Ravens lane ─鴉達の未来─ 作:ダイヤモンド傭兵
オブザーバーに案内され行き着いた先に待つものとは···?
オブザーバーに案内され、セイレーンの施設へと入っていくヒロとケンタウルス、第1艦隊。
施設の中のセイレーン達は指示があるのか誰も攻撃してこず、奥の部屋へと案内され、その部屋にはヒロのみ入ることを許された。
加賀「気を付けろよ」
ヒロが部屋に入ると、1人の人型セイレーンがおり、その隣に1つの機械があった。
機械は黄、青、紫の発光体があり、3色が合わさったキューブが中心にはめ込まれている。
人型セイレーンは青いクラゲのような艤装があり、青いメッシュの入った白い短髪である。
機械《初めまして、鴉間 ヒロ。私はセイレーンの創造主です。事情により直接会うことができないことをお詫びします》
セイレーン「私は『オブザーバー·零』といいます」
ヒロ「ヨ···ろ···く」
機械《では···単刀直入に聞きます。あなたは戦争を本気で止めたいのですか?》
ヒロは頷く。
機械《···この世界は今まで巡ってきた他の世界とは全く違う事が多く起きています。その要因の1つは間違いなくあなたです》
零「現に、あなたは人間でありながらKAN-SENの艤装を装備することを、いえ···沈んだKAN-SEN達に艤装を託されました。沈んだKAN-SENと同調した人間は過去にもいましたが、艤装を託されたのはあなたが初めてです」
機械《そして、私達がKAN-SENを生み出すために作った空のキューブを使い、私達も知り得なかったKAN-SENを生み出したのも、あなたが初めてです》
零「この世界はそもそも、過去に何者かによる"書き換え"が行われ、『本来起こり得た未来』も今まで巡ってきた他の世界とは全く違うものでした」
機械《なので私達はあなたに1つの可能性を見いだしました》
零「その為に、もう1つ聞くことがあります」
機械《私達セイレーンとの戦争が終わった後、私達に"何を求めますか"?》
ヒロは少し考えた後、メモ用紙に書き込む。
『強いて言うなら復興を手伝って。それ以外は何も思い浮かばない』
機械《···何もないのですか?あなたは今、その気になればセイレーン技術を得ることも、場合によっては世界を手にすることもできます》
ヒロは首を横に振り、メモ用紙に書き込む。
『だって僕は勝ったわけじゃないし、世界を手にすることはしなくて良い』
零「この拠点の周囲はあなたの艦隊が制圧したも同然です。これは"勝った"と言えるのでは?」
ヒロは再び首を横に振り、メモ用紙に書き込む。
『僕は始めから話し合うつもりで来たんだよ。
でも攻撃が来るのは仕方ないから無力化してもらっただけ。
それに勝ち負けじゃなくて、戦争が終わるのならそれで良いと思ってる』
機械《なるほど···その意志を持ち、ここまで貫く人間は初めてです。良いでしょう、あなた方とセイレーンの戦争は終わりです》
零「しかしお伝えすることがあります」
機械《人類には、"本当の敵"がおり、私は人類をより強くするためにセイレーンを創り、人類と敵対しました》
零「私達セイレーンとの戦争が終わっても、別の戦争が始まるでしょう」
機械《しかし、あなた達なら立ち向かえるでしょう···では》
ヒロ「Aり···ガto、う···」
機械《···なぜ、感謝するのですか?仮にも敵として人類を攻撃し、多くの人名を奪ったのですよ?》
ヒロは頷き、メモ用紙に書き込む。
『違う方法もあったかもしれないけれど、それでも行動してくれたんでしょ?それに、今思えばセイレーンが現れなかったら、KAN-SENの皆とは出会えなかったと思う』
ヒロは笑顔を向ける。
零「あなたは···なぜそこまで···」
機械《私は今、直接会うことができないことがとても悔しく思います···では、私の方からセイレーンの技術をあなたに教えましょう》
ヒロの眉毛はハの字になっているが、零はヒロの手を握る。
零「私達が、あなたに与えたいのです」
ヒロが部屋から出てくるとヒロは笑顔を向け、サムズアップする。
オブザーバー「···てことは、もう戦争は終わりってことね。色々説明することはあるけれど、今は終わったことを喜びましょう」
三笠「本当に、終わったのか?」
ヒロは笑顔で頷き、それぞれは安堵する。
加賀「では、皆にも伝えねばな」
時雨がそれぞれに通信を入れるが···
ビスマルク《そっちは終わったのか?ならちょっとピュリファイアーを止めてくれる?かなり抵抗が激しくててこずってる》
オブザーバー「あらあら···せっかくだし、私も止めに行くわ」
ヒロ達は1度ピュリファイアーを止めるためにビスマルク達の元へ向かうことにした。
ピュリファイアー「まだだ···まだ私は止まらない!止まるものか!」
既に艤装が大破しているピュリファイアーはボロボロになりながらも抵抗を続ける。ビスマルク達はこれ以上ピュリファイアーを攻撃することは危険と判断し、回避に徹している。
ピュリファイアー「ハァ、ハァ···ホラホラどうしたぁ?お前らの力や絆ってのはそんなもんかぁ!?」
そこにようやくヒロ達が駆けつける。
オブザーバー「ピュリファイアー、もうやめなさい!もう終わったのよ!」
ピュリファイアー「うるさい!まだ···まだやることがあるのに、止まってたまるかぁ!」
ピュリファイアーが振り向き、ヒロと目が合う。
ヒロとピュリファイアーの目は見開かれ、動きが止まる。
ヒロ「きヨ···Mi···?」
ピュリファイアー「あ···あ、兄貴···なのか?」
その瞬間···ヒロの目からは涙が溢れ出し、ヒロは脚部艤装以外の艤装を解除し、全速力でピュリファイアーの元へ向かう。
ヒロ「Kiよミぃイぃぃぃiぃぃ!」
ヒロはピュリファイアーに抱き着き、号泣する。そしてピュリファイアーの目からも涙が溢れ出し、ヒロを抱き締める。
ヒロ「きYoミだ!ヤッPaりKiよミだぁァa!」
ピュリファイアー「兄貴ぃぃぃ!ホントのホントに兄貴なんだな!?」
ヒロ「うン!」
ピュリファイアー「やっと···やっと会えたぞ兄貴ぃぃぃぃぃ!」
ヒロ「YaっトあえTaァ!うWaぁぁァぁぁN!」
抱き合い号泣する2人を見てその場は困惑に包まれる。
赤城「セイレーンが···ヒロの妹の、清魅?」
オブザーバー「死にかけのところをアーキテクトがセイレーンにしたけど、探しものがあるって言ってどの世界でも血眼になって探してたものがあったけど、まさかそれがヒロだったなんてね···」
時雨「まさか行方不明になった妹とこんな形で再開するなんてね」
2人が泣き止むまでは時間がかかったが、それを止める者はおらず、深海の者達も含め、皆が暖かい眼差しで見守っていた···
読んでくれてありがとうございます!
セイレーンとの戦争は終わり、ヒロは清魅と再開できましたね!
●沈んだKAN-SENとの同調
かつての大戦で沈んだ軍艦の魂と同調する人は少なからずおり、同調した際は囁き声や夢に見るなど様々だが、ヒロは特に強く同調したため、魂はヒロの事を観察していた。
●セイレーンの創造主
セイレーンを創り、人類に"本当の敵"と戦う力をつけさせるためにセイレーンを向かわせ、人類にキューブを与えた。
全ての世界に現れた訳ではなく、"本当の敵"に立ち向かえる可能性のある世界にのみ現れる。
●オブザーバー·零
青いメッシュの入った白い短髪で駆逐艦のように幼い姿をしており、基本的に静かな性格をしている。
艤装は青いクラゲのようであり、KAN-SENに近い形の艤装も装備している。
セイレーンの創造主直属のセイレーンであり、戦闘能力は他のセイレーンよりも高く、『TB』という戦闘能力を排除した自身の分身を端末機能として各地にばらまき、人類の支援をしつつその動向を観察していた。
●清魅(ピュリファイアー)のこれまで
1度爆発と共に様々な偶然が重なり別世界へと飛ばされ、重症の清魅を発見したアーキテクトがセイレーンに改造する。
セイレーンへの高い適正があったものの記憶処理の効果がなく、「探しものがある」と言い、探しものを行う許可と引き換えにセイレーンに協力してきた。
(セイレーンへの改造に伴い、より好戦的な性格になっているが···)
そして現在、念願のヒロとの再開を果たした。