【急募】女の子から変化した武器の手入れの方法【戻して】 作:ぴんころ
1:名無しのエターナル
さすがにそろそろこのスレタイも変えたほうがいいかなって気がしてきた
2:名無しの転生者
まあ、もう手入れの方法とか関係なくなってきたもんな……
3:名無しの転生者
キリよく学園祭まではこのタイトルでいいんじゃない?
4:名無しの転生者
あと一週間ほどだっけ
5:名無しの転生者
確か前スレの最後の方でそんなこと言ってたな
時折、掲示板の時間は一致してるのに世界ごとの時間の流れが違うせいで、イッチがいつの話してるのかわからなくなるのはこの掲示板の数少ない不満だな
6:名無しの転生者
学園祭の準備してるのに、イッチはこんなところでワイワイやってていいんか?
最後の学園祭なんだからもうちょいそっちに集中してもええんやで
7:名無しのエターナル
っても、スレッドを立てないわけにはいかないだろ
最低限それくらいはやっておかないと
8:名無しの転生者
ほほう、それはいい心意気だなイッチ
9:名無しの転生者
ところでイッチ、学園祭で何やるん?
わい、その時のスレッドリアルタイムで追ってなかったから何をやるのかだけちょうど知らんのや
10:名無しの転生者
あー、当時実況モードだったから何をやるのかだけは誰も書き込んでなかったな
11:名無しの転生者
イッチのクラスは男装女装喫茶だよ
12:名無しの転生者
男装女装喫茶!?
13:名無しの転生者
うわ、漫画でしか見ないようなものを現実にやるクラスあるんだな
14:名無しの転生者
いや、でも去年の学園祭の準備の話を聞くに六法全書が飛び交ってたらしいし……まだ普通なんじゃない?
15:名無しの転生者
なんで六法全書!?
16:名無しの転生者
六法全書が標準装備な時点でそのクラスは間違っている
17:名無しのエターナル
確か窓から花火飛ばそうとして法律上で問題ないかを確かめるため、とか聞いたな
18:名無しの転生者
えぇ……(困惑)
19:名無しの転生者
そんなことをするクラスが現実に存在するのか……
20:名無しの転生者
>>19
そんなこと言ったら、俺たちの使ってる掲示板もファンタジーの代物だからね
ちょっとおかしなことをする程度のクラスならまああってもおかしくはないでしょ
21:名無しの転生者
そうかな……そうかも?
22:名無しの転生者
そうだよ
23:名無しの転生者
でも正直、女装男装するならイッチの女装じゃなくてユーフォリアちゃんの男装見たかった
24:名無しの転生者
わかる
25:名無しの転生者
ユーフォリアちゃんなら男装しても絶対可愛い
26:名無しのユーフォリア
あはは……ありがとうございまーす
男装するときはおにーさんに見せることになってるので、またその時にですね
27:名無しの転生者
ぐぬぬ……ユーフォリアちゃんの初めてを見られるイッチが憎い……!
28:名無しの転生者
ユーフォリアちゃんの初めて、ってなんかえっちな言い方ですね
29:名無しの転生者
ここがユウトさんが見た瞬間抹殺にかかるスレですか
30:名無しの転生者
ちなみにイッチはどんな女装をする予定なの?
31:名無しのエターナル
俺?
俺はあれだよ
概念情報の変化で女性に変化して接客する予定
32:名無しの転生者
ファッ!?
33:名無しの転生者
お前、まだそんなことのために概念情報変化しようしてんのかよ!
34:名無しの転生者
いい加減概念情報の変化をしようとするの諦めろよ!
35:名無しの転生者
それを失敗したら最後の学園祭が台無しになるってことを自覚しろ!
36:名無しの転生者
イッチは最後の学園祭を記憶に残したいんじゃなかったんですか……?
37:名無しの転生者
別の意味で記憶に残ってしまうし、記憶から消したい学園祭になってしまうぞ
38:名無しのユーフォリア
そうですそうです!
皆さんももっと言ってやってください!
39:名無しの転生者
ユーフォリアちゃんからも援護射撃をもらったので今の俺たちは無敵だぞ
40:名無しの転生者
ユーフォリアちゃんから見捨てられたイッチのことを哀れんであげますね
41:名無しの転生者
は? ユーフィーが多少雑に扱っても問題ないと判断してくれたのは俺だけだからオンリーワンだぞ
それだけ仲良くなったって証だから問題はない
42:名無しの転生者
こいつ……無敵か?
43:名無しの転生者
とんでもないポジティブで草
44:名無しの転生者
イッチを殺すにはユーフォリアちゃんが見捨てるレベルじゃないとまずダメージを与えることすらできそうにない
45:名無しのユーフォリア
そんなことはしませんよ? おにーさんとはずっと一緒にいる予定なので
46:名無しの転生者
かーっ、ぺっ
47:名無しの転生者
なんか惚気られたような気がしないでもない
48:名無しの転生者
ユーフォリアちゃんも徐々にこっちに染まってきたような感が出てきましたね……
49:名無しの転生者
イッチは本当に永遠神剣ガチャでSSR引いたんじゃなかろうか?
50:名無しの転生者
人格はSSRだけど同時に持ってる厄ネタも世界初の異常事態なのでSSR級だよ
51:名無しのエターナル
は? ユーフィーを厄ネタと言ったのか>>50は?
許さんぞ、法廷で会おう!
52:名無しの転生者
その法廷、裁判官も裁判長もイッチが兼任してそうなんですが
53:名無しの転生者
じゃけん、厄ネタから解放してあげるためにもイッチはエターナルとして強くなりましょうね〜
54:名無しの転生者
イッチが強くなって全部ぶっ飛ばせるようになれば厄ネタとしても機能しないはずだぞ
55:名無しの転生者
あくまで「何かあっても殴り飛ばせる」だけだから根本的な解決になるのかと言われると困るけど
56:名無しの転生者
とりあえず、イッチの肉体改造計画を始めようぜー!
永遠神剣と契約しても、それは別に常の身体能力が強化されるということではない。
あくまで人外の身体能力を引き出せるのは永遠神剣の力を引き出しているときのみ。
そして何よりも、変化するのはわかりやすい身体能力だけだ。
脚力は上がり、地面を砕きながら走ることだってできるだろう。
腕力は上がり、果物も人体も鉄塊だって、何ら区別なく粉砕することだってできるだろう。
だが、精神力が上がるわけでもなく、そして持久力だって上がらない。
永遠神剣の強化はマナによる強化であって、元の身体能力にマナによる能力値を追加するようなものなのだ。
精神という形のないものに強化は施せないし、持久力なんて上げようものなら強化を解除した瞬間に流れる血流に耐えきれずに肉体が破裂することになってもおかしくはない。
なので、元の身体を鍛えようというのは、決して無駄ではないのだ。
「じゃ、行こうかユーフィー」
『はーい』
ということで逢夢はユーフォリアと契約してからの一ヶ月ほど、スレッド民に指摘されてからは持久力を上げるための日課としてランニングを行なっていた。
「こういうの、俺もできるといいんだけど」
『マナ操作の訓練にもなりますからね。でも、見られたら困るんですし、もうしばらくの間はあたしがやっておきますよ』
「うん、お願い」
時刻は午前五時。学校に向かうならば七時半を目処にしておきたい彼は、ちょっとの余裕を持つためにもこの時間から走り込みを始める。
運動を行うのだからもちろん姿は高校体育用のジャージ。ただ、少し違う点といえばベルトの存在と、そこに差した鞘だろうか。
無論、人に見られてしまえば通報されて一貫の終わりだろうが、それはそれ。ユーフォリアがマナを用いて生み出した光が周囲の風景に同化させている。
「あら」
「あ、どうも。おはようございます」
「ええ、おはよう」
鍵を開けて玄関を出た瞬間、届いた声の方を振り向けば、そこにいたのは名前も知らないお隣さん。
ぺこりと頭を下げると相手も嫋やかな笑みを浮かべている。
「……?」
一瞬、お隣さんの視線が鞘の元に止まったような。そんな疑問が浮かんだが、実際に口にすることはない。
会話が止まってしまった。ご飯を分けてもらったり、向こうから気にかけてもらっていると自覚している逢夢だが、その理由に踏み込めるほどの仲なのかと言われると首をかしげる。
何を聞いていいのか、何を聞いてはダメなのか、それを判別できるほど会話をしたことはないのだ。
「こんな時間からランニング?」
「この時間じゃないとランニングできるほどの時間的余裕がないんですよ。ここからだと学校は遠いですし、今は学園祭の準備期間なので帰りも遅くなるから」
「ああ、学園祭。もうそんな時期なのね。いつなのかしら?」
「えっと、来週ですね。来週の金、土曜日の二日間。……お隣さんも来るんですか?」
「ええ、面白そうなんだもの。ああいう雰囲気で食べるご飯は美味しいものよ」
「それはわかります」
だから手探りでの会話だったが、思いの外学園祭という話題は話を弾ませてくれている。
日常の中でのちょっとした非日常は話の題材としては十分すぎる内容だった。
『おにーさん、そろそろ行かないと』
(っと、もうそんな時間だったのか)
そんな話を遮ったのはユーフォリアの忠告。彼女が口にするまで、時間のことを完璧に忘れていた。
じゃあそろそろ、と断りを入れて少年は元の目的のために走り出す。
「ええ、頑張ってらっしゃい」
「はい、ありがとうございます!」
見送られ、数十秒もすれば背後からお隣さんの気配は消える。
呼吸のリズムは整った状態。一ヶ月という短い期間で最低限は仕上がった逢夢は、並行してマナの操作にも手を出す。
今はまだ拙いもので高位の神剣を手にしながらミニオンと同程度の出力にしかならないが、だからこそ極限状態ではない今、平時から鍛えておいて損はない。
彼がエターナルとしての戦いに身を置くまでの残り期間は一週間。できることはやっておいたほうがいいという点で二人の意見は一致している。
『……あの人?』
(どうかしたの、ユーフィー?)
『いえ、ちょっとどこかで見覚えがあるような……』
(まあ、ユーフィーと契約してからも何回か会ってるから……って、そういうことじゃないよね?)
『はい。前に来た時に会ったのかなぁ?』
(あー、そういえば掲示板の人たちも似てる人がルプトナさんのいた世界で見かけたって言ってたね。もしかしたら、また別の世界で見たのかも)
『……うーん、ちょっと気をつけた方がいいかもしれません』
(学園祭に来てくれるって言ってたから、特に何もないといいんだけど)
体から立ち上った不可視のマナが会話の最中も姿を変幻自在に変えていく。
動き回りながらの制御訓練をユーフォリアの援護なしで行うのは、この時間程度しかない。
『おにーさん! 家を通り過ぎちゃいますよー!』
「え、うわ、本当だ。もう終わったのか……」
集中しながら走っていると、気づかぬ間に家を通り過ぎてしまいそうになり、ユーフォリアの言葉でそれに気がついた。
時間にして四十五分ほど。予定よりもかなり早く終わってしまったようだ。
『一ヶ月も走っていれば、まあ同じコースだと早く終わるようにもなりますよ』
「まあ、そりゃそうだけど。さすがにここまで早くなるとは思わなかったかな。……一応聞くけど、俺間違えて自分の強化とかしてなかったよね?」
『さすがにそんなズルしてたらあたしが言います!』
「だよねー。でも、そうなるとどうしようか。もう少し走る?」
二人に提示されている選択肢は二つ。
もう少し走るか、あるいは家に帰ってマナの操作か。
どちらの方がいいか、なんて少年にはわからない。
『うーん、今日はマナの操作にしません?』
「別にいいけど、なんでまた」
『そっちならお話もできるじゃないですか』
「なるほど、それは重要だ」
なので、ユーフォリアの発言に任せた。
実際、家の中でならいくらでも話ができるが、走っている最中だと声を出せない。
念話による会話はできるが、さすがにマナ操作とランニングと念話を同時に行うにはまだ未熟。
どれか一つをユーフォリアが維持してくれるなら話は別だが、それだと彼の訓練にはならない。
「とりあえず、エターナルとしてのあれこれも教えてね、先輩」
『……! はいっ! 任せてください!』
ダイレクトに伝わるユーフォリアの歓喜ににこにこしながら、逢夢は玄関に入っていった。
「ええ、雰囲気はとても大事よ。ご飯の美味しさは場所や一緒に食べる人でも決まるものね?」
それを見られているなんて全く思わずに。