Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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重桜に上陸したヒロ達は基地に突入し、義人の元を目指す。そこで待っていたものとは···?


第28話 焔桜

憤怒を先頭に、三笠、時雨、ベルファスト、キュラソー、カーリュー、そしてヒロはエリザベスの艦隊の支援を受け、上陸に成功する。

 

エリザベス「脱出経路はこの私達に任せなさい!」

 

ヒロはサムズアップして応え、基地へと突入していき、エリザベス達は脱出経路の確保に向かう。

そしてエリザベス達が交戦を開始したとほぼ同時刻に憤怒達はKAN-SENと交戦を開始した。

憤怒は敵陣に突撃し、三笠はヒロを後ろに隠しながら砲撃し、時雨とベルファストはヒロに狙いをつけられないように動く。

そうして進んでいくと、小銃を持った兵士がヒロに銃口を向ける。ヒロは抜刀すると同時に小銃を切り落とし、兵士の手足を浅く斬り、戦闘不能にさせる。

 

憤怒「流石だぜヒロ!」

 

更に進んでいくと、義人が高台からこちらを見下ろしており、それに気づいた一行は進もうとするが、『吹雪』を旗艦とする艦隊に阻まれる。

 

憤怒「っ!?···アッハハハ!姉貴ぃ!」

 

憤怒は吹雪に突撃し、腹を蹴り飛ばす。

 

憤怒「ここは任せろ!早く行け!」

 

三笠「無理はするでないぞ!」

 

ヒロ達が先へ進むと、憤怒は艦隊の前で改めて構え直す。

 

憤怒「決着つけようぜぇ姉貴達ぃ!オレは特型秘匿駆逐艦、憤怒だ!」

 

 

 

 

 

 

 

義人を追いかけていくと、演習場に着いた。そこには赤城、愛宕、高雄、夕立、白露がいた。そして反対側の観客席に義人が立っていた。だが、その全てが虚ろな目をしていた。

 

三笠「義人殿!お主、どういうつもりじゃ!?」

 

義人「私は天城を復活させる···そのためならば手段は選ばん」

 

ベルファスト「そのためにセイレーンを手を組んだのですか?」

 

義人「ああ。セイレーンどもは、天城を復活させてからならいくらでも葬ってくれる···やれ」

 

赤城達が攻撃を仕掛けてくる。その赤城の髪には桜の紋様のある髪止めがつけられており、ヒロの知っている赤城だとわかる。ヒロはそれを見て泣きそうな顔になる。

 

時雨「義人!アンタ自分が何してるかわかってるの!?」

 

三笠「この···卑怯者!」

 

義人「なんとでも言え」

 

義人は奥へと去っていく。そして三笠の後ろにいるヒロ、砲口を高雄が向ける。しかしその高雄に爆撃が命中する。

 

加賀「ヒロには指1本触れさせんそ!」

 

三笠「加賀殿!?」

 

加賀「遅くなってすまない。ヒロが持っていた艦載機のおかげで場所がわかったぞ」

 

ヒロは笑顔になるが、すぐに不安な顔をして赤城の方を向く。

 

加賀「姉様···姉様達は義人の持っているブラックキューブとやらのせいで魂を封じ込められている。私は従うふりをしていたから封じ込まれることはなかったが···何か、引きずり出す方法があれば···」

 

ヒロは少し考えた後、意を決した顔つきになり、急いで書き込んで加賀に見せる。

 

『僕を援護して!』

 

加賀「何をするつもりなのかはわからんが···死ぬでないぞ!」

 

加賀は艦載機を飛ばす。それに合わせてヒロは駆け出し、赤城に近づく。赤城と加賀の艦載機が激しい空中戦を繰り広げ、それを抜けて落とされる爆撃をヒロは避けながら赤城の元まで辿り着く。そしてヒロは赤城に飛び付き、しがみついた。

赤城はヒロを振りほどくが、ヒロは再び赤城に飛び付いた。そして、赤城の耳元で口をパクパクさせている。

 

時雨「ヒロ···まさか!?」

 

 

 

 

 

 

実際のところ、ヒロは自身が喋れない事で、酷く自身を責めていた。

 

昔みたいに喋れれば、もっとたくさん伝えたいことを伝えられたのに···

喋れれば、助けをすぐに呼べたのに···

 

けれど、ヒロはKAN-SEN達と過ごすうちに、それは間違いだと気づいた。

 

喋れなくても良い、一緒にいられるだけで、嬉しくて、幸せだった···

 

けれど、それは邪魔されてしまった···

 

そして今、ヒロが最初に出会ったKAN-SENの1人である赤城の魂が囚われている···

 

この瞬間、ヒロは今までで1番『喋りたい』と強く、強く願い、口を動かす。喉からは息づかいしか出なくても、口と喉を動かし続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城(冷たい···酷く冷たい···ああ、私は沈んだのですね···でも、この僅かな暖かさは?)

 

そしてその暖かさは次第に大きくなっていき、ヒロは再び振りほどかれ、それでも飛び付き、耳元で口と喉を動かす。

 

ヒロ「───」

 

掠れた音しか出ず、ヒロは更に口と喉を動かし、そして···

 

ヒロ「アかGi!」

 

その場にいたKAN-SEN達全てが動きを止める。ヒロの叫びは音程が完全に外れており、言葉とすら言えるのかすら怪しい。

 

三笠「ヒロ···?」

 

 

 

 

赤城(今のは···声?ですが、聞いたことの無い···けれど、暖かい···)

 

ヒロ「あKaギ!」

 

赤城の目が、元に戻る。しかしそれと共に赤城は意識を失い、倒れ込む。更に人型セイレーンが数人現れ、攻撃を仕掛けてくる。

ヒロと赤城の元に加賀が駆け寄る。

 

加賀「ヒロ···ここは任せて行け!ブラックキューブを破壊すれば、おそらく愛宕達も元に戻るだろう」

 

ヒロは頷いて義人の向かった方向に駆けていく。それを見届けた加賀は赤城を物陰に移動させ、セイレーン達に立ち塞がる。

 

加賀「先へは進ませんぞ···一航戦加賀、参る!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義人は量産型加賀に乗り込み、出港の準備を進めていた。

 

船員「本当に、良いので?」

 

義人「重桜はおそらく陥落する。今のうちに私達は進まねばならん」

 

するとヒロが軍港に現れ、小銃を構えた兵士を刀1本で無力化しながら量産型加賀に乗り込んでくる。そして兵士を無力化しながら義人の元まで辿り着く。

 

義人「ここまで来るとはな···良いだろう、私が自らお前を終わらせてやろう」

 

義人が軍刀を抜き、義人とヒロは刀を構える。義人は剣道のような構えであり、ヒロは下段に構え、ほぼ同時に突撃する。

互いが受け流し合い、僅かな傷をつけ合い、時に互いに弾かれる。そして斬り合いの中に格闘を混ぜて戦う。

 

そして義人の袈裟斬りをヒロは横に転がって回避し、その時に刀を左手に持ち替え、刀の鵐目(しとどめ)を鞘に打ち付ける。そして義人が刀を振り上げた瞬間、ヒロは"逆手に持ったナイフを抜くように"刀を振る。すると2重になっている鞘の内側の鞘に刀を鵐目が接続され、内側の鞘が引き出される。

 

その内側の鞘は···諸刃の刃がついており、それを見た義人はほんの僅かに驚き、義人の胴体は斬られる。しかし義人は咄嗟に後ろに引いていたため、傷は浅かった。

そしてその時、ヒロと義人の戦いに見て焦ったKAN-SENが砲撃し、それは量産型加賀に命中し、それにより誘爆が発生し義人とヒロは飛行甲板に投げ出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義人とヒロは受け身を取り、互いに睨み合いながら立ち上がる。その時、義人の後ろにある艦橋が爆発を起こす。

 

 

 

推奨BGM『Stain』(ACVより)

 

 

 

義人「ヒロ···貴様は、ここで殺しておかねばならん···本能で解る。貴様もそうだろう?」

 

義人は軍刀を構え直し、ヒロは左手で刃のついた鞘の取っ手を掴み、刀と鞘を分裂させ、2刀状態となる。

そして2人は駆け出し、義人は間合いに入ったところで斬り上げるがヒロはそれを横にステップして回避する。そしてそのまま回転して斬りつけるが義人は後ろに引いて避ける。

 

その後義人は左手にブラックキューブを持ち、それをヒロに向ける。するとブラックキューブから砲撃が放たれ、ヒロは咄嗟に横へのステップで回避する。

しかし次の砲撃からは受け流しながら義人へと近づいていく。義人は自ら接近し、刀を振るうが、ヒロは受け流しつつブラックキューブを狙う。

互いに受け流すも、互いに少しずつ傷ついていく···

 

そしてヒロは右手の突きでブラックキューブを破壊するが、同時に義人によって左頬を斬られる。

 

義人「貴様···貴様ぁぁぁぁぁ!」

 

義人は左手でヒロの顔面を殴り付けるとヒロの胸を袈裟に斬りつけ、そのままの勢いで回転し斬り上げ、ヒロの胸はX字に出血する。しかしその時、量産型加賀が更に誘爆を起こし、飛行甲板にも被害が及ぶ。

ヒロが立ち上がると周囲は火に包まれており、ヒロは以前のトラウマを思い出す。家が燃え、妹である清魅を失い···

ヒロの心臓は痛みだし、息も荒くなってくる。そんなヒロに義人は刀を振り上げる。しかし、ヒロは弱々しく逆手に持った鞘で受け止めるしかできなかった。義人はヒロの腹を蹴り飛ばし、追撃を仕掛けようとする。

 

するとヒロの頭に清魅の声が甦る。

 

清魅(絶対また会えるから)

 

ヒロは再び立ち上がり、義人の懐に潜り込む。そこでヒロは刀を斬り上げ、義人の左腕を切り落とす。

 

義人「があああああああっ!」

 

更に鞘を振り下ろし、義人の左目を斬りつける。怯んだ義人にヒロが追撃をしようとしたところに海からテスターが現れ、義人を掴んで離れる。

 

義人「離せ!奴を、奴を!」

 

テスター「ブラックキューブのデータはちゃんとバックアップを取ってあるわ。それに、今は引いた方が良いんじゃない?」

 

義人「クソッ···ヒロ···次は必ず殺す!」

 

ヒロはテスターの元に駆け寄ろうとしたが、量産型加賀が大きな爆発を起こし、ヒロは海に投げ出され、その隙にテスターは義人を連れて撤退する。

そして、海に落ちたヒロを何者かが受け止めた。ヒロが見上げると、受け止めたのは赤城だった。

 

赤城「ヒロ!」

 

ヒロは安心し笑みを浮かべた後、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、重桜は長門と天皇により一時的に落ち着きを取り戻し、以前のような状態に戻り、アズールレーンにも再加入を果たすこととなった。

 

 

 

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

これにて、第3章は終わりとなります!
さて、今後の展開は如何に?

●91式仕掛け刀
ヒロに与えられた鞘が2重になっている特殊な刀。
1刀形態、合体形態、2刀形態の3つの形態にすることが可能であり、内側の取っ手のついた鞘は諸刃の刀にもなっている。

●鵐目
刀の柄を補強するための先端の金具。
91式仕掛け刀ではこれと内側の鞘に接続することにより合体形態にできる。

●諸刃の刃
刀や剣の両方のふちに刃がついているもの。
91式仕掛け刀では内側の鞘が諸刃になっている。
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