八幡side
奏「ん」
八幡「…ん」
突然だがオレは彼女である速水奏とキスをしている。というか奏がオレの膝の上に突然跨って来て、キスをしてきたのだ。今の体勢は対面座位。
八幡「ぷは……お、おい奏!いきなり何するんだ!?」
奏「え?何って…キスだけど」
奏はキョトンと首を傾げて言った。しかも何言ってるの?みたいな顔になってるし。ちくしょう!かわいいじゃねぇか!こんちくしょう!
八幡「いや、なんで急にオレに跨ってきてキスしてくるんだよ」
奏「あら、別に良いじゃない。私達は恋人なんだし、キスをするのは当然でしょ?」
八幡「いや、オレ本読んでる途中だったんだけど」
奏「そんなの後でも読めば良いじゃない」
八幡「だったらキスも後でもできると思うが」
奏「それは無理ね。今日はあなたといっぱいキスする予定だから」
八幡「なんでだよ」
奏「今日はキスの日だからよ」
八幡「は?なんだよそれ?」
奏「あら知らない?」
八幡「知らねぇな」
キスの日ってそんな日があるなんて初めて知ったわ。でも1日1日に何の日かってあるって聞いた事あるけど、詳しくは知らない。
奏「そう、じゃあ教えてあげる。1946年の今日、日本映画で初めてキスシーンが登場したことが由来とされているわ」
八幡「へー」
そんな由来があったんだな。全然知らなかったわ。
奏「ちなみに今日は恋文の日、ラブレターの日でもあるらしいわ」
そんな日でもあるんだな。ラブレターか……。書いたことないけど、オレから告白したんだよな。
八幡「へー、よく知ってるな」
奏「たまたまよ」
ホントかよ。調べないと絶対に知らない情報だろ。それにしても
八幡「いつまで乗ってんだよ」
奏「あら、別に良いじゃない。減るもんじゃないし」
八幡「いや、別に減らねぇけど、この体勢になってから結構経つけど」
そう、奏がオレに跨ってからかなり経つ。別に足が痺れたとかじゃないんだけどね。それに奏の腕はオレの首の後ろにあり、下手には動けない。
奏「じゃあ次行くわね」
八幡「はっ?…ん!」
再びオレの唇は奏の唇と重なる。あまりにも突然なことで反応出来なかった。
奏「ん…んん……」
八幡「んん…」
少し激しめに唇を押し付けられる。そさてオレは気づけば手に持っていた本をソファーに置いて、手を奏の腰の後ろに回していた。所謂抱擁というやつだろうか。
奏「ぷは…八幡も求めてきてくれて嬉しいわ」
八幡「くっ…」
くそ…あんなにキスされたら思考がなくなってくる。それに奏の奴、日に日にキスが上手くなっているような気がする。しかも無意識に求めて抱擁しているし。
奏「さぁ、もう一度行くわよ」
八幡「ちょっと待っ…んむ!」
また奏の唇が重なる。重なるだけではなく、オレの口内に奏の舌が侵入してくる。オレも気づけば、自分の舌を奏の舌と絡ませていた。奏もそれに気づきさらに激しく絡ませてくる。それになんかいい匂いがする。シャンプーなのか香水なのか分からないけど、いい匂いがして意識が飛びそうになる。
八幡「ぷはっ…」
離れるとつーっと糸が引かれていた。
奏「はぁ…はぁ…好きよ……八幡」
唐突の告白。それに若干奏の顔が赤くなっていた。
奏「八幡は?」
八幡「好きだ。ていうか好きじゃなかったらこんな事しねぇよ」
奏「ふふっ、八幡らしいわね」
手を口に当ててくすくす笑っている。それにしてもオレはやはり奏に敵わないようだ。やり返そうとしようとしても返り討ちにあってしまう。
奏「あ、そうだ。ねぇ、八幡知ってる?」
八幡「何?豆しば?」
そういえば最近見ないな豆しば。今もCMやっているのかな。豆知識?みたいな事とか言ってたような気がする。確かスイカは種の方が栄養があるとか、人体で最も強い筋肉は舌なんだとか、後はブラックホールに落ちると時間が止まるとか、ナマコは全身筋肉とか色んな事を聞いたな。それにしてもナマコすごいな。
奏「キスって1分で約6カロリー消費するのよ」
八幡「はい?」
奏「だからキスを1分することで約6カロリー消費するの。それを使ったダイエットもあるらしいの」
八幡「は?キスで?」
奏「ええ、そうよ。これをキスダイエットと言う人もいるわ」
八幡「なんでキスでダイエットになるんだよ」
奏「教えてあげるわ。顔の筋肉って約30種類あるの。でも日常生活で使ってるのは7割程度なのよ。でもキスをすると、顔の20種類もの筋肉が動くのよ。普段使わない筋肉を使うことによって、小顔効果もあるの。それに好きな人とキスをすると、ドキドキしたり、息遣いが荒くなったり、するの。これは交感神経の働きによるものなの。血行が良くなり、体温や心拍数が上がるため、代謝がアップするの。それに好きな人とのキスはストレス緩和にもなるのよ」
八幡「そ、そうなのか」
え?何?キスってそんな効果があるの?
奏「ええ、そうよ。暴飲暴食予防や、口臭ケアなどにも気をつけられるのよ」
八幡「ほーん」
まぁ、確かにキスをする時は口臭が気になるよな。オレも一応それなりに気をつけている。
奏「あ、それとキスって20種類以上ものやり方があるのよ」
八幡「え?そんなに?」
奏「ええ、その中でもカロリー消費が多い、おすすめとされるキスがカクテルキス、オブラートキス、クロスキス、この3選よ」
な、なんでそんなに詳しいんだよ。
奏「カクテルキスはディープキスの定番とされているわ」
カクテルキスって初めて聞くわ。ていうか……
八幡「なんでそんなに詳しいんだよ。もしかしてお前、キス魔かなんかなの?」
奏「なっ!///そんな訳ないでしょ!?わ、私がキスするのは八幡だけよ!?」
八幡「お、おう…そうか」
いや、まぁ、そんな事言われるとは思ってなかったけど、正直嬉しいけどな。
奏「そんな事言う八幡には、さっき言ったカクテルキスをしてあげるわ」
八幡「は?ちょっ、ちょっと待てよ!落ち着けって奏!」
どんどん奏の顔が近づいてくる。何とかして逃げようと思ったが、奏が上に跨っているので逃げられない。やばい。そんな事思っていると、とうとう奏の唇がオレの唇と重なる。そしてさっきと同様舌を絡ませてきた。
八幡「んむ!?」
さっきまで一緒だと思ってたら、舌を甘噛みしてきた。それにさっきよりも体が密着しているような気がする。
奏「ん…んん…んむ…」
八幡「んん……んむ…むむ」
や、やばい。息が続かなくなってきた。
八幡「ぷはっ!」
息継ぎをする為に少し無理やり顔を逸らした。あのままやってたら酸欠してしまう。
奏「もう、勝手に顔をそらさないの!」
八幡「んむっ!?」
だが、奏は両手でオレの顔の向きを無理やり正面の方へ直して、再び唇を重ねてくる。
八幡「んっ!……んむっ!?」
また舌を絡めたり、甘噛みをしてきたが、次は何故か吸ってきた。
八幡「んん……んん……」
オレは速水奏の唇という極上の感触により、次第にオレの抵抗する力がなくなってくる。それに気づいのか嬉しそうな目になる奏。そして次の瞬間さらにキスが激しさが増してくる。
八幡「ぷはっ」
やっとオレは息継ぎを許されたので息継ぎをする。するとまた向きを直されて唇が重なり、そしてまた幸せがやってきて、心も奪われていく。もう抵抗もできない。もうオレは奏に身を委ねていた。
奏「んんっ……はち…まん…んむっ…」
八幡「…きゃ…なで……」
名前を呼ばれたのでオレも奏の名前を言う。けれど呂律が回ってない。そしてオレは奏の舌の動きに合わせるようにして、自分の舌を絡めさせたり、甘噛みをする。けれど、奏の方が優勢らしい。
奏「んむっ……はちまん…んっ…はちまん……」
八幡「んむっ……んん…あむ…ぷはっ…」
再び息継ぎできるチャンスがやってくる。すると奏はオレの耳元まで近づいてくる。
奏「はぁ……はぁ…八幡……好きよ」
プツン
すると何かが切れる音がした。そしてそこでオレの意識は途絶えた。
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八幡「…ん」
目が覚めた時に映った天井は見たことがあった。そりゃあそうだ。だってそれはオレの部屋の天井なんだから。それよりもあれから何があったのか思い出しながら身体を起こす。
奏「んん…」
すると隣から吐息交じりの声が漏れた。
……隣から…だと……。まさか!?
と思いゆっくりと隣の方へ視線を向けると……そこには…服を着ていない奏の姿があった。そして次にオレの姿を見ると、オレも奏同様…服を着ていなかった。
これって……まさか……
奏「ん?……あ、おはよう八幡」
奏は目を擦りながらゆっくりと身体を起こしていた。
八幡「あ、ああ……おはよう」
奏「んん〜…」
奏はゆっくりと身体を伸ばしている。やめて!今そんな状態でそんな事されたら、目のやり場に困っちまう。
八幡「な、なぁ…奏」
奏「なに?」
八幡「もしかして昨日って…やっぱり?」
奏「ええ、そうよ。八幡の思ってる通りよ」
八幡「…マジか」
奏「ええ…マジよ」
八幡「…そうか。……その…大丈夫か?」
奏「ええ、大丈夫よ。だって八幡すごく優しかったから」
そう言われると段々と昨日の事が、鮮明に思い出してくる。それによりめちゃくちゃ恥ずかしくなってくる。
奏「ふふっ、顔赤いわよ」
八幡「う、うるせぇ///」
奏「かわいい」
八幡「だから男にかわいい言うな」
奏「ふふっ、別に良いじゃない。本当にかわいいんだから」
八幡「あー、もう良いだろ!と、とりあえず着替えるぞ。この姿じゃあれだし」
奏「あら、昨日はあんなに見たのにつれないわね」
八幡「お、お前な…」
奏「ふふっ、冗談よ」
奏は妖艶のように微笑んだ。その顔に思わず見惚れしまった。いつもよりも大人びていて、少し小悪魔っぽさが出ているような気がした。あー、やばいその顔を見ているとまた昨日の事を思い出してしまう。ふー……もうこれ以上何も考えないようにしよう。うん、それが良い。
奏「じゃあ着替えようか」
八幡「……そうだな」
はぁ……ホント、家に小町と親がいなくて良かったわ。いたらどうなってたか。
それにしてもやはり奏には勝てないな。
いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。