Ravens lane ─鴉達の未来─   作:ダイヤモンド傭兵

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絶望の中に降り立ったのは···

1人の"鴉"だった···

その鴉こそが·····


第66話 THE RAVEN

ヴェルトが出現し、ヒロ達が交戦を開始した直後、銀治はヒロ達では勝てないことを悟り、考えを巡らしていた。

しかし勝てないことを悟っているのは銀治だけでなく、冴やオブザーバー零も、その事を悟っていた···

 

銀治「何か···何かできることは!?」

 

冴「これじゃ···これじゃ···!」

 

オブザーバー零は悩んだ末、別世界との接続を開始する。

 

オブザーバー零「時間がありません···『本来起こり得た未来』から、一時的に誰かを転送します」

 

銀治「それでろくでもない奴が出てきたらどうする!?」

 

オブザーバー零「時間がありません!もう、祈るしかありません···」

 

オブザーバー零は別世界との接続を完了し、その世界の"誰か"を呼び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基地のすぐ近くの空に転送による大穴が空き、そこから巨人が降ってくる。

 

しかしそれは巨人ではなく······

 

"赤と黒のカラーリングの人型兵器"だった。

 

ロボットバトルの機体と酷似、いやそれそのものを巨大化させたフォルムであり、胴体以外のパーツはホワイト·グリント、胴体はアンビエントのものであり、右手にはアサルトライフル、右腕に予備の小さなレーザーブレード、左腕にはスプリットムーンと同じ大型レーザーブレード、右背部には近接信管ミサイル、左背部には折り畳み式のグレネードキャノンを装備していた。

 

そして、それを目撃した愛海は途端に目から涙が溢れ出す。

 

愛海「あ···あ···」

 

愛海は止める人を振り切ってすぐに走り出し、車に乗ってその場所まで急いで向かう。

 

愛海(来てくれた!"あの人"が···"帰ってきた"!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人型兵器のパイロット

「うわぁっ!な、なんだよ急に!?」

 

人型兵器は体勢を整え、砂浜に着地する。

 

人型兵器のパイロット

「こ、ここは一体···?」

 

人型兵器は辺りを見渡し、周囲の状況を把握しようとする。しかし周囲は戦場と化しており、特に海はかなりの激戦となっていた。そして見たことの無い武装をした女性達が人型の機体と戦っており、その光景に困惑する。

しかし、人型兵器のパイロットは自身のよく知る機体がサイズこそ自身の知るものより小さくなっているものの、女性達と共に戦っているのを見て更に困惑する。

 

人型兵器のパイロット

「これは···何が、どうなってるの?それになんで、"ネームレス"と"ストレイド"、"アンビエント"に"ホワイト·グリント"までいるの?しかもちっちゃくなってるし···」

 

すぐにオペレーターと通信しようとするが、通信機からは何も聞こえない。

人型兵器は自身に向けて放たれたレーザーを最小限の動きで避け、思考を巡らす。

 

人型兵器のパイロット

(あの女性達が戦ってる奴らに生体反応は無い···ってことは自律兵器?なら、この女性達は一体なんだろう?)

 

人型兵器のパイロットはどちらが敵で味方なのか、あるいはどちらも敵なのか判別できず、時折放たれるレーザーを避け続ける。すると1つの生体反応が内陸部から近づいてくる。

見ると1台の車であり、車が止まると1人の女性···愛海が降りてくる。そしてその後方から兵士が駆け寄ってくるのも見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛海「ねぇ!聞こえる!?」

 

人型兵器のパイロット

《聞こえています。あなたは誰ですか?それに、この状況は?》

 

愛海「えっと、私のこと覚えてる?」

 

人型兵器のパイロット

《すいません、僕はあなたと面識は無いと思います···》

 

愛海「えっ···?」

 

愛海はうつむいて少し思考を巡らし、再び顔を上げる。

 

愛海「···そこの女の子達とロボットは味方!あの白い敵に人類が滅ぼされそうなの!」

 

人型兵器のパイロット

《それは···本当?》

 

愛海「今は時間が無いけど、お願い!信じて!」

 

するとディターミネイションの使用者が人型兵器に呼び掛ける。

 

ディターミネイションの使用者

《おい!聞こえるか!?今は本当に人類が滅びそうなんだ!頼む信じてくれ!》

 

人型兵器のパイロットはディターミネイションの使用者の声を聞いて涙が溢れそうになる。

それは間違いなく、もう2度と会えないはずの親友の声だったからだ。

人型兵器のパイロットは深呼吸して答える。

 

人型兵器のパイロット

《解った。信じる》

 

そして人型兵器はエックス艦隊に向けてアサルトライフルの引き金を引く。

1発1発確実に撃ち込まれた巨大な弾丸は1発でアポストルやプソムを次々と撃破していく。

すると1人の老兵が駆け寄り、人型兵器に向かって叫ぶ。

 

銀治「そこの人型兵器に頼みがある!敵の中枢へ行って、黒幕を撃破してくれ!」

 

人型兵器のパイロット

《黒幕の撃破?》

 

銀治「そうだ!儂らの仲間が戦ってるんだが、今にも負けそうなんだ!このままでは人類が滅ぶ!だから頼む!」

 

銀治からその座標を聞いた人型兵器は海上に進む。

 

ARMORED·COERの使用者

《後は頼むよ!》

 

人型兵器のパイロット

(こ、この声は···僕!?)

 

ディターミネイションの使用者

《ここは任せろ!》

 

人型兵器はARMORED·COERとディターミネイションに対し互いに背を向ける形になり、同時にブースターを吹かす。

 

人型兵器のパイロット

「ふぅ······こちら『(かける)·ニールセン』、『コルヴィス』!出撃します!」

 

人型兵器『コルヴィス』は背部にあるメインブースターとは別のブースターを起動させ、"赤い粒子"を放出する。

 

愛海「お願い、終わらせて!この悲劇を!お願い···"レイブン"!」

 

コルヴィスは赤い粒子を迸らせながら空を飛んで行く···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エックス艦隊の中枢ではヴェルトがヒロにハイレーザーライフルの銃口を向け、赤城はヒロを抱き締める。

 

エックス《終わりだ···》

 

ヴェルトがハイレーザーライフルを撃とうとした瞬間、ヴェルトに数発の弾丸が撃ち込まれ、ヴェルトは怯む。そしてヒロと赤城の真上を飛び越えてコルヴィスが現れ、レーザーブレードでヴェルトの胴体を斬りつけるが位置が悪く、浅い傷を負わせるに留まってしまう。

ヴェルトはすぐに後退し、距離を取る。

 

エックス《だ、誰だお前!?》

 

翔「君が、人類を滅ぼそうとしてる人だね?」

 

コルヴィスのヴェルトの半分以下の大きさだが、その風貌はその大きさを覆すほどである。

 

エックス《この、ちっぽけな鉄屑が!》

 

ヴェルトはハイレーザーライフルをコルヴィスに向けて発射するが、コルヴィスは左肩のブースターを起動させて右に回避するが、そのスピードはヴェルトのスピードを明らかに越えていた。

 

翔「そこの人達、すぐに退避して!」

 

ヒロ達はすぐに退避していき、それを見届けたコルヴィスはヴェルトに向けて構える。

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM『9』(ACMOAより)

 

 

翔「ターゲット確認、排除開始!」

 

エックス《誰だろうと、殺す!人間に可能性なんてない!》

 

ヴェルトのハイレーザーライフルとガトリングガンの連射をコルヴィスは回避し、アサルトライフルを連射していき、その弾丸はヴェルトに的確に当たっていく。

次にヴェルトはミサイルを発射するが、コルヴィスに当たる前にミサイルは爆発する。

 

エックス《まさか···バリア!?》

 

ヴェルトはキャノンを発射するがコルヴィスは体を横に反らすことで最小限の動きで回避し、そのままの勢いでアサルトライフルを連射しヴェルトの左目を破壊する。

 

エックス《このっ!》

 

更にコルヴィスはグレネードキャノンを展開し、アサルトライフルを連射する。ヴェルトはシールドで防ぎながら接近しようとするがコルヴィスは後退しながらアサルトライフルを同じ場所に連射し、ある程度距離が近づいた瞬間にそこにグレネードキャノンを撃ち込む。するとシールドが破壊され、ガトリングガンも海に落ちる。

 

エックス《そんなっ!》

 

翔(こいつ、戦いに慣れてない···!)

 

コルヴィスは足元に滑り込むと右足の膝関節にアサルトライフルを連射し、ヴェルトの機動力を鈍らせる。そしてコルヴィスは後ろに回り込むとミサイルを発射する。

ヴェルトは回避しようと左に動くが、近づいた瞬間にミサイルは爆発し、右腕に損傷を与える。

 

エックス《お前なんかに···お前なんかに!》

 

翔「君はどうしてそんなに人間を憎むんだ?」

 

エックス《何もかも、僕から全てを奪ったのが人間だ!そんな人間は消えるべきなんだ!》

 

ヴェルトはコルヴィスにハイレーザーライフルを向けるが、コルヴィスは空中でふくらはぎのブースターを強く吹かし、ヴェルトの右腕を蹴り上げ、そのままヴェルトの顔面に回り蹴りを直撃させる。

更にコルヴィスはブースターを使って横に回転しながら左腕を切り落とす。

 

翔「君がこうなる前に、誰かが少しでも君に優しくしてくれていれば、少しは違ったかもしれないのか···?」

 

エックス《もういらない!人間なんて!優しさなんて、もういらない!》

 

コルヴィスはアサルトライフルを連射し、ヴェルトのハイレーザーライフルを破壊する。するとヴェルトは腰からグラディウスを抜いて近接戦を仕掛けてくる。

しかしコルヴィスはグレネードキャノンを胴体に直撃させ、ヴェルトは中破すると同時に大きく怯む。

 

翔「君がどんな人生を歩んで、どんな辛い目に合ったのかは解らない。けれど、誰かの幸せを奪う権利は無いんだよ」

 

エックス《解った風な口をきくなぁぁぁ!》

 

そしてヴェルトはグラディウスを振り上げるが、コルヴィスはレーザーブレードでヴェルトの胴体を斬り上げる。

ヴェルトは倒れ、なんとか起き上がるが機体はもうボロボロで戦闘継続はもはや無理であった。

コルヴィスはヴェルトを見つめている。しかしヴェルトはブースターを最大まで吹かし、飛び上がる。

 

エックス《ただでは、死なない!》

 

ヴェルトは全身を青く光らせながら陸へと飛び立つ。

 

翔「まさか···自爆!?」

 

コルヴィスはヴェルトを追い、前方に回り込むとメインカメラを保護するための装甲が瞼を閉じ、祈るように展開し、周囲に赤い粒子が光だし、その赤い光はコルヴィスを球体状に包み込み···ヴェルトの自爆と同時に巨大な爆発を起こす。

 

 

 

 

 

その瞬間、エックスは耳元でかすかな声を聞いた···

 

男性の声「ヒロ···」

 

女性の声「ヒロ···」

 

清魅と同じ声「兄貴···」

 

銀治と同じ声「ヒロ···」

 

エックスの目から涙が溢れる。

 

エックス「皆···皆ぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェルトは粉々に吹き飛び、コルヴィスは赤い光が消えると共に海面に降り立った。

翔は小さな黙祷をし、基地へと向かって飛び立った。

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!

今回は翔とコルヴィスが登場し、エックスとの決着が着きましたが、どうだったでしょうか?

●翔·ニールセン
情報を閲覧できません。

●コルヴィス
情報を閲覧できません。
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