Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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季節は冬に入り、オブザーバーは1つ"あること"を試す。


第38話 ご当地案内

季節は冬に入り、街は積雪に備えて準備を始めていた。そしてヒロはエリザベスと長門をこっそりと連れ出し、自身の生まれ故郷の町を案内することにした。

···が、ウォースパイトと江風にはバレており、メールで『何かあったら〇す』と送られてきており、ヒロは1人で肝を冷やしていた。そして3人は電車に乗り込み、ヒロの生まれ故郷へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同じ頃、オブザーバーは1つの仮説を立てていた。

 

オブザーバー(もしかしたら···この"書き換えられた世界"には鴉間 ヒロが関わりがあったりして?)

 

ヒロには重桜はもちろんのこと、ロイヤルや鉄血のKAN-SENまでもが味方に着いている。そのため、ヒロが何かしらの関わりがあると仮説を立てたオブザーバーはヒロの生まれ故郷へと向かった。

 

 

 

 

ヒロは時雨に事前に聞いていた服を長門とエリザベスに着せ、最初の目的地である商店街へ向かった。すると道の途中で1人の日傘をさした女性に話しかけられる。それは変装したオブザーバーだったが、3人は気づいていないようだった。

 

オブザーバー「あの、すみません···この辺りの名所を巡りたいのだけれど、案内してくれる人を探していて···案内してくれるかしら?」

 

ヒロは頷き、オブザーバーを連れて商店街に向かう。

 

長門「ヒロ、大丈夫なのか?」(小声)

 

エリザベス「バレるかもしれないわよ?」(小声)

 

ヒロはサムズアップしており、2人は諦めて進むことにした。商店街はシャッターが閉まっている所がいくつかあり、人通りも多くはないが、実は知る人ぞ知る食べ歩きスポットでもある。

特にクレープが美味しく、クレープ屋に立ち寄る。

 

クレープ屋店主「おやヒロ君じゃないかい!今日はお友達連れてきたんだね?さ、何にする?」

 

クレープ屋のクレープは甘すぎず、とても食べやすい味だった。

そして一行はクレープを食べ歩きしながら次の場所へ向かう。

次の場所はこの地域1番のパワースポットでもある神社である。小さめで、人通りは少ないものの、静かで温かい雰囲気が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この地域の最大の名所···『ロボットバトル博物館』へと向かう。

そこには、ロボットバトルの様々なものが展示されており、歴史も多く知ることができた。

しかしオブザーバーはそのロボットに既視感を覚え、展示されているロボットを見ていくと、『本来起こり得た未来』でオブザーバーが見たあの細身の機体や大柄の機体も展示されていた。

 

オブザーバー(どういうこと?未来のものが既にこの時代に?)

 

説明文『ロボットバトルに使用されるロボットはVRを使った操作を行い、この技術を軍事利用することは条約に違反する』

 

オブザーバー「どうして、軍事利用しないのかしら?」

 

ヒロはメモ用紙に書き込む。

 

『僕の産まれる前に世界最高の人工知能が暴走したからなんだって』

 

オブザーバー「なるほど···」

 

そして進んでいくと、1人の燕尾服を着た男性に話しかけられる。

 

男性「おや、ヒロ君じゃないか!また来てくれてありがとう。今回はお友達も一緒のようだね。私はここの館長の『野村(のむら) (なぎ)』、今日は楽しんでいってくれ!」

 

ヒロは再びメモ用紙に書き込んだが、何かを思い付いたように追加で書き足す。

 

『この人、ロボットバトルの最初の実況。

 

そうだ!できたら案内と解説お願いできますか?』

 

凪「もちろん!時間も空いてるし···案内と解説、任せとけ!」

 

こうして凪による案内と解説が始まったが、順番も内容も分かりやすく、実況者だったことが良く分かる。

 

凪「ロボットバトルに使用される機体は5種類あるんだよ。

まず、最初に作られた『第1世代』。これは初期のもので、スペックもそのぐらいしかないけど、それだけで行われる試合も多い。

 

次の第2世代は背部に特殊なブースターを内臓したもので、当時はスピード感溢れる戦闘が繰り広げられたんだ。

 

第3世代はそれから派生して、個性的なパーツが多く出てきたんだ。

 

第4世代はかなり特殊でね、これまでのロボット全てを越えるスペックを求めた、1種の究極形みたいなとのさ。けれどコストが高すぎて数は少ない。

 

最後の第5世代は量産性を高めたもので、コストが少ないから値段も安い」

 

すると機体の展示コーナーに進んだが、途中でオブザーバーはある機体の前で足を止め、その機体を眺める。

 

第3世代の赤と白のカラーリングの中量2脚で、右手にはライフル、左手にレーザーブレード、右背部に小型ミサイル、左背部にグレネードキャノン···そしてその機体の名前は···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         『ARMORED·COER』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「おや?お嬢さんお目が高いね。その機体は『世界最高のロボットバトル』とも呼ばれる、ロボットバトルそのものの象徴ともされている試合に出た機体だよ。隣にある第4世代の『ディターミネイション』と第9回ロボットバトル世界大会決勝で戦ったんだ」

 

ARMORED·COERの右隣にはサーチャーが見たあの黒と金の機体が展示されていた。

 

凪「あれは本当に素晴らしくてね···性能差を才能と経験で補うARMORED·COER、身体的な障害をスペックで補うディターミネイション···全くの互角で、元々お互いが親友だった事もあるけど、会場は沸きだってね···あの2人の楽しそうな顔が今でも忘れられないよ!」

 

オブザーバー「結果は···どうなったの?」

 

凪「それが相討ちでドロー。プライベートでも戦ったらしいんだけど、結局いつまでも決着がつかなかったんだ。それで今は···度重なる戦いでもう戦えなくなったから、ここに展示されてるんだ」

 

すると4人の所に1人の老人が近づいてくる。

 

老人「君達は···ロボットバトルが好きかね?」

 

ヒロは笑顔で頷く。

 

老人「それは良かった。改めて、作った甲斐があったものだ」

 

凪「あ、あなたは···!?」

 

老人「もう、30年も前になるな···世界最高の人工知能が暴走し、それを正体不明の赤と黒の機体が撃破した···その時正体不明の機体に助けられた娘がロボットに興味を持ってね···ロボットバトルを創り、広めてみれば多くの人々に希望を与えてくれた···」

 

老人は懐かしげな表情で話している。

 

老人「今はもう下火になってしまったが、ロボットバトルを好きな者がいてくれるだけで、私は嬉しいよ」

 

すると老人は笑顔を浮かべながら去っていった。

 

エリザベス「今のおじいさんは誰かしら···もしかして、ロボットバトルの創設者かしら?」

 

凪「うん。あの人がロボットバトルとそれ用のロボットを作った人だよ。君達、今日はとっても運が良いね!」

 

 

 

 

 

その後、博物館を見物し終えた4人は最後の名所へと向かう。そこは喫茶店『鴉の家』だった。

店内に入ると早速愛海が出迎えた。

 

愛海「いらっしゃいませ~!···ってヒロ君、今日はお友達も一緒なのね!」

 

オブザーバーは一瞬驚いたが、愛海は他と変わらず接している。そして会計になると愛海は一言···

 

愛海「どう?美味しかった?」

 

とだけ聞いてきた。

 

オブザーバー「ええ。とても美味しかったわ」

 

愛海「フフ、なら良かったわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして駅にてオブザーバーと別れる事になり、メアドを交換してそれぞれは帰宅する。

 

オブザーバー「ヒロはおそらく"イレギュラー要素"ではあるけれど、ヒロの存在によって未来がねじ曲げられた訳ではないようね···なら、一体誰が···?」

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回はどうだったでしょうか?感想やご指摘、お待ちしています。

●野村 凪
身長180cm、黒髪の短髪で40歳。
ロボットバトル博物館の館長を務めており、過去にはロボットバトル最初の実況者でもあった。
燕尾服を着ており、ロボットバトルの実況者であったことを誇りに思っている。
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