Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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キュラソーとカーリューは明石を連れての脱出を行う。
しかし重桜艦隊の追撃は激しく···


第23話 脱出

カーリューによる連絡を受けた待機艦隊はすぐさま撤退を支援するための布陣に着き、夏月は別動隊の艦隊(陽動艦隊と同じ)を出撃させる。

しかし間が悪く、他の基地がセイレーンによる襲撃を受けたとの報告がある。

 

夏月「こんな時に···!」

 

銀治「今からでは···いや、憤怒!行ってくれるか?」

 

憤怒「ああもうっ!仕方ねぇな···ったくイライラさせるぜ!」

 

エンタープライズ《指揮官!こちらは鉄血の艦隊と遭遇!数が多い···援軍を!》

 

夏月「なんだと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃時雨と綾波に侵入者追撃のための指令が下される。

 

時雨「これ···もしかしたら」

 

綾波「時雨···」

 

時雨「綾波···私、行くわ」

 

綾波「えっ?···まさか!」

 

時雨「そのまさかよ。この侵入者したKAN-SENっての、もしかしたらヒロのいる所の所属かもしれないじゃない?」

 

綾波「でも···それだと脱走になりますし、重桜の皆からも狙われることになるのです!それに、もし違ったら···」

 

時雨「私はそれでも構わないわ。だって私はヒロの家族よ!それに間違ってたら自力で探せば良いし。それに今の重桜の···義人のやり方は間違ってるわ···綾波は、この時雨様を止める?」

 

綾波「綾波は···」

 

 

 

 

 

 

 

 

キュラソー、カーリュー、明石の3人は港に辿り着き、海へ出る。高雄と愛宕が追ってきたため、応戦しつつ逃げる。しかし前方に時雨と綾波が現れ、砲口を向ける。

 

明石「も、もう終わりだにゃぁぁぁ!」

 

すると時雨の砲撃は明石の横を通り抜け、高雄に直撃する。

 

高雄「ぐっ!···時雨!貴様どういうつもりだ!?」

 

時雨「今の義人のやり方にはこれ以上従えないのよ!」

 

高雄「裏切るのか···?」

 

時雨「見限るのよ!」

 

時雨は高雄と愛宕に魚雷を放つが2人は回避する。

 

愛宕「もしかして···綾波ちゃんも?」

 

綾波「···友達とは、戦いたくないのです!」

 

綾波は砲撃するものの、愛宕の足元に着弾する。すると愛宕は足を止める。

 

愛宕「そう···なら、行きなさい」

 

高雄「愛宕っ!?」

 

愛宕「だって義人のやり方がおかしいのは判ってるじゃない?私はただ軍人として従ってるだけ···それに、お友達のためにこうして選んだことだもの。止める権利はないわ···」

 

高雄「愛宕···」

 

愛宕「高雄ちゃんは好きになさい。私はもう追撃はしないわ」

 

高雄「···愛宕、時雨、明石······達者でな」

 

高雄は刀を納め去っていき、愛宕も綾波達に笑顔を向けた後去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、キュラソー達は合流地点でホーネット達と合流し、キュラソーが訳を話す。

 

キュラソー「···と、いうことです」

 

ホーネット「なるほどねぇ~。とりあえず別の追撃が来る前に急ごう」

 

キュラソー「はい。承知しました」

 

2人が時雨達の方を見ると、ケンタウルスと時雨が話していた。

 

ケンタウルス「なるほど、確かにヒロの行っていた通りだな」

 

時雨「そうでしょう?やっぱり着いてきて良かったわ!」

 

ケンタウルス「む、そろそろ行くようだ。準備をしろ」

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方エンタープライズ達は鉄血の艦隊により大きな被害を受け、防戦一方となっている。それをドローンによって見ている夏月達は状況を打開しようにも距離の問題でKAN-SENを向かわせようにも辿り着く前にエンタープライズ達に限界が来てしまう事に悔しさを滲ませていた。

 

夏月「なにか···なにか方法は!?」

 

ヒロは阿修羅に駆け寄るが、阿修羅はヒロをそっと抱き締める。

 

阿修羅「すまない。私達は確かに他のKAN-SENより速力はあるが、あの距離では流石に間に合わない···」

 

その時、委託に行っていた艦隊が帰還した。そしてその艦隊が持ち帰ったものの中に空のキューブが1つあったのだ。

 

夏月「このタイミングで···!」

 

阿修羅「素晴らしい。これこそ天の恵みだ···ヒロ、私達は"速力では"間に合わないが、間に合わせることができる奴がいただろう?」

 

ヒロはハッとして夏月から空のキューブを受け取ると自室へと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、エンタープライズ達がそろそろ限界を向かえてきていた。大破したボルチモアに鉄血のローンが砲口を向ける。しかしその瞬間、砲身に砲撃が直撃し、砲身が破壊される。

 

ローン「誰っ!?」

 

 

推奨BGM『Scope Eye』(ACNXより)

 

 

???《ユニオン艦隊の皆さん、救援に参りました。すぐさま撤退してください》

 

ボルチモア「あなたは!?」

 

???《その質問は時間の無駄です。早急に撤退を》

 

ローン「だから···あなたは誰なのよっ!?」

 

ローンは自身が砲撃された方向に向けて砲撃しようとするが、再び砲撃され、大破してしまう。

 

ローン「私を傷つけるなんて···許さないっ!」

 

ローンは砲撃された方向を睨み付けるが、その姿はほとんど見えない。

 

???《位置も判らない敵に砲撃しようとするなど、まったくの無駄です。動き自体にも無駄が多すぎます》

 

再び砲撃されるが、その砲弾はローンの横を通り抜け、ローンの背後にいたKAN-SENに直撃する。

 

???《ヒロの命により、殺しはしません。しかし無力化はさせていただきます》

 

ローン「ヒロって、あの時視察に来てた···」

 

エンタープライズ達はある程度距離を取ることに成功するが、鉄血のKAN-SENは砲撃しようとする。しかし完璧な程のタイミングで艤装が破壊されてしまう。

 

ローン「まさか···狙撃!?」

 

 

ローン達より遥か遠くでは白い長髪の赤いセーラー服を着たKAN-SENがいた。その艤装の主砲は単装砲だが砲身が長く、赤い瞳はローン達鉄血艦隊を冷ややかに見つめており、肩や艤装には小さな人形が立っていた。

 

???「皆さん、その位置から左斜めに向かって進んでください」

 

クリーブランド《い、今!?》

 

???「今です」

 

エンタープライズ達が言う通りに動くと、ちょうど射線が確保され、KAN-SENは正確に狙撃する。そして他の鉄血のKAN-SENにも砲撃していき、鉄血艦隊は撤退していく。

 

???「敵戦力の撤退を確認、これより帰還します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、全員が帰還したところでエンタープライズ達の救援に来たKAN-SENが自己紹介する。

 

???「私は『大淀型秘匿軽巡"雪羅"』です。どうぞお見知りおきを」

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

これにて夏月陣営に綾波が、ヒロの所には時雨が戻り、雪羅が参戦しましたね。

●大淀型秘匿軽巡 雪羅
白い長髪で赤いセーラー服を着ているKAN-SEN。
長砲身の単装砲を備え、それにより味方の指揮をしながら狙撃するという戦術が可能となっており、接近されても引き戦に持ち込める速力も備えている。
また、灰色の小さな人形は雪羅と意識が繋がっており、機械に内蔵するとその機械と意識を繋げることが可能。
性格は冷たく、無駄を極端に嫌う。

設計図に関しては建造には至らなかったものの、翔鶴の機構の一部が使われており、ある意味で"もう1人の鶴"と推測される。

また、7つの大罪に例えると『色欲(Lust)』となる。
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