Ravens lane ─鴉達の未来─ 作:ダイヤモンド傭兵
鴉達の新たな未来が、航路が···幕を開ける。
推奨エンディング曲『Artificial Sky Ⅳ』(AC3より)
エックスとの戦争が終わってから1年が経った。
ヒロ達はそれぞれの航路を進み、未来を切り開いていた。そしてその日は終戦記念日として、祝いと追悼を行うための祭儀が各地で行われていた。
長門「皆の者、黙祷」
終戦の同時刻、重桜では祭壇の上で目を閉じて人々と共に黙祷し、その隣には阿修羅もいた。
長門は今も重桜の象徴としての位置におり、阿修羅は江風と共に長門の護衛として着いている。
黙祷が終わると、長門はかつてよりも堂々とした姿勢で演説をし、祭儀が終わると阿修羅と陸奥と共に夕焼けの空を見上げる。
長門「今日も疲れた···」
阿修羅「そうだな···そうだ!」
阿修羅は長門と陸奥を上と中の腕で器用に肩車すると走り始める。
長門「な、なんじゃ阿修羅急に!」
阿修羅「良い風と景色を堪能しにな!」
阿修羅はそのまま近くの丘まで走り、丘の上まで来ると夕焼けの景色が美しく、その光は海を照らし出していた。
長門「綺麗···」
阿修羅「そうだろう···姉上」
3人はすっかり魅入ってしまい、日が沈むまでそこにい続けた。
ロイヤルでは祭儀が終わった後も会議があり、エリザベスは議題の内容を読み上げる。
エリザベス「今回の議題は3つ。けれど今回は時間があまり無いから今回で良い案がでなければ次回に持ち越しよ。
それで議題の内容だけれど、まずは国民の食料事情の改善策、それから復興の優先順位の再確認、そして鴉間 ヒロとのえん···だん···」
エリザベスは顔を赤くしながら議題の書かれた書類を机に叩きつける。
エリザベス「ちょっと誰よ!こんなの議題として提出したのは!?」
ベルファスト「私でございます陛下。しかし私だけでなく元エルデア配下のKAN-SENの多くは縁談を望んでいます」
エリザベス「え···?」
その後の会議はまともに進まず、中断する事となった。
その夜、エリザベスは自室でエルデアの写真を眺めていた。
エリザベス「私はどうすれば良いのかしらね···まあでも、進むしかないわよね。エルデア」
鉄血では政治だけでなくセイレーンの技術を取り入れた技術開発も積極的に行い、その研究も復興などを最優先として行われていた。
その成果として、物資の運送に役立つ小型の転送装置や医療機器などが開発され、復興に大きく貢献している。
そして新たに開発された物を見るためにビスマルクとオイゲンは研究施設を訪れた。
施設内の格納庫に鎮座していたのは移動可能な巨大な"盾"だった。
ビスマルク「これは?」
研究員「これは大型バリア発生装置です。もしまた争いが起こった場合、民間人や拠点を防衛するためのバリアを展開するものです。今はまだ単体しかありませんが、許可が下りればすぐにでも量産可能です」
オイゲン「ふ~ん、バリアはどれくらいまで耐えられるの?」
研究員「はい、ピュリファ···失礼、清魅様の艤装のフルチャージレーザーを照射された場合、1時間なら耐えることが可能です」
ビスマルク「なるほど、それならエックス艦隊相手でも簡単にやられることはあまり無さそうね。いいわ、すぐに量産を」
研究員「分かりました!」
ビスマルク「さて、次は復興の具合を確かめに行くぞ」
ビスマルクとオイゲンは雲1つ無い空の下、進んでいく。
北連ではテイルとその艦隊が一時的な政治を務め、テイルは疲れ果てていた。
テイル「はぁ~、政治は得意じゃないんだよなぁ···」
ガングート「仕方ないさ···」
しかしテイルは自身が思う以上の腕を発揮し、復興や治安の回復は順調に進んでいた。
ただ書類の作成は今までより多く、テイルはそれに追われていた。
そしてその日の最後の書類が終わり、ひと息つこうとした瞬間に部屋にアヴローラが飛び込んでくる。
テイル「やれやれ、また問題発生か···」
アイリス·サディアも復興が進み、この日は芸術品の博覧会を開いている。
人々の楽しみや心の癒しになれればと考案された博覧会は成功を納め、笑顔になっている人々を見ることができてそれぞれはホッとしている。
ダンケルク「これなら、今後の復興も進みそうね」
博覧会の芸術品の中には他の陣営から送られてきたものも含まれており、改めて様々な文化に触れる切っ掛けとなっていた。
ダンケルクは紅茶を飲み干し、立ち上がった。
セイレーン側は現在、この世界に留まりつつ他の世界でも同様の事が起きていないか観測し、エックスのような者が現れた場合には早めに排除する方法をとり、観測を続けているがこの日はオブザーバー零も休暇をとっている。
オブザーバー「さてと、休暇ついでにこの重桜近海を見て回っているけども···」
オブザーバーが目をやると、アザラシと戯れるオブザーバー零がいる。アザラシが好きなオブザーバー零はアザラシに懐かれて満面の笑顔である。
オブザーバー「まあ、こんなのも良いわね」
また、アビータも同様に観測を行っているが、この世界に留まるというわけではなく、様々な世界を巡っている。そしてこの世界に戻ってきた時は別世界の土産話を持ってきてくれている。
余燼はもといた世界に戻り、その世界の復興などに尽力している。
セイレーンやヒロ達は時々その世界へ行き、手伝いをすることもある。
METAアーク·ロイヤル
「どうだ?この1年で随分と良くなったろう?」
コードG「ああ。これで指揮官も落ち着いて眠れるだろう···だが、まだやることは山程ある。指揮官に呆れられないよう、進み続けねばな」
META飛龍「ああ!」
良い景色の海が見える丘に、その世界の指揮官とKAN-SEN達の墓があり···日の光はコードG達を優しく包み込んでいた。
天「捕まえたぞ~!」
男の子「捕まった~!」
天は孤児院を開き、そこで数人のスタッフと共に子供達の面倒を見ている。天はとても面倒見が良く、子供達からも好かれている。
しかし軍を抜けたわけではなく、何かあればすぐにでも駆け付けるつもりでおり、その姿は今や子供達の憧れとなっている。
天「さぁ、そろそろ夕飯じゃ!手を洗うがよい!」
子供達「「「はーい!」」」
ゴアは天と同じく軍は抜けていないものの、小さな花屋を始めて暮らしている。そこでは他の花屋には無い珍しい花を多く取り扱っているため、知る人ぞ知る名店になりつつある。
しかしゴアは気まぐれで店を留守にすることがあるので、それほど稼げてはいない。
その日、ゴアは1日だけ出掛けており、花屋に戻ってみると1組の親子(母親と女の子)がシャッターの閉まっている花屋の前に立っていた。
母親「ねぇ、花屋さんは閉まってるから帰りましょ?」
女の子「嫌!パパの誕生日のお花買うの!」
母親が困っている所にゴアは近づき、声をかける。
ゴア「こんにちは!お花を買いに来たの?」
女の子「うん!パパの誕生日のお花買うの!」
母親「すいません。この子、店が閉まってるのに買うと言ってて···」
ゴア「良いよ!好きなの買ってって!」
女の子「え?」
ゴア「私、このお店の人だから!ちょっと待っててね!」
ゴアはシャッターを開けて2人を中に招き入れる。そして女の子は綺麗なコスモスの花を買い、手を振りながら帰っていった。
雪羅は銀治の秘書艦を担当し、その任を全うしていた。戦術や指揮は雪羅が主に担当し、戦術の指南も引き受けていた。
その功績は大きく、冴と明石により作られた擬似的なエックス艦隊への対策に関してなどはその弱点をKAN-SENや指揮官に教えている。
冴「ほら、お茶よ」
雪羅「ありがとうございます」
冴「復興も随分進んだわねぇ」
雪羅「そうですね···研究の方は?」
冴「順調よ。空のキューブの存在の本当の意味、もしかしたら解けるかもね」
雪羅「分かった時はぜひ、1番にヒロに伝えてください」
冴「言われなくてもそうするわ」
ウォーエンドは基本的に演習の時以外は部屋に引きこもりのんびりしているが、ゲームの腕を磨いてその大会に出場し優勝する実績を残している。
ウォーエンド「ふわぁ~···ん?フレンドからの連絡···」
ウォーエンドに来た連絡は、とある迷惑プレイヤーによる迷惑行為が続いているとのことだった。
ウォーエンド「この人の事だから通報してるだろうけど、残しとくと面倒だからね···」
ウォーエンドはのそのそと起き上がり、ゲーム機を起動させる。
夏月とエンタープライズは終戦後に結婚し、今はユニオンの代表として活動しつつ復興を進めている。
エンタープライズ「夏月、資料を纏めておいたぞ」
夏月「ありがとう!」
2人の時間は暖かく過ぎていき、夜になると2人は空を見上げる。
夏月「なんか、今思うと···全部何かの運命だったのかなって思うんだ」
エンタープライズ「···確かにな」
夏月「ある日セイレーンが攻めてきて、それでエンタープライズと出会って···ヒロと出会って···そしてヒロの妹がピュリファイアーで、ずっと探していたヒロに再開できて、更にセイレーンやアビータが人類と戦う理由がこの世界の人間によって無くなって···」
空に1つの流れ星が落ちる。
夏月「それで、エックスとの戦いで救われたヒロと救われなかったヒロとの戦いになって···なんか、色々な巡り合わせってのがたくさんあるな···」
エンタープライズ「世界は、そういうものじゃないか?」
2人が見上げた夜空は美しく、2人を照らしていた。
愛海と蛟は普段通り鴉の家を続けており、人々の癒しとなっていた。
蛟「そういえば、この店の名前の由来ってなんですか?」
愛海「店名の由来?それはね···」
愛海の脳裏には"あの日"の事が浮かぶ。
愛海「大切な人が、いつでも戻ってこれるように。そして、戻ってきたら、またコーヒーを飲ませてあげたいから」
そう答えた愛海の笑顔は、明るく輝いていた···
ヒロ、赤城、清魅、ケンタウルス、憤怒、大蛇、セントエルモは世界中を旅していた。
もちろん軍は抜けていないため、何かあれば駆け付けなければいけないが、そうでないうちは自由に旅を続けていた。
旅をして世界中の様々なものを見て、知り、まるで"
そして旅先で復興を手伝いつつ歩んでおり、それぞれは大きく成長していた。
その歩みは止まることは無いだろう。
例え、再びエックスのような者が現れたとしても···
だがそれは、ヒロ達だけでなく人類にも当てはまる事である。
エックスの言ったように、人類に可能性が無かったとしても···
ヒロのような、"例外"は必ずいるのだから···
晴れた日···ヒロ達は今日も笑顔で歩み、港に着いたので地図を見合わせる。
ヒロ「次はどこに行こっか?」
清魅「最寄りならここが良いんじゃないか?」
赤城「そこなら、きっとヒロも気に入る名産品がたくさんありますわ!」
ケンタウルス「ほう、私も気になるな」
憤怒「なら早く行こうぜ!」
大蛇「焦ったって仕方ないだろ?のんびり行こうぜ~!」
セントエルモ「また新しい食べ物···」
ヒロ達は笑顔で海へと歩き···
ヒロ「それじゃ···皆!抜錨だ~!」
今日も、己の航路を進んでいく···
Ravens lane ─鴉達の未来─
─完─
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました!
ヒロ達はそれぞれの未来を進み、これからも進んでいきます!
この小説はどうだったでしょうか?感想やご指摘、質問はいつでも受け付けています!
また、この作品は私の別作品『アーマード·コア ~鴉の証~』と繋がっています。『本来起こり得た未来』や愛海の真実など、この作品では語られなかった真実が明かされます!
良ければぜひ読んでみてください!
ヒロ「皆~!最後まで読んでくれてありがとう!作者さんは今後、気が向いたらDLCを追加する予定だって!」
大蛇「良かったらDLCも見てくれよな!」
ヒロ「それじゃ、またね~!」