もしも比企谷八幡に色んな彼女がいたら……   作:チャキ

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どうもチャキです!この話に出てくる奏はアイドルに入っていない奏です。でも、この話は自分が書きたいと思って書いただけなのでご了承ください。それでもいいという人はどうぞ見ていってください。ではどうぞ!


速水奏編2

八幡side

 

今日はバレンタイン。キリスト教の司祭だったウァレンティヌスが処刑された日である。その日はユーノーの祭日あり、ルペルカリア祭の前日である2月14日があえて選ばれた。ウァレンティニアヌスはルペルカリア祭に捧げる生贄にされたという。このためキリスト教徒にとっても、この日は祭日となり、恋人たちの日となったというのが一般論である。まぁ、聞いたり調べたりしたけど、これであってるか知らないけどな。そんな事を思いながら下駄箱へ向かう。移動している間もあちこちでは女子達が男子達にチョコと思われる物を渡していた。中には女子同士で渡しあっていた。所謂友チョコと言うやつだろう。しかしあちこちでは甘々ムードである。さっさとここを去ろう。早くしないとアイツが待ちくたびれている筈だ。そして下駄箱につくとやはりと言うべきか、スマホをいじりながら待っていた。その姿見ているとオレを待っていた奴がこちらに気づき近づいてくる。

 

奏「遅かったわね八幡」

 

そう言ってきたのはオレの彼女である速水奏である。ミステリアスな雰囲気を纏っていて、大人びた性格をしている。時々周りの人から年齢を誤認される時がある。

 

八幡「悪い悪い。ちょっとトイレに行ってたんだよ」

 

奏「そう。もしかしたら女の子に呼び止められてるんじゃないかと思ったわ」

 

八幡「ぬな訳あるか」

 

奏「あら、どうかしら。八幡は意外とモテるかもしれないわよ」

 

八幡「アホか。好きな奴だけにモテればオレはそれで充分だ」

 

そう、オレは奏だけにモテればそれで良い。それに恥ずかしいけど、告白したのはオレからである。あの時はかなり緊張したのを覚えている。

 

奏「そ、そう。もう、なんでそういう事サラッと言うのかしら

 

八幡「ん?なんか言ったか?」

 

オレは決して難聴ではない。奏の声が小さくてうまく聞き取れなかっただけだ。

 

奏「何もないわよ」

 

八幡「そうか」

 

奏「あ、そうだ八幡。八幡にあげるチョコなんだけど、家にうっかり忘れて来ちゃったの。だから私の家まで取りに来てくれない?」

 

八幡「奏の家に?まぁいいけど」

 

チョコ作ってくれたのか。でも家に置いてきちゃったのか、案外おっちょこちょいな一面あるんだな。

 

奏「そう。じゃあ行きましょう」

 

八幡「ああ」

 

オレたちは靴に履き替えて奏の家に向かった。奏の家に向かっている途中、奏が口を開いた。

 

奏「ねぇ、八幡」

 

八幡「なんだ?」

 

呼ばれて奏の方を見るとなんだか悲しそうな表情になっていた。一体どうしたんだ?

 

奏「…ホントにチョコ貰ってないのよね」

 

八幡「貰ってねぇよ」

 

奏「…ほんとに?」

 

八幡「ああ」

 

奏「そう、なら良かった」

 

そう言うとさっきとは打って変わってとても可愛い笑顔になった。それを見た瞬間オレは思わず顔を逸らす。

 

奏「あら?どうかしたの八幡。顔逸らしちゃって」

 

八幡「う、うるせぇ」

 

奏「ふふっ、かわいいわね」

 

八幡「男にかわいい言うなよ」

 

奏「もお、照れちゃって」

 

八幡「て、照れてねぇよ」

 

奏「ふふっ、そういうことにしてあげる」

 

くっ、やはりオレはまだ奏に勝つことはできないらしい。オレは奏に勝てる日がかるのだろうか。その後も奏にからかわれ続けながら奏の家についた。

 

奏「せっかくだし上がって行って」

 

八幡「いいのか?」

 

奏「ええ」

 

八幡「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

奏「ええ、そうして」

 

八幡「おじゃまします」

 

奏「ええ」

 

奏の家に入るのは何回目だろうか。なのにまだ緊張してしまう。

 

奏「ちょっと待てて。すぐに持ってくるから、そこのソファーに座って待ってて」

 

八幡「お、おう」

 

オレはそう答えて奏の言う通りソファーに座る。ソファーはフカフカで座り心地は凄いが緊張が解れる訳ではない。

 

奏「おまたせ八幡」

 

八幡「お、おう」

 

奏の方を見ると手にはチョコが入った箱を持っていた。オレはもらおうと手を出そうとした時だった。何故か箱を開けて小さいチョコを1つ取り出した。

 

八幡「か、奏?」

 

奏「何?」

 

八幡「な、何してるんだ?」

 

オレにくれるのならそのまま渡せば良いのになんで箱を開けたんだ?それに何故だろうか、奏の表情が何か企んでいるような表情になっていた。一体何を企んでいるんだ?思わず身構えてしまう。すると奏は箱を近くの机の上に置き、オレの目の前に立ったと思ったら、突然オレの膝の上に乗ってきた。所謂対面座位と言うやつだろう。

 

八幡「ちょっ!?か、奏!?な、何をしてるんだ?」

 

奏「何って、八幡の膝の上に座っているのよ」

 

八幡「それはわかるんだよ」

 

奏「それじゃあ聞かないでよ」

 

八幡「確かにそうかもしれないが、オレが言っているのはなんでオレの膝の上に座っているのか聞いてんだよ」

 

奏「別に良いじゃない」

 

八幡「なんでだよ。というかチョコはどうしたんだよ」

 

奏「ここにあるわよ」

 

八幡「いや、だから」

 

奏「心配しなくてもちゃんとあげるわよ。こういう風に」

 

そう言って手に持っていたチョコを口にくわえる。

 

奏「ふぁい(はい)ふぁちまん(はちまん)

 

そう言ってどんどん近づいてくる。それにより柔らかいものが当たってくる。

 

八幡「い、いやなんでだよ!普通に渡せよ!」

 

奏「ふぇっに(べつに)ふぃじゃない(いいじゃない)

 

八幡「良くねぇよ!」

 

奏「ほうなったら(こうなったら)…」

 

逃げようとしたオレを奏はオレの手を握ってきた。でもただ握るだけじゃない。手の指を絡めさせてきた。所謂恋人繋ぎというやつだ。しかも両手だ。これによりオレは完全に逃げることができなくなってしまった。逃げ場を完全に失っているのにオレは今も逃げ道を探すが一向に見つからない。そんな事を思っていると奏の顔はどんどん近づいてくる。

 

八幡「ちょっ、か、奏!ちょっとまっんむ!」

 

オレは奏を待つように言おうとした時だった。オレの唇は奏のやわらかい唇と重なった。すると舌を使いくわえていたチョコをオレの口の中に入れてきた。

 

奏「ぷは……どうかしら?私の作ったチョコレートのお味は?」

 

八幡「………あ、甘いです///」

 

もう完全に思考がなくなってしまいそうになってしまう。

 

奏「ふふっ、顔が赤いわよ八幡」

 

八幡「う、うるせぇ。……そういう奏も顔赤いじゃあねぇか」

 

奏「ふぇ!?///」

 

そう言って奏は自分の顔に手を当てて、確認していた。それになんだ今の声。くっそかわいいじゃあねぇか。

 

奏「ま、まぁいいわ。ねぇ、八幡。もうひとつどう?」

 

八幡「……」

 

奏「いらない?それともいる?」

 

八幡「…………く、ください」

 

奏「ふふっ、そう。わかったわ」

 

そう言って奏は再びチョコを口にくわえて、手を握てくる。そしてどんどん顔が近づいてくる。そして再び唇が重なり、甘いチョコと奏の舌が口内に侵入してくる。

 

奏「どう?」

 

八幡「……うまいです」

 

奏「そう、それなら良かったわ。作ったかいがあったわ。はい、もうひとつ」

 

そうしてまた重なり合う。やはり、甘すぎる。オレは甘いのは好きだけどこれは甘すぎる。頭がクラクラしてきそうだ。まるで奏という麻薬のようだ。オレはこのままやられぱなっしになる訳にはいかない。

 

八幡「な、なぁ奏」

 

奏「何かしら?」

 

八幡「チョコ1個くれないか」

 

奏「?何を言ってるのかしら?これはもう八幡のよ」

 

八幡「それはわかってるんだよ。オレにくれるのならもうオレのもんだろ?だからくれよ」

 

奏「?わかったわ」

 

そう言ってオレの手に1つチョコを渡してくる。受け取ったオレはさっきまで奏がやってたように、チョコを口にくわえて奏の方に差し出す。

 

八幡「ふぉれ(ほれ)

 

奏「なっ!?///」

 

おお!驚いている驚いている。まさか自分がやられるとは思ってなかったのだろう。かなり驚いている。

 

八幡「どうふぅした(どうした)?」

 

奏「や、やるわね八幡。い、いいわ、乗ってあげるわ」

 

そう言って奏はオレの唇を重ねてくる。そしてオレはチョコを奏の口内に入れようと舌で押し込んだ時だった。

 

八幡「!?」

 

奏がオレの舌と絡めさせてきた。チョコ越しとはいえオレと奏の唇が絡まる。オレはやり返したと思ったら、やり返されたのだ。またオレは奏に負けたというのか。そしてチョコがなくなってもまだ続く口付け。静かな部屋には絡まる音が響く。そして離れた時には銀色の糸が引かれていた。そして離れた後、奏が少し頬を赤らめながら口を開く。

 

奏「…ふふっ、まだチョコあるけど。どうする?」

 

八幡「……く、ください」

 

ああ……やはりだ。やはりオレは奏に勝てないんだ。そう思った。

 

奏「ふふっ、じゃあ行くわよ」

 

八幡「……お、おう」

 

そしてその後もさっきと同じようにチョコ越しに舌を絡める口付けが続いた。その後お互いはもう無意識にお互いを求めていたらしく、チョコがなくなっても、舌を絡めさせる熱い口付けをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。

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