【デレマス×ガンダムブレイカー3】CINDERELLA of Gund@m breakerS 外伝 エクストラバトル編 作:擬態人形P
喜多見柚は自分のガンプラと共に砂漠に立っていた。
その先に居るのは「ガンダムアストレイゴールドフレーム」を元にした機体。
(アイツだ………。)
ジャパンカップのエキシビジョンマッチに乱入してきた機体。
大切な友を侮辱した機体。
大切な友の想いを踏みにじった機体。
許せる相手ではない。
(ここでアタシが………!)
ビーーーッ!ビーーーッ!ビーーーッ!!
(ッ!?)
闘志をむき出しにして武器を構えようとした柚であったが、ここで異変が起こる。
意味不明なエラーが起こり、突如自分のガンプラが動かなくなったのだ。
(どうして!?何で!?こんな時に!?)
焦る柚に対し、敵はゆっくりと刀を抜きはなち、こちらに歩いてくる。
少しずつ、着実に………。
(動いてよ!お願い!動いて!!)
しかし、想いは通じず、柚の機体は………。
---------------------------------------------------------
「うわーーーッ!?」
思わずガバッとベッドから身を起こす柚。
焦って周りを見渡せばここは我が家の自室であった。
「ゆ………夢?」
悪夢………としか言いようが無かった。
友である村上巴のガンプラをバラバラにしたタイムユニバースの経営者であるウィルのガンプラを倒そうとして、逆に返り討ちにあったのだから。
彼女はため息をつき、冷や汗を袖で拭うと改めて夢だった事を再確認し、思わず苦笑する。
「もー変な夢見ちゃったヤダヤダ、ちょっと眠れないしガンプラいじろー。」
敢えて小さく鼻歌を歌いながら、柚は机に向かって自分のガンプラを改修していく。
大体、現実はこうではないはずだ。
バトル中に変なエラーが発生するはずも無いし、恐怖に震えるはずもない。
何より………。
「ガンプラ製作は~♪楽しまなくっちゃね~♪」
そうやって今まで自分達はやってきたのだ。
これからもその姿勢は変わるはずは無い。
だから………。
「だから………負けるはずないよね。」
少しだけ柚の鼻歌と手が止まり、無意識のうちに軽くぎゅっと握り締められた。
---------------------------------------------------------
「柚さんを元気づける方法?それなら山形リンゴを食べ………んごご!?」
「それ、あかりちゃんが宣伝したいだけだよね?真面目に考えて無いよね!?」
同時刻、柚と同じユニット………「フリルドスクエア」の一員として修業している工藤忍は、アパートの自室で、商魂逞しい辻野あかりの柔らかそうな頬をつねっていた。
部屋にはあかりと同じユニット「#ユニット名募集中」のメンバーである砂塚あきらと夢見りあむも招かれている。
忍は最近、少しガンプラ作成やバトルに集中しすぎて、いつもの元気さが薄れている傾向のある柚がリラックスできる方法を彼女達に聞いていたのだ。
「柚ちゃんがやむと………ぼくもやむ………。そのウィルって男………ネットで炎上すればいいのに………。」
「それは柚サンも巴サンも望まないんじゃないんデスか?多分、二人とも、自分の手で決着付けたいでしょうし。」
うつむき両人差し指をつんつんと突き合わせながらも怖い事を呟くりあむに対し、それに臆する事無く正論で返すあきら。
あかりを開放した忍は、りあむが持ち込んだ焼きギョーザを食べて嘆息する。
それを見てあきらは彼女にこう告げる。
「冷たいかもしれませんが………ソレは大会に参加している柚サン達5人の問題であって、忍サン達がとやかく言う事では無いと思いマス。」
「そうだね………確かにあきらちゃんの言う通りだと思う。実際、巴ちゃんが何とかするって言ってくれてるし、何よりアタシ達アイドルは、助言は貰っても答えは自分自身で出さないといけないんだから………。でも………。」
「何かマズイ兆候でもあったんですか、忍さん?」
あかりの言葉に頬杖をついた忍は説明をする。
今の柚を見ていると、どうしてもアイドルを目指していた頃の自分自身を思い出してしまうのだ。
夢を否定され、単身上京するという無謀な姿を見せてしまった工藤忍自身に。
「え?柚ちゃん………そんなにヤバイ精神状態なの?だったら猶更あのウィルって男………。」
「あ、ゴメンなさい!あの頃のアタシ程ヒドくは無いんです!………只、根詰めすぎるとどうしても視野が狭くなるし、一つの事にのめり込んじゃうんだよね。それこそ、知らない内に寝不足になるくらいに。」
「つまり………柚さんが大会に参加している内に倒れちゃうかもしれないって事ですか?」
「それは無いと思いたいけれど………重症化する前に何とかしたいのがアタシの考え。………というか、アタシの場合、このクセ直すのに相当時間掛かったから。」
経験者は語る………というわけだろうか。
自身の体験故に柚が気掛かりになる忍の気持ちも分からないわけではない。
しかし、あきらの言う通り、当人達の問題であるのも事実だ。
「このままだと今度のオフでもシミュレーターで訓練しそうだし、どうしたものか………ん?」
チャイムが鳴った事で忍は玄関に走り扉を開ける。
「邪魔するぞ。」
「カドマツさん………でしたっけ?」
「ゴメンなさい、私が住所教えたの。」
そこにはカドマツと八神マキノが立っていた。
---------------------------------------------------------
「成程なぁ………柚の嬢ちゃんは軽そうに見えるが、やっぱり譲れない物はあるってわけだ。」
こうして小さな丸いテーブルを囲み、焼きギョーザとあかり持参の山形りんごを食べる事になった六人は情報交換をしあった。
ニューウェーブの三人がテストをしたエクストラバトルの事。
柚の現在の精神状態の事。
忍達それぞれの意見や想い。
それぞれを確かめた上で、カドマツは忍にとあるメモリを渡した。
「これ………そのエクストラバトルのデータ?」
「とあるバトルのデータを入れてある。忍の嬢ちゃん達が、この中にあるデータをどう活かすかは自由だ。」
「特訓用としてミスターガンプラに貰ったのに………ですか?」
「今の話を聞く限りじゃ………嬢ちゃんは「特訓」の意味を正確に理解できてるだろ?………当事者でない以上直接的にできる事は少なくても、ユニットとして支える事はできる。違うか?」
「カドマツさん………。うん!」
忍は力強く頷くと、早速フリルドスクエアのメンバーである綾瀬穂乃香と桃井あずきにメールを送信し始めた。
---------------------------------------------------------
「アタシ!オフの日もガンプラバトルがしたい!」
そして後日、フリルドスクエアの久々のオフの日に柚は予想通りの言葉を発した。
それを聞いた忍・穂乃香・あずきの三人は目くばせをして柚にじゃーん!と例のメモリを見せる。
「柚ちゃんがそう言ってくると思って!」
「カドマツさんから良い物を預かってきました!」
「名付けて!エクストラバトル大作戦!!」
「え?え?え!?」
笑顔でエクストラバトルの説明を始めるフリルドスクエアの三人に、柚は目をパチクリさせた。
---------------------------------------------------------
「も~!そんな凄い物、貰ってたんならすぐに教えてよ~!」
346プロのシミュレーターの前で、柚は頬を膨らませる。
「ゴメン、ゴメン!」
「柚ちゃん驚かせ大作戦は大成功だね!」
「これでも悪気は無かったんです。」
それに対してやんわりと笑顔で答える忍、あずき、穂乃香の三人。
ここら辺、データ提供者のカドマツといい、フリルドスクエアの仲間達といい、いい性格をしているものだ。
「で、中身はどんなバトルなの?」
「実はそこまでは私達も知らされてないんですよ。」
「開けてみてのお楽しみだってさ。」
「カドマツさんのフリスクドッキリ大作戦だね。」
マキノとかならばデータの中身を調べることができるかもしれないが、フリルドスクエアの面々にはそこまでの解析能力は無い。
だから、忍の言う通り、起動してみなければどんなバトルになるか分からなかった。
「ま、楽しもうよ!今日は!」
「そうだね!どんなバトルでも柚達は負けないよ~!」
「………うん。」
勝気な笑顔を見せる柚の言葉に、少しだけ顔を曇らせて忍はデータをカドマツの言われた通りにシミュレーションにインストールする。
後は、これでガンプラをセットして起動させればOKであった。
「さてと………じゃあ、今日も宜しくね♪」
「柚ちゃん、今日も「ガンダムF91」で戦うんですか?」
「あ、うん………ベース機は決めてるんだけれど、中々最終的なイメージが固まらなくて。」
穂乃香の言葉に苦笑する柚。
彼女の機体は、言葉通り頭からつま先までガンダムF91だった。
只、実はバックパックだけがHGではなく一回り大きいMGで作られており、武装の「ヴェスバー」も含め巨大化されているのが大きな違いだ。
また、アイドルの中では少ない「覚醒」の使い手である柚は黄色に輝き主にスピードを強化する「ライトニング覚醒」を使いこなす。
ここから「MEPE」の加速力も上乗せし、「ビーム・サーベル」の連撃等から、巨大ヴェスバーから放出されるという設定の「V2ガンダム」の「光の翼」に繋げるのが得意技であった。
「ま、その内どうにかなるよ。………みんなはいつものガンプラ?」
「うん!あずきはやっぱりフリルドスクエアのみんなで協力して作ったこの子!」
あずきが駆るガンプラは「ライトニングガンダム」を大きく改造した紫色の「ジンライ・クレハトリ(迅雷呉服)」。
迅雷呉服の名の通り、ライトニングガンダムが呉服を着たような外観になっているのが大きなポイントで、「グシオン・リベイク」や「ノーベルガンダム」等のパーツを組み合わせている他、ビルダーズパーツでお団子髪や帯等を作っている。
肝心の戦闘に関しては、射撃にも格闘にも使える「ケルディムガンダム」の「GNビームピストルⅡ」を用いた近接遊撃が得意レンジ。
小型に調整して腕部に埋め込んで見えなくした「∀ガンダム」のシールドによる「Iフィールド」でビーム射撃にも強く仕上がっていた。
あずきとしてはこのIフィールドの設定も色々と試行錯誤して考察中であるらしい。
「忍ちゃんはオリジナル機体に慣れた?」
「ボチボチかなぁ。でも、その内完璧に使いこなせるようになる!」
忍の扱う赤いガンプラは「ガンダムAGE-2ノーマル」を元にした「ガンダムAGE-2イグザス」。
イグザスとは努力の意味を持つ「exertion(イグザーション)」の略語とパイロットのアセム・アスノと関連が深いウルフ・エニアクルが乗っていた「Gエグゼス」に近い響きを持つ事から忍が命名した物だ。
機体性能としてはAGE-2のスピードに加え、フレーム剛性を高めつつ各部に推進機を追加したことで「軽く俊敏な挙動」から「重い機体を高出力で制御しつつ飛ばす」形にした非常に扱いが難しい機体。
それに伴い、目立つ武装は「ハイパードッズライフル」と「ガンダムエクシア」の「GNビームサーベル二刀流」と「ガンダムアスタロト」の「サブナックル」のみである。
但し、サブナックルは「シグルナックル」と命名しており、忍なりのかなりの拘りがあり、「疑似GNドライブ」による「トランザム」も切り札として持っていた。
「穂乃香ちゃんのガンプラは惚れ惚れするよねぇ………。」
「そうですか?そう言って貰えると嬉しいです。」
穂乃香の組み立てた水色のガンプラは「バスターガンダム」から改装した「ヘリクスバスターガンダム」。
バスターガンダムを「ストライクフリーダム」や「インフィニットジャスティス」と同水準の技術で再設計したという設定の機体で、前者の「MA-M21KF 高エネルギービームライフル」や後者のボディが組み込まれている。
目立つ強化ポイントはセンサーと各種スラスターの増設で、バレエが趣味の穂乃香らしくどんな戦況でも機体の体幹を保ち、ピルエット(回転)を舞いながら周囲360度の敵機を四挺六種の砲撃とミサイルを使い華麗に撃破していくのを最大の特徴としていた。
機体名もそれ故に「ヘリクス(螺旋)」と付いているが、普通に支援機として戦っても勿論、優秀であった。
「楓サン達も言っていたけれど、みんな個性が出ていていいよね!」
「じゃあじゃあ、早速動かそうよ!」
あずきの言葉に全員が頷きシミュレーターに入る。
ガンプラをセットすると、それぞれの機体が電子的な青いカタパルトに出現し、順次発進していく。
ここで自由に叫べる口上も、密かなアイドル達の楽しみであった。
「やっぱりここはこうかな?ガンダムF91は、喜多見柚で行きます!」
「桃井あずきはジンライ・クレハトリで出撃!エクストラバトル大作戦開始だよ!」
「工藤忍専用ガンダムAGE-2イグザス………努力と根性を心に秘めて、発進!」
「私達も行きましょう。ヘリクスバスターガンダム、今日も新たなる表現を目指して!」
四機のガンプラはそれぞれエクストラバトルのステージへと発進していった。
---------------------------------------------------------
フリルドスクエアが降り立ったのは基地が並ぶ海岸線沿いのステージであった。
「ここは………。」
『貴女達がフリルドスクエアね!』
「ん?敵!?」
『違う!違う!』
『私達は味方よ!』
突如聞こえてきた通信にフリルドスクエアの四機はそれぞれの背を守るように四方向に武器を構える。
しかし、ホログラムとなって現れた三機の機体は慌てて手を振って味方であることを示す。
見れば、その機体は白と赤で構成されたガンダム顔の量産機。
通信画面には、金髪の少女と眼鏡の少女とショートヘアの少女がそれぞれ現れる。
「「オーブ連合首長国」の「M1アストレイ」だ………!その顔といい声といい、乗っているのは………!」
『そうそう!分かってくれた!?』
「小説版で活躍した「アストレイ三人娘」のリーダー格であるアサギ・コードウェルさんと!?」
「外伝漫画で活躍!ロウ・ギュールさんとラブロマンス?を描いたジュリ・ウー・ニェンちゃんと!?」
「何故かゲーム作品だと三人娘の中では一番能力が低く設定されがちなマユラ・ラバッツちゃん!」
『ちょっと、もう!人の苦労も知らないでーーーッ!!』
最後のあずきの容赦無い解説に激高するマユラ。
その様子に苦笑いを浮かべるジュリと頭を片手で抱えるアサギ。
確かに「機動戦士ガンダムSEED」に登場する通称オーブ三人娘であった。
「へー………このエクストラバトル、味方AIも登場するんだ。」
「柚ちゃん、よく見て下さい。このM1アストレイのガンプラ最新版ですよ。「対艦刀」を装備してます。」
穂乃香の言葉に柚は確認する。
確かに腰部サイドアーマーの専用マウントに実体剣が備え付けられていた。
元々は「ストライクガンダム」の「I.W.S.P.」に付く装備であったが、色々な理由があって、M1アストレイの最新のガンプラにはこの武装が付属しているのだ。
「最新版データだけあって細かいなぁ………それにしても………。」
柚は見る。
忍はジュリと熱心に何か話しているし、あずきは先程の件で機嫌を悪くしたマユラにペコペコ謝っている。
「何かほのぼのとしてるな~………。これからミッション開始なのに。」
苦笑する柚に、ひっそりと顔をしかめる穂乃香。
そんな彼女にアサギから声を掛けられた。
『そろそろミッションについて説明するわね!相手は地球連合軍!海岸から上陸してくる敵を追い払って!』
「地球連合軍というと………主な相手は「ストライクダガー」でしょうか?」
『他にも何か出てくるかもしれないわ!………とにかく貴女の指示に従うから対処して!』
「私が指揮官………ですか?」
『貴女が一番まともに判断できそうだからよ。』
「カドマツさん達………柚達に渡す際に、どんなデータ処理したんだろ?」
思わず半目になる柚に対し、指揮を任された穂乃香は色々考える。
とりあえず各自の性格の問題を除いたとしても、主に後方支援を得意とするヘリクスバスターを扱う穂乃香は適任だとも思えた。
そんな会話をしている内に………。
『来るわよ!』
アサギの言葉にフリルドスクエアの四人は、海岸線沿いからホログラムとなって現れた機体を見る。
グレーの素体に青と赤の配色が施されたゴーグルアイのモビルスーツは間違いなく地球連合軍のストライクダガーであった。
「さてさて、司令官どうしますかな~?」
「そうですね………シミュレーション非対応機体ですし、敵の動きを探る上でも今までのセオリー通り、柚ちゃんとあずきちゃんで前線を形成してください。忍ちゃんと私で砲撃支援をします。前線を抜け出した敵はアサギさん達が射撃で対処を。」
『了解!』
七体の機体は穂乃香の指示通りに動く。
柚のF91はMEPEを発動させるとヴェスバーによる射撃で怯ませ、ビーム・サーベルを両脚から抜き放つ。
「おりゃりゃりゃりゃ~~~!」
そのまま両手首ごとビーム・サーベルを回転させ敵の群れに突撃していくと、気持ちいい位にパーツが吹き飛び、爆発を起こしていく。
「もっとだ、もっと、もっと、こい!………うん!まだ、大した事は無いよ!あずきちゃんも突貫して大丈夫!」
「じゃあ、あずきも!」
あずきのクレハトリはGNビームピストルⅡで側転しながら射撃をストライクダガーに撃ち込み、更に怯んだところでEXアクションの「トマホークハリケーン」を発動。
自分自身がコマのように大回転しながら、敵を次々と吹き飛ばしていく。
「この回転クセになる~~~!名付けてハリケーン大作戦!………単純かな?」
「油断はいけないよ、あずきちゃん。………AGEシステム起動!さあ!動いて、ガンダム!」
忍のイグザスはシューティングモードを起動し、ハイパードッズライフルを次々と敵機に撃ち込んでいく。
勿論、ストライクダガーも手持ちの「M703 57mmビームライフル」やその下部に設置された「グレネードランチャー」で動きの鈍った忍機を狙うが、防御力を強化しているだけあって、大したダメージにはならない。
「青森より愛を込めて………ってコレは違うかな?」
「そういう忍ちゃんもちょっと浮かれていますよ?新鮮な気持ちになるのは分かりますけれど。」
穂乃香のヘリクスバスターは手持ちの二門の高エネルギービームライフルを連結して高威力の照射攻撃を放つ。
更に柚機とあずき機が形成した前線を抜け出してきた敵機には、アストレイ三人娘の「71式ビームライフル」の援護射撃と共に、左右のバックパック上部に追加された二種類の「6連装ミサイルポッド」を撃ち込んでいく。
「でも変ですね………。まだ難易度が低いというか………。」
『強敵………来るわよ!』
「!?」
アサギの言葉にストライクダガーに交じって、青と黒の重装備型の機体と緑と肌色の砲戦型の機体が複数現れた。
両方共、ストライクダガーを元にしているようだが、前者は「デュエルガンダムアサルトシュラウド」、後者は「バスターガンダム」に似ているようにも感じた。
「「デュエルダガー フォルテストラ」と「バスターダガー」ですね。遠距離砲戦用機体が来ましたか。」
『望むところよ!だったら接近戦で………わ!?』
ジュリが「70式ビームサーベル」を抜こうとしたが、その瞬間バスターダガーの「94mm高エネルギー収束火線ライフル」がかすり、右腕が吹き飛ぶ。
幸い、柚達のガンプラと同じく耐久値があるのか、吹き飛んだ腕は赤外線レーザーで元の位置に戻ってくる。
しかし、デュエルダガーの「115mmリニアキャノン」等も加わり、途端に相手の砲火が激しくなった。
「アサギさん達はシールドで防御しながら射撃支援を!無理に突撃しようとしないでください!忍ちゃん、前線に移動してバスターダガーとデュエルダガーを優先的に撃破して下さい!」
「合点承知!」
超高出力収束ビームで狙い撃つEXアクションである「カルネージシュート」で、ジュリを狙ったバスターダガーを撃ちぬいた忍のイグザスは、そのまま耐久力を活かし一直線に一機のデュエルダガーを狙い、体当たりを喰らわせる「ブラストタックル」で射線上にシールドを構えて乱入しようとしたストライクダガーを逆に蹴散らしながら突撃する。
デュエルダガーは慌てて「ES01 ビームサーベル」を抜こうとするが、それより早く忍機は左腕のメッキ塗装が施されたサブナックルを叩きこむ。
「これがアタシの………シグルナックルだ!!」
ドゴォッ!という凄まじい音と共にフォルテストラの強化装甲ごと粉砕されるデュエルダガー。
それもそのはず。
忍はこのサブナックルを重点的に強化しており、当たれば相当な威力を発揮する。
元々設定としては「スパロー」の「シグルブレイド」を更にナックルとして強化したものであるらしく、武装の少ない忍機のいわゆる「必殺技」として改造が施された。
こういう所は、左利きである忍の拘りが見られる他、高機動の「トランザム」と併用する事で高機動機に対しても高い命中率を誇る。
「やっぱり自分の拘りって大事だよね!………さぁ、どんどん殴っていくよ!」
「忍ちゃ~ん、言ってる事、アイドルとして相当物騒だよ~………。」
ひっそりと苦笑いを浮かべた柚がツッコミを入れるが、忍はお構いなしでバスターダガーやデュエルダガーを次々とぶん殴って重点的に破壊していく。
地球連合軍にしてみれば、前線に三機も厄介な敵機が紛れ込んだ事でこれらの強力な砲戦機達の力が中々発揮されにくくなっており、結果的に支援に入る穂乃香達も楽になる。
特にヘリクスバスターを操る穂乃香は、センサー系を強化した事もあって、確実に敵機を射抜いていった。
「このままなら大した被害も無く済みそうですが………。」
『邪魔するな、シャニ!』
『邪魔はテメェだよ。』
『うっせーよ、テメェら!』
「アレ?この声は………!?」
アラートと共に空から降ってくる三機の機体。
一機は巨大な二門の砲を背負った青緑の機体。
一機は黄緑色の大鎌を持った死神のような機体。
そして、一機はモーニングスターを持った黒い鳥のような機体。
「「カラミティガンダム」、「フォビドゥンガンダム」、「レイダーガンダム」だ………!」
『テメェらがフリルドスクエアか?ザコばっかだな!』
『こんなヤツラ、オレが全部狩ってやるよ。』
『だからジャマするんじゃないよ!僕が倒しちゃうもんねー!』
「うわぁ………オルガ・サブナック、シャニ・アンドラス、クロト・ブエル………三馬鹿だ。」
『三馬鹿言うな!!』
柚の正直な感想に、三馬鹿こと、「ブーステッドマン」三人は一斉にツッコミを入れた。