないのも誰だって同じだ。んで、そんな嬢ちゃん達に配っている物がある。」

「配っている物………。」

 

肇は極秘訓練として使っているエクストラバトルについて聞く。

確かに、そんな強力なAIと戦う事ができれば、実力も付くだろう。

だからこそ………。

 

「カドマツさん!あの………!」

「但し、肇の嬢ちゃんにはまだ早い。」

「どうしてでしょうか………?」

 

気落ちした表情を見せる肇に、カドマツは諭すように言う。

 

「芳乃の嬢ちゃんが言う通り、課題が一朝一夕でマスターできるわけじゃないからな。今度、ネネの嬢ちゃんと悠貴の嬢ちゃんの番組に出るんだろ?その帰りにガンプラ仲間を連れて346のシミュレーターに寄って来い。それまでは………嬢ちゃんらしく、コツコツと自分を高めろ。」

「カドマツさん………はい、宜しくお願いします!」

 

叱咤激励を受けた肇は、力強く深々と頭を下げた。

 

 

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「よし、約束通りやってきたな………って、こりゃまた凄い恰好だな!?」

 

後日、カドマツはやってきたアイドル達の姿を見て仰天する。

実はネネと悠貴の番組というのは、ガンダムキャラのコスプレをしながらガンダムに関するトークを行うという物で、その日はジャパンカップファイナリストの一人である肇を始めとした仲間が出演者だったのだ。

何でも元々は松原早耶と喜多日菜子も含めた「TIP! TAP! FLAP!」のメンバーで回しているゴールデンタイムの番組らしい。

 

「ガンブラブームでどんどん人気になってるんですよ♪」

「カドマツさんも、1回見てみて下さいっ!元気出ますよ!」

「そ、そう言われると興味湧くな………考えとく。」

 

地球連邦軍のオペレーター服を着たネネと、ジオン公国軍のオペレーター服を着た悠貴の姿と勢いに若干押されながらもカドマツは考え込む。

 

「………んで、ゲストの6人の嬢ちゃん達も色んなパイロットの服を着てるんだな。」

「はい………。私は所持ガンプラの都合上、ライル・ディランディ………ロックオン・ストラトスの制服を着る事になりました………。」

 

そう答えるのは肇と「月下氷姫」のユニットを組む鷺沢文香。

彼女は緑を基調としたソレスタルビーイングの服を着ている。

 

「本当は、文香さんはアリアンロッドのジュリエッタ・ジュリスの軍服がいいって意見が多かったんですけれどね。」

「訳が分かりません………。」

 

ネネの言葉に首を傾げる文香。

そこに、今度は仮面を被ったかわいらしい少女が前に出てくる。

 

「………芳乃の嬢ちゃんは、ミスター・ブシドーか?」

「左様………今のわたくしは、みす・よしのー………なのでー。」

「み、ミス・ヨシノー………?」

 

芳乃の和装の姿にカドマツは疑問を抱き、周りを見渡すが一同は苦笑い。

何だかんだ言って、芳乃も役にハマるととことんなりきってしまうらしい。

 

「後は………そこの嬢ちゃんは、鉄華団の服を着た三日月・オーガスか?」

「渋谷凛だよ。本当は蒼い軍服が良かったけれど、ガンプラの都合上ね………。」

「凛の嬢ちゃんの感性も分からんな………。」

「り、凛さんは蒼色が大好きなんですっ!」

 

恍惚とした表情で自分の蒼い姿を浮かべる凛を慌ててフォローする悠貴。

カドマツはまだまだアイドルを理解できてないなと内心思う。

 

「そして………コウ・ウラキの軍服に、シロー・アマダの軍服か。渋いな。名前は?」

「相葉夕美!お花が好きだから、こうなっちゃったんだ。」

「西園寺琴歌ですわ!自然の中で逞しく生きるシローさんのようになりたいです!」

 

異なる地球連邦軍の服を着た「フィオレンティナ」のユニットである二人のアイドルを見て、カドマツは改めて数を確認する。

 

「………ちなみに肇の嬢ちゃん。今ガンプラ持ってる人数は何人だ?」

「ネネさんと悠貴さん以外のゲスト出演した6人になります。………あ、ちなみに私は老年時代のフリット・アスノさんの軍服になりました。今のガンプラの関係だと私もコウ・ウラキさんなんですが、夕美さんと被ってしまうので………。」

「あ、ああ………ゴーグルの再現も見事なもので………コスプレっていうのは改めて恐ろしいと思ったわ。………しかし、随分な人数が集まったな。」

「何人かに分かれた方がいいでしょうか?」

「いや………どうせならば、多人数で行う難易度の高いエクストラバトルを採用してみよう。」

 

そう言うと、カドマツはネネと悠貴を招き、二人に手伝って貰いながら準備を始める。

その間に、肇達は用意した自分達のガンプラを確認しながら、カドマツに問う。

 

「カドマツさん、難易度が高いと仰りましたが………舞台は何処ですか?」

「雪の降る街「ブリュッセル」だ。「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」の世界で、6人で戦って貰う。但し、味方AIはいるし、強力な敵AIもいる。」

「分かりました!皆さん、協力して戦っていきましょう!」

 

肇の言葉に、芳乃・文香・凛・夕美・琴歌の5人は頷く。

そうこうしている内に、カドマツ達によってエクストラバトルの準備が整えられた。

 

「よーし、いいぞ!順次ガンプラをセットしてくれ!」

 

カドマツの声に肇達は、順番に最終確認としてネネに自分達のガンプラを見せていく。

 

「確か、今肇さんの使っているガンプラは「ガンダム試作3号機」………「GP-03ステイメン」が元になってるんですよね。」

「はい、一度基礎に立ち返って自分なりの戦い方を模索しようと思ったので………。」

 

そう言って取り出したのは3つの砲が特徴的な青と白のガンプラ。

一度これまでに詰め込んだ要素を削ぎ落し、狙撃や砲撃要素をバランス機体に詰め込んで、どう動くか試そうと思ったのだ。

砲は右手に「Ex-Sガンダム」の「ビーム・スマートガン」、右腰に「ランチャーストライク」の「アグニ」、左手に「陸戦型ガンダム」の「180mmキャノン」となっている。

これに、近接武装はムチとして「ケンプファー」の「チェーン・マイン」を採用している。

ちなみに他のサブとして働く武装はステイメンの「ビーム・サーベル」位であるので、本当に基礎的な狙撃機&砲撃機となっていた。

後はトランスEXとして、ブーストを強化する「EXAMシステム」を前の機体から引き継いでいるのも肇の個性である。

そして、そんな彼女の切り札となっている覚醒は、紫に輝く「アービター覚醒」。

他の覚醒より少し効果時間は短いが、敵全体の動きを鈍化させる事ができた。

 

「………格闘戦の特訓は上手くいきましたか?」

「そこは………今回の戦いで発揮できるか試してみたいですね。」

「頑張って下さい!次は芳乃さんですが………「スサノオ・マガバライ(須佐之男凶祓)」はガンプラに籠められた設定が凝ってますよね。」

「防御に特化しているのがわたくしの持ち味なのでー。故に皆を守るのが役目かとー。」

 

流石に重かったのか、ブシドーの仮面を外しながら芳乃が持ち上げたのは、スサノオを元にした水色のガンプラ。

GN粒子の制御を目的とした試作機というのがこの組み上げた機体のコンセプト。

同時に最大四重に渡って展開される水色のGNフィールドは、防御だけでなく、EXアクションの周囲に三つの竜巻を発生させる「ツイストハリケーン」や自機周辺に剣のホログラムを発生させる「ファントムエッジ」でも活用されているのがポイント。

武装も「真武者頑駄無」の槍である「雷光丸」や榴弾を移出できる「種子島」にGN粒子を付加しており、試作機としての側面をしっかりと発揮している。

また、頭部には使用する事で狙われやすくなる「ライト」を持っている為、正に味方の盾となって行動する事が可能なガンプラとなっていた。

トランスEXの「トランザム」は持ってはいないが、他のガンプラとは違う守りを要とした戦術は、芳乃の優しさを表していた。

 

「芳乃さんの心の広さは「わだつみの導き手」………海神に相応しいですね。」

「ありがとうございますー。攻めより守り。これもすさのおの一つの可能性かとー。」

「文香さんのガンプラは「マーキュリーレヴA」を本に見立てたんですよね。」

「はい………。書の持つ様々な側面………それを「ケルディムガンダムセファーアティーク」に込めてみました………。」

 

文香が大切そうに撫でた青い「ケルディムガンダム」を元にしたガンプラは様々な場所にマーキュリーレヴAの実弾武装が取り付けてあった。

「レールガン」「ショットガン」「ロケットランチャー」「ガトリングガン」………とにかくそういった様々な書をモチーフにした「アティークガン」と呼ばれる武装を強化してある。

また、ケルディムガンダム側には「ガンダムデュナメス」の「GNフルシールド」を装備させて防御面も強化。

そして、背中の「ガンダムAGE-3ノーマル」のパーツはコアファイターとして分離可能で、マーキュリーレヴAの武装を取り付けて支援戦闘機「アティークセファー」として、簡易ではあるが本体とは別に遠隔操作も可能であった。

これらの設定は本を扱うガンダムである「セファーラジエル(天使の書)」を文香なりの構想で再現した結果であり、そういう意味では的場梨沙や福山舞のようにシミュレーター未対応の機体を独自の発想で作り上げたという事になる。

 

「梨沙ちゃんや舞ちゃんのように自分らしさも入っていて個性が映えますよね。」

「そう言って貰えると嬉しいです………。後は、私の操縦技術が追いつくか………。」

「自信を持って下さい!………で、凛さんのガンプラは接近戦重視ですか?」

「そうだよ。私の蒼い狼は由愛に協力して貰って作り上げた傑作だからね。情けない姿は見せられない。」

 

そう凛が力強くネネに見せたガンプラは「ガンダム・バルバトスルプス」を改造した「ガンダム・バルバトスシリウス」。

砲撃武装は牽制に使う「ヅダ」の「対艦ライフル」位で、「エールストライクガンダム」の「グランドスラム」を中心に、様々な「ジンクス」の「GNクロー」や「イージスガンダム」の「ビームサーベル発振刃」と言ったような爪や刃をモチーフにした武装で敵を噛み切り引きちぎっていくという荒々しさを持った狼のようなガンプラ。

遠距離武装がほぼゼロである分、近接攻撃力と機動力に改造を極振り出来たという事もあり、かなり素早く威力も高いのが特徴。

実は以前、凛が狼について成宮由愛に語っていた事から、ルプスを組み上げる際に彼女にイメージを描いて貰って、そこからパーツ等の組み合わせを話し合って、シリウスへと改造していったという経歴がある。

その為、凛にとっては正に自信を持って自慢ができる蒼い狼であった。

 

「流石、由愛ちゃん。ガンプラの設計に関してもお手の物ですね。」

「共作とはいえ、人力飛行機「スカイペインター」を作ってるからね。凄い才能だよ。」

「そして、夕美さんのガンプラは「GPインヘリト【グラン・ブーケ】」。元にしてるのは………。」

「「ガンダム試作1号機ゼフィランサス」だよ。でも、実際はGP-00~04全ての要素を持つかな?」

 

夕美が両手で抱えたオレンジとピンクの機体で印象的なのは、「ギャプランTR-5[フライルー]」の腕に備わった「ムーバブル・シールド・バインダー」、そして「クロスボーン・ガンダムX1」バックパックから四方に伸びる可動式スラスターに、その中央に一基追加された「フルアーマーユニコーンガンダム」の大型ブースター……それ以外にも多数のスラスターやバーニアが備えられている点。

これらのスラスターはそれぞれ様々な色でカラフルに塗られており、夕美の個性である花をイメージしている。

設定に関しては、闇に葬られながらも秘密裏に進められていたガンダム開発計画が、その後発展していった技術と共に各機のコンセプトを束ねられ、再び組み上げられた姿として考察されている。

その為、「Iフィールド」といった機能も備えられており、様々な戦況に対処できる分、制御が難しいという特徴も抱えていた。

 

「正直、慣れないとこんがらがりそうですけれど、夕美さんならば………。」

「ふふっ♪そこは「愛」でどうにかするんだよ!」

「刹那さんが居たら仰天しそうです。最後に琴歌さんの機体ですね。」

「待っていましたわ!見て下さい!この「陸戦型ガンダム イーガーグレイス」を!」

 

目を輝かせて琴歌が大事そうに出したガンプラのメインカラーは桃色。

「陸戦型ガンダム」は、肇が最初にガンプラを始めた時に基礎とした物であったが、琴歌の改造には、より力強さと強固さが備えてあった。

一番のポイントは腰部分のドレスの裾をイメージしたようなホバー機構である。

「フルアーマーユニコーン」の「大型ブースター」を複数組み合わせ、「フライト装甲」や「ニーアーマー」等を組み合わせて作った物で、戦闘だけでなく自然の中でも逞しく戦っていけるように工夫を施している。

これとランドセルのスラスター等を併用する事で、連邦製ホバーユニットとして完成させているのだ。

他にも荒木比奈が使っていた「フルアーマー・ガンダム(サンダーボルト版)」の「サブ・アーム」二本による「オートシールド」も備えており防御面にも隙が無い。

戦闘の中での役割としては隊長機が良いポジションであった。

 

「琴歌さん、もしかして、「08小隊」好きですか?」

「はい!私、ビームサーベルで沸かしたお風呂に入ってみたいですわ!」

「今度番組に出た時は、そこの話を詳しく聞きたいですね♪では………!」

 

確認が終わった所で6人がシミュレーターに入る。

ガンプラをセットし、彼女達の意識は青く光るカタパルトへと移行する。

 

「発進シークエンスの掛け声は、私………乙倉悠貴が担当させてもらいますっ!」

「発進………掛け声はコスプレしたキャラがいいでしょうか?私なら、「ヴェイガンは殲滅だ!」………とか。」

「そ、それはちょっと………オリジナルでどうぞ!」

「分かりました………。では、悠貴さん………頼みます。」

「はい!」

 

肇の言葉で、悠貴がコホンと息を付き、各機に発進を呼びかける。

 

「いきますよ!GP-03ステイメン!発進お願いします!」

「皆さん、一番槍は貰いますね。藤原肇………迷いを振り払い、撃ち抜いてきます!」

「少しでも振り払えるといいですね。………スサノオ・マガバライ!発進お願いします!」

「さぽーとは任せるのでー………。では、依田芳乃………皆を助ける盾となりましょー。」

「芳乃さん………じゃあ、ケルディムガンダムセファーアティーク!発進お願いします!」

「これもまた探求の旅なのでしょうね。鷺沢文香………新たなる発見を目指して進みます。」

「続いて凛さんの番です………ガンダム・バルバトスシリウス!発進お願いします!」

「由愛と磨いた蒼の狼と共に駆け抜けるよ!渋谷凛………蒼穹の光と共に出る!」

「貴女はそこにいますか………?あ、GPインヘリト【グラン・ブーケ】!発進お願いします!」

「綺麗な花にはトゲがあるんだから!相葉夕美………再び花咲く技術を束ねて!」

「みんなカッコいいなぁ………最後ですね!陸戦型ガンダム イーガーグレイス!発進お願いします!」

「私も皆さんに負けない心で戦います!西園寺琴歌………おてんばスタートレインは伊達ではありませんわ!」

 

6機のガンプラ達は、それぞれの意気込みと共に発進をしていった。

 

 

---------------------------------------------------------

 

 

肇達が降り立ったのは雪の降る街だった。

その街の開けた場所を彼女達6人は歩いている。

 

「ブリュッセルの………シェルターのある大統領府みたいですね。」

「開けた場所ならば、戦闘をするのには困らないけれど、隠れる場所も無いね。」

「カドマツさんの話だと味方AIもいるとの事でしたが………見当たりませんね………。」

『それは、わたくしの事ですか?』

 

文香の言葉に通信が開き、長髪の女性の顔が映る。

彼女は「新機動戦記ガンダムW」の登場人物である「ドロシー・カタロニア」であった。

 

「貴女が………味方ですか?」

『ええ、これでも「モビルドール」を扱う事はできますもの。』

「モビルドールという事は、私達はガンダムパイロットと戦うのですか?それとも、マリーメイア軍のモビルドール同士?」

『何を言ってますの?』

 

ドロシーは真顔で言い放つ。

 

『両方が敵に決まっているでしょう?』

「………はい?」

 

両方共敵。

つまり、「ヒイロ・ユイ」達も、マリーメイア軍も敵という事だ。

しかし、それでは………。

 

「あの、何かおかしくは………。」

『おかしくは無いでしょう?思い出してごらんなさい。嘗て「ザフト」と「地球連合軍」がぶつかる中で「キラ・ヤマト」が介入した時、彼はどうなりましたか?』

「………どちらの軍からも攻撃されましたね。」

『そういう事です。』

 

つまり、今回の肇達はどちらかの軍の味方では無く、戦争に第三者として踏み込む介入者としての立場であるらしい。

 

「では、ドロシーさん………今回、私達が介入者になる理由は?」

『単純な話です。民衆が決起した以上、マリーメイア軍を殲滅してガンダムも破壊すれば思う存分戦争をした事になり、もうしばらくは新たに戦争をする必要は無いでしょう?』

「そ、そうなのですか………。」

 

どうやら時系列においては、民衆に決起を促した後であるらしく、そこにドロシー自身の独特な価値観が混じり、こんな展開になったらしい。

とはいえ、彼女も父親を亡くした事から、その戦争というもの自体を憎悪している身なのだ。

本心としては、肇達第三者のチームも含め、三つ巴で争って疲弊する事を望んでいるのかもしれない。

 

「ならば、今回はドロシーさんの思惑に乗る事にしまして………サポートは………。」

『わたくしはこの二機を扱いますわ。』

 

00の「人革連」が付けるようなゴーグルを被るとホログラムで赤い円盤を背負った機体と青い巨大な砲を背負った機体が出てくる。

 

「「メリクリウス」と「ヴァイエイト」………!」

『さて………まずはマリーメイア軍が来ますわよ!指示は任せますわね、肇さん。』

 

ドロシーの言葉にホログラムで砲を沢山背負った機体………ファイナリストの一人である荒木比奈が最初に選んだ「サーペント」が沢山出てくる。

 

「どうしますかー、肇さんー?」

「芳乃さんは「フィールドディフェンサー」を。夕美さんは「フィールドオフェンサー」を。まずは、私が牽制射撃を行います。」

 

それぞれ芳乃と夕美が味方全員の防御力と攻撃力を上げるEXアクションを使用する。

そして、その援護を受け、肇は手短なサーペント達にビーム・スマートガンの青白い照射ビームを喰らわせる。

だが………その射撃がサーペント達に当たる前に何かに当たり、はじけ飛んだ。

 

「アレは………!?」

 

サーペントの前にホログラムとして出てきたのは黒い機体。

複数の円盤を正面に電磁シールドのように並べていた。

 

「磁気フィールド………「プラネイトディフェンサー」………!?」

『「ビルゴ」ですわね。厄介なモビルドールが出てきましたわ。』

 

サーペント達を守るように出現した、本来はここにいないはずのビルゴの存在に、肇達は戦慄した。

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