ちょい短めです。もっとクオリティ高めたい。
さてどうも、零士だ。
昨日は琴里のためにお子様ランチを再現してみたもの次の日、大学に行ったら空間震の影響が大学にも及んでいたのか休講になっていたので家に帰る途中で見てしまった。
「なん……だと。士道がデートだと……」
士道がすごい美少女と一緒にいる。どこからどう見てもデートしている以外には見えない。どうやってあんな美少女を引っ掻けたのか。士道の性格からして全く想像ががつかないし学校はどうした、学校は……そういや、空間震で崩壊していたな。なら休校になるのは仕方ないな。
まじまじと美少女を観察する。黒曜石と絹の美しさを併せ持った髪と水晶のような美しさを称えた瞳。その笑顔は愛らしさに満ちている。人によっては傾国の美女とたとえられてもおかしくないほぼの美貌だろう。
服装は士道が通っている高校の制服で美少女以外のことならば人ごみに紛れても違和感はほぼないだろう。見間違いでなければ
それにしても俺はどうするべきか……このまま見守るか、ほんの僅かに手助けをすべきか。幸いにも今日は予定に穴が開いたからな……にしても。
「なんだか、見ていて微笑ましくなる光景だな」
少女の方は見る物聞く物初めてでどんなものがあるのか楽しみにしているし、士道のほうも若干振り回されてはいるが満更でもない様子。お互い初めてでどうすればいいのか分からず手探りの初々しいデート。
ああ……それは昔の……
―――――――ザッ
『ふふ、精神年齢――でしょ。なのにどきまぎしてて年相応な少年みたい。……私もなんだけどね。さあ、行こ。私たちの
ザザッ――――――
っと、いかんいかんつい感傷に浸っているんじゃねえ。一先ずは生暖かく見守ることにしようかな。彼らのデートをさ。
「……………………」
その前に俺と同じように後をつけている彼女は誰なんだ? いや、彼を彼女と同じ制服だから同じ高校なのだろう。どこかであったような気がするが思い出せない。向こうもこっちに気が付いたのか見てくる。
「「……………………」」
…………さて、こうして同じようについてきているということは知り合いなのかな? なんだろうけど何だろうかこの気まずさは
「……………士道の兄の零士です」
「……………鳶一折紙。士道の恋人。よろしくお願いします義兄様」
待て、ちょっと待て、しばし待て、少し待て。今この子はなんて言った? 俺の聞き間違いでなけば恋人と言っていた。義兄様は行き過ぎな可能性はあるが付き合っているとしたら…………つまりは二股? OK、明日は士道とじっくりとお話をしよう。まずは詳しい話を聞かなきゃ始まらない。
「…………経緯はあそこの喫茶店でしよう。ちょうど士道たちも入ったしな。代金は俺が持つ」
「…………ん、分かった」
「令音、私が見間違えているわけじゃないよね?」
「大丈夫だ。私にもはっきりと見えている」
士道たちが立ち寄った喫茶店に琴里もいた。彼女も中学へと登校したのはいいが零士と同じように空間震の影響を受けたために休校になってしまい暇を持て余していたのだ。そこで同じく仕事がない令音を呼んで早めのおやつとしゃれこんでいたらの不意打ちである。思わず一緒にいる令音に確認を取るのも仕方ないことだろう。
「これは……」
なんせ士道が女の子を連れて座っているのだから。しかも、連れてきたのがよりにもよって精霊なのだから。〈ラタトスク〉から連絡はないということは空間震を起こさずにこちらへ現れた。もしくは万が一の可能性としてそっくりさんという線があるが士道を知っている琴里からすれば前者のほうが可能性が高い。
〈ラタトスク〉としてもこんゆう状況は、その前に令音が何かに気が付いたのか士道たちとは別の方向を見ている。
「それよりもそうだが……これは後が大変かもしれない」
令音が指差した先、そこにはASTの隊員でお兄ちゃんのクラスメートと頭を抱えている零士と一緒の席でいる。それだけなのにどうゆう状況なのかがありありと分かってしまうのがなんだかやだった。
昨日のを勘違いして。彼女から聞いていて、さらには同じ店にはお兄ちゃんたちがいる。誤解の連鎖反応。琴里には兄さんがどう勘違いしているのか理解してしまった。令音が言う通り下手したら零士によって士道の行動に支障をきたす可能性も出てきたわけだ。
「これは……いっその事〈ラタトスク〉へと引き込もうかな」
零士が障害になりうるのはなにも知らないため、なにも知らずはたから見れば複数の女子と遊んでいる不誠実な男に見えるのは違いない。零士はあれこれ言い出さない方ではあるが流石にこれには釘をさす位はやるだろう。
だったら事情を話してこちらへと引き込んだほうがやりやすくなる。しかし、士道のようにそれを見たわけではないのだ下手すれば妄想の類いとして一笑にされることをありうるだろう。
「…………いや、もしかしたらいけるかもしれない」
そんな考えの途中で令音がそれはないと言ってくる。令音は〈フラクシナス〉でも最高の解析官だ。それゆえに誰かの感情を読み取ることが誰よりも長けている。本人が気が付かないような特性すらも見抜くほどの。だからこそこんな遠目からでもなにかに気が付いたかもしれない。
「私見だが……彼は意外と知っているかもしれない」
琴里はそれを聞いてふと思い出した。長男の零士の過去について全くと言っていいほどに知らないことを。五河家に引き取られる前、零士はどんな付き合いがあってどんな生活をしていたのかも話していない。極々僅かでも小数点以下の確率でも、もしかしたら関わっていた可能性もありうる。だって五年前の事件では…………そういえば、五年前の事件に何があった? 思い出そうとすればするほど霧がかかったように分からなくなってくる。零士はこの事件がきっかけで引き取られることになったはずだ。関わったのは憶えているけどなぜ関わったのが思い出せない。
「琴里?」
令音の声で琴里ははっと我に返る。どうやら思考に耽りすぎていたようだ。
「ま、零士については明日あたりでもフォローが効くから置いといて」
このことは後でも考えればいいことだ。後で零士に話すなり聞くなりすればいいだけだ。士道とのデートを邪魔しなければ問題はない。すべきことを定め、すぐに携帯から〈ラタトスク〉へと回線を繋げて指示を出す。
「令音、あなたも動いて。作戦コードF-08・オペレーション『天宮の休日』よ」
士道が精霊を連れてデートをしていると言うことだ。ならば〈ラタトスク〉の目的を果たすのみ。そのためにも五年の月日をかけたのだから。
「さて、私たちの
軽くお茶した後から彼女、鳶一折紙と別れることになった。曰く行かなければいけないとのことだ。
その後も士道たちに着いてきたんだが…………
「は、え?…………あれ? どゆうこと?」
え、昨日まで住宅街だった場所がいつの間にか商店街になっていた。俺の勘違い? いや、そんなことはない確実に住宅街だった場所だと言い切れる。それが一晩で商店街へと変貌していた。
進化した技術として空間震で崩壊した建物を一晩で復元できる技術はあるのだが……いやあれは復元だ。別の何かに変えることじゃない。
「…………一晩で変わった?」
住宅が沈んだと思ったら次の瞬間には店舗が浮かんできた。そういえばこの街って最近再開発された街で空間震対策技術をこれでもかって位に詰め込んでいたっけな。ああやって、住宅ごとシェルターへと格納できるシステムが組まれているなんてすごいよね。あっという間に平凡な住宅街が商店街に早変わりだ。劇的にびっくりなビフォーアフターでもびっくりするだろう。
「待てぇぇぇぇ! 力入れるところ違うだろぉぉぉぉ!」
誰にも聞こえないような声なき絶叫を上げてしまう。たかがデート。されどデートだろうが! 二人にとって重要なことでもあるけどそこまでするのか!? いったいどんな組織がそんな力の入れどころを間違えているんだよ! 少女が
―――――――ザァ
『主人公なら大仰にサポートする秘密結社がいるんだけどね。まだ存在なんてしていないし、本当に二人きりでのデート。だから頼りにしているわよ
ザザァ―――――――
待て、そういえばあいつがそんなこと言ってたな…………当時の俺はいつか出来るであろうバカげたような秘密結社にんな莫迦なとありえねーと思っていた。こうも実際にやられては信じるほかないだろう
その組織力を目のあたりにして顔が引きつっていた。本当にさ、なんで…………もっと