再生の結界師   作:画鋲的存在

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第十二話 帰還

「あ、えっと…… もう帰る」

 

「あ、ああ」

 

 ディルとフォルテシア、そして黒焦げになったアルフェールは、同じく黒焦げになったベンギルオンに見送られ、上半分が蒸発した氷山から去ろうとしていた。

 

 そのようなことになった経緯は、ディルに事のいきさつを聞いたフォルテシアが氷山に向かい、ベンギルオンに攻撃を仕掛けたからだ。

 

 

 

 

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「これでもくらいなさーい!!」

 

「え? は? フォルテシア!?」

 

 その攻撃とは、“北焔の神獣”で火力特化、つまり世界最大の破壊力を持つ大爆発だ。多少手加減がしてあるものの、それが何の迷いもなく放たれていた。

 

「ちっ…… 気付くのが遅すぎたっ!」

 

「ギャーッ!!! 僕たちはともかくディルちゃんが消し飛ばされちゃう!! 『氷壁』っ!」

 

「え……? えっと…… な、なにが起きてるん…… ふぎゃあっ!」

 

 この攻撃により氷山の上半分が軽く消し飛んだ。神獣達は余りに突然のことだったので回避が出来なく、消し飛ぶことはなかったがその炎で焼かれてしまった。

 一方ディルは、これは耐え切れないだろうと察したベンギルオンによって氷の壁で守られ、一命を取り留めた。

 

「ディルちゃんをイジメた罰はこれだけじゃないわっ! 消し飛んじゃえ! キャハハハハハ!!!」

 

「楽しんでるよね!? あれ絶対楽しんでるよね!? 止めろーッ!」

 

「待て待て! あれが暴れると洒落にならない!!」

 

「おい! フォルテシア! もう俺は気にしてないからやめろッ! だからッ! 俺をッ! 巻き込むなぁーーッ!!」

 

 それでも、フォルテシアの攻撃は止むことはなかった。

 このままでは世界が崩壊し、四神獣が二神獣になってしてしまうため、神獣達はフォルテシアを落ち着かせようと奮闘した。

 挙げ句の果てには精神崩壊していたはずのディルまでもが参戦してフォルテシアの暴走を阻止していた。

 

「キャハハハハハッ! ……………………あら? ディルちゃん? もう大丈夫なの?」

 

「大丈夫! 全然大丈夫だ! ……はぁ、疲れた……」

 

 

 

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 こうした苦労があった末、このような惨状だ。

 

「ベンギルオンは興味あることに対しては歯止めが効かないからね。だからちょっとお灸を据えちゃった」

 

「ああ、できれば俺ごと消し飛ばそうとしないでくれると嬉しいな」

 

「全くだ」

 

 いいことをしたと言わんばかりに胸を張っているフォルテシアに対し、そのせいで疲労困憊しているディルは皮肉をかまして、アルフェールもそれに同意した。

 

「誰のせいでこうなったことやら……」

 

 ベンギルオンも皮肉を言おうとしたが、そもそもの元凶なので被害者からツッコミが入る。

 

「お前のせいだ!」

 

 ここで、フォルテシアは気になったことを口にした。

 

「ねえ…… ディルちゃん、ベンギルオンについては本当に大丈夫なの?」

 

「え? ああ、あいつは自分を守る代わりに俺を守ってくれたからな、経緯はなにあれいい奴だ。実験されたことも、内容は今の俺には有用な情報だからな」

 

 だから大丈夫だ。とディルは言い、それを聞いてフォルテシアは納得し、ベンギルオンは安堵していた。彼にも負い目はあったようだ。

 

 だがそれも一瞬であり、そう言われるのが当然だとばかりに胸を張った。

 

「そう言ってもらうのは嬉しいね。だからこれあげちゃう」

 

 その様子に少し不満を持ったディルだが、それも次の瞬間に吹き飛んでいた。

 なぜなら、手元に青色の珠、南氷の証が現れたからであった。

 

「ありがとな!」

 

「もっと感謝してもいいんだよ?」

 

「また焼かれたい?」

 

「あっ、すみません。御勘弁を」

 

 先程のことも忘れ、無邪気に喜んでいるディルに対し、ベンギルオンはチョロいなとばかりに調子に乗った。

 だが、それに気付いた北焔の神獣にあるまじき冷ややかな視線と脅しにより、すぐに謝罪の体勢に入った。

 

「さて、いろいろあったがここでお別れだ。じゃあな」

 

 そんなことも知らずに、ディルは帰ることを伝えた。ベンギルオンは名残惜しそうにしたが、すぐ切り換えて見送った。

 

「じゃあね~また遊びに来てね~」

 

 そう言い終える前に、アルフェールとディルは氷山から離れて行った。

 

「じゃ、私もお家に帰ろうかしら。バイバイ!」

 

 残されたフォルテシアも、方向転換してディル達の進む方向とは別の方向、自身の住んでいる山に飛んでいった。

 

 

 

 

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「これで終わり?」

 

 そうディルが聞いたのは、アルフェールの友達──神獣のことについてだ。

 

「いや、まだ4体いる」

 

「えっ」

 

 アルフェールの友達がまだいると聞いたディルは、先ほどの一件を思い返し、まだこの友達巡り(地獄)が終わらないのかと頭を抱えた。

 

「ただ、今からは会いには行かないぞ。流石に我でも疲れた」

 

 そう言い放つアルフェールの姿は黒焦げなので、哀愁が漂っている。

 

「着いたぞ」

 

 国を超える程の距離をものの数分で飛ぶのは、アルフェールが神獣たる由縁の一つであろう。

 ディルもこのことに対しては、素直に流石だ(便利なタクシー)と思っている。

 

「やっと帰ってこれた……」

 

 数日ぶりの我が家に帰れたディルは、早速ゴロゴロと寝転がった。

 

(む…… 何か忘れているような気が……)

 

 ここで、アルフェールはフォルテシアと会ったときに、去り際に言われた事を思い出した。

 

「あ」

 

「アル、どうしたんだ?」

 

 ディルは帰って早々、何の前触れもなく声を出したアルフェールを懐疑な目で見た。

 

「ああ、お前に我の西嵐の証を授けようと思ってな」

 

「そういえば貰ってないな」

 

 つまり、ディルはアルフェールに認めて貰えたということである。

 

 そのことが分かったディルは飛び上がる程歓喜したが、流石に当人の目の前で喜び上がるのは恥ずかしいので、表面上は素っ気なくした。

 

「これだ、受け取れ」

 

「♪~っ! うわっととと……」

 

 ワクワクしているディルの目の前に緑の玉が現れ、慌ててそれを受け取った。

 

「これが……」

 

 ディルは西嵐の証をまじまじと見つめていた。

 

「ふふふ……」

 

「……?」

 

 ディルが神獣達から貰った証を見て、思わず笑いがこぼれた。

 その様子にアルフェールが困惑していると、唐突にに客人?が訪れてきた。

 

「邪魔するぞ」

 

「ココリリスさん!」

 

 客人?の正体はココリリスであった。

 アルフェールは急に現れたココリリスに、何故来たのかを尋ねた。

 

「ここに来た理由は?」

 

「ほっほっほっ、ディルにはまだ人里の事を教えてないじゃろう?」

 

「そうだが……」

 

「えっなになに?」

 

 この会話の話題から、好奇心が溢れ、興味津々といったように割り込んだ。

 

「だからな、人が書いた本を数札持ってきたぞ」

 

 その本は、この世界の地理のことについて書かれていたのが大半であった。

 

「ありがとう!」

 

「これで常識を学ぶのじゃぞ。またしばらくしたら他の本を持ってくるぞ。ではさらばじゃ」

 

 ディルはココリリスが持ってきた本が気になり、早速本を読んだ。ディルが手に取った本には、この世界の地理を学べる本であった。その内容とは、以下の通りである。

 

 まず、この世界には大きく分けて二つの大陸があり、一つは今ディル達がいる北、南、西、東にそれぞれ大きな山が鎮座している大陸『グロード』と、普通の生物が住めないような汚染された大陸である『ヴォイド』がある。

 

 そして、大陸グロートにある四つの山の名称は、北の火山はフォール、南の氷山はベルー、西の山はルーフエ、東の岩山はココス、とそれぞれを治めている神獣の名前からもじった形でとってある。また、それらの山は総称して四神山と呼ばれている。

 

 その四神山のふもとには、それぞれ人間の大国がある。北の国はフレイド、南の国はアイシィーベル、西の国をウィンディエラ、東の国をロクガルムという国名になっている。

 

 さらに大陸グロートの真ん中に神龍バースの巣があり、その周りに凶悪な魔物が多数いる森、レストが広がっている。

 

「う~ん?」

 

 ディルは、大体の単語が初めて知るものなので、頭を悩ませていた。

 

 

 

 

 

展開はやい?

  • 疾風の如くはやい
  • 別に
  • ダレない程度におそく
  • もっとかっ飛ばせ!
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