【デレマス×ガンダムブレイカー3】CINDERELLA of Gund@m breakerS 外伝 エクストラバトル編   作:擬態人形P

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6章:想いを込めた一角獣(加奈・拓海・晶葉・幸子・忍・泰葉)・1話

関裕美、村上巴、喜多見柚、荒木比奈、藤原肇、ミサ………「彩渡商店街チーム」の精鋭達が世界大会への決意を固め、その出発の準備を整えている頃………。

ある時346プロのシミュレーター室に二人の男と、とあるアイドル達が集められていた。

そのアイドルの中の一人である池袋晶葉が皆を代表して言う。

 

「本当に我々で使用していいのか?本来の目的は達成しただろうし………。」

「いいや。録画されていたバトル内容を見て分かった………!世界大会へ進む者達だけでない!それをサポートする君達みんなのスピリットが素晴らしいのだ!」

 

二人の男の内の一人である派手なアロハシャツにアフロを被ったサングラスの男が言う。

彼はミスターガンプラ………嘗て世界を騒がせたガンプラバトルのチャンプだ。

 

「カドマツさんはそれでいいのかしら?」

「所有権はミスターガンプラにある。彼がいいって言うんならば、存分に使えばいいんじゃないのか?俺だって他のアイドルの嬢ちゃん達も見込みはあると思ってるからな。」

 

別のアイドル………八神マキノの言葉に白衣の男であるカドマツがいつものように頭をかきながら答える。

 

「じゃあ、使わせて貰いますね、二人共。ありがとうございます!」

 

最後に大石泉が笑顔で頭を下げた事で、346プロのアイドル達は自由にエクストラバトルのメモリを使えるようになった。

 

 

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「泰葉ちゃん、動きが数段早くなってるね………!流石、アジアを駆け抜けた猛者!」

「忍さんこそ………!日本の大会を制覇して回っただけあって、動きに無駄がありません!」

 

円形のフィールドの谷に囲まれた砂漠の闘技場で、工藤忍の「ガンダムAGE-2イグザス」と岡崎泰葉の「デスティニーガンダム・ディサイダー」が熱闘を繰り広げていた。

 

 

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最初はビーム兵器の撃ち合いから試合が始まったが、攻撃用のビルダーズパーツを付けない代わりに装甲と機動力をほぼ限界まで強化してある忍のイグザスと、「Iフィールド」と「ビーム・シールド」でビーム射撃を出来る限り軽減できる泰葉のデスティニーディサイダーとでは共に相性が悪く、既に射撃武器を捨てて格闘戦の応酬に入っていた。

 

「どうにか………防御を突破出来れば!」

「そう簡単には………やらせませんよ!」

 

忍機は「ガンダムエクシア」の「GNビームサーベル二刀流」で攻め立て、それを泰葉機が「デスティニーガンダム」の「フラッシュエッジ2」のビームブーメランを投げずに右手で握って受け止める攻防が続いていた。

 

「ダメージソースは今の所こっちの方が有利!………でも泰葉ちゃん………!何でデスティニーガンダムの武装なら、大剣の「アロンダイト」に頼らないのかな~!?」

「隙が大きいから………と言ったら疑いますか!?」

「じゃあ………その何も掴んでない左手は何かな~!?」

「ふふっ………気づきましたか!でも、もう遅いです!」

 

押されているデスティニーディサイダーの左手が緑色に輝く。

パワーを貯める事で、強力な掌底で全パーツアウトを誘発させられるEXアクションである「バスターフォース」を狙っていたのだ。

 

「敢えて言いましょう!この瞬間を待っていました!さあ、どうしますか!?」

「そういう時は………正面からドーーーンッ!!」

「なッ!?」

 

緑のオーラを纏った左腕を引いた泰葉のデスティニーディサイダーに対し、忍のイグザスはEXアクションの「ブラストタックル」を選択。

何と、逃げるのではなく、逆に自分から右肩で放たれようとした掌底にぶつかっていく。

この為に腕が伸びた十分な姿勢で掌底が発動せず、パーツアウトしたのは激突してきたイグザスの右腕だけ。

 

「チャンス!」

「こっちも右腕を削ります………!」

 

そのまま左手のGNビームサーベルで斬りつける忍機に対し、泰葉機は右腕で防御。

フラッシュエッジ2ごと腕が持っていかれるが、泰葉は落ち着いてデスティニーガンダムの「光の翼」を発動して高速で後ろに下がる。

忍機もGNビームサーベルを捨てると左腕を振りかぶり「疑似GNドライブ」の「トランザム」を選択し追いかける。

 

「最後はやっぱりアタシの一番で!」

「ならば、グーよりパーが強いと証明しましょう!」

 

フィールドの壁際まで下がった泰葉はそのまま後ろの壁に両足を付き、その勢いで正面から突撃する忍機に向かって弾丸のように飛び掛かり、左手を開いて突き出す。

イグザスは鍛えに鍛えまくった「ガンダムアスタロト」の「サブナックル」で。

デスティニーディサイダーは瞬発力を利用したデスティニーガンダムの「パルマフィオキーナ」で。

力と技………それぞれのサウスポーの手がぶつかり合う。

 

「シグル………ナックルーーーッ!!」

「パルマ………フィオキーナッ!!」

 

お互いの最高の一撃は………互いのコックピットを見事に貫いていた。

 

「………あちゃー、これは引き分けかなー。」

「みたいですね………。応援してくれた人には申し訳ないですが………。」

「でも、楽しかったよ!泰葉ちゃん、ありがとう!」

「こちらこそありがとうございました!また戦いましょうね、忍さん!」

 

二人のガンプラアイドルの礼と共に、機体が爆発した。

 

 

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「赤の工藤忍、青の岡崎泰葉………バトルの結果は引き分けです!でも、素晴らしい試合を演出してくれた二人のガンプラアイドル達に拍手をお願いします♪」

 

ゴールデンタイムの生放送の中、連邦軍のオペレーター服を着た栗原ネネの実況に会場から大きな拍手が沸き起こる。

そんな中、シミュレーターからアセム・アスノの軍服を着た忍と、シン・アスカの軍服を着た泰葉が出てきて笑顔で握手を交わす。

元々は乙倉悠貴と松原早耶、そして喜多日菜子も含めた「TIP! TAP! FLAP!」のメンバーが司会を務める中、ガンダムキャラのコスプレを着てガンダムトークをする番組なのだが、たまにこうやってガンプラのデモンストレーションバトルを行う事もあるのだ。

今回は仕事の都合上、ジャパンカップファイナリストである喜多見柚と関裕美と一緒に修行を行って回っていたこの二人がゲストであった。

 

「やっぱり楽しかったですか?」

「うん!色々な感情が芽生えるけれど、やっぱり自分の作ったガンプラで戦えるのは凄いよ!」

「そうですね。自分の経験や努力、そして想いがこもったガンプラですから、それを存分に活かせるのは嬉しいです!」

 

そんな柚や裕美達と一緒に鍛えている内にかなりの実力を付けた二人の言葉に、会場も盛り上がる。

こうしてまたガンプラやバトルに興味を持つ者達が出てくるからこの番組はゴールデンタイムに行われているのだ。

そして、そんな感情を持った娘は番組のセットの裏方にも………。

 

「自分で作ったガンプラでバトルかぁ………。」

 

彼女は今井加奈。

自分のガンプラをまだ持たない346プロのアイドルである。

今日は番組に出ているアイドル達に差し入れを持ってきたのだ。

しかし、あの熱いバトルを見ていると………。

 

「わたしもやってみたくなるかも………。」

「……………。」

 

そんな彼女の呟きを………同じく差し入れを持ってきていて「はぴ☆かむ」というユニットでコンビを組んでいる矢口美羽が聞き逃すはずが無かった。

 

 

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「よーし、いいかてめえら!今日は加奈の大切なガンプラとの出会いの日だ!気を抜くんじゃねぇぞ!」

「え?え?え?」

 

ある日、美羽によってとある模型店に行く用事をお願いされた加奈は、その前にいた向井拓海を始めとした346プロのアイドル達の姿に唖然としていた。

 

「ど、どうして………こういう事に………?」

「こないだの忍と泰葉のバトルを見てガンプラバトルに興味を持ったんだろう?美羽から皆に情報が回っていたぞ?」

「ええッ!?」

 

屈託のない笑顔で答える晶葉の言葉に仰天する加奈。

まさか、聞かれているとは思ってなかったのだ。

ちなみにこの場に集まっているのは、他には冴島清美、橘ありす、輿水幸子、木場真奈美、小室千奈美………更に、そのバトルを繰り広げていた忍と泰葉や、実況や司会を行っていたネネもいた。

共通点があるとすれば、以前、皆でとある番組の企画で学力テストを行った事だ。

あの時は加奈の力もあり、全員無事に合格する事ができたという経緯があるのだが………。

 

「あ、でも、その………。」

「加奈………素直になれ。ガンプラバトルは楽しいぞ?」

「う………でも………私、ほとんど知識も無いし………。」

「だからみんなに来て貰ったんだろ?特にネネは収録番組の都合上、結構色々知識を蓄えているみたいだし、頼りになるぜ?なぁ!」

 

ニヤリと笑みを浮かべる拓海に対し、ネネも笑顔で応える。

 

「加奈ちゃん。そういう時こそ魔法の言葉ですよ♪そして、こういう時はみんなに頼っちゃいましょう!」

「う、うん………!分かった!じゃあ、みんな今日はお願いします!………かなかな、ファイファイ、おー!」

 

おー!という言葉と共に、アイドル達は模型店へと入っていった。

 

 

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「うわ~………!凄い種類の箱の数………!?これ全部ガンプラ………!?」

 

模型店の中に入った加奈は、様々な場所に山積みになっているガンプラの種類の多さに驚きを隠せないでいた。

何せガンダムの歴史はとてもとても長い。

その為、登場モビルスーツも多く、その分ガンプラの数も多彩であったのだ。

 

「どうですか、加奈ちゃん♪こうなると自分だけのガンプラを組み上げてバトルをしたくなりますよね!」

「う、うん………で、でも………多すぎてどの子を選べばいいか………。」

「その為にみんながいるんです!早速おススメを聞いちゃいましょう♪」

 

しどろもどろになる加奈に対してアドバイスを送ったネネの言葉に、まず出てきたのは拓海。

 

「いいか、加奈………。ガンプラバトルってのはまずはスピードだ!トップスピードでぶっちぎる力があれば、何とでもなる!」

「メモメモ………!」

「………あの、拓海さん。まさか「土星エンジン」で空中分解の可能性がある「ヅダ」を加奈ちゃんにおススメする気なのでは?」

 

訝しむネネに対し、拓海は歯を見せた笑顔で笑う。

 

「そんなわけねぇだろ、心配するな!加奈に似合う機体………アタシのおススメは「セカンドVガンダム」だ!!」

「うわー!何か凄そう!」

「やっぱり空中分解の危険があるガンダムじゃないですか!?加奈ちゃんがゴーストファイターになってしまいますよ!?」

 

目を輝かせる加奈に対し、仰天したネネが思わずタイムを掛ける。

ここで話題になっている空中分解とは、文字通り機体がスピードに耐え切れずにバラバラになってしまう事であり………要は扱いが極端に難しい機体なのだ。

 

「し、忍さん!忍さんのおススメは何ですか!?」

「アタシ?そうだなぁ………ガンプラバトルは、努力と根性だからね。最後に物を言うのは自分のガンプラのフレームの硬さかもしれない。」

「メモメモ………!」

「だからアタシのおススメは「Dガンダムサード」!「Gブラストナックル」でフィニッシュブローを決める!!」

「す、凄く強そう!」

「まさかの鉄拳ガンダムですか!?というか、それってフレームの硬さじゃなくて、単純にパンチの硬さですよね!?」

 

ネネのタイム2回目。

Gブラストナックルとは、簡単に言えばナックルガードでぶん殴る技だ。

強力かと言えば強力ではありそうだが、初心者向けの技では無かった。

 

「あ、晶葉ちゃんは!?」

「任せろ。この天才に掛かれば加奈に似合う機体を分析する事は容易だ。加奈はまず自分の適性を見つける為に換装できるガンプラを選択するのがいいだろう。」

「メモメモ………!」

「だから私がおススメするのは、「ガンダムF90」だ!これなら加奈にあった換装形態も見つかるぞ!」

「な、何かできる気がしてきた!」

「換装形態が多すぎますよ!?そんなに多かったら加奈ちゃんの場合、全部乗せしようとして無茶苦茶になっちゃいます!」

「ネネちゃん………わたしの事、どう思ってるの………?」

 

加奈が落ち込む中でネネのタイム3回目。

ガンダムF90の換装タイプはA~Zのアルファベットの数だけ少なくとも存在するとは言われている。

加奈は何でもかんでも取り込むような性格をしているので、これだととんでもないことになってしまいそうだったのだ。

 

「ご、ゴメンなさい加奈ちゃん………。えっと、清美ちゃん………。」

「ガンプラバトルも清く正しく………というのは当たり前なので、非道な相手に気持ちで屈してはいけません。」

「メモメモ………!」

「なので、あたしがおススメするガンプラは「ガンダムアストレイ アウトフレーム」!これで邪な相手に鉄槌を下しましょう!」

「強そう!何か巴ちゃんが前に似たようなの使ってたよね!」

「「レッドフレーム」とアウトフレームは別物ですよ!?戦闘用の装備を持ってないじゃないですか!?」

「野蛮な武器を持たず、非戦闘を貫く姿勢………素晴らしいとは思いませんか?」

「加奈ちゃんが目指しているのはガンプラバトルですよ………。」

 

ネネのタイム4回目。

アウトフレームは作業用モビルスーツであり、基本「ビームライフル」以外の戦闘用装備を持たない。

その為、持ち合わせの作業用武装を駆使して何とかするしかない機体なのだ。

 

「ダメですね、皆さん。加奈さんは初心者です。そんな彼女でも楽しむ為には補助AIに頼る必要もあります。」

「メモメモ………!」

「ありすちゃん………!ありすちゃんならば、ちゃんとしたおススメあるんだね!」

「はい。私が加奈さんに乗って貰いたいのは「ガンダムデルタカイ」!この組み合わせが一番です!」

「とてもカッコ良さそう………!」

「「n_i_t_r_o(ナイトロ)」を積んでるよ!?一番危ない補助AIだよ!?」

「ガンプラバトルならば強化人間にはなりません!」

「そんなドヤ顔で言っても説得力無いよ~!?」

 

ネネのタイム5回目。

n_i_t_r_oとは、簡単に言えばシステムが稼働する度にパイロットの脳内を強制的に強化人間へと書き換えてしまう物。

これによってオールドタイプでもニュータイプ並の戦闘力を備える事が可能であるのだ。

しかし、ガンプラバトルとはいえ、加奈がこの真相を知ったら怖がる事は間違いなかった。

 

「や、泰葉さん………。」

「ふふっ、大丈夫ですよ、ネネさん。………皆さん、ガンダムに拘り過ぎです。モビルスーツはサポートする量産機も活躍してこそ。」

「メモメモ………!」

「だから、私がおススメするのは「ジェノアス」です!」

「何かカワイイ名前!」

「「ジム」よりも敵に負け続けた機体じゃないですか!?加奈ちゃんにいきなりそれは………!?」

「ところが拡張性がいいんですよ!「ジェノアスOカスタム」まで改造すれば、格上にも勝てます!」

「それは機体性能じゃなくてパイロットの腕前ですよね!?」

 

ネネのタイム6回目。

ジェノアスは火力と装甲で敵戦力の「ガフラン」に大きく劣っており、その為に「ガンダムガンダムAGE-1」が登場するまで全く歯が立たなかった経緯がある。

勿論、時代が進めばカスタム化されたその性能を遺憾なく発揮する猛者も出てくるのだが、あくまでそれはベテランの話である。

 

「さ、幸子ちゃん………!」

「フフーン、やっとボクの出番ですね!加奈さん、いいですか?ガンプラにはアクロバティックな動きが求められる事もあります。トリッキーさも時には必要なんです!」

「メモメモ………!」

「そんなボクがおススメするのは、「ゲルググ・ウェルテクス」です!さあ、この機体で一緒に飛びましょう!」

「うん!何か私も飛べる気がしてきた!」

「まさかの「機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」からの最新鋭機!?幸子ちゃん、加奈ちゃん目が回っちゃいますよ!?」

「拓海さんのチョイスよりはマシだと思いますし………それに目が回るのに慣れなきゃ上達しませんよ?」

「う………確かに。」

 

ネネのタイム7回目。

「ゲルググ」を発展機である「リゲルグ」を元に、とあるエース達用に改造したのがゲルググ・ウェルテクスだ。

幸子の言う通り空中分解の心配はないが、初心者の加奈にとって、操作性が良いとは言えない機体であった。

 

「真奈美さんのおススメは何ですか?」

「そうだな………要は安定した防御性能を持っていれば安心なのだろう?だったらおススメがある。」

「メモメモ………!」

「だから、私が加奈にプレゼンテーションするのは「火器運用試験型ゲイツ改」だ!「フェイズシフト装甲」があるから安定しているぞ!」

「な、何か漢字が難しそう!」

「真奈美さん!?何でそんな希少なチョイスをするんですか!?それに、すぐにバッテリーが尽きてしまいますよ!?」

 

ネネのタイム8回目。

火器運用試験型ゲイツ改は、「フリーダムガンダム」や「ジャスティスガンダム」の元になった「ゲイツ」の改造機だ。

真奈美の言う通り、実弾に強いフェイズシフト装甲を備えているが、エンジンの都合上、バッテリーが尽きるのが非常に早く長期戦を苦手としていた。

 

「ら、ラストは千奈美さんですけれど………。」

「そんなに怖がらなくてもいいわよ、ネネ。加奈自身を変えてしまうような、とびっきりのガンプラ考えてるから!」

「メモメモ………!」

「だから、私のおススメを言うわ!「インプルース・コルニグス」を組み立てて鳥になるのよ!」

「鳥………!何かパイロットの人も清らかそう………!その人みたいになりたい!」

「なっちゃダメです、加奈ちゃん!というか、まさかの木星帝国のガンプラですか!?」

「あら、あの機体は木星帝国にしてはセンスが良いでしょう?」

「そ、そうですけれど………、動きが破天荒ですよ!?」

 

ネネのタイム9回目。

インプルース・コルニグスは回避する際、機体の前後を入れ替えるというとんでもない構造になっている。

また、「フェザー・ファンネル」という扱いの難しいサイコミュ兵器も備えており、操作が難しい。

何よりパイロットの「影のカリスト」の性格が危険すぎた。

 

「みんな、真面目にやって下さいよ………。加奈ちゃんのガンプラを決めるんですから………。」

「悪ぃ、悪ぃ!………でも、言ってる事は結構真面目だぜ?」

 

慣れないツッコミに疲れが来たネネに対し、拓海が苦笑。

それに対し、加奈は自分の取ったメモを真剣に見ていた。

 

「「スピード」「フレームの強度」「換装」「気持ち」「補助AI」「拡張性」「トリッキー」「防御性能」「自分を変える」………。」

「流石、加奈さん。要点のメモに関しては右に出る者はいませんね。ですが、その条件を満たすモビルスーツは………。」

「そう簡単には見つからないだろうな。何せ、散々言っておいて何だが、必要項目が多すぎる………。」

 

ありすや晶葉が悩む中で、メモを見ながら歩いていた加奈は誤って正面のガンプラの箱にぶつかってしまう。

 

「う、わわ………!?」

 

上から箱が1つ落ちてきたので慌ててキャッチ。

 

「危なかったぁ………。」

「あら、ガンプラとの運命の出会い?それにしちゃったら?」

「それはいいな。どうせ悩んでも決まらないだろうし、思い切りも大事だ。」

 

千奈美や真奈美の言葉を聞きながら、加奈は箱をまじまじと見つめる。

そこには綺麗なモビルスーツが映っていた。

 

「もう、そこまで無責任だったら加奈さんが後悔しますよ………。」

「このガンプラ………わたし、好きかも………。」

「こんな感じで………え?」

 

幸子が驚く中で、清美が眼鏡を上げて箱を見てみる。

すると………。

 

「ネネさん、ちょっと見てくれませんか?加奈さんが選んだこのガンプラ、もしかしなくても………。」

「え………あ………!」

 

ネネも慌てて見てびっくりする。

そのガンプラは先程まで加奈が取っていたメモの条件を、見事に満たす機体………「ユニコーンガンダム」だったからだ。

 

 

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その後は寮に帰っての地道な組み立てであった。

仲間達に見守られながら、時に助けられながら加奈は自分のユニコーンガンダムを組み上げていった。

そして、組み上げた後は登場アニメである「機動戦士ガンダムUC」の鑑賞会を行い、さわりだけでも知識を学ぶ。

その上で、346プロのシミュレーターを借りての軽いバトルの練習。

勿論、初心者の加奈は勝つ事はできなかったが基本操作は学ぶことが出来た。

 

「中々素質があるじゃねぇか!あのガンプラは加奈に出会う為に落ちてきたのかもな!」

「うーん………だったら、わたし、もっとこの子を上手く扱いたいけれど………何かいい方法は無いかな………?」

 

基礎を学べば上達もしたくなる。

そんな加奈の言葉に晶葉はハッとしたようにポケットからメモリを幾つか取り出す。

 

「そのメモリは………!?」

「エクストラバトル………!?」

 

既にその存在を知っている忍や泰葉の言葉に頷きながら、晶葉はそれをテーブルの上に並べ、加奈達に説明する。

 

「成程なぁ………忍や泰葉達が上達した秘密として、このメモリの存在があったと………。」

「勿論、それだけでは無いだろうが………ある物は活用してみたく無いか?」

「いいですねぇ。ボクらももっと強くなれるかもしれませんからね!………どうです、加奈さん?」

 

既に自作のガンプラを組み上げている拓海・晶葉・幸子は加奈を見る。

加奈は両手に力こぶを作るとうんうんと答える。

 

「やってみたい!私もそんなバトルができるならば、チャレンジしたい!」

 

その加奈の言葉を受け、晶葉はネネ・清美・ありす・真奈美・千奈美の力を借りて、346プロのシミュレーターにエクストラバトルをセットし始める事になった。

 

「晶葉、加奈の為に今回は簡単なのにしてやれよ?」

「分かってる。天才の選別に間違いはないさ。………多分、これで大丈夫だろう。」

「も、もの凄く不安なんですが………。加奈さんも震えてますし………。」

「こ、こここれは武者震いだよ………!」

 

そんな事をしている内に、バトルステージの登録が完了する。

後は、各自ガンプラをセットすればいいだけだ。

 

「しっかし………ガンダムキャラとのバトルかぁ………。ガンプラバトルの大会なら里奈や美世とかと一緒に色々こなしてるけど、このタイプは初めてだな。」

「私も調整は何度かした事があるが、実際に自分で本気で挑んでみるのは初めてだ。」

「勿論、実力で負けるつもりはありませんが………この場合、エクストラバトルの経験がある忍さんや泰葉さんにリーダーを任せた方がいいかもしれませんね。」

「じゃあ、泰葉ちゃんリーダーお願い!アタシはサポートに回るから!」

「分かりました。加奈さん、色々説明しますので安心して下さいね。」

「う、うん………!宜しくお願いします!大丈夫………みんなのガンプラのメモもバッチリだから………!」

 

頭を下げた加奈が持っているのは、何の変哲もない白いユニコーンガンダムだ。

オーソドックスな近接武装である「ビーム・サーベル」に、強力な遠距離武装である「ビーム・マグナム」を持ち、シールドには「Iフィールド」が搭載されている。

それ以外にこの姿で特徴がある事と言えば、マニュピレーターを始めとした各部位が非常に硬く作られている事であろうか。

しかし、このガンプラはトランスEXの「NT-D」が発動し、ユニコーンモードからデストロイモードに切り替わる事で真価が発揮される。

外見が大きく変化する上に、機動力が跳ね上がった状態での、腕の「ビーム・トンファー」による連撃が非常に強力な機体に変化するのだ。

欠点を上げるとすれば、そのピーキー過ぎる操作性故に、加奈がまだ慣れておらず、十分に扱いきれていないという点であろうか。

とにかく未知の力を秘めた可能性の獣である事だけは確かであった。

 

 

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「拓海のガンプラは………何て当て字だったかしら?」

「「ヅダ・バーニングブースト(尽駄爆荒仁惧舞撃朱斗)」だ。」

「相変わらず凄い字を考えるわね。」

「それがアタシの個性だからな!」

 

そう千奈美の言葉に答えた拓海が、ニンマリとした笑顔で取り出したのは紫の「ヅダ」を元にしたガンプラ。

ヅダと言えば「土星エンジン」故に空中分解のマイナスイメージが強いが、その加速性能はバイクをかっ飛ばす拓海からしてみたら心を鷲掴みにするには十分な物であった。

そのヅダを高速での格闘戦に強くし、自爆までの限界時間を引き延ばす処置を行い、高出力スラスターで強化したのがヅダ・バーニングブーストである。

剛性を増した拳に加え、射撃武器でもある「ギャプランTR-5フライルー」の「ロング・ブレード・ライフル」の「ヒート・ブレード」や「ペイルライダー」のシールドに備わっている「パイルバンカー」等で、対戦相手を熱くガチンコでぶっ飛ばしていくのがこのガンプラのスタイルであった。

このような経緯から、土星エンジン発動中の高機動格闘戦に関しては、NT-D発動時の加奈のユニコーンや、デスティニーの光の翼発動時の泰葉のデスティニーディサイダーに匹敵する物を持っているのだ。

 

 

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「晶葉のガンプラ………「メンテロボ《ドーベン・ドクター》」は設定からもう、個性的だな。」

「只のメンテロボだと思っては困るぞ?例のウイルス事件でも活躍した逸材だ!」

「成程………その技能と精神がこのバトルでも遺憾なく発揮される事を願うまでだ。」

「任せてくれ。加奈はやらせはしないさ!」

 

片手で真奈美にVサインを送った晶葉がセットしているピンクのガンプラは「ドーベン・ウルフ」をモチーフにした物だ。

修理用工具にも活用できる射撃と格闘を両立した武器である「カレトヴルッフ」や背中の「陸戦型ガンダム」のバックパックに組み込んだ3タイプの「マーキュリーレヴA ソードユニット」が一番の特徴であり、それを胴体のマニュピレーターに加え、腕から無線で伸ばせる「ビーム・ハンド」やその内部に仕組まれた「隠し腕」、更に「ジ・O」脚の「隠し腕」と合わせて8本の腕で操っていく仕組みになっている。

勿論、その操作は人の手では不可能なので、支援AIとして「8」と「ハロ」を組み込んで、円滑に作業を行えるように工夫もされているのもポイント。

8本の腕は戦闘面でも活躍する為、単純な攻防においても決して侮れないガンプラに仕上がっている。

正に色んな意味でドクターの名に相応しい名機と言えるだろう。

 

 

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「幸子さんのガンプラの改造元は「バイアラン・カスタム」ですか。」

「そうです!名前は「バイアラン・キュートダイバー」!カワイイボクにピッタリでしょう!」

「ダイバー………スカイダイビングの超☆落下をイメージしてるのですか?」

「そ、そこはせめて超☆滑空って言って下さいよ!」

 

幸子が清美に見せびらかしているのはピンクと紫で出来た飛行型のガンプラ。

本人の言う通り、空からカワイイ幸子が舞い降りてくるような姿をイメージして作られた機体であり、「ウイングガンダム(EW版)」のバックパックを装備して羽を追加している。

性能としてはブースターやスラスター、ウイング等を増設して空戦能力を強化しており、空中から「Vダッシュガンダム」の「ガトリング・ガン」やビルダーズパーツで増設した「6連装ミサイルポッド」等で空対地戦闘を得意としている。

他にも多数のビーム兵器を備えている為、武装の選択の幅が広く、様々な局面に対応できるのがこのガンプラの強みであった。

尚、重点的な強化ポイントはブースト性能で、幸子曰く急に落っこちないように工夫を施したらしい。

身体を張る事に誇りを感じる側面がある幸子ではあるが、その要素や天使のような可愛らしさもしっかりとアクセントとして組み込めている機体であった。

 

 

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「後は忍さんと泰葉さんのガンプラをセットすれば大丈夫ですね♪」

「頼みますよ、二人共。加奈さんのエクストラバトル初陣で変なトラウマを植え付けないで下さいね。」

「大丈夫、ありすちゃん!加奈ちゃんは努力を惜しまないから、負けないよ!」

「後は私達がちゃんと援護すれば、彼女も活躍できるはずです。」

 

ネネとありすの言葉を受けながら、忍はイグザスを、泰葉はデスティニーディサイダーをシミュレーターにセットする。

これで6機のガンプラがカタパルトに順次動いていった。

 

「一番手は拓海さんですね。超☆安全運転でお願いします。」

「清美。そいつは、無理な話だな!アタシは全速力でぶっちぎるぜ!」

「後で説教が必要ですね。………ですから無事にみんなで戻ってきてくださいよ?」

「応!………向井拓海!ヅダ・バーニングブースト!超☆最高速でかっ飛ばすぜ!!」

 

「晶葉さん。次は貴女ですよ?何をしているんですか?」

「ありすか。………いや、このAI達の調子を確かめていただけだ。」

『心配はいらないぞ、晶葉。ありすに論破をする事も可能だ。』

『ロンパ!ロンパ!』

「8にハロ、喋るんですか!?とんでもない機能です………。」

「詳しい解説は帰ってきてからだな。じゃあ、池袋晶葉、メンテロボ《ドーベン・ドクター》………ガンプラバトルという名のオペを開始する!」

 

「幸子。今回の主役、分かっているわよね?」

「それくらい分かってますよ、千奈美さん。ボクほどじゃないですけれど、加奈さんも十分にカワイイですからね!」

「それくらい軽口が叩けるならば、大丈夫ね。………さあ、みんなの為に飛んできなさい!」

「任せて下さい!………行きますよ!カワイイ輿水幸子のバイアラン・キュートダイバーが舞い上がります!」

 

「さて………忍、泰葉。エクストラバトルに慣れている君達の経験が今回は重要だ。頼むぞ。」

「真奈美さん………心配しないで下さい!泰葉ちゃんは勿論、アタシも底力はありますから!」

「ふふっ、少しではありますが、このバトルの先輩として見せ場を引き出しませんとね!」

「では、発進してくれ!………慎ましくな。」

「了解!工藤忍、ガンダムAGE-2イグザス………加奈ちゃんの未来を斬り拓く!」

「岡崎泰葉、デスティニーガンダム・ディサイダー。運命という名の鎖を断ち切り、笑顔という名の花を咲かせます!」

 

「やっぱり口上はみんな、カッコいいですね。さあ、加奈ちゃん!」

「う、うん!ネネちゃん!………バトルに関するメモもちゃんと取ったから………後は………!」

「後は自信です!思い切って行ってきてください!」

「よーし………!今井加奈、ユニコーンガンダム!バトルを楽しみます!かなかな、ファイファイ、ゴー!!」

 

仲間達に見送られながら、6人のガンプラアイドル達は戦闘エリアへと出撃していった。

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