Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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夏月とテイル、そしてその艦隊を迎え入れたヒロ達は宣戦布告を受けることとなる。


第49話 醜いナニカ

夏月とテイル、そしてその艦隊を受け入れたヒロ達はすぐにKAN-SEN達の傷の手当てを行い、夏月とテイルからは状況の確認を行った。

 

銀治「そんなことが···奴ら、腐りきっとる」

 

三笠「お主らはここにいると良い。空き部屋や一部のKAN-SENの部屋の空きスペースを使うと良いだろう」

 

銀治「まあそれでも足らんから、一部の場所も解放しようそれなら何とかなるはずだ」

 

夏月「ありがとうございます」

 

テイル「感謝します」

 

 

 

夏月はヒロとの再開に喜び、テイルとその艦隊はガングート達との再開を喜んでいた。

 

そして部屋割りなどが決められた後、冴は基地の増設の件を業者に依頼していた。

 

冴「ということで、お願いね」

 

業者《またですか!?あの規模の増設をまた!?》

 

冴「ええそうよ。KAN-SEN達も手伝うから、今回も頑張ってね」

 

業者《ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM『Venide』(ACVDより)

 

 

そして数日後の7月、アズールレーンとレッドアクシズから共同声明が発表された。

 

『これより我々は世界の平和の為に、セイレーンと手を結び支配を目論むRavens laneを打倒する』

 

これは明確な宣戦布告であり、世界はRavens laneを擁する重桜へ向けての攻勢に入る。

秘匿KAN-SENが"最大の単体戦力"なら、"最大の物量"による殲滅を掲げ、更なる建造に着手する。

そこにあるのはかつての輝きでは無く明確な猜疑心ではあるが、その中には恐怖や嫉妬も混じっていた。

 

自身よりも上の力を持ったヒロ達が自身に牙を剥くのではないか?あるいは自身よりも上の力を持つなど許せない。

それらの感情が彼らの心を揺さぶり、そして自身の行いにより国民の信頼が落ち、ヒロ達にその信頼が向き始めた事でその感情は爆発した。

 

KAN-SENは人の姿と心、そして魂を持っているが、もう既に彼らにそんなものは関係なく、ただただ兵器としてしか見ておらずその目は未来やKAN-SENではなく、目先のものに囚われていた。

 

しかし、猜疑心や恐怖は"やましいこと"が無ければ生まれるわけではなく、彼らの根底にあるのは"欲望"だった。そして嫉妬もまた、欲望から生まれたものだった。

 

話し合うことを捨て、現実から目を背け、耳を塞ぎ、口からは自身の欲望を吐き出す。

その姿は獣ですらなく、"醜いナニカ"に成り果てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アズールレーンとレッドアクシズの共同声明から2日後、基地の前にはデモが行われていた。

 

男性A「戦争をやめろー!」

 

女性A「あなた達のせいで国際社会から孤立したじゃないの!」

 

男性B「責任を取れー!」

 

女性B「重桜から出ていけー!」

 

デモ隊の声にヒロは悲しい顔をしており、憤怒と清魅は今にも突撃しそうであるが、ケンタウルスとオブザーバーが止めている。

すると大蛇がデモ隊の方向へと向かっていく。そして大蛇は門の上に登り、その上に立ってメガホンを構える。

 

大蛇「あーあー、聞こえるか~?」

 

デモ隊は大蛇を見る。

 

大蛇「アンタらの言い分は十分聞こえてるからさ、それに対してちょっと言いたいことがあるんだけど聞いてくれ」

 

男性A「うるさい!」

 

女性B「出ていけー!」

 

大蛇「あのさぁ、なんで自分達の言いたいことだけ言っといてこっちの言い分は聞こうとしないの?それって一方的じゃね?そういうのって、自分の言いたいことしか言わない卑怯な連中と同じじゃね?」

 

男性B「なんだと!?」

 

女性A「失礼ね!」

 

大蛇「じゃあこっちの言いたいことも聞いてくれよ。OK?」

 

大蛇は僅かに間を置く。

 

大蛇「あのな、まず戦争をやめろってのは間違ってる。オレ達はセイレーンとなんとか和平を結んで戦争を終わらせた。本来ならもうセイレーンとの戦争はそこで終わって、人類の本当の敵との戦争に備えるはずだったんだ···

けど、そこでアズールレーンとレッドアクシズが宣戦布告してきたって事だ」

 

男性B「原因を作ったからだろう!」

 

大蛇「原因ってなんだ?こっちがセイレーンとの和平結んだのに向こうは勝手に支配を目論んでるとか言い出したんだぜ?

しかも証拠があるわけでもなく調べもしていないのにだ。それっておかしくねぇか?」

 

デモ隊は静まりかえる。

 

大蛇「んで、国際社会からの孤立ってのどうなんだろうな?ロイヤル、北連、東煌のやったことは知ってるよな?知らない奴がいたら手を上げてくれ。おさらいするからよ·····いねぇか、なら解るはずだ。あんなことをされて、黙ってるわけにはいかねぇよな?

だがユニオンは黙ってた。これっておかしくねぇか?こんな所にいられると思うか?

オレ達は孤立したんじゃねぇ···いても良くないことしかないから出てったんだよ」

 

デモ隊はすっかり先程の威勢を失っている。

 

大蛇「次に、責任についてだな。これはオレが今まで話してきたことを考えれば、あるのか無いのか解ると思うが···あると思う奴は手を上げてくれ·····いねぇんだな。じゃあ、次いくぞ···ってオイオイ、ここから去ろうってことはなんかあんのか?例えば···やましいことがあるとか?」

 

男性B「いや、そんなことは···」

 

女性B「やましいことなんて···」

 

大蛇「なら残れよ。トイレ行っても戻ってこいよ?」

 

そして再び僅かな間を置いてから大蛇は話を再開する。

 

大蛇「んで···最後の出ていけってのはどういう事だ?オレはこれが1番気に入らねぇな。仮にオレ達が悪かったとして、出てってそれで済む話か?Ravens laneは重桜としての決定なんだ。これは前に発表したはずだぞ?

そんで、出てったとしても最高戦力を根こそぎ失った重桜は良い的だ。それこそ国際社会から孤立する。

···が、今まで話してきたことを踏まえて、それでも出ていけと言うか?」

 

大蛇は一旦話を止めるが、デモ隊は黙ったままである。

 

大蛇「はぁ~、お前らってホンットに卑怯者だな。自分勝手な事だけ言っといて、それで言い返されたらダンマリか?」

 

大蛇の目には強い怒りが現れている。

 

大蛇「消えろ···今すぐオレの目の前から消え失せろ!」

 

大蛇はメガホンを使わずに怒鳴り、それはまるで巨獣の咆哮のようであり、デモ隊は怯えた表情で逃げ去っていった。それを見届けた大蛇はゴミ袋と箒、手袋を持ってデモ隊のいた所に歩き出す。

 

大蛇「ったくアイツらゴミ捨てていきやがってよぉ···掃除する身にもなってみろってんだよ」

 

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

さて、アズールレーンとレッドアクシズから明確に宣戦布告されましたが、今後の展開はどうなりますかね?
···ん?7月?
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