速水奏編 1
八幡side
突然だがオレには彼女がいる。名前は速水奏。今はアイドルをやっている。え?なんでオレがアイドルと付き合ってるって?それは奏がアイドルになる前に付き合ったのだ。でも奏がアイドルにスカウトされた話を聞いた。奏は迷っていた。アイドルは恋愛禁止だが、オレは奏がやりたい事をやって欲しかった。オレは奏のやりたい事が出来なくなるのが嫌だったから、その事で話し合った。結果、奏はアイドル活動をする事になった。アイドルになってからは会っていない。向こうも忙しいので会えていない。でも時々ビデオ通話してお互いの顔を見たり、声を聞いたりしている。メールのやり取りもかなりしている。けどオレがアイドルである速水奏とメールのやり取りしている事がバレないように、連絡先やメールにロックをしている。万が一解除された時の為に2重ロックにしている。
そしてこの事は奉仕部の部員、雪ノ下と由比ヶ浜、あとついでに一色には言ってない。言う必要が無いからだ。けど言ったとしても信じてもられないし、罵倒されるだけだしな。
いろは「先輩」
そんな事を考えていると何故か部室にいる一色に呼ばれた。
八幡「なんだ?」
いろは「どうでも良いんですけど、先輩って好きな人とかいるんですか?」
八幡「どうでもいいなら言わなくてもいいよな」
雪乃「ダメよ。言いなさい」
結衣「そうだよ。言ってヒッキー」
八幡「なんで言わないといけない。オレに好きな人がいるかいないかだなんて、お前らには関係ないだろ」
雪乃「それでも言いなさい。部長命令よ」
八幡「むちゃくちゃすぎるだろそれ」
ったく、なんでコイツらに言わないといけないんだ。でも言わないとしつこいんだろうなコイツら。まぁ、好きな人がいると言うだけでいいか。奏の名前さえ出さなければ良いんだしな。
八幡「いるよ。好きな人」
3人「「「…え?」」」
3人はオレの言葉を聞いて固まる。え?なに?オレが好きな人いるってだけでそんなに変なのか?そして3人の中でいち早く我に返った一色が
いろは「あ、もしかして2次元とかですか?」
雪乃「なるほど、そういう事ね」
結衣「納得〜」
一色の言葉で我に返った雪ノ下と由比ヶ浜が次々に勝手な事ばかり言ってくる。
八幡「そう思うんなら勝手に思ってろ」
オレはそう言って読んでいた本に視線を落とす。
いろは「え?先輩、本当に現実に好きな人いるんですか?」
八幡「だったらなんだ?」
いろは「うそ…」
雪乃「あの比企谷君が…」
結衣「本当に…」
八幡「お前ら色々と失礼な。オレだって人間なんだ。好きな人くらいいるつーの」
いろは「先輩その好きな人の名前って教えてもらったりしませんか?」
八幡「なんでそこまで言わないといけない。オレは言わんぞ」
雪乃「い、言いなさいひ、比企谷君」
八幡「ん?どうした?そんなに慌てたような感じで聞くんだ?」
雪乃「な、なんでもないわ!だから言ってちょうだい」
結衣「あ、あたしも教えて欲しいな」
八幡「いや、お前らに教える理由なんてないだろ」
雪乃「部長命令よ言いなさい」
八幡「お前さ、人には言いたく無いことかあるんだぜ。それをそんな理由で聞き出すのか?じゃ、逆にお前も言われて言うのか?」
雪乃「そ、それは違うけれど…」
八幡「だったら言わなくても良いよな。オレにだって黙秘権あるんだしさ」
雪乃「そ、そうね。ごめんなさい…」
八幡「ああ」
ホントなんで聞き出したがるんだ?訳分からん。そしてその後オレは小町に買い物を頼まれていたので、オレだけ早めに帰らしてもらった。
八幡sideout
そして八幡が去った後…
奉仕部+生徒会長side
いろは「まさか先輩に好きな人がいるだなんて」
雪乃「ええ、そうね。一体誰なのかしら」
結衣「んー、優美子は無いよね多分。姫菜はどうだろう…」
いろは「どうですかね、確かにその2人だと海老名先輩かも知れませんがその2人自体可能性低そうですし。」
雪乃「確かにそうね。あとは川崎さんとか」
結衣「あー沙希は怪しいね」
いろは「あの人せんぱいとなんか通じあっちゃってますよね」
雪乃「共通点も多いわね」
いろは「城廻先輩も怪しいです」
結衣「めぐり先輩癒し系だもんね」
雪乃「確かにそんな事言ってたような…」
3人の少女達は考えた。比企谷八幡の好きな人は一体誰なのかを。そんな時だった生徒会長である一色いろはが口を開く。
いろは「そもそも私達、1番可能性のある人物達をお忘れでは?」
雪乃「一色さん、それは一体誰なのかしら」
いろは「それは私達ですよ!」
結衣「あ、そっか!」
雪乃「なるほど、確かに言えてるわね」
結衣「ということはチャンスはまだあるということだね!」
いろは「そうかもしれません。また明日も追求してみます?」
雪乃「そうしたいけれど、さっきの事で怒っていたから」
いろは「そうですね…あ、でも名前を教えてもらう事に先輩は怒っていましたが、でしたら違う事で聞くと言うのはどうでしょう?」
結衣「違う事?」
いろは「はい」
雪乃「例えば?」
いろは「特徴とか、性格とか」
雪乃「確かにそうね。もし聞いてみてそれでもまた怒られるようなら、地道に調べる必要があるわね」
結衣・いろは「だね(ですね)」
奉仕部+生徒会長sideout
そして翌日
八幡side
今日も部室でラノベを読んでいた時だった。
いろは「先輩、先輩」
八幡「なんだ?」
いろは「先輩の好きな人の事なんですけど」
八幡「昨日も言っただろ。名前は教えねぇって」
いろは「いえ、そうではなくて」
八幡「じゃあなんだよ」
いろは「その好きな人の特徴とか教えて貰えないでしょうか?」
八幡「え?なんで?」
いろは「え、えっと…それは…そう!ちょっとした参考的みたいな」
八幡「どんな参考だよ」
でもなんでそんな事聞きたがるのか未だにわからん。まぁ、でも名前と違って特徴とかなら良いのかもしれないな。
八幡「はぁ…お前らだけに特別だぞ」
いろは「ほんとですか!?」(よしっ!)
雪乃「いいのかしら?」(よし!)
結衣「そ、そうだよ」(やった!)
八幡「まぁ、お前らはオレの知る限り、他の奴に言いふらしたりしないって信じてるからな。けど由比ヶ浜はちょっと不安だけど」
結衣「い、言わないよ!約束する!」
八幡「そうか?わかったじゃあ言うぞ」
3人(((ゴクリ)))
八幡「まずは、クールでミステリアスな感じだな」
いろは「クールで」
雪乃「ミステリアス」
結衣「ほ、他にはあるの?」
八幡「ん〜、そうだな。大人びた性格で頼られる事もあるな。でもその反面、時々からかってくる時もあるな」
いろは「へ、へぇ〜。そうなんですね」(私、1個も当てはまらない!)
雪乃「そ、そうなの」(比企谷君はそういった人がタイプなのね)
結衣「よ、良く見てるんだね」(ど、どうしよう。あたし全然当てはまらない!?)
八幡「まぁな」
そりゃあ彼女だからな。相手の事知りたいじゃん。
いろは「ほ、他にはあるんですか?」
八幡「そうだな。…うーん、色々あるからな〜」
3人(((そんなに悩むの!?)))
八幡「そうだな、これかな。時に哲学者で、時に子供のようになる時もある」
いろは「そうなんですね」
雪乃「そうなのね」
結衣「へ、へぇ〜」
3人(((ど、どうしよう!?当てはまらない!)))
八幡「まぁ、こんな感じだ。?どうしたんだ?」
雪乃「な、なんでもないわ」
八幡「?そ、そうか」
雪乃「ええ…」
3人(一体(比企谷君)(先輩)(ヒッキー)の好きな人って誰なの!?)
そしてまた翌日
今日も生徒会長である一色いろはは部室に来ていた。雪乃、結衣、いろはは八幡の好きな人の事で頭がいっぱいで悩んでいるのに、八幡は普通に頬杖をつきながら本を読んでいた。すると、急に部室のドアが開く。
平塚「入るぞ」
そう言って入ってきたのは、この奉仕部の顧問の先生であり、国語の先生であり、生徒指導の先生でもある、平塚教諭が入ってきたのだ。それに対してすかさず
雪乃「平塚先生、ノックを」
平塚「ああ、悪い悪い」
いや、その言い方絶対悪いって思ってないな。
平塚「ん?なんだ?一色もいたのか?何してるんだ?」
いろは「今、先輩方に相談していたんです」
平塚「なんだ、そういう事か」
コイツ、うまい言い訳考えたな。
雪乃「それで何か御用ですか?」
平塚「ああ、実はまだ他の生徒には内緒なのだが、明日から3日間、うちの高校にアイドル達が体験入学することになってな」
八幡「え、それ言って大丈夫なんですか?」
平塚「大丈夫な訳ないだろ」
八幡「じゃあなんで?」
平塚「実はこの部室を逃げ場にしようと思っているんだ」
雪乃「逃げ場ですか?」
平塚「ああ、何せアイドルが来るんだ。他の連中はそのアイドル達は質問攻めに会うだろう。そこで、この部室を逃げ場として提供しようと、なってな。だからその時は匿ってやってくれないか?」
八幡「どうする雪ノ下」
雪乃「それはいいんですが、何故私達なんでしょう」
平塚「それは君達を信用しているからだ」
八幡「そんなけの理由でですか?」
平塚「ああ、そうだ。で?どうだ?」
結衣「ゆきのん、受けようよ」
雪乃「そうね。確かにここなら他のところよりも安全だまんね。わかりました。その依頼受けましょう」
平塚「そうか、受けてくれるか。いや〜、助かる」
いろは「あの〜、それ私が聞いていいんですか?」
平塚「別に構わない。一色も信用できるからな」
いろは「あ、ありがとうございます」
結衣「平塚先生。その体験入学するアイドルの子の名前教えてくれませんか?」
平塚「ああ、そうだな。君達には言っておこう。ただし、他言無用で頼むぞ」
雪乃「はい、わかりました」
結衣「わかりました」
いろは「了解です!」
平塚「もちろん比企谷もな」
八幡「わかってますから。それに言う相手いませんし」
平塚「そうかそうか!なら安心だ」
平塚先生は腕を組んで、うんうんとうなづいてくる。
平塚「では体験入学するアイドル達を紹介しよう」
八幡「え?言うのではなく、紹介?まさか来てるんですか?」
平塚「ああ、事前の打ち合わせで来てもらっている」
雪乃「どちらにいらっしゃるのですか?」
平塚「外で待ってもらっている。入ってきたまえ」
ええ、もうそこにいるの?というか誰が来たの?まさか奏ではないよな。
平塚先生の言葉で部室のドアが開き、人が入ってくる。そういえばさっき平塚先生は、達って、言ったてたな。1人ではないということか。そう思っていると、アイドルが次々と入ってくる。最初に入ってきたのは塩見周子。次は宮本フレデリカ。次は一ノ瀬志希。次は城ヶ崎美嘉。うん、ここまで来れば多分次で最後だ。そしてその最後の人物はだいたい予想できる。そして最後に入ってきたのは、やはり奏だった。マジかよ。LIPPSが体験入学する事になるとはな。
平塚「この子達が体験入学するアイドル達だ」
結衣「す、すごい!ゆきのん、いろはちゃん、LIPPSだよ!」
雪乃「そ、そうね。でも由比ヶ浜さん落ち着いて」
いろは「そうですよ結衣先輩」
八幡「由比ヶ浜、少しボリュームを抑えろ。他の連中に聞こえたらどうするんだ?」
結衣「あ、そうだった…」
おい、ホントコイツ大丈夫かよ。
平塚「由比ヶ浜。頼むから言いふらさないでくれよ」
結衣「は、はい…」
まぁ、何とかこれで大丈夫かな?すると、前を見るといつの間にかオレの目の前に奏がいた。
奏「私を無視するとは良い度胸ね八幡」
八幡「いや、無視したつもりないからね」
奏「そう、なら良かったわ。…久しぶりね八幡」
ああ、もうこれは諦めた方がいいみたいだ。
八幡「…ああ。久しぶりだな…奏」
雪乃・結衣・いろは「「「えっ!?」」」
志希「ねぇねぇ、奏ちゃん」
奏「なに?」
志希「その人がこの前言っていた」
奏「ええ私の彼氏、八幡よ」
他のアイドル達は「おおー」とか声を上げる中。1人の男性がこちらに近づいてくる。え?何?なんかちょっと怖いよ。目がなんというか…オレに似ているような……。
「あなたが比企谷八幡さんですね」
八幡「あ、はい。そうですが?」
そう答えるとまじまじとオレの顔を見てくる。え?何?オレの顔そんなに変なの?数秒見た後、男性は口を開く。
「なるほど。いい目をしていますね」
八幡「はい?オレの目がですか?」
「はい」
八幡「いやいや、自分で言うのもなんですが、オレの目死んだ魚の目ですよ」
「いえ、比企谷さんの目は人の事をよく見る目をしています」
八幡「は、はぁ…そう…ですか?」
「はい。あ、申し遅れました。私は武内と申します」
そう言って名刺をオレに差し出してくる。それを見たオレはすぐに立ち上がりその名刺を受け取る。
八幡「ど、どうも。比企谷八幡です」
武内「存じております。この前速水さんから比企谷さんの事について聞きましたので」
八幡「何言ったんだ?奏」
奏「何って…普通に八幡は私の彼氏だって言っただけだけど」
八幡「本当か?」
奏「うん」
本当かよ。そんな風には見えねぇけどな。
武内「私的には、うちで働いて欲しいくらいです」
八幡「そ、そんな買いかぶりですよ」
武内「いえ、そんな事はありません。あなたにはその素質があります」
奏「八幡、この際だから働いてみたらどう?もう専業主婦なんて言わずにさ。それにそうしたら私と一緒にいる時間も増えるわよ」
八幡「いや、そんな理由だけで働くのはちょっとダメだろ。ちゃんとした動機がなくちゃダメだろ」
平塚「まさかあの比企谷が真面目な事を言っているだと」
八幡「ちょっと平塚先生。いくらオレでもちゃんと考えますよ」
平塚「あ、ああ。そ、そうだよな、すまない」
八幡「別に気にしてないので大丈夫ですよ」
武内「それでどうでしょう」
八幡「どうと言われましても…」
平塚「比企谷」
八幡「なんですか?」
平塚「こうして武内さんは君をスカウトしようとしているんだ。少しはそこで働いてみる考えをもってみたらどうだ?」
八幡「…」
そうだよな。こんなオレをスカウトしてくれる人もいるんだ。もう将来は専業主婦なんて言ってられる場合じゃあないな。けど…
八幡「そんな事できるのでしょか?」
武内「私が上の者と掛け合ってみます」
八幡「わかりました。親と話し合ってみます」
武内「わかりました」
奏「ふふっ、嬉しいわ」
八幡「まだ、そこで働くと決まった訳じゃねぇんだぞ」
奏「わかっているわよそんな事。でももしそうなれば、八幡ともっと一緒いられると思うと嬉しくて」
八幡「さいですか」
すると城ヶ崎が近づいてきて来る
美嘉「ねぇ、それよりも、そっちの女の子3人。放心状態だけど良いの?」
と言いながら雪ノ下達の方へと指を指す。言われて見てみると、確かに放心状態だった。
八幡「ん?ああ…おーい。お前らいい加減戻ってこーい」
いろは「はっ!」
オレの呼び掛けに最初に我に返ったのは一色だった。
八幡「おかえり一色」
いろは「せ、先輩?」
八幡「戻ってきて早々悪いけど、雪ノ下と由比ヶ浜も戻してくれるか?」
いろは「あ、はい。結衣先輩、雪ノ下先輩。戻ってきてください」
一色は2人の体を揺さぶり我に返していく。
雪乃「はっ!私は一体。確かさっき比企谷君に彼女がいるとか何とか」
結衣「確かにそうだったような。あー、でもあれは夢だよね〜。速水奏がヒッキーの彼女だなんて…」
奏「本当よ」
結衣「夢じゃなかったー!」
雪乃「ひ、比企谷君。あなた本当に速水奏さんと付き合ってるのかしら?」
八幡「本当だよ」
いろは「先輩、いつ速水奏と付き合ってるんですか?」
八幡「奏がアイドルになる前にからだ」
いろは「そ、そうなんですね」
武内「では私は校長先生と教頭先生と話してきます。皆さんはここで少し待っていてください」
LIPPS「「「「「わかりました」」」」」
平塚「では校長室まで私がご案内致します」
武内「お願いします」
そう言って平塚先生と武内さんは部室を出ていった。待っている間多分時間もあるし、それにオレ達座って、奏達は立ったまんまというのはダメだからオレは後ろに積まれてあった椅子を5つ取り並べる。
八幡「まぁ、ここに座れよ」
美嘉「ありがとう」
志希「ありがとうね」
フレデリカ「ありがとう」
周子「ありがとね」
八幡「いえ、気にしないでください」
そう言ってLIPPSの内4人はオレが出した椅子に座る。LIPPSとは向かい合わせのようになっている。けれど、1人だけオレの出した椅子に座らない人がいた。
八幡「奏?座らないのか?」
奏「椅子の場所、違うわ」
八幡「は?椅子の場所が違う?じゃあどこがいいんだよ」
奏「決まってるでしょ。八幡の隣よ」
八幡「は?なんでだよ。隣にするんだよ」
奏「別に良いじゃない。隣がダメなら…そうね。八幡の膝の上かしら」
奏はそう言って近づいてくる。LIPPS4人と雪ノ下、由比ヶ浜、一色達はかなり驚いている。
八幡「え、ちょっ!はぁ!?なんでオレ膝の上なんだよ」
奏「別に良いじゃない。と言うよりも今さら隣に座って照れるような関係でもないでしょ?」
そう言って奏はさらに近づいてきて、顔を近づけてくる。何する気だ?と思っていたら、他の奴らには聞こえないように、オレの耳元でこう囁く。
奏「…だって、お互い初めてを捧げ合った中じゃない」
八幡「っ…///」
それを聞いたオレはたまらず体をそらしてしまう。だっていきなり耳元で囁かれたからだ。オレ、耳弱いからな。それにしてもまさか、奏の口からそんな事を聞くことになるとは……。
けど奏が言った事は紛れもない事実。オレと奏はもう一線を超えている。それにあの時の奏の姿は今でも鮮明に思い出す。結構激しめに求めてき……って、いやいや、オレは何思い出してるんだ。こんな事バレたら、何言われるか知ったもんじゃない。少し思い出したら死にたくなったので、軽く頭を振り払う。気の所為か自分の顔が少し熱くなっているような。
美嘉「奏ちゃん。何言ったの?」
奏「ふふっ…それは、ひ・み・つ、よ」
そう言って奏は自分の人差し指を口の近くまで運び、パチッとウインクをしている。ホント、たまにこういう仕草をするから、ドキッとしてしまうんだよな。
志希「こ、これは…」
美嘉「かなり進んでいるわね」
周子「ホンマやな」
フレデリカ「だね〜」
LIPPS達は各々反応をするが、オレの席の向かいに座っている、雪ノ下、由比ヶ浜、一色は開いた口が閉まらないでいる。そんな事よりも、もう諦めるしかないか。
八幡「もうそれは良いから、隣でも良いから座ってくれ」
奏「あら、良いの?」
八幡「ああ」
奏「じゃあお言葉に甘えて」
奏は椅子を持ちオレの隣まで持ってきて座る。けどオレはそんな事気にせず、持っていた本の続きを読もうとした時だった。
奏「彼女が隣にいるのに本を読むの?」
と首を傾げ聞いてくる。それを聞いたオレは本をカバンにしまい、雪ノ下が入れてくれた紅茶を飲む。
奏「ねぇ、八幡」
八幡「なんだ?」
奏「あれ、つけてる?」
奏が言ったアレとは100%アレのことだろう。そう、思ったオレは制服で隠していた物を見せる。
八幡「これだろ」
奏「きっちりつけているわね」
八幡「まぁな」
いろは「せ、先輩。それって…」
八幡「ん?ああ、これはネックレスだが」
雪乃「何故、それを比企谷君がつかけているのかしら?」
八幡「これは誕生日プレゼントで奏から貰ったもんだ。その時、奏に毎日つけてねって言われたから、その日以来、このネックレスは常につけているがな」
結衣「そ、そうなんだ。ネックレスつけているだなんて、全然気づかなかったよ」
八幡「そりゃあ気づかれないようにつけているからな」
そうでも無いと、もし平塚先生に見つかったらなんて言われるかわかったもんじゃない。だからこうして制服で隠している。
美嘉「なんかそれ、奏ちゃんがつけているネックレスと似ているね」
奏「当たり前じゃない。お揃いにしたもの」
奏の言う通り、オレがつけているネックレスは、奏がつけているネックレスとお揃いなのだ。それを知った時は萌死ぬかと思った。まさかこんな事をしてくるとは思ってなかったからな。
周子「お揃いだなんて、なんや素敵やなぁ」
奏「ふふっ、でしょ?」
いろは(ま、まさか先輩と速水奏がここまでいっているとは)
雪乃(もうこれは…勝てそうに無いわね)
結衣(ううぅ…、強すぎだよ〜…)
色々喋るのは良いけど、一線を超えた事を言わないか心配だ。
その後、色々話し合ってあった。例えばオレと奏の出会いの話はどんなんのかとか、お互いの好きな所を教えてとか、色々聞かれた。ホント、ああいう話好きだよね女子ってさ。
そして色々話をしているウチにプロデューサーの武内さんが戻ってきたので、LIPPS達は帰って行った。その後、オレは最終下校になるまで部活は続いた。その間、オレは本の続きを読んで過ごした。少女達はと言うと、何やらヒソヒソしながら話していた。もしかして、オレの悪口?マジで?本当だったらどうしよう。
部活も終了したのでオレは家に帰った。
八幡「たでーま」
いつ通り家に入りそう言う。けど、いつもみたいに小町が出迎えが無い。何故なら、小町は友達の家に泊まりに行くと言う。だから出迎えが無い。両親は仕事で帰って来れないと、連絡があった。ホント、社畜だな。なので、今日はオレ1人だけとなる。いや、1人と1匹か。飼い猫であるカマクラを忘れたらダメだよな。いくらオレに懐いていないからって、そんな態度はダメだな。そう思っていた自分を殴ってやりたいとその後思った。何故なら
奏「おかえりなさい」
八幡「なんで居んの?」
ホントなんで自分の彼女である奏がエプロン姿でウチにいるの?おかしいよね。だってLIPPS達はホテルに泊まるはずじゃ無かったか?
奏「別にいいじゃない。ご両親と小町ちゃんからは了承を得て、鍵も預かったのよ」
八幡「え?何それ?知らないんだけど」
ホント、オレの知らないところでそんな話があったとは知らなかった。というかなんでそんな簡単に鍵を渡すの?
奏「ふふっ、じゃあドッキリ大成功ね」
なんとも嬉しそうに言うな。
八幡「いや、そういう事じゃなくてだな。なんでオレの家にいるの?確か奏達はホテルに泊まるんじゃなかったか?」
奏「ええ、そうよ」
八幡「だったらなんで?」
奏「今日だけ許可を貰ったの」
八幡「その理由は?」
奏「…………言わせないでよ。……バカ」
と少しムスッとした表情で言ってくる。あー、もう可愛いな、おい!ホントオレの彼女可愛すぎるだろ!
奏「久々に八幡と過ごしたいだけなのに」
あー、もうそういうこと言う。そういうこと言われたら、ズッキューンってなっちゃうでしょうか。
八幡「そっか。…まぁ、何?…オレも……奏と過ごしたかった」
奏「もう…そういう事はスパッと言う!このヘタレ」
八幡「悪かったな。けど、大丈夫なのか?」
奏「ええ、大丈夫よ。今日は安z」
八幡「なんでそっちの方向にいくの?おかしいよね?」
オレは奏の言葉を遮る。ホント、そういう事簡単に言うの?
奏「そっちじゃないの?」
八幡「違うわ」
奏「じゃあ何?」
八幡「スキャンダルとかされないか心配してんだよ」
奏「大丈夫よ。変装して来たから」
八幡「それでもな…」
奏「大丈夫よ。それにもし、スキャンダルとかされたら、アナタと一緒にいるつもりだから」
ホント、なんでそんな事簡単に言うのかね?
八幡「…あのな。お前もっとアイドルとしての自覚持てよな」
奏「アイドルの前に、私はアナタの彼女よ」
八幡「あーもう。これじゃただのイタチごっこみたいじゃねぇか」
奏「ふふっ。それよりどうする?私にする?それとも私?それとも…私?」
八幡「全部、奏じゃねぇか」
奏「私は何時でもいいわよ。いつでも八幡を受け入れる準備はできてるから」
八幡「っ…からかうなよ」
奏「私は本気よ」
八幡「はぁ…とりあえず飯にしてくれ」
奏「わかった。私は最後のお楽しみに取っとくって訳ね」
八幡「あーもうそれでいいからさ。オレ着替えてくるわ」
奏「ええ」
その後、制服から私服に着替えてたオレはリビングに行くと、奏では、鼻歌交じりで飯の用意をしていた。エプロン姿似合うな。それに鼻歌の曲は奏のソロ曲HotelMoonside。アレいい曲だよな。奏でのCDが出るって言うから小遣いめっちゃ貯めたな。
奏「もうすぐできるからちょっと待ってちょうだい」
八幡「ああ」
奏「はい、おまたせ」
八幡「サンキュ」
奏から飯を受け取る。久々の奏の手料理か。思わずニヤケてしまうな。オレの顔、気持ち悪くないかな?そんなことを思っていると奏はエプロンを外し、オレの向かいに座る。
八幡「なんだ、いつもなら隣に座るのに今回は向かいなんだな」
奏「ええ、これなら八幡の顔がよく見れるし、八幡も私の顔をよく見られるでしょ?」
八幡「…さいですか」
これはもう触れないでおこう。そんな事思いながら両手を合わせる。
八幡「いただきます」
奏「いただきます」
奏と一緒にご飯を食べるのは何時ぶりだろうか。久々だしな。そう思い1口口に運ぶ。
八幡「なんか前よりもうまいな」
奏「ふふっ、ありがとう。これでもめいいっぱい練習したんだから」
八幡「そうか」
奏「あ、言い忘れてた。八幡の為に頑張ったんだから」
八幡「……そうか。…サンキュ」
奏「照れてるの?」
八幡「うっせ」
奏「ふふっ」
その後もなんやかんやからかわれながら飯を食べ進めた。そして飯を食べた後、一緒にテレビを見た。テレビを見ている間奏がオレと手を繋いできた。それも指と指と絡めさせる、所謂恋人繋ぎというアレだ。けど手を繋ぐだけじゃなくて、オレの肩に頭を乗っけてきたりしてきた。
テレビを見た後は風呂に入った。もちろん一緒では無い。奏は一緒に入る?なんて言ってからかって来たが、適当に流した。そしてそろそろ寝ようかなと思っていたら、オレの部屋のドアをノックされた。
八幡「どうしたんだ?」
奏「ちょっと良いかしら?」
八幡「おう」
そう答えてオレは奏を部屋に入れる。奏は部屋に入るとなんも迷いなくオレのベットに腰を下ろす。すると奏が隣をポンポンと叩いてくる。はいはい、隣に座れってことだなと思いオレは奏の隣に座る。
八幡「で?どうしたんだ?」
奏「ねぇ…あの奉仕部の雪ノ下さんと由比ヶ浜さん、それに1年生の一色さんとはどういう関係なの?」
八幡「は?アイツらとはなんもねぇよ」
奏「ホントに?」
八幡「ああ。雪ノ下と由比ヶ浜に関してはただの同じ部活の部員と言うだけで、一色とはただの先輩後輩というか関係だ」
奏「本当なのね?」
八幡「ああ」
奏「じゃ、証拠見せてよ」
八幡「証拠?」
奏「ええ、そうよ」
証拠って言われてもな……。何すればいいんだよ。思いつくのが1つしかないって、マジかよオレ。けど、やるしかないよな。そう思いオレは奏の両肩に手をつけゆっくり顔を近づける。何をするのかわかったのか、奏は目を瞑る。オレも徐々に近づくにつれて自分も目を閉じる。そして、自分の口に柔らかい感触が伝わる。何秒したのか分からないけど、オレは奏の顔から離れる。
八幡「これで良いか?」
奏「まだまだよ」
八幡「は?」
奏「まだまだ足りないって言ったのよ!キスだけじゃダメ!」
八幡「じゃあどうすればいいんだよ」
奏「…本当は分かってるんでしょ?」
八幡「っ…いや…それはマズイだろ」
奏「何もマズくはないわ」
八幡「いや、だがな…」
いや、ホント色々マズイだろ。明日は体験入学というか仕事なのによ。
奏「私は大丈夫よ」
八幡「…いや、でも…」
奏「そんなに私とするの嫌?」
八幡「いや…そうじゃねぇよ。明日は大事な仕事だろ?」
奏「そうね。確かに明日は仕事よ。こんな事言ったら皆には悪いけど、仕事より私は八幡が優先なのよ。それにもう、八幡にはこの身を捧げた身よ。帰ってきた時も言ったけど、いつでも私は受け入れられるわ」
奏の目は本気の目をしている。そりゃあオレも久しぶりにといきたいけど、やはり心配になってしまう。
八幡「本当なのか?」
奏「ええ」
八幡「…じゃ…後悔するんじゃねェぞ」
奏「後悔なんてしないわ。八幡と付き合った事と、超えたことはもう後悔なんてしないわ。だから……きて」
八幡「どうなっても知んねぇぞ」
そう言ったオレはまた奏と口を重ね合わせる。
奏「…ん」
八幡「ん」
その後、片手を奏の後頭部に移動させ奏をベットに押し倒した。
いかがでしたか?今回はこんな感じにしてみました。ちょっと初挑戦でしたがどうでしたか?これ以上書いたらアレなので、ここまでにしました。ではまたお会いしましょう。