【急募】女の子から変化した武器の手入れの方法【戻して】   作:ぴんころ

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なんか掲示板形式やりてぇなぁ……
他にも色々と書きたいなぁ……
なんかやりたかったこと掲示板形式でやるか……

だいたいそんな感じの作品


1スレ

1:名無しの転生者

 この掲示板は他の転生者の力を借りられる場所だと聞きました

 集合知の力(数の暴力)を貸してください

 

2:名無しの転生者

 お、見た感じ新人かな?

 

3:名無しの転生者

 集合知の力で数の暴力は笑う

 

4:名無しの転生者

 こういうのは初めてか? 

 もう少し肩の力を抜いていくといい

 

5:名無しの転生者

 とりあえず何が起きたのかの説明クレメンス

 

6:名無しの転生者

 今北産業

 

7:名無しの転生者

>>6

 ・まだ

 ・何も

 ・わかってない

 

8:名無しの転生者

 ぴったり三行

 

9:名無しの転生者

 三行でまとめられてるの初めて見た

 

10:名無しの転生者

 とりあえずイッチがまとめるのを待とう

 あ、7みたいに産業でまとめなくていいからな

 

11:名無しの転生者

 産業でまとめる

 

12:名無しの転生者

 誤字をスルーする優しさを見せてやれ

 

13:名無しの転生者

 ・転生先は現代

 ・十六年生きてきたけれど起きたファンタジーは別の世界の存在が去年発覚した程度の世界

 ・なんかファンタジーに巻き込まれた

 

 どうすればいいんでしょうか?

 

14:名無しの転生者

 マジで三行でまとめてきやがった……

 

15:名無しの転生者

 こいつ……できる……っ!

 

16:名無しの転生者

 でも中身はスカスカで何が起きてるのかまるでわからんぞ

 ファンタジーに巻き込まれた以外に何もわからん

 どんなファンタジーが発生したんだ

 

17:名無しの転生者

 巻き込まれたファンタジーはあれでしょ

 スレタイにもなってる武器が女の子になったってあれ

 

18:名無しの転生者

 いえ、違います

 武器が女の子になったんじゃなくて女の子が武器になったんです

 

19:名無しの転生者

 どう違うってんだ

 

20:名無しの転生者

 ファンタジーな世界なら武器が女の子になるのは普通のことでは……?

 

21:名無しの転生者

 世界観そのものは現代っぽいけど、ファンタジーが出てきたんならまあありえないことではないか

 

22:名無しの転生者

 武器が人型になるんじゃなくて、人が武器になったんです

 父親も母親もいる赤子だった頃からの成長記録も残ってるらしい子が武器に

 

23:名無しの転生者

 は?

 

24:名無しの転生者

 What?

 

25:名無しの転生者

 え、何それは……剣が人間から生まれてきたりしたの……?

 

26:名無しの転生者

 うーん、こういう場合に一番頼りになりそうなのはソシャゲ枠に転生した連中だろうか……武器の擬人化だから頼りにはならないか?

 

27:名無しの転生者

 なるほどこれが噂のTS(トランス・ソード)ですか……

 

28:名無しの転生者

 ついでに言えば当人も武器になったのは意味不明らしくパニック状態になっていますね

 

29:名無しの転生者

 うーん武器が人の姿になるのは元からの機能だったりで話が済むけれど逆はなあ……

 

30:名無しの転生者

 俺は初めて聞くパターンだし力になれんわ

 

31:名無しの転生者

 これ、イッチは何を聞きたいんだ?

 

32:名無しの転生者

 何がしたいとは……?

 

33:名無しの転生者

 女の子が武器になったのはわかった

 スレタイを見る限りだと「女の子に戻したい」ってのもわかった

 でも「女の子を戻す手段を聞きたい」なのか「これからの行動の指針が欲しい」のか

 

34:名無しの転生者

 後者なら安価の時間かな? かな?

 

35:名無しの転生者

 そもそも今のままだと女の子が一体何なのかわからんのだが

 そっちの説明と可愛いなら写真もプリーズ

 

36:名無しの転生者

 ・学校からの帰り道に女の子に道を聞かれる

 ・道案内中に最近騒ぎになってる野犬に襲われて挟み撃ちにされる

 ・野犬がフォームチェンジして女の子になった

 ・道案内してた女の子が戦おうとすると武器になって手の中に収まってた

 ・なので親御さんのところに元の姿で返してあげたい

 

 って感じで掲示板に来ました

 一番は戻す手段がわかるパターンですけどどう行動するか決まるだけでも話は変わるかなって

 

 女の子は可愛いですよ

 きっと大人になれば男が放っておかないんじゃないですかね

 

【画像】

 

 

37:名無しの転生者

 武器じゃねーか!

 

38:名無しの転生者

 女の子の写真が見たいの!

 

39:名無しの転生者

 開く前のワクワクした気持ちを返せ!

 

40:名無しの転生者

 しょうがないじゃないですか!

 俺だって手助けしてもらう以上はできる限り情報をあげたいですけど出会ったばかりの女の子の写真なんて撮ってませんよ!

 この武器は女の子が変身した後の姿なので実質女の子です!

 ……ですよね?

 

41:名無しの転生者

 確かに女の子なのかもしれないが俺たちの求めていた写真ではない

 

42:名無しの転生者

 はーつっかえ

 

43:名無しの転生者

 結局どうしたらいいでしょうかね?

 

44:名無しの転生者

 こういう場合は少女のいるファンタジー側の知識人を探してみるのが吉ぞ

 

45:名無しの転生者

 でも常識外のことが起きてるんだからファンタジーの方の常識には囚われない人を探した方が良くないか?

 

46:名無しの転生者

 イッチも含めて俺たちは常識も何もわからないからな

 まずは何が常識なのかを理解する必要があるんだ

 その上で情報を集めて推測していく以外の道はない

 というわけでイッチは可愛いという女の子の情報を俺たちに与える義務があるんだ

 

47:名無しの転生者

 な、なるほど……

 じゃあもう一つたった今入ったばかりの情報が

 

48:名無しの転生者

 ほほう

 

49:名無しの転生者

 可愛い女の子のことならなんでもいいぞ

 利き腕とかお手手にぎにぎの感触とかおみ足に踏まれる感触とか

 

50:名無しの転生者

 >>49

 幾ら何でも気持ち悪い……

 

51:名無しの転生者

 この掲示板、武器になった女の子にも見えてるらしいです

 あとさっきのパニックも武器になったのと掲示板で半々だって言ってます

 

52:名無しの転生者

 あ、あはは……お邪魔してまーす

 

53:名無しの転生者

 ファッ!?

 

54:名無しの転生者

 なん……だと……

55:名無しの転生者

 あーもう状況がめちゃくちゃだよ

 

 

 

 

 

96:名無しの転生者

 くぁwせdrftgyふじこp

 

97:名無しの転生者

 なんだなんだどうした新人

 

98:名無しの転生者

 思考で書き込まれる掲示板でこの焦り方をしてるやつ初めて見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界は、一本の剣から始まったと言われている。

 

 時間も、空間も、生命も、無機物も、あらゆる全ての構成要素が詰まった剣。

 それが砕けたことが世界の始まりだった、と。誰が言い出したのかも、真偽もわからないまま、遥かな昔から伝わっている。

 本来なら一笑に付すべき戯言でしかない。けれど姿を変え、語る言葉を変え、伝承が残り続けているにはそれに値する理由があった。

 

 永遠神剣。

 

 それは契約した存在にマナと呼ばれる生命の源(エネルギー)を代価として力を与える意思を持つ超常の武器。

 剣の名を冠しながらも剣の形をしているとは限らない。与える力も十人十色。強力なものには共通して契約者から寿命を取り払う力さえある。

 彼らの共通事項は強弱の差はあれど意思を持つことと、かつての自分への回帰を望む本能のみ。

 世界の始まりたる”剣”の性質を色濃く受け継ぎ、他の永遠神剣を喰らうことでさらなる力を得る、あらゆる生命より上位に立つ存在。

 

 今、この場にも、彼らの戦いの痕跡があった。

 

「なんでっ! ドラゴンなんか飛んでんだよ!」

 

『多分、漏れてるマナが原因です!』

 

 そして、その痕跡に誘われるようにしてやってくるドラゴンの姿も。

 空から目撃すれば彼のいる場所が黄金の粒子に包まれていることははっきりと見えるだろう。そしてそれの発生源は今は地面に倒れ臥す先ほどまで野犬の姿だった少女たち。

 少女たちの肉体に刻まれた斬痕から立ち上る粒子(マナ)を餌とするのは、永遠神剣だけではなかったということだ。

 ならばこの領域から離れてしまえばいいと言われるかもしれないが、それをするにはもう遅い。

 

 見られている。

 

 偶然視界に入っている、そんなものではない。ドラゴンが思考を割くに値する敵として、その個体(しょうねん)に向けられているのは圧力すら宿した視線だ。

 大きさで言えば象と蟻ほどの差。上位存在に睨まれ、普段であれば恐怖に震えるはずなのだが、どちらかと言えばこんなところにいるなんて、という驚きの方が心を占めている。

 その理由は、手にした永遠神剣(ちから)の強大さ故か。あるいは他の何某かの理由があるのか。

 自分にもわからないまま、少年は迫るドラゴンに対して鞘に納められたままの剣を堂に入った構えで迎え撃つ。

 

「悪い。もう少しだけ力を貸してくれ」

 

『はい、もちろんです』

 

 鞘を一撫でして優しい声で頼めば、脳裏に響いたのは少女の声。

 同時に、ドラゴンの瞳に映る少年の肉体が、周囲を覆う黄金の霧よりもなお密度の濃いマナの塊と変貌する。

 

『あなたのことは、絶対に死なせません!』

 

 力強い宣言と共に、神剣(さや)から溢れ出すのは正面に迫るドラゴンすらも吞みこむ存在感。

 体内を循環するマナが永遠神剣を通り身体強化の礎となったところで、全力で一歩を踏み出し空のドラゴンへ向けて跳躍する。

 

 接敵したのは一秒にも満たない後のことだった。

 

 白い光を纏った空色の鞘と、紅蓮の龍頭。

 空中での激突に勝利したのは鞘。何の力も持たない人間をドラゴンにすら勝てる生命へと変える形であらゆる生命の上位存在としての貫禄を見せつけた鞘に流れ込むのは、自分で任せると言ったにもかかわらず、勝てるとは思ってなかったと驚きの感情。

 けれど体は止まらない。中空にマナで空気を固定して足場を生み出し、それを蹴って鞘で弾き飛ばしたドラゴンへ向けて加速する。

 

『舌、噛んじゃいますよ?』

 

「そういうのは先に言ってぇぇぇっ!」

 

 少しだけムッとしたような声で、遅すぎる忠告が少年の脳裏を過ぎ去った。

 声が後ろに置いていかれる中、吹き飛ぶドラゴンに追い縋りながら、白光を纏った鞘を振り抜く。

 振り抜いた軌跡の形にマナが凝縮され、光の刃として無数に飛ぶ。

 

 言動と肉体の動きがあっていない。

 戦いに慣れていない人間に扮装しているというわけではなく、慣れていない人間の体を他者が動かしていると言われた方が納得のいく様子。

 これも、永遠神剣の力。契約者の肉体を自らの自由に動かす強制力と呼ばれるものだった。

 

(っ……そうだ、掲示板を使えば!)

 

 声を出せば舌を噛むというのなら、声を出さない形で思考の伝達を行えばいい。

 そう思い至り掲示板をひらけば、今もまだ転生者以外に見られたということにお祭り騒ぎ。

 どう動けばいいのかの金言も、どんなことをされたいという妄言も等しく流れる板に書き込もうとしたところで、また少女の思念が流れ込む。

 

『その必要はないですよ。ちゃんと聞こえてます』

 

(は? え? 念話的な何か?)

 

『はい。契約してるってことなんでしょうね……やっぱり今のあたし、永遠神剣っぽくなってるみたいです』

 

(……とりあえず、そのことは生き残ってから考えようっ! 絶対どういうことなのか見つけるから!)

 

 だから死んでいられない。

 少しだけショックを受けたような声に覚悟を決め、今度は自分で体を動かす。

 先の光刃を生み出した感覚を頼りに同じことを行うが、生まれたのは脆弱な光。

 所詮は感覚。むしろここは感覚で生み出せたことを褒めるべきであろう。

 

 役に立たないことは変わりないのだが。

 

 先を飛翔する光刃に比べれば速度も威力もあまりにお粗末。

 翼を広げ空気抵抗で止まったドラゴンに襲いかかった第一刃は容易く翼を切り落とすが、次刃は肉体に触れた瞬間解けるように消え去った。

 

(ここはまだ市街地。もう一回吹き飛ばそうっ)

 

『はいっ』

 

 二度目の加速。今度は腕に光輝を纏わせ、腕よりも二回りは太い首を殴り飛ばす。

 見るからに硬そうな鱗に包まれた首を殴ったというのに痛みは全くない。むしろ殴られた鱗が凹んでいる。

 吹き飛んだドラゴンをさらに追いかけ、殴り飛ばしてを繰り返し、人気のない山中へと叩き落とした。

 

(このままとどめ!)

 

『最大の力を、最高の速度で叩き込みますっ』

 

(タイミングは!?)

 

『もちろん、最善の時を狙ってっ!』

 

(おっけーっ! 最善のタイミングも任せるよ!)

 

 夜の山に、一つの流星が顕現する。

 最大の力を、最高の速度で、最善のタイミングに。

 基本に忠実で、だからこそ完成させるのは難しい一撃。

 

『これで──』

 

 墜ちたドラゴンを追って地をめがけて駆ける少年は、これ以上ない最速。

 全力の身体強化は踏み込むだけで山にクレーターを作ることも容易いほどの力を生み出している。

 

「とどめだっ」

 

 そしてそれを、少女が示す最善のタイミングに叩き込む。

 

 土煙の中から姿を現したドラゴンはその口元にマナを用いて生成した火焔をブレスとして放とうと溜め込んでいるが、一撃分少年の方が早い。

 そして、その一撃で全ては終わる。光を纏った鞘を前にしては、竜の肉体は紙よりもなお軟い脆弱さしか有さない。

 すうっと一切の障害なく通り抜けた白の軌跡が竜の首を切り落とし、溜め込んだ火焔をマナに逆変換させ霧散させる。

 

「お疲れ……」

 

『はい、おにーさんの方こそお疲れ様です。とりあえず、まずは次が来る前にここから離れちゃいましょう』

 

「……ああ、そうだね。そういえばこのドラゴンも死骸を狙ってきたんだっけ」

 

 ゆるりと、先ほどの機敏な動きが嘘のようにゆったりとした歩みで繰り出す。

 ドラゴンの死骸が、首と胴体の別れた部分から黄金の霧を噴出しながら肉体を消滅させる最中のことだった。

 

「とりあえず、君のことを聞いてもいい? あの掲示板で相談するにしても情報が欲しいし」

 

『はい、もちろんですよ。あっ、あたしにもあの掲示板? のこと教えてくださいね』

 

「それこそもちろん。多分、しばらくの間は君も使うことになると思うし。あそこの人たちにも挨拶した方がいいだろうからね」

 

 これは一人で説明するよりも、掲示板の兄貴たちの力を借りた方がいいかも。

 そんな気持ちで掲示板を開き、少年は新しい書き込みを叩き込んだ。

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