Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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夜に行われた会議、それは重桜の今後に大きく関わってくるものだった。

そして始まるものとは···?


第40話 始動

夜の会議が中枢地区の建物の広間にて始まった。

 

銀治「今回集められたのは···ヒロの事か、それとも今後の事か?」

 

雪羅「どちらでもありますが、私の言おうとしている事はなんとなく予想はできているのでは?」

 

長門「ヒロや皆にしたことは···余はもう我慢ならん」

 

エリザベス「いいえ、我慢なんかする必要なんか無かったのよ!」

 

ビスマルク「東煌の行ったヒロの誘拐と人体実験、というより拷問は···東煌だけでできることなのか調べてみたけれど、誘拐の方は他の国も加担してたようね。北連のKAN-SEN達からのも同様に他の国からの指示もあったようだから···つまりはね?」

 

銀治「敵は"全て"か···」

 

雪羅「秘匿KAN-SEN同士でも話し合いましたが···ヒロが望むとあれば全てを焼き尽くすつもりでいます···しかし、つくづく秘匿KAN-SENは嫌われもののようで、これまでも秘匿KAN-SENには有形無形の嫌がらせが来ていましたからね」

 

長門「なんじゃと!?」

 

雪羅「あくまでも"嫌がらせ"なので、皆さんの手を煩わせる訳にはいかないので秘密裏に私とウォーエンド、ゴアが"処理"してきました。しかしそれでもやめることはなく、北連艦隊とヒロの件は明確な敵意があると見てよろしいかと」

 

ビスマルク「ならもう、アズールレーンにもレッドアクシズにもいられないわね」

 

雪羅「そこで···私から1つ提案があります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、重桜から世界に向けて重大発表が放送される。改変されないよう、KAN-SEN達が厳選した報道者によって生放送が行われることとなった。

台の上のマイクの前に長門が立ち、その後ろに正面から見て左から阿修羅、エリザベス、ビスマルク、銀治の4人が立っており、どの顔も真剣そのものであった。

 

長門「余は重桜の代表、長門である。今回の発表は···結論から言えば、重桜はアズールレーンから脱退する」

 

それを見ていた人々にどよめきが起こる。

 

長門「理由はいくつもある。その中には、重桜がレッドアクシズにいた頃からある」

 

長門は台本を使わずに喋っている。

 

長門「まずはレッドアクシズの頃の事から話そう。ロイヤルは未来のために行動した英雄を自身らの利益を損ねたとして暗殺し、英雄のKAN-SEN達はロイヤルを見限って離反、そしてこの重桜を何とかするべく動いていた者の所に向かったのだが、そのKAN-SEN達を奪うために夜襲を仕掛けてきた」

 

ウォーエンドはその時、念のために証拠を保存していたのだ。また、ロイヤルは「英雄を~」の所で即座に放送を打ち切ろうとしたが、なぜか止めることができない。

 

長門「次に、北連艦隊がこちらの艦隊に海域奪還の支援を要請してきた時の事だ」

 

北連も即座に放送を打ち切ろうとするが切ることができず、慌てている。

そしてその頃、謎の装置に頭部を接続した雪羅が眠りながらほくそえんでいる。

 

長門「その艦隊はこちらの主力がセイレーンと戦っている間に、指揮官の乗っている船を攻撃してきたのだ。その理由は『力を持ちすぎたから』だそうだ···そして最後は東煌···東煌はこれまで重桜だけでなく戦争そのものを終わらせるために尽力してきた1人の男を誘拐し、連れ去った先で人体実験を行った。しかもその一部は単なる暴力だった···」

 

長門の声に怒りと悲しみが混じる。

 

長門「皆が何をした···ロイヤルの英雄は未来を見据え、未来のために尽力していただけで、秘匿KAN-SEN達は自身の従う者を自身達で決め、共に戦ってきたというのに···

そしてあの男は戦争を終わらせるために、人間でありながらセイレーンやKAN-SENにも立ち向かって···皆が、あの男が···お主らに何をした!?

力を持ちすぎたから?個人の戦闘力が高すぎたから?それがお主らに迷惑をかけたか?」

 

阿修羅、エリザベス、ビスマルク、銀治は同じ気持ちで立ち、表情こそ崩してはいないが、その目は怒りに染まっている。

 

長門「皆のために戦ってきた者をこうも裏切るような···かつての過ちが繰り返すようや者達とはもはややっていくことなどできん···」

 

そして長門は深く深呼吸をする。

 

長門「よって···重桜は正式にアズールレーンから脱退し、重桜を守り、この戦争を終わらせるための新組織の設立を宣言する。組織名は···」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長門「『Ravens lane』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒロは東煌での1件から自身の知っている者以外の研究員や軍人に対してのトラウマができてしまい、最初の頃は部屋から出られない程だった。

そして今は基地内のみではあるものの、外に出れるようにはなっている。

ヒロが庭で駆逐艦と鬼ごっこをしている。そんな光景をエリザベスは窓から眺め、会議室に向かう。

 

会議室に集まった銀治、ビスマルク、エリザベス、雪羅、長門···

 

ビスマルク「皆、もう想像できていることだろうけど、これからはセイレーンやレッドアクシズだけじゃない、アズールレーンも重桜を狙ってくる。特にヒロを···」

 

銀治「根回しはしておいた」

 

エリザベス「ヒロの近くにはメイド隊の1人を必ずいさせることにしてあるわ」

 

雪羅「ヒロが望むのなら、全てを焼き尽くすつもりです」

 

長門「重桜の他の基地の防衛の強化も指示しておいたぞ」

 

雪羅「それと皆さん、私達秘匿KAN-SENの事ですが···秘匿KAN-SENは近代化改修により武装を増やすことが可能となっていますが、近代化改修の、その先へ至ることも可能なのです。そのため、"近代化改修のその先"に至るための資材の提供をお願いします」

 

長門「よかろう。すぐに手配する」

 

こうしてRavens laneは始動し、道は思いもよらぬ方向へ大きく舵を取る事となる。

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

さてこれでタイトルどおり『Ravens lane』が始動しましたね!
そして、秘匿KAN-SEN達の近代化改修のその先とは···?

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