ペンシルベニア州 シューニス
夕暮れとなり、オリバー家では夕食の準備が進められていた。
「……ロイ、ティーラは?」
「知らない。部屋には居なかった」
「こんな時間まで何処に行ったの?」
「ウィル、ちょっとティーラに電話してくれるか?」
「わかった」
ウィルは父親に言われてティーラのスマホに電話を掛けた。
しかし、ティーラのスマホは呼び出し音はするが出ず、4回試したがティーラが電話を取る気配はなかった。
「駄目だ出ない」
「そうか………ちょっと学校に電話してみよう」
オリバーはティーラの通う高校に電話を掛けた。
「ロイ、姉ちゃんが行きそうな所に心当たりは?」
「わかんない………あ、でも最近ケビンと居ることが多いみたい」
「ケビンと?」
「うん」
「…………電話してみるか」
ケビン宅
「ティーラが?」
『あぁ、お前最近会ってるらしくけど、何か知ってるか?』
「いや、今日は学校から帰ってからは会ってないけど」
『そうか。わかった、急に悪かったな』
「いや…………まさか」
電話を切ったケビンは剣を持って自宅を出た。
オリバー家
「ティーラは学校からもう帰ってるそうだ」
「ケビンも学校以外では会ってないって」
「…………保安官に連絡した方が良いかもな」
オリバーは事態を深刻に受け止め、保安官事務所へ電話をかけ始めた。
「俺ロジャースの所に行ってくる」
ウィルは保安官事務所に向かって行った。
シューニス保安官事務所
「ティーラが行方不明?」
『あぁ、学校や同級生にも聞いたんだが、誰も帰ってから見てないそうだ』
「わかった。こっちでも探してみよう」
『頼む』
「ロジャース!」
ロジャースが受話器を置いた直後にウィルが事務所に駆け込んで来た。
「ウィル、ティーラの事か?」
「あぁ」
「今お父さんから聞いた、これからパトカーで探してみる」
『保安官。保安官居ますか?』
ロジャースがパトカーで出発しようとした矢先に部下から無線が繋がり、無線機を手に取った。
「バーンズか、どうした?」
『今森の近くを巡回していたんですが、ティーラの学生証が入ったバックが落ちていたんです』
「ティーラの?彼女は近くに居るか?」
『いや、近くには誰も居ない』
「バーンズ、そこで待機してろ。今ティーラが行方不明なんだ、もしかしたら遭難しているのかもしれない」
『了解』
「カーリー、町長に連絡して捜索隊を集めてくれ」
「わかりました」
「ロジャース、俺も行く」
「よし、パトカーに乗ってくれ」
「はぁはぁはぁはぁ」
ケビンは自宅から例の洞窟まで走って来て、入り口の扉が破壊されているのを確認すると、中に入って行った。
「ティーラ!」
「ティーラ!何処だ!」
洞窟から離れた場所では、保安官や地元のハンターを中心に捜索隊が結成され、ティーラの捜索を初めていた。
「保安官!俺はあっちを見てみます!」
「頼む!」
「なっ!」
洞窟に入ったケビンは際深部で腹部が半透明な膜で膨れたイリスを見つけて度肝抜かれた。
「ティーラ!」
イリスを腹部をよく見ると人間の片足が出ており、イリスの腹部の中にティーラが取り込まれているのに気付いた。
「くっ!」
ザク
ケビンは持って来た剣でイリスの腹部を突き刺し膜を破いた。
ブチブチブチ
「ティーラ!ティーラ!」
イリスの腹部からティーラを引き釣り出したケビンはティーラを担いで急いで洞窟から出た。
キュウウウ
ティーラを奪還されたイリスはそのまま何処かへ去って行った。
「よし、出してくれ」
救出されたティーラは救急車に乗せられ、近くの病院へ搬送されて行った。
捜索隊も洞窟に集まっていた。
「ケビン、お前ティーラとは会っていないっていたよな」
「あぁ」
「じゃあ、何でここに居ると思った?」
ガッ
「答えろ!」
「よせウィル!」
ウィルはケビンがティーラに暴行を働こうとしたと考え、ケビンの胸ぐらを掴んで問い質そうとしロジャースに止められた。
「ティーラには暴行された形跡はなかった。ケビン、何故彼女がここに居ると思った?」
「………あいつ、最近ここに来ることが多かったから、もしかしてと思って……」
「成る程、事情を聞きたい所だか今日はもう遅い、ケビンは明日事務所に来てくれ、そこで話を聞こう」
「わかった」
「みんな、ありがとう今日はもう家に帰ってくれ」
「わかった」
「じゃあおやすみ」
ロジャースはケビンへの事情聴取を明日にして、捜索隊を解散させ、各々家に帰り始めた。
「二人共、家まで送ろう。乗ってくれ」
ロジャースはケビンとウィルをパトカーに乗せた。
バーンズは捜索が終了し、パトカーでそのまま自宅へ直帰しようとしていた。
ブン
「?」
バーンズは前を何かが横切ったのが見え、パトカーを停めて車から降り、辺りを見回した。
「………動物か?」
見回したが何かが出てくる様子はなく、動物か何かが通ったのだと考え、森から出ようとした。
シュルシュル
ガッガッガッ
「!?」
バーンズは上から伸びてきた触手が絡み着いた。
シャキ
ブズ
触手の一本の先端から爪が伸び、触手は爪でバーンズを突き刺した。
ブズブズブズ
更に他の触手を爪を出してバーンズに突き刺した。
「が………あ………ぁぁ」
突き刺されたバーンズの体はみるみると干からびて行った。
シュル
ドサッ
触手がバーンズを解放すると、その場にはミイラ化したバーンズの死体だけが残された。