Ravens lane ─鴉達の未来─ 作:ダイヤモンド傭兵
セイレーンとの戦争が終わり、次なる戦乱に備えてヒロは修行を続け、各国はRavens laneの排除に乗り出そうとする。
第46話 Another lane
演習海域にて、右上にエリザベスの主砲、左上にフリードリヒの主砲、右下に加賀の飛行甲板、左下にガングートの主砲、太ももに撫順の魚雷を展開したヒロはエリザベス、フリードリヒ、加賀、ガングート、撫順から艤装の扱いを教わりつつ清魅、阿修羅、ゴア、ウォーエンドを相手に演習をしていた。
エリザベス「手持ちの武器とは扱いが全然違うから、まずは当てるところからよ!」
フリードリヒ「セイレーンのレーザーは熱で艤装が溶かされるわ。だから可能な限り回避して」
加賀「艦載機は直線的に発艦させるだけでは撃ち落とされる。発艦と同時に方向転換させてみろ···そうだ、その調子だ」
ガングート「当てられるようになってきているのは良いが、その姿勢だと衝撃を吸収しにくい。ここをこうして···と」
撫順「今装備してる魚雷は追尾機能が無いから、単体の相手には近づいて当てると良いよ!」
そしてヒロは成長を続け、艤装を使いこなすようになっていく。
それを赤城は微笑ましく見守っていた。
オブザーバー「あら、あなただったら『ヒロは私だけのもの』って言って突っかかりそうなのに」
赤城「以前の私のままならそうしていたかもしれないわね。けれどヒロと出会って過ごすうちに、そんな考えはいつの間にか消えてましたわ」
オブザーバー「なるほど、やっぱり他の世界とは大きく違うわね」
その夜、どうせならみんなで見ようとのことで今月のロボットバトルを講堂のスクリーンで見ることにした。
司会《それでは皆さんこんばんは!今月もやって参りました、ロボットバトル!今夜のマップは『UNDERGROUND』。薄暗く、柱が立ち並ぶ地下施設です。そして今回は久々の第4世代同士のバトルです!》
柱が立ち並ぶ下水施設にも見える地下施設。中心の天井には真上に伸びる縦穴があり、そこからの明かりはどこか神秘的にも感じられる。
司会《それでは、今回の対戦者達の紹介です!赤コーナー!中量2脚『シュープリス』、青コーナー!中量2脚『ステイシス』。どちらもトップクラスの実力者です!》
黒く先鋭的で、鴉を思わせるフォルムのシュープリスは黄色いメインカメラを光らせている。対してステイシスは青く独特な前傾姿勢の脚部と前に突き出た胴体が特徴的である。
また、シュープリスのメインフレームはカラーリングこそ違うものの、ディターミネイションと同じ形状をしていた。
清魅「パーツがディターミネイションってのと同じなのはパーツを作ってる企業が同じだからだ」
同じだが中身やカラーリング、使用者が違うとなると最近落ち着いてきたため外に出てきたサーチャーは胸を撫で下ろす。
そして、両者は睨み合う。
実況《それでは···レディー、ゴー!》
推奨BGM『Panther』(AC4より)
両者は互いに進み、中距離に入った所から撃ち合いながら旋回戦に持ち込む。するとステイシスは右手の『アサルトライフル』を連射しながら左手の『レーザーバズーカ』を構え、発射する。しかしシュープリスは柱を盾にして防ぎ、右手のライフルと左手のアサルトライフルを連射しつつ距離を詰めようとする。
背、肩、太ももにあるブースターを駆使した機動戦は一部のKAN-SENには何が起こっているのか理解するのに時間がかかる程だった。
シュープリスは右背部に折り畳まれていた『グレネードキャノン』を展開し、ステイシスに向けて発射する。ステイシスは左肩のブースターを急加速させることで右に回避する。そして背後の壁に当たった防弾は広範囲に大量のピンク色のペイントを撒き散らす。
ステイシスはお返しとばかりに右背部の『PMミサイル』を発射し、4連発のミサイルは真上に飛ぶと斜め上から回り込むようにシュープリスに迫る。
しかしシュープリスの肩にある『フレア』が展開し、熱源をばらまく。それによりステイシスのPMミサイルはあらぬ方向に飛んでいく。
タリン「これがトップクラスの実力···!」
ヒロ「まダまDaKoレから」
互いに空中で撃ち合うと、ステイシスは中心の縦穴に登りシュープリスはステイシスを追いかける。するとステイシスはアサルトライフルについている突起を銃剣代わりにし、シュープリスに突き出す。
しかしシュープリスは機体を反らし、至近距離からライフルをステイシスの頭部に撃ち込み、ステイシスを蹴り飛ばして床に落とす。
ステイシスは急加速してシュープリスの追撃を回避し、レーザーバズーカを放ち、シュープリスの右腕に命中させる。
実況《シュープリス、右腕が破壊判定となってしまった!これはステイシス、1歩リードか!?》
しかしシュープリスは怯むこと無くグレネードキャノンを展開し、ステイシスの足元に撃ち込む。それにより撒き散らされたペイントはステイシスの左半身を染め上げ、中破判定となる。
シュープリスはアサルトライフルを連射しつつ近づいていき、ステイシスのアサルトライフルを破壊判定にする。
そして再びグレネードキャノンを放ち、ステイシスの胴体に直撃する。
そして、その勢いのままシュープリスはアサルトライフルを銃剣代わりにし、ステイシスの胴体に深々と突き刺す。
実況《ステイシス撃破!今回の勝者は、シュープリスだぁぁぁ!》
冴「どうだった?久々に見るロボットバトルは?」
清魅「いつ見ても良いよ···!」
清魅は久々に見ることのできたロボットバトルに満足した様子だった。
各国の政府はRavens laneにより明確な猜疑心を抱き、Ravens laneの排除に乗り出そうとし、指揮官を集め緊急会議を開いた。
ユニオン代表「我々アズールレーンはレッドアクシズと和平を結び、"未来の脅威"であるRavens laneを打倒する!」
鉄血代表「今ここで、より力をつける前にRavens laneを打倒する事ができれば、平和な未来をこの手に掴むことができるのだ!」
しかし多くの指揮官はそれに反対し、かつてヒロと会ったことのある夏月やテイルは特に反対していた。
夏月「まだ解ってないのか!?あんたらがやろうとしているのは戦争をまた引き起こす事だぞ!?」
テイル「私も同じだ。なぜそこまでしてRavens laneを潰そうとする?ヒロ達がお前達に何をした?」
ユニオン代表「···そこまで反対するなら良いだろう。ならば現時点をもって貴様らの指揮官としての任を解く」
夏月「そんな横暴な···!」
北連代表「既に軍部の許可は得られている···夏月·ユーセフ、テイル·オーウェン、君達2人はもう軍の人間ではない。今すぐ出ていきたまえ」
テイル「貴様ら···!」
2人が退出させられると、他の反対していた指揮官達は黙り込む。
ロイヤル代表「では、日時が決まり次第始めるぞ」
夏月とテイルはKAN-SEN達に会うことも許されず基地から退去させられ、私物の多くはその場で処分されてしまった。
その夜、夏月は落ち込みながら港の近くの公園のベンチでうなだれており、テイルは港近くの小さな酒場でやけ酒をしていた。
すると夏月の前に人影が近づいてきた。
エンタープライズ「らしくないな、"指揮官"」
夏月「エンタープライズか···俺はもう、指揮官じゃなくなったし、お前に会うことも許されてないんだぞ」
エンタープライズ「いや、夏月は私達にはなくてはならない指揮官なんだ」
夏月「俺はっ···!」
夏月が顔を上げると、エンタープライズだけではなく、ネバダやボルチモアもいた。
ネバダ「あたし達は抜け出してきたんだよ」
ボルチモア「脱走って聞こえは悪いけど、上層部のやってることは明らかに間違ってる!」
エンタープライズ「行こう指揮官!」
夏月「行くって、どこへ···?」
ネバダ「アンタなら判るだろう?」
夏月はいつものような顔つきになり、エンタープライズ達と共に海へ出た。
やけ酒をしているテイルの横の席にアヴローラが座った。
アヴローラ「やけ酒は良くないってガングートさんに言われてたでしょう?」
テイル「そうだったな···アイツは無理矢理他の指揮官の所へ行かされたが、大丈夫かねぇ···って私は今KAN-SENとの接触すら禁じられてるんだが?」
アヴローラ「"私達"は、脱走してきました···私達の指揮官は、あなたしかいませんから!」
テイル「お前···」
アヴローラ「行きましょう。皆が待っています!」
読んでくださり、ありがとうございます!
今回は久々にロボットバトルと夏月、テイルが登場しましたが、どうだったでしょうか?
感想やご指摘は受け付けてます!
また、機体や武装の詳細は次回載せます!
●ヒロの艤装
左右上下と太ももの計5つの武装を装備できるが、艤装を変更すると30分は変更できない。