氷川紗夜編 1
八幡side
オレは今はバンドメンバーと一緒に練習している。けど今は休憩中である。バンド名はRoseliaだ。そんなオレが担当しているのはギターだ。小さい時から趣味程度にはじめていて、ちょっと外で練習をしているとあの有名な湊友希那に聞かれ、その後すぐにバンドに誘われた。でも最初はその誘いを断った。理由としては湊の目標はデカすぎて趣味程度でやっているオレが入っていいものでは無いと思い断った。けどもう1つ理由がなくはないけどな。その理由が前にいた総武校での出来事である。その依頼主は戸部で内容は告白を絶対に成功させる依頼だった。そんな依頼を由比ヶ浜が安易に受けてしまった。そして次に海老名さんの依頼がきてしまった。内容は告白の阻止という内容だった。その依頼には雪ノ下と由比ヶ浜は気づいてないみたいだった。けれどオレも最初は気づいてなかった。気づいたのは3日目自由行動の時だった。その日は戸部が海老名さん告白する日でもあった。そんな告白する前に葉山からも依頼が言われた。それは今のグループを変えたくないと言うものだった。そしてオレは戸部が告白する前に海老名さんに嘘の告白を行なった。こうしてこいつらの依頼は無かったことにした。
けどそんな意味は無かったのかもしれないな。
雪乃「貴方のやり方嫌いだわ」
結衣「もっと人の気持ち考えてよ!」
と言われた。オレは何を間違えたのだろうか。嘘の告白をした事か?今回の依頼を受けた事か?そもそもこの奉仕部に入部した事か?どっちにしろオレはコイツらに否定されたんだ。その事で学校中から更に嫌われ者になった。けれどそんな中、オレを信じてくれた人達がいた。それは戸塚、川崎、雪ノ下さん、そして幼なじみの日菜と同じく幼なじみでオレの彼女の紗夜だった。オレはその事がとても嬉しかった。オレが理由もなくそんな事しないと。そして全員に修学旅行の出来事を話た。そしてある程度はオレも叱られたけどな。他の人も頼れって。当然紗夜も日菜もかなり怒っていた。罰として2人にポテトを奢ることになった。
そしてオレと家族は千葉から前に住んでいた東京へ引越して、学校は花咲川学園に通うことになった。女子校だったが共学になりもう女子校では無くなったのでそこに通うことになった。あそこにいればいつ雪ノ下達から何されるかわからなかったし、もうあそこには居たくなかったからだ。そして引越しが終わったすぐに再び湊からの誘いがきた。あの時は総武の件で断ったが今はオレだが、迷っていた。こんなオレが入っても良いのかと。けど雪ノ下さんと紗夜に小町に日菜に背中を押してもらい勇気を出してその誘いを受けた。そしてその後メンバーに紹介されたのだが、驚くことにそこには紗夜がいたのだ。バンドに入ったとは聞いてたけど、まさか紗夜が湊とバンドを組んでいたとは思わなかった。そしてそのバンドメンバー達はオレを歓迎してくれた。こんなオレを受け入れてくれる、ここはオレの新しい居場所になったのだ。
紗夜「八幡さん?」
八幡「ん?どうした?紗夜」
紗夜「いえ、ボーッとされていたので」
八幡「そうだったのか」
友希那「ええ、紗夜の言う通りどこか上の空だったわよ」
紗夜「何か考え事ですか?」
八幡「まぁな。と言うよりも昔の事をちょっと思い出してな」
紗夜「昔の事ですか…」
八幡「…ああ」
リサ「それってさやっぱり…あの事も入ってる?」
あの事、その一言でオレを含めたメンバー達はそれが何かわかってしまう。あの事と言うのは前に通っていた総武の出来事を指している。その出来事の事はメンバー全員知っている。知っている中オレの事を受け入れてくれた。
八幡「そうだな」
リサ「そっか…」
橉子「大丈夫ですか?」
そう言われてメンバーに見ると全員心配そうな顔になっていた。どうやら心配かけたらしい。
八幡「ああ、大丈夫だ。心配してくれてありがとうな」
あこ「それりゃ心配するよ!八幡さんは同じメンバーなんだから!」
友希那「そうね。八幡は大切なメンバーなのだから心配するわよ」
リサ「そうだよ。悩み事があるのなら私達に言ってね。相談に乗るからさ」
八幡「ああ、わかった」
リサ「絶対だよ」
八幡「ああ」
やはりコイツらといると心地が良いな。そして休憩も終わり曲の練習の続きをした。
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そしてその後練習も終わりそれぞれ帰路に着くことになり、オレは紗夜と一緒に帰っている。
紗夜「八幡さん」
八幡「ん?どうした?紗夜」
紗夜「いえ、少し心配なり大丈夫なのかと思いまして」
どうやらさっきの事でまだ心配をかけてしまったらしい。そんな紗夜の頭を撫でならがらこう言う。
八幡「大丈夫だ。オレにはRoseliaの湊、今井、宇田川、白金、更には日菜、雪ノ下さん、他にも色んな奴がいるし、何より隣には紗夜お前がいてくれるんだ。オレはそれだけで充分だ」
紗夜「そ、そうですか///」
八幡「ああ」
紗夜には色んな事で叱られたり、助けてくれたり、時には心配もかけさせてしまったけど、それでもオレの隣に居続けてくれた。やはり紗夜がオレの彼女で良かったと心の底から思う。
八幡「ありがとうな紗夜。心配してくれて」
紗夜「当たり前です。八幡さんは同じバンド仲間で私の彼氏なんですから」
八幡「フッ、そうか」
紗夜「はい」
そしてお互い見つめ合う。そして気づけばお互い顔を近づいていく、そして距離がゼロになろうとした時だった。
「あらあら、比企谷君と紗夜ちゃんったら、こんな所でアツアツねぇ〜」
紗夜・八幡「「っ!?」」
オレと紗夜の名前を急に呼ばれ慌てて紗夜との距離を取りつつ声のした方を見ると、そこにはオレの事を信じてくれた内の1人雪ノ下陽乃さんがそこにいた。
八幡「ゆ、ゆゆ雪ノ下さん!?」
紗夜「い、いつからそこにいたんですか?」
陽乃「ついさっきだよ。それにしても相変わらずアツアツですなぁ〜、このこの〜」
そう言いながら肘でオレに小突いてくる。ふと紗夜の方を見ると紗夜の顔が赤くなっているのが見えた。それを見るとオレの顔も赤くなっているのか熱くなってくるのがわかった。それを誤魔化すかのように頭を左右に振る。
八幡「そ、それで雪ノ下さん。何か用事があるんじゃないんですか?」
陽乃「うん、あるよ。比企谷君に話があるんだ」
八幡「オレに話ですか?」
陽乃「うん、そ。ここじゃちょっと話しにくいし、どこか話せる場所に移動してもいい?」
八幡「はい、構いません」
紗夜「あの私もついて行っても良いですか?」
陽乃「うん、いいよ」
紗夜「ありがとうございます」
陽乃「じゃ、移動しよっか」
一体オレに用とはなんだろうか。そんな事を思いながら雪ノ下さんの後をついて行く。そして着いた場所はカフェである。そこで飲み物を頼み3人でテーブルに座る。
八幡「それでどうかされたんですか?」
陽乃「うん、あのね比企谷君は聞きたくないかもしれないけど、雪乃ちゃん達の事なんだけどね」
それを聞いた瞬間手に力が入り握りこぶしを作る。オレの軽いトラウマを植え付けられた相手の名前である。それで更に手に力が入る。そんなオレの手を紗夜が握ってきたのでオレは紗夜の方に視線を移す。
紗夜「大丈夫です八幡さん。私が着いてますから」
そう言われオレは落ち着きを取り戻し握りこぶしを解く。やはり紗夜が着いてきてくれて良かったと思う。
八幡「サンキュ紗夜。もう大丈夫だ」
紗夜「それは良かったです」
そう言ってニコッと笑顔を見せてくる。そんな笑顔みると更に気分が落ち着く。そして再び雪ノ下さんの方に視線を移す。
八幡「もう大丈夫です。話してくれますか」
陽乃「わかった。まず最初にね比企谷君が去った後、総武校は大喜び溢れかえってるよ」
八幡「まぁ、そうですよね」
そりゃそうだろうな。学校では嫌われ者のオレが学校から転校したんだからそりゃ喜ぶだろうな。まぁ、別になんとも思ってないがな。
陽乃「それで雪乃ちゃんは隼人と付き合う事になったんだって」
八幡「へ〜、そうなんですね」
オレは素っ気なく答える。
陽乃「ありゃ?驚かないの?」
八幡「まぁ、驚いてないって言ったら嘘になりますが、別にあいつが誰と付き合おうがオレには関係ないですから」
陽乃「ま、だよね〜。比企谷君には紗夜ちゃんがいるもんね」
八幡「ええ、そうですね」
そう言ってふと紗夜の方に視線を移すと、紗夜は俯いていたが、なんだか顔は赤くなっているようにも見えた。
陽乃「うわぁ惚気だ。まぁ、それは置いといて、雪乃ちゃんと隼人が付き合った事はどうでもいいんだ。実は言うとね雪乃ちゃんと隼人、それにガハマちゃんは比企谷君を探しているの」
八幡「オレをですか?またなんで?」
ホント今更なんだよ。もうオレに関わるなよな。
紗夜「そうですよね。今更八幡さんを探す理由はなんなんですかね?」
陽乃「それが雪乃ちゃん達の話を偶然聞いちゃってさ。その理由がしょうもなくてね。聞きたい?」
八幡「まぁ、一応」
どうせ話すと思うけどな。
陽乃「それがね、あの3人比企谷君に修学旅行の事で謝らせようとしているのよ」
八幡「え?なんですかそれ?」
紗夜「意味が分かりませんね」
陽乃「でしょ?自分達が悪いのに、それを全部比企谷君のせいにしてさ謝らせようとしているのよ。ホントしょうもないよね。でも私も文化祭の時は比企谷君に悪いことしちゃったしね」
八幡「あれは気にしてないですよ。雪ノ下を成長させる為だったんでしょ?」
陽乃「それでも私があんな事しなかったから比企谷君は悪者にはならなかったんだよ」
八幡「確かにそうかもしれませんが、雪ノ下さんがいなくても相模は逃げてたと思いますよオレは。なので気にしないでください」
陽乃「うん、ありがとう」
八幡「それであいつらはオレを見つけたんですか?」
陽乃「ううんまだだよ」
八幡「そうですか。でも時間の問題だな」
紗夜「ですね。それでどうするんですか?」
八幡「そうだな。まぁ、別に何もしなくてもいいと思う」
紗夜「何もしないんですか?」
八幡「ああ、別にオレは何も悪いことしていないんだ。謝れって言われても謝る気ねぇよ」
紗夜「そうですか」
八幡「でもな。会ったら会ったで面倒だしな」
紗夜「そうですね」
陽乃「ま、でももし雪乃ちゃん達が比企谷君の方へ向かったら教えるね」
八幡「ええ、お願いします。でもそういう事なら電話でもいいんじゃないですか?」
陽乃「実は別の要件でこっちに来てたから、そのついでだよ。あ、そういえばどう?Roseliaの方は」
八幡「ええ、楽しいですよ。オレの居場所です」
陽乃「それなら良かった。比企谷君が楽しくやっているようで」
八幡「ええ、ホントRoseliaのみんなといると楽しいです」
紗夜「ええ、確かにいつも八幡さんは楽しそうにしていますよ」
陽乃「そっかそっか」
八幡「それを言うなら紗夜も湊もみんな楽しそうにしているじゃねぇか」
紗夜「そうですね。私も楽しいですよ」
陽乃「楽しそうにやってるようで良かったよ。これなら静ちゃんにも良い報告ができるよ」
八幡「平塚先生は元気ですか?」
陽乃「うん、元気だよ」
八幡「そうでか。なら、良かったです」
平塚先生もずっとオレの事を気にかけてくれてた1人である。オレを奉仕部に入れた事を後悔してオレに謝罪までしてきたのだ。オレはそんな平塚先生には感謝していた。総武では1人だったオレを人と関わらせる機会を作ってくれたんだから。
八幡「あ、そうだ雪ノ下さん。またRoseliaのライブをやりますんで良かったら見に来てください」
陽乃「うん、予定が無かったら行くね」
八幡「はい」
陽乃「じゃ、伝える事は伝えたし私はもう帰るね」
八幡「わかりました。雪ノ下達の事教えて下さりありがとうございます」
陽乃「良いの良いの。比企谷君には楽しく過ごして貰いたいからね」
八幡「ありがとうございます」
陽乃「うん、それじゃ帰るね」
八幡「はい、気をつけて帰ってください」
陽乃「ありがとう」
こうして雪ノ下さんと別れて帰り道を紗夜と一緒に歩く。
紗夜「ではその雪ノ下さん達には気をつけなければなりませんね」
八幡「だな」
紗夜「それでどうします?湊さんや他の皆さんにも言いますか?」
八幡「そうだな。言っておいた方が警戒もできるだろうしな」
紗夜「そうですね」
それにしても今更オレに謝らせる為に探すとか暇かよ。それに雪ノ下が葉山と付き合うのは予想はしていたが、まさか本当に付き合うとはな。オレも色々と用心しとかないとな。
そして次の練習の時
八幡「練習を始める前に1つ話したいことがある。いいか?」
友希那「ええ、構わないわ」
八幡「サンキュ。じゃあまずこの前の練習した帰りに雪ノ下さんと会ったんだ」
あこ「え?陽乃さんに会ったの?」
八幡「ああ、その時に教えてもらったことなんだがな。実は前に通っていた学校の奴らがオレを探しているそうなんだ」
リサ「それってさ、あの事に関わっている人達?」
八幡「ああ」
燐子「それでなんで比企谷さんを探しているんですか?」
八幡「それがさ、あの事でオレに謝らせようとしているらしいんだ」
リサ「え?何それ?本当なの?」
紗夜「はい、本当です。私も一緒に聞いたので間違いないです」
リサ「でもなんで?あれはほとんどあの人達が悪いんでしょ?」
友希那「そうね。事情も知ろうとせず八幡を悪者にしたくせに、なんで八幡が謝らなくちゃいけないのかしら」
紗夜「それには同感です」
あこ「でもどうするの?」
八幡「雪ノ下さんはアイツらがオレを見つけたら知らせてくれると言ってくれた」
あこ「でもどうするの?隠れるとかするの?」
八幡「ん〜、見つけてるのに隠れても無駄だろうな」
燐子「ではどうするんですか?」
八幡「別に何もしねぇよ。鉢合わせしても無視しとけば良いし」
友希那「でも、それをしたらかえって相手を怒らせるのでないの?」
八幡「だろうな。言っといてなんだが無視しても無駄だろうな」
紗夜「ではどうするんですか?」
八幡「そん時は真実を言えばいい」
友希那「なるほど、そうすれば八幡が悪くないって事になるわね」
紗夜「でも、それでも食い下がらなかったらどうするんですか?証拠がないとか言われますよ」
確かに紗夜言う通り雪ノ下達はオレの言う事は信じねぇだろうな。多分だが葉山の言う事を信じるはずだ。だが葉山は雪ノ下と由比ヶ浜を騙している。真実を知ったらアイツらどういう反応するのかね。
八幡「まぁ、そこん所は大丈夫だ。雪ノ下さんにもお願いしようと思っている」
紗夜「そうですか。なら大丈夫ですね」
リサ「でも私に出来ることはある?」
八幡「そうだな。……さっきは大丈夫と言ったが正直不安な気持ちもある。できることなら逃げたい。でもそれだと一生逃げ続けることになるし、何よりオレが悪いままなのは癪だからな。だからオレがアイツらと向き合えるように手伝って欲しい」
そういうと全員目を大きく見開き驚いたような顔になっていた。そして5人はお互いの顔を見て小さく笑う。
八幡「お、おい。なんで笑うんだよ。オレ変な事言ったか?」
紗夜「いいえ違います。確かに笑いましたが誤解です」
友希那「ええ、紗夜の言う通り誤解よ」
八幡「じゃあなんだよ」
オレは何故コイツらが笑っていたのか分からない。でもそれは誤解だと言う。だったら何故笑ったのだろうか?
リサ「それは八幡が私達を頼ってくれた事が嬉しかったからだよ」
八幡「え?」
オレが頼ったから?
八幡「それでか?」
紗夜「ええ、そうです。いつも1人で抱え込んでいる八幡さんが私達を頼ってくれたんです。それが何よりも嬉しいんですよ」
八幡「…そうか」
あこ「八幡さん、あこも嬉しいよ」
燐子「私も…です」
友希那「もちろん私もよ」
紗夜「だから八幡さんのお手伝いしますよ」
八幡「サンキュ」
ホントここにいて良かった。コイツらがオレの近くにいてくれて良かった。話して良かった。頼って良かった。心の底からそう思う。
そしてその後ライブに向けて練習に励んだ。
いかがでしたか?まだこれは続きます。ではまたお会いしましょう。