「これでその怪獣を切ったのか?」
「あぁ」
ニックは保護したケビンから何があったのか聞き、ケビンが持っていた剣を見せてもらっていた。
「でも、相手は銃弾が通用しなかって報告があったんだが……これだと切れるのか?」
「たぶん、それあいつを封印する剣らしいから」
「……ん?」(この感触……もしかして)「モナークに提案してみるか?」
「え?何?」
「いや、こっちの話」
ニックは剣でイリスを斬る事が出来た理由として刃の材質か切った部分の問題だと推測した。
そして、ある物の開発を考案した。
シューニス病院
ケビンに学校から連れ戻されたティーラは、病院のベッドで眠っており、その側にはロイが椅子に座っていた。
「お姉ちゃん……みんな、死んじゃった。おじさんも、おばさんも、ウィルも……それから、保安官も………」
「ここです」
ロイは眠ったままのティーラに語りかけていた所に、医者に案内されたメグミとミルズが部屋に訪ねて来た。
「あなたがロイね?」
「うん」
「………お姉さんは?」
「ずっと寝てる」
「そう………?」
ロイに話しかけていたメグミはふとティーラを見ると、ティーラの首にT字型の勾玉がネックレスになって首にかけてあったのに気付いた。
「勾玉?」
メグミと合流したニックはティーラが勾玉を持っていたことを聞かされた。
「色は黒、形も違うけど確かに勾玉なの」
一方、グラント博士とウチキド博士は診察室でティーラの担当医から彼女の容態について聞いていた。
「脳に海馬体と言う部分があるのはご存知ですか?」
「記憶の形成や浄土に関わる部位ですね?」
「それがあの子の場合は異常に肥大しているんです。ここ、わかりますか?」
担当医はティーラのMRI画像で取った脳の写真を海馬体をボールペンで指した。
ペンで指したヶ所の海馬体の影は確かに通常の脳のMRI画像にくらべて大きかった。
「原因は?」
「私が聞きたいくらいですよ………あぁでも、時々譫言を言ってるです」
「譫言?」
「イリス、イリスって」
「…………イリス?」
某所
ウィンドウは自室で女性とインターネット電話で通話をしていた。
「あなたの報告にあったペンシルの少女、かつてガメラと心を通わせた女性と共通点が多い………しかも、ギャオスらしき生物が関わっているとすると………それが何を意味するのか気になりませんか?」
『………非常に興味があります』
ペンシルベニア州 シューニス
戦闘指揮所
グラント博士達は軍が仮設で設置した指揮所で、ワシントンのブルックとインターネット電話で彼が解析したサンプルの結果を聞いていた。
『サンプルa、卵殻から採取された染色体はギャオスの物と同じですが、サンプルb、粘膜の染色体はギャオスの物とは別の染色体で、同一生物の染色体とは考えられません』
「一つの場所に違う生物の染色体が?」
「いや、短時間で変異しているんだ」
「変異?」
「嗚呼、こいつはただのギャオスではない、ギャオスの変異体だ」
グラント博士はブルックの報告を聞いて、シューニスに現れたギャオスを変異体と推測した。
翌朝
「メグミ、今日は別行動を取って良いか?」
「良いけど、どうして?」
「嗚呼、ちょっとあのケビンって奴、例のギャオスを黙って居たのを気にしているみたいでな...何とか力になってやりたいんだ」
「そう、わかったわ、そっちは任せる」
ミルズはメグミに別行動の許可を求めて、訳を聞いたメグミは承諾した。
シューニス山中
シューニス周辺の山ではギャオス変異体の捜索の為、上空からは空軍のUAV、地上からはMRF、陸軍での山狩りが行われていた。
ガサガサ
「!」
カチャ
「おい!待て撃つな!」
茂みはが揺れ兵士が銃を向けると、1組のカップルが出て来た。
「何してるお前ら!この山は立ち入り禁止だぞ!」
兵士は立ち入り禁止の山に入り込んでいたカップルを注意した。
「いやー怪獣が出たって言うからさ、動画撮って上げれば再生数稼げると思って」
「そうそう」
カップルは動画投稿者で、ギャオスを撮影した動画を投稿して広告収入を得ようと画策していた。
「バカ野郎!!お前ら本当にギャオスに会ってみろ!マジで食い殺されるぞ!!今すぐ山を下りろ!」
年配の兵士は余りにも状況を軽視しているカップルを怒鳴り着け、下山する促した。
「わ、わかったよ。行こう」
「....そんなに怒鳴らなくても良いじゃん」
カップルは兵士に怒鳴られて渋々ながらも下山して行った。
シューニス病院
「転院させた!?」
ティーラから再び事情を聞こうとしたグラント博士達は病院を訪れたが、ティーラの担当医から彼女は転院したと伝えられた。
「親族の承諾も無しで転院させたの!?」
「....親族と言ったって、もうその子しか居ないだろ?書類にも不備は無かったし」
ウチキド博士は親族のロイの無許可で転院させたことを訴えたが、担当医はロイが子供の為無用だと返答した。
「それじゃあ誘拐を黙認したのと同義じゃないか!」
「ちょっと....!」
グラント博士が病院のロビーでにも関わらず大声で怒鳴り、他の外来患者達が一斉に見た為、担当医達はバツが悪そうな顔をした。
「彼女の転院先は?」
「それは、守秘義務があるため言えません」
フォスター大佐はティーラの居場所を聞きだそうとしたが、担当医は守秘義務を理由の拒否した。
「これは国防に関わることなの、正直に言って」
「こっちも患者のプライバシーを守る義務がある、どうしても話してほしければ令状を持って来てください」
「………なあロイ、この病院を提訴しないか?」
話そうとしない担当医に業を煮やしたニックはロイの目線に併せてしゃがみ込んで病院を提訴することを提案した。
「ていそ?」
「そう、簡単に言えば裁判を興すって事だ。この病院は君の確認も取らず、見ず知らずの人間が持って来た書類だけで勝ってに君のお姉さんを転院させた。博士の言う通り誘拐を黙って見逃したとも言える。だから裁判に掛けて、この誘拐を黙認した病院を訴えよう」
「ちょっとあんた」
裁判沙汰を持ち掛けたニックに担当医は苦言を申したが、ニックはそれを無視し更にロイに提案を続けた。
「費用なら俺達が払うし、優秀な弁護士を君の味方に就けるから」
「でも、大丈夫かな?僕の話、聞いてくれるのかな?」
「大丈夫よ。みんなあなたの話を聞いてくれるわ。悪い事をした人達をちゃんと法律で裁くだけ、これは正しい事よ」
「このお姉さんの言う通り、これは世の中の正しい構図だ」
「わかったわかった!」
メグミまで加わり、本当に裁判を興し兼ねない状態となった担当医は観念して転院手続の書類を渡した。
書類を受けとったニックは転院先の住所を読んだ。
「ニューヨーク.....?」
シューニス山中
「なぁ、やっぱり下りないか?」
「何言ってんの?動画撮れたら間違いなく儲かるわよ」
山中では、先程軍に下山するよう勧告されたカップルはまだ山にいた。
男の方は軍にしたがって下山を考えていたが、女の方はその気はなかった。
「居ないなー」
「なぁ、やっぱり下りようぜ」
ズズズ
「「?」」
先に行った女と後ろの男の間を何かが動き、よく見ると地面にオレンジ色の太い触手が転がっていた。
触手が伸びている方向をカップル達が見ると、森の中から身長100メートル程までに巨大化したイリスが居たが、姿が体型が人間に近くなり、両肩から2本ずつ計4本の槍が着いた触手が伸び、両腕のような触手の手甲は槍状になっており、両足の膝から槍状の突起が上へ伸び、胴体を中心に青緑色の発光体が幾つかあり、背中にはガメラの甲羅に似た外殻と4枚の翼状の突起、目は黒い両目から光る単眼に変わっており、ティーラが育てていた時の面影は頭の形状以外なかった。
イリスはカップルの方に振り向いた。
シュルシュル
「ひっ!いやぁぁぁぁ!!」
イリスは触手を伸ばして女を捕らえた。
イリスは触手で女を包んだと思ったら数秒で女を捨てるように解放した。
ボト
男の前にイリスに吸血されミイラ化した女の死体が落ちて来た。
「あぁぁ!!あぁぁぁぁ!!」
男は恐怖にかられ、その場から逃げ出した。