〈隣町〉
翌日、僕はクエストを受け、隣町へとやって来ていた。そしてしばらく街を歩いていると、街の人のこんな会話が聞こえてきた。
「なぁ、知ってるか。今、アクセルの街が大変な事になっているらしい………」
「あぁ、何でも魔王軍の幹部が単身攻めてきたらしい………」
「おい!それってまずくないか………」
どうやら魔王軍の幹部がアクセルの街に単身で乗り込んできたらしい。幸いこの街はアクセルの街からそう離れては無いため、すぐに街に行くことが出来る。そう考えているとまた、その人たちの会話が聞こえてきた。
「おい、どんなやつが来たんだ?知ってるのか?……」
「いや、俺は何も……」
「俺はチラッとだけど見たぞ。漆黒の鎧を着たデュラハンだったぞ」
どうやら魔王軍の幹部の姿を見た人がいたらしい。漆黒の鎧を着たデュラハンか……なるほどあの人がね。僕はそのデュラハンを頭の中で思い浮かべて笑みを浮かべた。
「最近は簡単なクエストばかりで退屈だったからね、少しは楽しめそうだ」
そう言って僕はアクセルの街に急いだ。
〈アクセルの街〉
カズマSide
俺たちは魔王軍の幹部のベルディアと相対していた。めぐみんと一緒に爆裂魔法を打ち込んでいた廃城に住んでいたらしく、怒ってこの街まで出てきた。今はめぐみんとアクアが前に出ていた。その時、デベルディアがアクアより早くめぐみんに向かって左手の人差し指を突き出し叫んだ。
「汝に死の宣告を!お前は一週間後に死ぬだろう!!」
そうめぐみんに向かって放つが、ダクネスが前に出てかばった。
「ダクネス!?」
俺はダクネスのもとに急いだ。クソっ、やられた、死の宣告か!
「ダクネス!!」
「大丈夫か!!」
「あぁ、なんともないようだが」
「仲間同士の結束が固い貴様ら冒険者には、むしろこちらの方が応えそうだな。よいか紅魔族の娘よ。そのクルセイダーは一週間後に死ぬ。お前の仲間はそれまで死の恐怖に怯え、苦しむ事となるのだ。そう、貴様のせいでな!これより一週間、仲間の苦しむさまを見て自らの行いを悔いるがいい。クハハハッ、素直に俺の言うことを聞いておればよかったのだ!」
ベルディアの言葉にめぐみんが青ざめた。そしてベルディアはめぐみんを指差した。
「そして、紅魔族の娘よ。そこのクルセイダーの呪いを解いて欲しくば、俺の城に来るがいい!俺のもとにたどり着けたらその呪いを解いてやろう。果たして俺の所までたどり着けることが出来るかな?クハハハハハハッ!」
ベルディアがそう言って笑っているときだった。
「ベルディアさん、あーそーぼー」
「ファッ!?」
その言葉が聞こえたあとベルディアの体が吹っ飛んだ。
ユウSide
「ぐおおおおおおおおおおお!!」
僕の攻撃をもろに受けたベルディアさんは地面を2度3度とバウンドをして岩に激突した。
「ユウ!」
「遅れてごめんね」
カズマ達が僕に近づいて来た。少し遅れちゃったな。
「カズマ、今の状況は?」
「ダクネスが死の宣告を受けている状態だ。どうにかできないか?」
「ダクネスが?……となると、あのベルディアに無理矢理解除させるしかないね」
「出来るのか?相手は魔王軍の幹部だそ」
「大丈夫だよ、それより早く皆を避難させて」
「分かった!」
そう言ってカズマはアクア達を避難させた。他の冒険者は僕の姿を見た途端に騒いでいた。
「ユウ来たぁぁぁぁぁ!!」
「この街の最強の冒険者が来たんだ。てめぇは終わりだ!首無し野郎!」
「ユウさん!そんな奴ボコボコにしちゃえ!」
それらの声を背後に、僕は集中していた。
「クソっ!!一体誰だ!!この俺が魔王軍の幹部だと知って………ッ!!」
僕の姿を確認したベルディアさんが震え始めた。そして、僕を指差して……。
「あああああ、蒼の死神っ!?」
久しぶりに聞いたな、蒼の死神って呼び名。僕の蒼い髪と、魔王軍とその幹部を片っ端から倒していく死神の様な姿から付けられたんあだ名が蒼の死神なんだよね……。そう思っているとベルディアさんが突然、瞑想を始めだした。何やってるんだろ?
「よーし落ち着こうか俺、最近城に爆裂魔法を毎日打たれてストレスが溜まってるんだ。それでありもしない幻覚が見えているんだ。そうに違いない。一回目を閉じて深呼吸をしながらリラックスするんだ。スーハー、スーハー。よし、もう大丈夫だ。リラックスできた。そしてそのままゆっくりと、目を開けて前を見るんだ。ほーら目の前に蒼の死神なんているわけ………いるううううううううう!!!」
なんで一人で漫才なんかやってるんだろ?。そう思っているとベルディアさんが聞いてきた。
「なな、なんで!お前がこんな所にいるんだ!!」
「何でって、ここに住んでるから」
「は、はぁ!?な、何でこんな駆け出ししかいない街に住んでるんだ。おかしいだろう!!王都に住め王都に!!お願いだから!!」
「ん〜ベルディアさんのお願いは聞けないなー。僕にはここに住む理由があるからね」
そう言ったが、ベルディアさんは納得していないらしく。
「ななな、何だ!その理由とは!!」
「ベルディアさんに言う必要ないよ。それより………」
そう言って僕は、まだ震えているベルディアさんにとびっきりの笑顔を向けた。その笑顔にビクッとしているベルディアさんにこう言った。
「最近退屈だったんだ。だからベルディアさん、遊び相手になってよ」
そう言って僕は一瞬で近づいて、刀を抜刀した。
カズマSide
「ちいっ!!」
ユウの攻撃をベルディアは剣で防いだが、防ぎきれず数メートル後方に吹っ飛んだ。
「ああああああ、もう!!何でこんなところで蒼の死神なんかと単身で戦わないといけないんだ!!ねぇ、嫌がらせなの?嫌がらせだよね!!もう、やだぁ………。早く城に帰って引きこもりたい!!」
「そんなこと言わずに、もう少し遊びに付き合ってよ」
こんな会話を聞いていると相手が魔王軍の幹部という事を忘れそうになる。というか、ユウの方が悪役にしか見えない。完全にいじめっ子といじめられっ子の関係に見えたいた。
そんなことを考えていると、いつの間にかユウが両手に黒い雷を帯電させていて、それをベルディアに放った。
「『120ミリ黒雷砲』!」
ベルディアは避けようとしたが、間に合わず攻撃を受けてしまった。
「ひああああああああ!!」
「まだまだいくよー、『アイスメイク•槍騎兵』!」
そうするとユウの手先から無数の氷の槍が生み出され、一斉にベルディアに向かっていった。
「ッ!舐めるな!!」
しかし、氷の槍がベルディアに当たる前にベルディアが剣ですべて砕いて攻撃を防いだ。
「やるね、ベルディアさん!じゃあどんどんいってみようか!『風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ』」
そしてユウは、攻撃を防いだベルディアに向かって、刀で攻撃を仕掛けた。すると、竜巻みたいな荒々しい風が吹き荒れ、地面に切り傷をつけながらベルディアに向かっていき、風が止むとベルディアは地面に倒れており、鎧に無数の斬撃の後が刻まれていた。
それを見ていた、冒険者達は歓声をあげて盛り上がり、俺たちはすぐにユウのもとに向かっていった。
ユウSide
「ユウ!」
そう言ってカズマ達が僕の方に向かって来た。まだ呪いを解除してないのにな。そう思っていた時…。
「……く、くそ!!」
「な!?」
ベルディアさんが地面に向かって剣を連続で振り下ろした。そのせいで辺りが土煙でまったく見えなくなった。
「無理無理無理だって!こんなの絶対無理だって!もう帰る!じゃあな!!」
そう言ってベルディアさんは姿を消した。あ~あ、もう終わりか…せっかく盛り上がって来たのに。
「おい、どこ行く気だ」
そう思っているとカズマの声が聞こえた。そちらを向くとめぐみんが一人でどこかに向かおうとしていた。
「ちょっと城まで行って、あのデュラハンに直接爆裂魔法を打ち込んで、ダクネスの呪いを解かせてきます」
「俺も行くに決まってるだろうが、お前一人じゃ雑魚相手に魔法を使って、それで終わっちゃうだろ。そもそも、俺も毎回一緒に行きながら、幹部の城だって気づかなかったマヌケだしな」
そう言って二人はベルディアさんの城に行こうとしていた。……まったく。
「僕も行くよ。呪いを解除させるって言っておきながら出来なかった僕も悪いしね」
「よせ………やめろ、私なんかのために」
「おいダクネス!呪いは絶対になんとかしてやるからな!だから安心して」
「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」
アクアはそうやって浄化魔法を発動して、死の宣告の効果を消してしまった。……えー…。
「この私にかかれば、デュラハンの呪いの解除なんて楽勝よ!どう?私だってたまにはプリーストっぽいでしょ?」
僕たちのやる気を返してよ。そうやって僕たちは街に帰って行った。
戦闘描写ってやっぱり難しいですね。
アンケートへの回答もよろしくお願いします。
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