Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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赤城は自身の戦力に関して悩んでいた···
そして赤城は冴の元を訪れる。


第41話 夜露

雪が降り積もり始めた頃···赤城は悩み、冴の研究室を訪れる。

 

冴「相談って?」

 

赤城はヒロを守るために自身の能力の向上を計るため、様々な手を尽くしたのだが、やはり空母というだけでは守りきることが難しいと考え、冴と明石に近接武器の製作を依頼しに来たのだ。

 

冴「なるほどねぇ···近接武器···あなたの戦闘スタイルに合わせるとなると、刀じゃなくて···う~ん、薙刀や鉄扇なんかどうかしら?···あ、でも元となる武器が無いかぁ···」

 

そう言って冴は考え込む。そしてしばらくすると冴は資料を漁り始める。そして古い文献を纏めた物を取り出し、その中から1つ取り出して番号と名前の羅列を調べ、1つの物を見つける。

 

冴「あったあった。よし、本気でやるつもりならすぐに行くわよ!」

 

赤城「え、ええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城は冴に連れられて山奥の小さな村にやって来た。その村の村長と冴は話をし、地下室の奥から長い木箱を持ってきた。

 

村長「誰も引き取り手の無かったこれを貰ってくれる者がおるとはねぇ···」

 

冴「ありがとうございます」

 

村長「しかし冴の嬢ちゃんも物好きだなぁ···研究のためにこんな辺境の文献やらなにやら調べんだから」

 

冴「古い文献って、とっても役に立つのよね。今回みたいに」

 

赤城「これは···?」

 

村長が木箱を開けると、中には1本の薙刀が入っており、紺色の鎬地と柄はまるで真夜中のような雰囲気を漂わせている。

 

村長「古来から伝わる薙刀、『夜露(よつゆ)』。昔から人を守るために怪異を狩るために作られたと言われておる」

 

冴「試しに持ってみて」

 

赤城が夜露を持つと吸い付くように手に馴染み、見た目からは想像もできない軽さがある。

 

冴「どうやら、合ってたようね」

 

村長「これまで、夜露を持てる者はおらんかったが···夜露はお主にやろう」

 

赤城「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから赤城は夜露の扱いを習熟するために行動し、翌月にはすっかり使いこなしていた。

そして同じ頃、明石と冴、ビスマルクによってヒロ専用の外骨格が完成した。

 

冴「設計と構想は私、外装は明石、内装の設計はビスマルクで作り上げた初の『海上外骨格』、『O-L2α』よ」

 

ヒロは体に装着した外骨格を目を輝かせて眺めている。

 

ヒロ「か···Ko···!」

 

ヒロが僅かながら言葉を出せるようになっていることにその場は和やかになりつつも、冴はデータを取るのを忘れない。

外骨格はボディスーツと一体化しており、海上を専用ホイールと小さなブースターで移動できるようになっている。

早速海で動いてみるヒロは笑顔だった。

 

単純に嬉しくて楽しいだけではなく、"守れる"という事も含めて。

しかし赤城はヒロが戦場に出ることでヒロを失ってしまうのではという事を恐れていた···そこで···

 

赤城「ヒロ···私はあなたが戦場へ出向くことで、死ぬのではないかと···とても心配でなりません。けれど、大切なものを守るために進むあなたを止めるのも、私は嫌ですわ···」

 

赤城の目が鋭くなる。

 

赤城「私と戦い、勝利してみせてください」

 

静かな間が空いた後、ヒロは頷いた。

そして演習用の仕掛け刀と薙刀をそれぞれ持ち、対峙する。

 

長門「···では2人とも、始め!」

 

 

 

 

 

 

推奨BGM『Fall』(AC4より)

 

 

2人は即座に動く。ヒロは進み、赤城は後退しながら艦載機を発艦させる。ヒロは人間でありながら爆撃と雷撃、機銃による飽和攻撃を回避していき、避けきれないものは受け流しながら確実に距離を積めようとする。

すると徐々に雲行きが怪しくなり、波が荒立ってくる。

 

時雨「これって···」

 

ヒロと赤城は互いの気持ちを示すように、そして受け入れるように攻撃と回避を続ける。

すると波が大きくなり、ヒロは極めて低姿勢の戦闘スタイルへと変更し、赤城の視界から消え去る。それはまるで···

 

銀治「まるで、"最初の日"のようだな」

 

しかしスマッシャーⅡとは違い赤城は空母であるが、ヒロは波の中に突入し艦載機の目からも逃れる。

そして今度は波を坂の代わりに使い、赤城の上から奇襲をかける。それに気づいた赤城はギリギリで回避し、夜露を振るう。しかしヒロはそれを受け流し接近しようとする。

 

赤城は引きながら艦載機を発艦させるが、発艦と同時にヒロは艦載機を叩き落とし、接近してくる。

赤城は横薙ぎに夜露を振るうが、振られた刃をまるで転がるように体を横に体を丸めながら空中で回転して受け流し、赤城の懐に潜り込む。

その回避方法に、戦いを見ていた誰もが驚愕する。

 

銀治「なんだと!?」

 

阿修羅「あんな回避の仕方が···!?」

 

そしてヒロは赤城の首に刃を当てる。

 

赤城「ふぅ···参りましたわ」

 

ヒロは笑顔で赤城の手を取り、手を繋いで帰還する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、自室で眠ろうとしたヒロの背後に何者かの気配を感じ、振り返ると長門とエリザベスと共に故郷の街を案内した女性(オブザーバーだがヒロは気づいていない)が立っていた。

 

オブザーバー「こんばんは。直に合うのは久しぶりね」

 

ヒロはなぜここにいるのか気になって首をかしげる。

 

オブザーバー「ねぇ、ヒロは本当に戦争を終わらせたい?」

 

ヒロは頷く。

 

オブザーバー「なら、あなたに2つ教えることがあるわ」

 

そう言ってオブザーバーは変装を解き、セイレーンの姿に戻る。

 

オブザーバー「私はセイレーン。オブザーバーって言うの」

 

ヒロはメモ用紙に書き込む。

 

『セイレーンなのはなんとなく感覚でわかった』

 

オブザーバー「···もしかして、最初から?」

 

ヒロは頷き、再びメモ用紙に書き込む。

 

『でも攻撃してこなかったし、それに名所案内も楽しんでくれたみたいだったから問題無いと思ってる』

 

オブザーバー「なるほど···じゃあ、もう1つの事を教えるわ」

 

オブザーバーは1枚のメモをヒロに渡す。

 

オブザーバー「本当に戦争を終わらせたいなら、このルートに従って私達セイレーンの本当の中枢まで来なさい」

 

そう言うとオブザーバーはワープして消え去り、ヒロは眠りについた。

 

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

赤城が近接武器を手にし、更にオブザーバーから中枢への招待状が受け取りましたね!
さて今後はいかに?

●夜露
赤城に託された薙刀。
古来から伝わる伝承では村の人々を守るために怪異を狩るために作られたとされている。

●夜露を手にした赤城の追加スキル
『夜露』(攻撃スキル)
30秒毎に敵1体に急接近し、夜露で攻撃し(ダメージはスキルレベルによる)、更に味方全体の体力を5%(MAX20%)回復させる。

●海上外骨格
人間がKAN-SENと同様に海に立てるように作られた特殊な外骨格。コストは高めで現在量産は計画されていない。

●O-L2α
初の海上外骨格で、設計と構想は冴、外装は明石、内装の設計はビスマルクが担当したもので、脚部に小さなブースターが片足3つ付けられており、踵部分にホイールが付けられている。
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