コロンビア特別区 ワシントンDC
国土安全保障省
国土安全保障省のデスクでは、ミカエルがパソコンで調べ物をしていた。
「…………彼女が」
ミカエルがパソコンで見ていたのは、ティーラの個人情報だった。
ペンシルベニア州 シューニス
シューニス病院
夜となってシューニス病院では看護師が患者に異常がないか巡回しており、ティーラの病室の様子を確認しようとしていた。
ガラ
「え?」
看護師がドアを開けると、空のベッドだけがあった。
シューニスハイスクール
夜になったシューニスでは、保安官事務所からの応援要請を受けたペンシルベニア州警察がハイスクールに到着し、学校付近は封鎖され、州警察のSWATが突入しようとしていた。
「保安官、状況は?」
「脱出した生徒と教師は34人、残りの安否は不明だが、生存者から聞いたところ相当数の犠牲者が出ているそうだ」
「なら早急に救出しなければ」
「大丈夫か?相手は怪獣の可能性があるぞ。安易に行かない方が」
ロジャースは犯人の正体が怪獣の可能性があるとし、危険性を示唆した。
「例え怪獣だろうと校舎に入ると言うことは大した大きさではない、精鋭のSWATチーム20人なら楽勝だ。突入させろ」
州警察の現場指揮官はSWATに突入命令を出した。
「了解。行くぞ、突入だ。ガスマスクを着けろ」
命令を受けたSWAT隊長は18人の部下を引き連れて校舎に突入しようとした。
ロジャース達は指揮所から隊員が身につけたヘルメットカメラの映像で様子を見ていた。
ガチャ
SWATが入り口から突入しようと催涙ガス発射器を構えた時に、校舎からガラスを踏み割る音がし、SWATは立ち止まってM4A1カービンを構えた。
ガチャガチャガチャ
SWATが警戒していると、校舎から1人の女性が出て来た。
「止まれ!警察だ!その場で手を上げろ!」
SWAT隊長はマニュアル通りに出て来た人物に手を上げるよう指示した。
指揮所
「………ミリア?」
ケビンはカメラの映像で出て来たのがミリアだと気付いた。
「知ってるのか?」
「この学校の生徒だ」
「学校の生徒だ。保護しろ」
ロジャースからミリアが生徒だと聞いた指揮官はSWATに保護するよう命令した。
「了解。保護しろ」
「了解。警察だ、もう大丈夫だぞ」
命令を受けたSWATはミリアを保護しようと彼女に近寄った。
「………た………助けて………」
シュルシュル
グサ
「っ!」
「「「「「!?」」」」」
ミリアが震えた声で助けを求めた直後に、彼女は校舎から伸びて来た触手に絡め取られ、尖った爪で腹部を刺された。
「ぁ……ぁぁ」
ドサッ
触手がミリアを離すと、その場にミイラ化したミリアの死体が転がった。
ドサッ!
キュゥゥゥゥ
校舎の中から触手の正体であるイリスが出て来た。
「何だこいつは!?」
「怪獣!?」
SWATは突然現れたイリスに驚きを隠せなかった。
「撃て!撃て!」
ダダダダダ!!!ダダダダダダダダダダ!!!ダダダダダダダ!!!
SWAT隊長は即座に銃撃を命令し、SWATはイリスに向け発砲した。
ボン!!ボン!!
更に銃撃だけではなく催涙ガスも発射し、辺りはガスで視界が遮られた。
「何処だ!?」
SWATはガスの中でイリスを探した。
「………」
シュ!
「ぐぁ!」
「何だ!?」
シュ!シュ!シュ!
「どぁ!」「っう"!」「ぐぉ!」
イリスはガスの中から触手の爪で隊員達を串刺しにして行った。
「狙撃手、サーマルで探せ!」
「了解!」
離れた高所に配置された狙撃手はスナイパーライフルのサーマルスコープでガス中に居るはずのイリスを探した。
「何処だ…………」
狙撃手はサーマル越しにガスの中を探すと、明らかに人間の形状ではない生物を見つけ、引き金に指を掛けた。
シュ!
グサッ
「っ!」
ブン!
ドサッ
狙撃手が撃とうとした瞬間に催涙ガスの中から触手が狙撃手目掛けて飛び出して来て、狙撃手は首を刺され、そのまま投げ飛ばされた。
「くそ!閃光弾!」
SWAT隊長は閃光弾を投擲した。
ドン!!!!
キュゥゥゥゥ!
「そこだ!」
「撃て!」
ダン!!!ダン!!!
ダダダダダ!!!
閃光弾の光でガスの中にイリスの影が浮かび上がり、イリスが怯んだ隙にSWATは空かさず銃撃した。
「閃光弾!」
ドン!!!!
キュゥゥゥゥ!
「撃て!」
ダダダダダ!!!
「閃光弾!」
イリスに対して閃光弾が有効な事に気付いたSWATは閃光弾と銃撃を併用しイリスを攻撃した。
キュゥゥゥゥ!!
ブン!ブン!
「「「「「「ぐぁ!!」」」」」
イリスは大声で鳴くと、体の触手を伸ばして振り回し初め、SWATを片っ端から切り刻んだ。
ブン!
イリスが触手を振り回すのをやめると、催涙ガスが晴れ、辺りにはSWATの死体が横たわっており、誰も立っていなかった。
「くそ!」
ダダダダダダダダダダ!!!
唯一生き残ったSWAT隊長は負傷した脚を引き釣りながらイリスを銃撃し続けた。
キュゥゥゥゥ!
シュ!シュ!
グサッ!グサッ!
「ぐぁぁ!!」
イリスは生き残った隊長に触手を突き刺た。
「ぁぁ…………ぁぁ………」
隊長は全身の血を吸い付くされ、ミイラ化した。
指揮所
「SWAT、通信途絶」
「全滅だ………」
「いったい………何が………」
指揮所でもヘルメットカメラの映像でSWATが全滅した様子が映っており、現場指揮官は自慢のSWATが全滅し椅子にへたり込んだ。
「ケビン、奴か?」
「あぁ」
ロジャースは映像で見たイリスが、ティーラを捕らえた犯人か聞き、ケビンは肯定した
「ティーラ?」
ケビンは起動したままのカメラの映像に入院しているはずのティーラが映っているのに気付いた。
「イリス」
キュゥゥゥ
ティーラはイリスを見るとゆっくりと歩み寄って居た。
「ティーラ!何してるんだ!」
ケビンとロジャースはイリスに近付くティーラの腕を掴んで引き離した。
キュゥゥゥゥ!
ティーラを止めたケビン達を見たイリスは激昂したような鳴き声を上げた。
「彼女を連れて逃げろ!」
「でも!」
「いいから逃げろ!!」
カチャ
ダン!!!ダン!!!ダン!!!ダン!!!ダン!!!
ロジャースはティーラをケビンに任せて逃がし、2人が逃げる時間を稼ぐべく、グロック19拳銃でイリスを銃撃し弾は全弾イリスに命中した。
キュゥゥゥゥ!
ブン!
ブシャ!
「っ!」
しかし、イリスに銃撃は通用しておらず、イリスは触手でロジャースを頭から縦に斬りつけ、ロジャースを真っ二つにした。
キュゥゥゥゥ!
バッ!
イリスはロジャースを斬殺すると山の方へ逃げて行った。
「あれ………ギャオスか?」
逃げ行くイリスを見た州警察の警官はイリスをギャオスだと思った。
「おい、ワシントンに連絡………軍とモナークに出動を要請しろ」
現場指揮官は部下にアメリカ軍とモナークの出動要請を出すよう命令した。