Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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エルデアが暗殺される前、エリザベスとエルデアの関係とは···?

番外編です。今回は 2人のお話です。


番外編 最高の下僕

KAN-SENが最初に現れてから数週間後、エリザベスの所属することになった軍港の執務室にて、エリザベス、ウォースパイト、ベルファストの3人は老人と出会う。

 

老人「初見となる、ここの指揮官を務めている『エルデア·リーダス』だ。よろしく頼む」

 

エルデアと名乗った老人は白髪のセミロングで、その目はエリザベス達を見据えており、老人とはいえその体はしっかりとしている。

 

エリザベス「あなたがここの指揮官?私に指図するのは10万年早いけど···」

 

エルデア「儂はそもそも指図するつもりはない」

 

エリザベス「···え?」

 

エルデア「儂のやり方は、立てた作戦に対し各々が意見を出し合い、より堅牢とするものだ。お前達がその気なら、最高の艦隊を作り出すことも可能だろう」

 

エリザベス「なるほど、それは良い考えね。それで、これからあなたは私の忠実な下僕の1人と···」

 

エルデア「儂は誰の下僕にもなるつもりはない」

 

エリザベス「なっ!?」

 

エルデア「仮に、本気で儂を下僕にしたいのならそれ相応の働きをしてもらうぞ」

 

エリザベス「このっ···いいわ、そこまで言うのなら、いつかあなたを私の下僕にしてみせるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後エリザベスは鍛練を積み、時にエルデアと議論しては新たな発見を見いだしたり、時にエルデアに叱られることもあった。しかしその叱責もエリザベス達を心配しての事であり、的確で分かりやすく、そしてフォローも適度なものであり、KAN-SEN達にも気持ちは伝わっていた。

そのためエリザベス達はエルデアを信頼し、エルデアもまたエリザベス達を信頼していった。

 

 

 

 

 

そしてある日海域の奪還作戦が行われる事となり、講堂にエリザベス達は集められる。

 

エルデア「明後日、海域の奪還作戦が行われる事は知っているな?儂の立てた作戦は今日中に配布する。意見のある者はすぐに言いに来てくれ。それと···」

 

エリザベス「"生きて戻れ"よね?」

 

エルデア「···その通りだ」

 

そして当日、海域の奪還作戦が開始される···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリザベスを旗艦とする艦隊は海域を順調に攻略しつつあった。そして海域の中枢に到達するとそこにいたのは人型のセイレーンだったが、スカベンジャーやスマッシャーなどとは違う雰囲気を醸し出していた。

まるで深海に住む『ダイオウグソクムシ』のような艤装を身に纏い、白いおさげを揺らしている。

 

セイレーン「ようこそ、鏡面海域へ。私は『ファイアウォール』よ」

 

 

推奨BGM『Electro Arm With Emotion』(ACNXより)

 

 

ファイアウォールは自身に赤いバリアを展開し、背部のダイオウグソクムシの装甲が開き、大量のミサイルを発射してくる。各自すぐに回避し、ベルファストがすかさず砲撃するが、バリアによって阻まれる。

更にファイアウォールは小型のレーザーを放ち、距離を取ろうとする。

 

ウォースパイト「させないわ!」

 

ウォースパイトが砲撃するが、再びバリアに阻まれる。アークロ·イヤルが爆撃をするがバリアの色が青に変わり、爆撃が防がれる。次にベルファストと『アマゾン』、『ジャベリン』による3方向からの雷撃が行われるがバリアが黄色に変わり、またもや攻撃は防がれる。

 

ファイアウォール「あらあら、滑稽ですこと」

 

ファイアウォールは嘲笑いながら再びミサイルを放ってくる。

 

アマゾン「ああもうっ!全然効かないじゃない!」

 

ベルファスト「いえ···もしや···」

 

ベルファストは砲撃と雷撃を同時に行うが、赤いバリアによって阻まれる。

 

ベルファスト「アーク·ロイヤル様、私と同時に爆撃してください」

 

アーク·ロイヤル「···分かった!」

 

そして2人は同時に攻撃を行う。するとファイアウォールは青いバリアで攻撃を防ぐ。しかし時間差で放たれたベルファストの魚雷がバリアを通り抜け、ファイアウォールにダメージを与える。

 

ファイアウォール「ぐうっ!」

 

ベルファスト「なるほど···そういうことですか!皆さん、ファイアウォールのバリアは色によって有効な攻撃が違います!赤なら爆撃、青なら魚雷、黄色なら砲撃です!」

 

ファイアウォール「このっ!」

 

ファイアウォールがベルファストに向けてミサイルを集中させるが、ジャベリンとアマゾンにほとんどを迎撃され、残りは回避される。

そしてそこからエリザベス達はファイアウォールを圧倒する。どの色のバリアを展開しようとも、すぐさまそれに対応した攻撃を撃ち込まれ、ついにはダイオウグソクムシの形をした艤装が破壊される。

 

ファイアウォール「でしたら···!」

 

ファイアウォールは腰から2つの鎌を取り出し、構える。ダイオウグソクムシの形の艤装がなくなったファイアウォールはスピードを活かしてジャベリンに接近するが、ジャベリンは槍で応戦する。

 

ジャベリン「このっ!」

 

エリザベスは戦う2人を見ながら深呼吸する。

 

アマゾン「今砲撃したらジャベリンにっ!」

 

エリザベス「アマゾン!退きなさい!」

 

アマゾンが飛び退くと、エリザベスの砲撃が放たれ、砲弾はファイアウォールの腰を掠めるように当たり、ファイアウォールは回転しながら倒れる。

 

ファイアウォール「グフッ···こんな···」

 

エリザベス「トドメよ!」

 

エリザベスはトドメの砲撃を放ち、ファイアウォールの残骸は海に沈んでいく···

 

ベルファスト「ご無事ですか!?」

 

エリザベス「ケガはない?」

 

ジャベリンにエリザベス達は駆け寄る。しかし、左目と左腕が欠損し、更に他の所も傷だらけとなったファイアウォールは最後の力を振り絞り、ジャベリンに鎌を振りかぶる。

 

ファイアウォール「まだ···行けます!」

 

エリザベス「危ない!」

 

エリザベスはジャベリンを突き飛ばすが、代わりに自身の背中を鎌で斬れられてしまう。アーク·ロイヤルはエリザベスを抱えて離れ、ベルファストはファイアウォールを蹴り飛ばし、アマゾンと共に砲撃する。

そして今度こそファイアウォールは海中に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、治療を終えたエリザベスの部屋の扉がノックされる。

 

エリザベス「誰かしら?入っても良いわよ」

 

ルームメイトのウォースパイトは少し警戒する。そして入ってきたのは黒い戦闘用のスニーキングスーツと赤い目のガスマスクを着けた何者だった。

ウォースパイトは臨戦態勢に入るが、ガスマスクの人物はガスマスクを取る。

 

エリザベス「え、エルデア?」

 

ガスマスクを着けていたのはエルデアであり、突然姿勢を正し、敬礼をする。

 

エルデア「クイーン·エリザベス!貴公はこれまで様々な事を学び、精進し、そして今回の作戦において自身を犠牲にしてでも仲間を守った!これを行えるのは数少ない者のみである!」

 

敬礼をしながら語るエルデアはかつてない程に凛々しく、その気迫も今までとは比べ物にならなかった。

 

エルデア「よって!今この瞬間をもって、このエルデア·リーダスはクイーン·エリザベスへと仕える事とする!」

 

エリザベス「···え?え?」

 

エルデア「···どうした?今から儂はお前の下僕なのだぞ?」

 

エリザベス「エルデア···」

 

エリザベスもベッドから降りてエルデアの前に立つ。

 

エリザベス「じゃあ、今からあなたを私の下僕として迎え入れるわ!せいぜい働きなさい!"私の最高の下僕"!」

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回の2人の話しはどうだったでしょうか?

●ファイアウォール
主に拠点の防衛などを担う幹部セイレーン。
ダイオウグソクムシのような艤装と鎧を装備しており、赤、青、黄の3色のバリアを使い分け、攻撃を防ぐ。
しかしバリアは色によって一部の攻撃を通してしまう欠点がある。赤なら爆撃が、青なら魚雷が、黄色なら砲撃がそれぞれ有効である。
主な武装は背部のミサイルと肩の小型のレーザーであるため、ミサイル以外の火力は高くはない。

●エルデアの装備
今話の終盤でエルデアがエリザベスの元に行く時に纏っていた装備はかつてエーデルの元にいた頃のエーデル部隊の正式装備であり、エルデアや銀治にとってはまさに"正装"でもある。
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