Ravens lane ─鴉達の未来─ 作:ダイヤモンド傭兵
夏月の指揮官としての着任、そしてエンタープライズとの出会いとは···
DLCです。本編(番外編や外伝を含む)を読み終わってない方は読み終わってから来てください。
夏月·ユーセフは母親が重桜生まれ、父親がユニオン生まれのハーフであり、ユニオンで海軍の士官になるため励んでいた。
父親が海軍出身であったため、それに流れるように海軍の士官学校へと進んだ夏月だったが、あまり良い成績ではなかった。しかし"誰かの役に立ちたい"という熱意は本物だったため、中には士官ではなく他の道を奨める者もいた。
また、両親は成績に関して責めることはなく、得意不得意があると言って夏月を励ましていた。
そしてある日、セイレーンが現れて世界は戦争へと突入した。そこからしばらくしてKAN-SENが現れ、人類はようやくセイレーンに対抗できる力を手にした。
KAN-SENが現れてすぐに夏月を含む数人の生徒は見学としてKAN-SENが所属している基地に向かうこととなったのだが、到着してすぐに基地はセイレーンからの攻撃を受けることとなる。
兵士「お前達!すぐに地下に避難しろ!」
夏月「はいっ!」
夏月達は地下室へ向かおうと走るが爆撃がちょうど地下室の入り口のある場所に直撃し、地下室へ逃げることができなくなった。その途端、他の生徒達は蜘蛛の巣を散らしたかのように我先に逃げ出し、夏月はどこへ行けば良いかもわからず困惑する。
夏月は落ち着くために深呼吸をし、懐から父親が護身用と夏月に渡した『ジェリコ(HG)』を取り出し、懐にしまう。
夏月は走り、誰かいないかを探し求める。しかし生存者は見つからず、司令室に辿り着く。
ノックをすると中から声がする。中に入ると1人の軍服を着た男性が倒れており、その服は赤く染まっていた。
夏月「大丈夫ですか!?」
男性「君は···?」
夏月「俺は···私は士官学校から見学に来た者です!地下室への入り口が壊されて、人がいないか探していたらここに着きました···」
男性「となると、ここにいた者達はほとんど死んでいるな···う"っ!」
夏月「大丈夫ですか!?」
男性の受けた傷は深く、もう長くはないことが解る。
男性「私の事はいい!はぁ、はぁ···こんな状況だからな、仕方ない。お前が今からKAN-SEN達の指揮を執れ」
夏月「えぇっ!?お、俺が!?」
男性「今からやり方を教える···時間がない、1度しか言えないからよく聞け!」
夏月は男性から急いで機械の操作を教わり、夏月は急いで覚える。
男性「後は···頼んだぞ···」
男性はそう言うと息を引き取った。
夏月「···やるしか、ない!」
その頃、この基地に所属しているKAN-SENであるエンタープライズ、ロングアイランド、ネバダ、ボルチモア、クリーブランド、ラフィーはセイレーン艦隊に押されていた。
ネバダ「クソッ!このままじゃジリ貧だよっ!」
エンタープライズ「まだ···まだやれる!」
夏月《皆!一旦下がってくれ!》
ボルチモア「だ、誰だ!?」
夏月《緊急でここの指揮官の代わりに指揮を執ることになった夏月·ユーセフだ!》
ラフィー「あれ?てことは指揮官はやっぱり···」
夏月《···皆、提案がある》
チェイサーは他のセイレーンと共に警戒しつつ湾内に入るが、その瞬間に高高度からの急降下爆撃を受けて中破する。
更に茂みの中から砲撃され、軍艦型のセイレーンの一部が撃破される。
エンタープライズ「畳み掛けるぞ!」
そこからエンタープライズ達の反撃が始まり、セイレーンは次々と撃破されていく。
撤退しようとした所でクリーブランドとロングアイランドの一部の艦載機により阻まれ、セイレーン艦隊は制圧される。
しかし最後に残ったQueenが放った爆撃機の爆撃が基地に命中し、夏月は吹き飛ばされて意識を失う。
夏月が目覚めると病室のベッドの上であり、ラフィーがやって来て感謝を伝える。
その後、軍人がやって来て夏月は別室に連れていかれる。そこで夏月は指揮官を殺害したと思われ尋問されるが、その最中に無実が証明され釈放される。
その後はエンタープライズ達に感謝を伝えられ、夏月は帰宅することとなる。
夏月「はぁ~、とんでもない目にあったな···」
しかし夏月は"戦争"というものが何なのか、初めて実感した。
夏月(KAN-SENや兵士達は、あんな状況で必死に戦ってきたんだな···)
夏月はその日は何もせず眠ることにした。
それから3日後─
夏月の自宅の前に1台の車が止まり、インターホンが鳴る。
夏月「はーい、今出まーす」
夏月がドアを開けると、そこにはエンタープライズが立っていた。
夏月「え、エンタープライズさん!?」
エンタープライズ「少し、大事な話がある」
エンタープライズから説明されたのは、先日の1件での夏月の指揮が評価されたため、急遽夏月を指揮官に起用するという提案がなされており、これには現状の指揮官不足も関係しているという。
夏月「俺が···指揮官に?」
エンタープライズ「ただ、まだ若く経験も浅い事を考慮し、無理強いはしないそうだ」
エンタープライズは契約書を夏月に差し出す。
エンタープライズ「答えを出すのはすぐにはできないと思う。ゆっくり考えてくれ」
エンタープライズは去っていき、夏月は1人考え込む。そして両親にそれぞれ電話をかける。
夏月の父親《夏月、お前がどんな選択をしようと構わん。私はお前の選択を尊重し支える。ただし···選んだ答えに責任は持て》
夏月の母親《あなたなら、どの選択をしてもやっていけるって信じてるわ》
電話を終えると夏月は契約書を見つめると、不意に父親から渡されたジェリコが目に入る。そして夏月は父親からの言葉を思い出す。
夏月の父親(これは人を殺すことができる。だがこれが悪いけじゃない、使い方を変えれば大切な人を守ることや、競技といった事にだって使える。もしかしたら、誰かがこれを私怨のために使うかもしれない。だが、お前は使い方を間違えるな。そして間違った方法で使わせるな)
夏月「俺は···」
1週間後、エンタープライズ達のいる基地に新たな指揮官が着任することとなり、講堂に6人は集まる。
そして現れたのは夏月だった。
夏月「皆さん、久しぶりです。本日付で着任いたしました、夏月·ユーセフです。よろしくお願いします」
ラフィー「よろしく~」
ネバダ「よろしくな!でも敬語なんて良いさ!」
ボルチモア「よろしく、指揮官!」
ロングアイランド「よろしくね~」
クリーブランド「よろしく!」
エンタープライズ「じゃあこれから、改めてよろしく。"指揮官"」
エンタープライズと夏月は握手を交わした。
そして、その日から夏月の戦いは始まった···
読んでくださり、ありがとうございます!
今回はDLC第2弾として夏月とエンタープライズの出会いを書きましたが、どうだったでしょうか?
●男性
夏月が来る前の指揮官。
義理人情に熱く、思い切った行動もするため、多くの軍人から支持されていた。
セイレーンの攻撃により死亡したが、土壇場で夏月に指揮を取らせ、基地を守り抜くことに成功する。
享年56歳。