イギリス
イングランド サフォーク
ミルデンホール空軍基地
ニックは自宅を飛び出し、MRFの待機部屋に駆け込んだ 。
「モートン少佐!」
「ガメラとギャオスが出たって?」
「はい、それもロンドンのど真ん中に!」
ミルデンホール基地にもロンドンにガメラとギャオスが出現したとの情報が入り、基地は上から下へ大騒ぎとなっており、駐屯しているMRFは直ぐにでも出動出来るよう待機していた。
「全員居るね?」
待機部屋にフォスター大佐が入って来て、隊員達は全員起立した。
「聞いての通り、ガメラとギャオスがロンドンに現れた。既に警察と消防が出動しているが、あまりにも突発的な事態に現場は大混乱している。先程イギリス政府から応援要請が出され合衆国政府はそれを承認した。任務は英国軍と共同で怪獣への攻撃及び取り残された民間人の救出。今直ぐ装備一式を持って輸送機に搭乗!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」
キュイイイイイン!
ブォォォォーーーー!!!!
MRFの隊員達は必要な装備を持ち、基地に駐機しているV-22に乗り込み、ロンドンに出発した。
アメリカ合衆国
ニューヨーク州 マンハッタン
モナーク本部
ニューヨークの巨大生物対策会議では、モナークが最近の研究で判明したギャオスの研究結果が報告されていた。
「これは先日ジブチで回収されたギャオスの死骸から採取された染色体です」
ウチキド博士はギャオスから採取されたギャオスの染色体の写真をモニターに出した。
「たった一対?」
会議に参加していた他の研究者が口に出した言葉通り、ギャオスの染色体はたった一対しかなかった。
「えぇ、しかもこの染色体にはxxとyyの両方が含まれており、これによりギャオスは性転換を用いて単独での繁殖が可能と推測されます」
「つまり、仲間が居なくとも1匹居ればネズミ算式で増えて行くと言うことか?」
「その通りです。それにこの染色体は無駄な塩基配列が一切無く、更にあらゆる生物の遺伝子情報が組み込まれていることも判明しており、ギャオスは進化の過程で今の姿になったのではなく、最初からあの姿と生態で誕生した生物だと推測されます」
「失礼します!」
ウチキド博士がギャオスに関する研究結果を報告した直後、会議場にモナークの情報官が大慌てで入って来た。
「どうした?」
「ガメラとギャオスがロンドンに!」
イギリス
イングランド ロンドン
ドン!!!!
ロンドンではガメラがシティオブロンドンを進行しており、街中にパトカーに消防車や救急車のサイレンがいつも以上に鳴り響いていた。
ギャオ!!!ギャオ!!!
ロンドンの上にはギャオスが2匹飛んでおりそれぞれ急降下した。
「何?何が起きたの?」
ロンドンで仕事していた1人の若い女性が建物から避難を命じられ、訳も解らずとりあえず外に出た。
女性は後ろから来る気配を感じ振り返った。
ギァォォォ!!!!
バサッ!!!
振り返ると彼女に向かってギャオスが迫って来ていた。
「あ」
グシャ
女性は気付いた瞬間にギャオスに捕食され、ギャオスはそのまま飛びさって行った。
「撃て!撃て!」
ダン!!!ダン!!!ダン!!!
現場に駆け付けたのロンドン警視庁の武装応召車の警官はギャオスに向かって拳銃やライフルで銃撃した。
ガタンガタンガタン
「何だ?」
「火事?」
地下鉄の列車が高架橋を走っていると外に燃えている街が見え、乗客達はその火を見ていた。
その列車の反対側からギャオスがゆっくり高度を下げ、列車と並走した。
「…………?」
乗客の1人がふと反対側を見て、ギャオスの存在に気付いた。
「ぎ、ギャオスだ!」
「え!?」「嘘!?」
ギャオスを見つけた乗客の声で他の乗客達もギャオスに気付き、全身前方の車輌に逃げようと走り出した。
ガッ!
「がっ!」
ガッ!
乗客達はパニックになり、転んでしまった男性を踏みつけているのにも気付かなかった。
ガシャーーーン!!!
ギャオスは列車の最後尾を爪で掴んで持ち上げて飛び上がった。
ガーーーン!!!
ギャオスが飛び上がった際に最後尾の車輌を無理矢理持ち上げた為、前方の列車は高架橋から落下、下に居た人々を潰した。
ゴォーーーー!!!
「こちらアタッカー1、ギャオスは現在グリーン・パーク方面に向け飛行中、ミサイルの使用許可を求む」
『人口密集地域でのミサイルの使用は許可出来ない』
「了解…………くそ!」
ロンドンに駆け付けイギリス空軍のタイフーン戦闘機は基地にギャオスに対するミサイル攻撃の許可を求めたが、地面に民間人が居ることを理由に取り下げられた。
グリーン・パーク
ズシャーー!!
ギャオスは列車を持ったままグリーン・パークに着陸した。
ガッ!
ブン!
グシャ グシャ グシャ
ギャオスは口で列車の屋根を剥がし、中に口を突っ込み乗客達を食べ始めた。
テムズ川上空
テムズ川上空では兵士を載せたV-22と戦闘ヘリのAH-64Eの編隊がロンドンに向かって飛行していた。
「見えて来たぞ」
「………了解。みんな聞いて、今イギリス軍からトマス病院に取り残されいる民間人がギャオスに襲われていると連絡があったわ。私達はまずそっちに向かう」
聖トマス病院
ダダダダダダ!!!
ダダダダダダ!!!
「撃て撃て!!撃ちまくれ!!」
聖トマス病院では人々がギャオスに襲われており、救助に来たイギリス陸軍の歩兵達が民間人達と籠城し、L85A3でギャオスを銃撃していたが、殆んど効果がなかった。
「大尉!もう弾が!」
「くそ!応援はまだか!?」
ブォォォォォォォォォ!!!!
ギァォォォォォォォ!!!!
突然、歩兵のライフルとは比べ物にならない程の銃声がし、ギャオスに大量の弾丸が大量に浴びせられた。
「来た!」
ブゥーーーーン!!!!
外ではV-22が機首のチェーンガンでギャオスを攻撃しながら後部ハッチから兵隊をラペリングで地面に下ろしており、地面に降りた兵隊もギャオスを銃撃した。
カチャ
ニックも輸送機から降り、M27 IARのスコープでギャオスの目に照準を合わせた。
ダダ!!!ダダ!!!
ギャォォォォ!!!
ニックは持ち前の射撃の腕で、ギャオスの眼球に弾を数発命中させ、ギャオスは銃撃に怯み病院から離れた。
「今だ!ミサイル発射!」
『了解。ロックオン。発射!』
バシュ!!!バシュ!!!バシュ!!!バシュ!!!バシュ!!!バシュ!!!
ギャオスが離れたのを確認したフォスター大佐はAH-64E戦闘ヘリ編隊にミサイル攻撃を指示し、ヘリは一斉に対戦車ミサイルを発射した。
ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!
ギァォォォォォ
大量の弾丸とミサイルを撃ち込まれたギャオスは絶命した。
「行くぞ」
ニックは部下を引き連れ、聖トマス病院に突入した。
「待て、味方だ」
突入して来たMRFを見て歩兵は一瞬銃を向けたが、相手が人間だとわかると直ぐに下ろした。
「米軍のモートン少佐だ」
「英軍のエバンズ大尉だ」
「エバンズ大尉、民間人は何人居る?」
「47人だ」
「よし、民間人を輸送機に乗せて脱出させる、まずは怪我人からだ」
「わかった。みんな!聞いた通りだ!軍の輸送機に乗ってくれ!」
ギギギギギギ!
ロンドンにイギリス陸軍のチャレンジャー2戦車の中隊が到着し、ガメラに向かって進軍していた。
ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!
ガァァァァァァァ!!!!
チャレンジャー2はガメラに向かって砲撃を開始し、砲弾の直撃を受けたガメラは悲鳴を上げた。
グリーン・パーク
ウィィィン
一方、グリーン・パークではイギリス陸軍がレイピア地対空ミサイルの照準をギャオスに合わせた。
「発射準備完了」
「発射」
バシュ!!!バシュ!!!バシュ!!!バシュ!!!
陸軍は一斉にレイピアミサイルを発射し、撃ち出されたミサイルはギャオスに向かって真っ直ぐ飛んで行った。
「着弾まで後5、4、3」
ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!
ミサイルは全弾命中し大爆発を起こした。
爆発の煙が晴れると、ギャオスの姿はなかった。
「誘導弾、第2波追尾中」
シャーーー!!
軍は即座にレイピアミサイルを2発発射し、ミサイルはロックオンしたギャオスを追尾した。
ミサイル攻撃をくぐり抜けたギャオスは空に飛び上がり、追尾して来るミサイルから逃げた。
「ちょっと待てこれ………」
「まずい……!」
ドン!!!!
ギャオスはロンドンの高速タワー、ザ・シャードを旋回し避けたが、ミサイルはタワーの後ろを飛行していたギャオスを狙って飛んで行き、ギャオスの手前にあったザ・シャードに命中した。
ガガガガガ
ドーーーーン!!!!
ザ・シャードはミサイルが命中した階から上の部分は道路落下、タワーは倒壊した。
聖トマス病院
「何んてこった……」
「どっちが街を壊してんだか……」
ザ・シャードが倒壊したのは病院からも見えており、J.Dは絶句し、レインは呆れた言葉を吐いた。