Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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新たに所属することとなったエリザベス達と阿修羅、ウォーエンド···
しかし、ユニオン上層部は頭を悩ませる。


第20話 残酷で、優しくて···

エリザベス達はお茶会を開き、のんびりとしていた。ヒロものんびりと紅茶とスコーンを味わい、それぞれが談笑していた。

 

しかしその頃、ユニオン上層部は頭を悩ませていた···

 

役員A「ロイヤルからKAN-SENを返還するよう催促が来ているが···」

 

役員B「あのKAN-SEN達の言っていた『エルデア暗殺の可能性』を確かめるために第三者委員会に調査させたが、墓はもぬけの殻だったからな···」

 

役員C「やましいことがあるのでしょう···つまり···」

 

役員A「間違いなく、クロだな」

 

役員C「それに、秘匿KAN-SEN達に関しては···」

 

役員B「言うな。胃が痛くなる」

 

ユニオン上層部はそれはそれは深いため息をついたのだった···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、再び基地の門の前でデモが行われていた。内容は以前も相変わらずで、ヒロは不安の表情を浮かべている。三笠と銀治はヒロを落ち着かせようとし、ケンタウルスと憤怒は今にも突撃しそうな雰囲気である。ウォーエンドはヒロに向けて変顔をし、ヒロを笑わせる。

しかし、阿修羅は部屋にはいなかった。ヒロ達が窓から外を覗くと阿修羅が門へと歩いていくのが見えた。

 

 

 

 

門ではボルチモアと『アーク·ロイヤル』が門兵と共にデモ隊の対処にあたっていたが、そこに阿修羅が現れ、トラックの上に立ってメガホンでデモ隊に呼び掛ける。

 

阿修羅「聞こえているか愚か者ども?」

 

男A「なんだと!?」

 

女A「この悪魔め!」

 

男B「お前達KAN-SENは悪魔の象徴だ!」

 

阿修羅「ほう?私達が悪魔だと?差別をしていると?···クックックック···アッハッハッハッハッ!」

 

男A「何がおかしい!?」

 

阿修羅「くだらん···実にくだらん」

 

阿修羅の目は酷く冷たく睨み付け、デモ隊は背筋がゾクリとし、息を飲む。

 

阿修羅「悪魔···か、貴様らはそう言ったな?」

 

阿修羅が声は低く冷たい。しかし剥き出しとなった"殺意"に、デモ隊は動きが止まっている。

その殺意に、その場を見ているボルチモアやアーク·ロイヤル、門兵ですら動きを止める。

 

阿修羅「生まれ持った特徴は···皆それぞれあるのは貴様らも知っているだろう?それは貴様らもKAN-SENも同じだ。しかしそれなのになぜ悪魔と主張する?私が貴様らに危害を加えたか?」

 

デモ隊の中に誰も答えるものはいない···否、答えることができないのだ。

 

阿修羅「悪魔だなんだと貴様らがこのように生まれ持ったものに対して言っている時点で、貴様らが何をしているか気づかないのか?貴様らは生まれながらに悪魔だと言われた者の気持ちを考えたことはあるのか?」

 

殺意が強まり、デモ隊の一部は震えが止まらなくなる。

 

阿修羅「こんなことはほんの少し考えれば解ることだろう?だが、それでも貴様らは"悪魔だ"と声高に叫び、罵倒し、物を投げ···そして私の大切な者を傷つけた···だがそれらが貴様らの出した"答え"なのだろう?」

 

殺意が、より強まる。

 

阿修羅「私自身、実は生まれもって腕が無くてな···この腕は義手なのだよ」

 

そう言うと、阿修羅は自身の腕の2本を引きちぎり、デモ隊の前に投げ捨て、デモ隊からは悲鳴が上がる。

 

阿修羅「黙れ愚か者ども!」

 

再びデモ隊は動きが止まる。言葉に従ったのではない、恐怖が心を満たしているのだ。

 

阿修羅「貴様らの主張を認めてやろう···だが代わりに·····貴様ら全員の腕を貰おう」

 

阿修羅はトラックから飛び降ると同時に艤装を展開し、着地と同時に投げ捨てた自身の腕を踏み潰す。

デモ隊は逃げようとするが、恐怖に体が動かない。だが、心のどこかで思っていた···『そんな事はされないだろう』と。

 

···だが阿修羅はその思惑を察知し、デモ隊の1人の両腕を掴む。

 

阿修羅「まさか、『そんな事はされないだろう』などと思ってはいないだろうな?残念だが、私はフィクションでもなければ他のKAN-SEN達のように優しくはない!」

 

銀治がヒロの目を覆った瞬間、阿修羅はその人の理由腕を引きちぎる。

 

男C「ギャアアアアアアアアアアアアア!」

 

男Cは倒れ、傷口から血を噴き出しながら暴れる。

 

阿修羅「これがお前達の答えの結果だ!さぁ次は誰だ!?」

 

阿修羅が次の人へ歩み寄ろうとした瞬間、砲撃が阿修羅の艤装に命中する。

 

ボルチモア「それ以上はやめろ!」

 

阿修羅「ほう···こんな愚か者どもでも守りたいか?良いだろう。今回はここまでに留めておいてやろう」

 

阿修羅は再びデモ隊を向き、一言···

 

阿修羅「だが次は···止まらないぞ」

 

阿修羅は艤装を解除し、門をくぐっていく。そしてボルチモアとすれ違う時に一度止まる。

 

阿修羅「お前の正義感は称賛に値する。だが、あのようなどうしようもない愚か者どもにはあのような痛みが必要なのだということを、よく覚えておけ」

 

そして阿修羅は再び歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、ボルチモアは阿修羅の部屋を訪れる。すると、阿修羅は指を口元に当て『静かに』のジェスチャーをする。

阿修羅はヒロを守るように6本の腕で抱き抱えていた。そして阿修羅は小声で喋る。

 

阿修羅「怖い夢を見たと言って寝付けなかったようでな。少し強引だったがこうしたら、すぐに寝ついたよ」

 

眠っているヒロの寝顔を見る阿修羅の顔は、昼に見た顔ではなく、まるで聖母のような顔であった。

 

阿修羅「私は···ヒロを守りたいのだ。そのためならば、私は悪魔にでも化け物にでもなろう···それが、私の"答え"だ」

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回の話は賛否あると思いますが、阿修羅はヒロのためならばデモ隊を皆殺しにすることすら躊躇わない性格です。
 最近読み返した際、思う所があったので少し修正しました。今後、大規模な修正の際にまた修正します。

●阿修羅のスキル
『勝利を望んだ敗者』(攻撃スキル)
25秒毎に自身の火力を50%(MAX100%)上昇させる。

『容赦なく、残酷に』(攻撃スキル)
砲撃の命中時、40%(MAX60%)の確率で扇状の特殊段幕を展開する(ダメージはスキルレベルによる)。

『秘匿されし者·Envy』(攻撃スキル)
前衛艦隊に編成可能になる。また、前衛艦隊に編成すると戦闘開始時と30秒毎に全方位への特殊段幕を展開する(ダメージはスキルレベルによる)。
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