【デレマス×ガンダムブレイカー3】CINDERELLA of Gund@m breakerS 外伝 エクストラバトル編 作:擬態人形P
「………で、最後はラストバトルを演じた君達3人なんだね。ある意味このバトルの終着点には相応しいだろうけれど。」
二宮飛鳥の発言に、昭弘・アルトランドとジュリエッタ・ジュリスと三日月・オーガスがそれぞれ顔を見合わせ一言。
『まあ、事情があってな………。』
『ラスタル様が言ったから。』
『オルガが言ったから。』
「………悪いけど言わせて貰うよ。清々しい位に単純だね。」
飛鳥は思ってしまう。
何だかんだ言って、彼等はこのバトルを楽しんでいるのだろうか。
先程まで登場していた面々も含めて………だ。
(このエクストラバトルの設計者にオルフェンズの救済を望む人がいるのは明白だよ。)
だが、悪い気はしないと心の中で思った飛鳥に対し、その様子を見たジュリエッタが問いてくる。
『こっちが自己紹介をしたんだから、そっちもしてもらおうか?』
「そうだね、ボクは二宮飛鳥。ガンダム・リベルタ・リベリオンを駆る只の中二病アイドルさ。」
「綾瀬穂乃香です。ヘリクスバスターガンダムのパイロットで、バレエが趣味ですね。」
「西川保奈美よ。ガンダム・ヴォーチェ・リゾナンツァが乗機で、オペラが好きなの。」
「八神マキノだ。相棒はジム・エージェントアサルトで、情報収集が得意よ。」
「喜多日菜子ですぅ。ガンダムエピオンで、王子様を探してまぁす!」
「乙倉悠貴ですっ!Vダッシュガンダムと一緒に、走ってます!」
『成程………ガンプラアイドルというのも、女としてはとても逞しいのだな。』
『俺達の知り合いにも逞しい女はいるがな。三日月、お前はどう思う?』
『畑を耕すのが得意なアイドルがいたら勉強はしたいな。』
「畑………か。」
バトル前にのんびりと会話をするアイドルとAI達であったが、やはりもの悲しさは感じてしまっていた。
『じゃ………もういいだろ。本当に始めよっか。』
三日月のガンダム・バルバトスルプスレクスが「超大型メイス」を取り出し持ち上げるのを見て、昭弘のガンダム・グリオンリベイクフルシティが4本の腕で「120mm50口径ロングレンジライフル」を4丁構え、ジュリエッタのレギンレイズ・ジュリアが両腕部の「ジュリアンソード」を振りかざす。
そして………グシオンの砲撃と共に、戦闘が始まった。
「大物はボクが頂くよ。………アイツは厄介そうだからね。」
飛鳥のリベルタ・リベリオンはグシオンの砲撃を躱しながらバルバトスに迫り、ソードメイスと超大型メイスを激しくぶつけ合う。
ストライクノワールのフラガラッハ3ビームブレイドを使うという手段もあったが、メイスが大き過ぎる為に、すぐに折れる危険性があったから断念する。
それにこちらでも高熱で徐々にではあるが、武装を溶解させていく事が出来た。
「根競べはボクの方が有利だ。このバトルでは、ボクが君の首を取らせて貰うよ!」
『……………。』
静かに黙る三日月ではあるが、攻撃には容赦がない。
飛鳥が周りを見渡すと、射撃戦重視のグシオンには穂乃香のヘリクスバスターと保奈美のヴォーチェ・リゾナンツァが。
蛇腹剣にもなるジュリアンソードを振り回すレギンレイズ・ジュリアにはマキノのエージェントアサルトと日菜子のエピオンが。
そして、飛鳥の後ろには、何とか支援をしようとしているのか、悠貴のVダッシュが居た。
「悠貴。ボクは一人で大丈夫だから他の所に向かってくれ!」
「待って下さい、飛鳥さん!バルバトスは………それだけの機体じゃなかったはずです!」
「それだけのって………うわッ!?」
ここで飛鳥機は吹っ飛ばされる。
バルバトスが高熱でボロボロになった超大型メイスを投げ捨て、飛鳥機の顔面を吹き飛ばしたのだ。
慌ててパーツアウトした顔が戻ってくるまでパルチザンを構えて飛鳥機の前に立つ悠貴。
すると………バルバトスの両眼から赤い光が発し始めた。
「これは………阿頼耶識の「リミッター解除」!?」
『寄越せよ………バルバトス。』
そのまま両腕を痙攣させるバルバトスに危険信号を感じた悠貴はオーバーハング・キャノンを撃つ。
しかし………そのバルバトスが、消えた。
「ど………こ?………ッ!?」
その悠貴のVダッシュの右腕が外れ、凄まじい衝撃と共にパルチザンが真っ二つにされて吹き飛ぶ。
素早く辺りを見渡した悠貴は、グシオンと対峙していた穂乃香機に咆哮と共に猛スピードで迫るバルバトスを見つけ、慌てて知らせる。
「穂乃香さん、避けて!!」
「!?」
しかし、穂乃香が動く前にバルバトスは指の先端の爪である「レクスネイル」を振りかざす。
穂乃香は「ガンダムMk-Ⅱエゥーゴ仕様」の「シールド」で防御をするが、凄まじい速度で振りかざされるレクスネイルの前に粉々に破壊され、両腕も吹き飛ばされる。
「は、速………!?」
『仲間はやらせない………!』
そのまま首根っこを掴まれ投げ飛ばしたヘリクスバスターに向けて、空中に飛び上がり、両腕で掴むとそのまま地面に叩きつけ、トドメとばかりに両脚の踵に装備されているパイルバンカー………「ヒールバンカー」を炸裂させる。
この怒涛のラッシュの前に、いくらフェイズシフト装甲があるとはいえ、ヘリクスバスターは耐えられず爆発。
アイドル側に離脱者が出てしまう。
「す、すみません………後は………。」
そのままバルバトスは息を付く暇も無く、奇怪な鳴き声を発する尻尾の「テイルブレード」を振りかざし、近くのヴォーチェ・リゾナンツァを貫こうとする。
「くっ………トランザム!」
寸での所でトランスEXを発動させて機体を加速させて回避をする保奈美機であったが、グシオンから目を離し過ぎていた。
『うおおおおおおお!!』
「あ!?」
気が付けば、横合いから「グシオンリベイクハルバード」を構えて接近していたグシオンの回転斬りをまともに受ける間合いに居た為、慌てて飛び上がり避けるが、その隙を狙ってまたバルバトスの接近を許してしまう。
「は、ハイパーバーストモード!!」
『どけ………!』
空中でバルバトスに向かって圧縮粒子の球体を放つが、それごとレクスネイルで斬り裂いたバルバトスは、テイルブレードで今度こそコックピットを貫きヴォーチェ・リゾナンツァも爆散させる。
あっという間に離脱者二人。
「みなさん!トランスEXを!これでは………!」
やられた保奈美の警告を聞いたのか否か、「トランザム」を発動させた飛鳥機がようやくバルバトスに追い付く。
しかし、その驚異的なスピードに対応する為に、切り札のソードメイスは捨てておくしかなかった。
一方でHADESシステムを発動させたマキノ機もグシオンの方に向かい、飛鳥機への割り込みを封じようとする。
だが、こちらも先程の戦闘でビーム・サーベルを破壊されており、間合いが難しい状態であった。
そして、日菜子機に至っては、経験不足な上に、再チャージ中でトランスEXがしばらく使えない中、レギンレイズ・ジュリアに挑まなければならなかった。
「あ、飛鳥さ………!」
「悠貴!君は下がれ!」
「な、何で………!?」
「日菜子と同じく前の戦いでMEPEを使っただろ!?しばらくは再チャージ中で使えない!更にパルチザンも失った今、有効な武装がVダッシュには備わっていない!」
「でも、私は………!それじゃあ、役立たずじゃないですかっ!」
「MEPEが回復するまではそう言われても仕方ない!何とか生き残ってくれ!」
「そんな!?」
戦力外通告を受ける悠貴は愕然とするが、実際にVダッシュがビーム偏重の装備ばかりである為に、ナノラミネート・アーマーには役に立たない。
それでも………いくら自分が初心者だからって、このまま黙って見ているのは悠貴には耐え難かった。
『どうした!?ガンプラアイドルというのはこれだけの力しか無いのか!?』
「そんな事言われてもぉ………日菜子も初心者なのでぇ………。」
一方で悠貴と同じ初心者である日菜子も、レギンレイズ・ジュリアとの戦いでかなり悩まされていた。
こちらはナノラミネート・アーマーにも有効な武装があるからまだ戦力にはなるが、トランスEXが使えない今、上手く攻められなかったのだ。
結局モビルアーマー形態に変形しながら上空を逃げ回り、ジュリアンソードや「機関砲」の攻撃を躱して回るばかりだ。
(ライフルがもっと上手く扱えればいいんですけれど………えっと、他にはヒートロッドとエピオンクローと後は………。)
そこで、日菜子はハッとする。
もしかしたら………もしかしたら自分でも何とかイケるかもしれない。
そう思った瞬間、日菜子はゼロシステムでは無く、自分の妄想パワーをフル回転させる。
そもそもエピオンはどんな機体だったか?
ならば、そのエピオンを操る自分はどんな戦術を披露すればいいのか。
「上手く………行って下さいよ!」
何度目かの攻防か、蛇腹剣として先端がドリルのように伸びてきたジュリアンソードに向けて、変形を解くと伸縮自在のヒートロッドを伸ばす。
『何!?』
それは上手く絡み合い、お互いの厄介な武装を封じる形になる。
また、エピオンの盾とレギンレイズ・ジュリアの腕部に接続されている武装の為に、そう簡単に外せなくもなる。
只、モビルアーマー形態ではヒートロッドは尻尾の位置になる為、日菜子にとっては逃げる手段であった変形その物が封じられてしまう。
『捨て身でジュリアンソードを封じたくらいで………!』
ならばと、脚部ブースターの「脚部ブレード」でドリルのような蹴りを放とうとするジュリエッタ機に対し、日菜子機はEXアクションの「エクスカリバー」を発動させ、ウイングガンダムのビームサーベルをブーメランのように投げつける。
ビームのブーメランとドリルの蹴り………勝ったのは後者であった。
『喰らえッ!!』
ビームブーメランを蹴り飛ばされ、そのままの勢いで顔面が吹き飛ばされたエピオンは至近距離で両肩の機関砲の射程に入り、絶体絶命の危機に陥る。
『勝負あったな。初心者にしては………。』
「知ってますか?エピオンの事………。」
『?』
至近距離で恐ろしいほど静かに喋りだす日菜子の言葉にジュリエッタは首を傾げる。
それすらも気にせず、淡々と日菜子は呟いていく。
「エピオンは「必ず敗者にならなければならないモビルスーツ」なんです。勝ったら………いけないんです。」
『だから敗けて当然だと………?』
「勝ったらいけないのならば、選択肢は2つですよね。敗けるか………引き分けるか。」
『き、貴様………まさか!?』
日菜子が目を付けた「最後の切り札」に気づいてしまったジュリエッタは思わず機体を離そうとするが、その前に日菜子機は両腕でがっしりとジュリエッタ機を掴む。
「今回は王子様に出会えませんでしたが………仕方ないですよね、「みんなが勝つ」為ですし。」
『貴様は何でそこまでするんだ!?初心者と言われた反骨心からか!?』
「自分の足で歩けシンデレラって歌詞があるんです。日菜子の望む王子様は何度も自分の足で探しませんと!」
『やめろ!………「自爆」はするな!!』
「ここではこう言いましょうか。………日菜子はみんなを守るガンプラアイドルです!!」
その日菜子の言葉と共に、エピオンが光る。
最後の切り札………自爆を使った日菜子機は、ジュリエッタ機を巻き込み、盛大に爆風を辺りに巻き起こした。
『これが、ガンプラアイドルの執念………想い………!?』
「だから………悠貴ちゃんも自信を持って、大切な人達を守って下さい………。」
「日菜子さん………。」
その凄まじい姿を見ながら、悠貴は後方で呆然としていた。
『何て爆発だ………。俺達も巻き込まれていたらヤバかったかもな………。』
「そうね。………でも、押されていたこっちに気合を入れ直すには十分な効果があったわ。」
『その気合がHADESとその真っ赤な姿か?』
「そう解釈して貰ってもいいわね。」
昭弘の言葉に、マキノはニヤリと笑みを浮かべて答える。
マキノのエージェントアサルトは、全身が黒では無く赤く染まっており、ヴァリアブルフェイズシフトの効果を強めていた。
勿論、エネルギーを防御装甲に集中させる分、ビーム・ライフル等のビーム兵器は使えなくなっていたが、その分、120mm50口径ロングレンジライフル等の集中砲火にも耐えられるようになっていた。
「攻めさせて貰うわよ!日菜子の想いは受け取ったわ!」
『グッ………。』
左腕の90mmガトリング砲やシールドのミサイル・ランチャー、脚の大型ミサイル・ランチャー等を次々と発射していくマキノ機。
その砲火の前に、元々回避型とは言えないグシオンはダメージを貯めていくが、それでも二梃の「300mm滑腔砲」を撃つなどして反撃を行う。
『俺達は………終わらねぇ!!』
「弾数はこちらの方が有利よ!HADESで機動力も………!」
だが、そのマキノ機の左腕がシールドごと吹き飛ぶ。
何事かと思って見れば、後ろからバルバトスがレクスネイルで斬り裂いていた。
「嘘………!?」
『仲間はやらせないって言っただろ………?』
更にその後方では、本来バルバトスと対峙しているはずの飛鳥のリベルタ・リベリオンが片腕を吹き飛ばされておりうずくまっている状態だった。
(気づくべきだった………!ソードメイスが使えない飛鳥の機体には有効な武器がレールガン位しかない!?)
装備の相性が不利な状態でバルバトスの動きを止めておく事自体が無茶だったのだ。
動きが封じられたマキノのエージェントアサルトに、怒りのバルバトスのテイルブレードが迫る。
「悠貴………ゴメン………。」
最後のセリフが情に訴える物なんて、自分らしくないとマキノは思った。
それでも、日菜子から繋がった想いは消したく無かったから………。
「助手として………飛鳥の事、頼むわね。」
そのままコックピットを貫かれてエージェントアサルトも爆散した。
「私に………出来る事は………。」
悠貴は見る。
グシオンがリベルタ・リベリオンにハサミ状の「シザース可変型リアアーマー」でトドメを刺そうとしている所を。
その邪魔はさせまいと自分に迫る文字通り悪魔のようなバルバトスの姿を。
「このままじゃ………あ………。」
そこで悠貴はMEPEが再使用可能になったのを確認する。
でも、今の自分に有効な手段は………。
(そんな事、言っている場合じゃ無い………!絞り出すんだ!私が助手として………飛鳥さんを助ける方法を!)
だから、悠貴はとにかく前に出た。
走る事が趣味の彼女は………MEPEを発動させ、一直線にグシオンに………迫るバルバトスに向かって愛機を走らせていく。
『潰す………!』
レクスネイルで小柄なVダッシュを貫こうと右腕を出して来たバルバトスに対し、悠貴は動体視力を最大限に発揮した。
そして、得意のハードル走をするように………バルバトスの爪を踏み台にし、跳び上がる。
『俺を踏み台にした………?』
「飛鳥さんを………離せーーーッ!!」
そのまま空中でオーバーハング・キャノンをグシオンに放つが、やはりナノラミネート・アーマーの前には大した効果が無い。
実弾武器が有れば、実弾武器………実弾………。
「!!」
そこで天啓にも似た閃きを得る悠貴。
彼女はスラスターで姿勢を制御しながら背中のオーバーハング・パックを外すと、それを砲丸投げのように回転しながら振り回し、グシオンに向けて思いっきり投げつける。
「うわあああああああああああ!!」
『何だと!?』
思いっきりブースターで加速しながらぶつかって来たオーバーハング・パックを受けて、シザース可変型リアアーマーを思わず手放してしまうグシオン。
そこに悠貴はビーム・ライフルの射撃を当てて自分のバックパックを爆発させて、グシオンの頭部と腕部を吹き飛ばす。
「飛鳥さんっ!!」
着地した悠貴は素早くビーム・サーベルで、シザース可変型リアアーマーを解体すると、飛鳥のリベルタ・リベリオンを解放。
飛鳥は素早く両肩のレールガンでグシオンに連射を浴びせ、爆発させる。
『驚いたぜ………。やるな、アンタ………。三日月、後は任せる。』
『ああ………。』
言葉を受けた三日月が迫ってくる中、悠貴がビーム・サーベルを構えたまま飛鳥に告げる。
「飛鳥さん、ソードメイスを拾って来てください!動きは私が封じておきます!」
「悠貴………?」
「大丈夫です!それまで逃げ回るのは得意ですから!速く!」
「………分かった。」
トランザムがまだ発動しているのを確認しながら、飛鳥はソードメイスを拾いに行く。
悠貴は三日月のバルバトスのレクスネイルを回避すると、そのまま上から振り下ろされたテイルブレードも転がるように避けて逃げ回る。
オーバーハング・パックが無くなった分、機動力は落ちていたが、それでもまだMEPEがあった。
『逃がさない………!』
「逃げます!何度でも!」
バルバトスのレクスネイルとテイルブレードの猛攻を凌ぎきるのは至難の技であった。
それでも、悠貴は腕が取れながらでも急所への一撃は回避していく。
『だったら………これで終わらせる………!』
「あ!?」
だが、距離を取った所でバルバトスの両腕のカバーがスライドし、「200mm砲」が火を噴き、悠貴機の頭部パーツが吹き飛ぶ。
バランスが崩れた所で、再びテイルブレードが迫るが、そこに飛来してきたオレンジのGNシールドビットが盾になった。
「飛鳥さんの………!?」
『しつこい………!』
三日月は、更にレクスネイルの連撃でGNシールドビットを破壊するが、悠貴はその間に体勢を立て直す。
『もっとだ………もっと寄越せ、バルバトス!』
更に速度を追及した三日月は、バルバトスのテイルブレードを水平に薙ぎ払い、今度こそVダッシュを横に真っ二つに斬り裂く軌道を描く。
だが………悠貴はそこで、Vダッシュを上半身の「ハンガー」と「コア・ファイター」、そして下半身の「ブーツ」に「分離」させた。
『!?』
「これも………飛んでけーーーっ!!」
そのままハンガーとブーツをモビルアーマー形態に変形させると「パーツ・アタック」を繰り出し、バルバトスへと突貫させる。
更にコア・ファイターに接続したビーム・ライフルを撃ち、2つのパーツを至近距離で爆発させてバルバトスにダメージを与える。
『チッ………!いい加減に………!』
コア・ファイターしか無くなったVダッシュガンダムに対し、バルバトスがテイルブレードでトドメを刺そうとするが、そのブレードが飛んできた影に斬り飛ばされた。
「飛鳥さん!」
「すまない………かなり遅くなった。それと、前言撤回させてくれ!」
飛鳥はソードメイスを振りかざし、傷つき鈍ったバルバトスに迫る。
三日月もバルバトスの残された力を発揮しようと、ボロボロのレクスネイルを突き出す。
「君は役立たずじゃない!………やっぱり最高の助手だよ、悠貴!」
『それが、アンタにとっての仲間か………!』
ソードメイスはバルバトスを真っ二つに薙ぎ払い、レクスネイルはリベルタ・リベリオンを貫く。
これが、このバトルの最後の攻防であった。
「………最初の話に戻るけれど、及川雫ってアイドルが居てね。トラクターとかを持っているから酪農には詳しいはずだ。ガンプラを作ったら連れてくるよ。」
『………アンタ、見た目によらず優しいんだな。』
「だから、最後に君達に聞きたい。焔の鳥のように鉄の華を咲かせながら燃え上がり自由に舞った君達は………求める物を得られたのかい?」
『俺の言葉で全員の答えを決めつけられないさ。でも………少なくとも俺とオルガは辿り着いたから………。』
「そうか………。対戦してくれて礼を言うよ。また機会があったらその時は頼むかな。」
飛鳥の何処か優しい言葉を最後に………二機の機体は爆散した。
「オルフェンズ………せめてこの世界では幸せに過ごしてくれれば………。」
残された………只一人、勝利者となった悠貴はコア・ファイターで火星の空を飛びながら祈った。
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「さぁ、飛鳥ちゃん♪ちゃんと悠貴ちゃんに言わないとダメよぉ?」
「わ、分かっているよ、早耶さん!でも、その………。」
「おっと、逃げるのはロックじゃないぜ?」
「公演の時と同じ事を言えばいいだけじゃないの。」
「夏樹さんも美波さんも茶化さないでくれ!………いざ面と向かって言うのは流石に………。」
バトルの後、松原早耶・木村夏樹・新田美波の三人に急かされる形になった飛鳥は、悠貴を前にして珍しく赤面していた。
しっかりとモニターで全てを視聴していた三人は、飛鳥に「ケジメ」を付けさせるべきだと言ってきたからだ。
悠貴の後ろでは、バトルに参加した四人のガンプラアイドル達が、それぞれ笑顔でいる。
それが、飛鳥にとっては、余計に言いにくい雰囲気を出していた。
「もぉ………いい加減言わないと、蘭子ちゃんや志季ちゃんに証拠画像残しちゃうわよ?」
「わ、分かった!それだけは止めてくれ!………えっと、悠貴。」
「はい。」
ずいっと背筋を伸ばした飛鳥は、悠貴を見上げながら(実はそれでも背丈の高い彼女よりは低いので)ハッキリと言う。
「さっきのバトルでは助かった!………ありがとう!………こ、これでいいんだろう!?」
「あ、お礼を何かしないとな。足手まとい発言もしたし。」
「そうね………悠貴ちゃん、何か望む事ある?」
「もう………好きにしてくれ………。」
頭を抱える形になった飛鳥に対し、悠貴は笑顔で一言。
「じゃあ、飛鳥さん!もし宜しければ………!」
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『………で、しばらく色んなエクストラバトルに付き合う事になったってか?』
再び火星。
呆れるようなユージン・セブンスタークの発言に対し、飛鳥はもう参ったように言葉を紡ぐ。
「腕をもっと磨く為にガンプラバトルの大会にも付き合って欲しいそうだ。しかも、悠貴だけでなく………。」
「むふふ………磨くならば、日菜子も勿論一緒です!」
「当然、私も付き合うわ。………まだまだ興味深い題材は沢山あるし。」
「フリルドスクエアで過ごせない時は私達も付き合いたいですね。」
「そうね、もっと色んな可能性、追及しなきゃ。」
後ろに並ぶのは日菜子、マキノ、穂乃香、保奈美。
そして………。
「私は飛鳥さんの助手ですからね♪」
悠貴が何処か嬉しそうに言うのを見て、飛鳥はいつものように溜息を付き、真っ赤に燃え滾るソードメイスを構える。
「まあ、いいさ………。この夢にしばらく浸ってしまうのも。これは堕落じゃない。ボクらの魂はそれこそ焔の鳥のように自由だからね。」
そして、最後に彼女は後ろの面々………仲間に対し、顔を向けずに親指を立てながら付け加えた。
「だから………これからも宜しく。」