【急募】女の子から変化した武器の手入れの方法【戻して】 作:ぴんころ
気になる方は原作かPSP版やってね(なお今の時代のPCだと仮想環境入れないとできない模様)
あ、ちなみに最終話まで予約投稿完了しました。
「ここは……?」
逢夢が意識を取り戻した時、最初に視界に捉えたのは謎の空間だった。
上下左右が真っ白でどこが地面なのかも見た目にはわからない。その割には平衡感覚はしっかりとしていて、はっきりとここが地面だと宣言できる。
夢か、幻覚か。どちらにせよ、ここが地球でないこと以外はわからない。
「おっと」
一歩を踏み出そうとして、
呼び出そうと意識を集中させて、何の反応もなくただ時間だけが無為に過ぎていった。
「ってことはこれは夢なのかな?」
幻覚ならば、いるのは現実だ。あくまで現実の上に被せてあるだけの幻覚ならば、別に世界から切り離されたわけでもなく、ユーフォリアの存在を感じ取れないなんてことはないはず。
で、あるならばここはおそらく夢の中。それも、ユーフォリアとの接触が絶たれている以上は彼女でも触れることができない程度には深層なのだろう。そう判断して少しばかりの心細さを抱きながら逢夢は歩き出す。
「で、どこに行けばいいのかな」
今は、正しく独り言。
普段であれば反応してくれるユーフォリアもこの場にはいない。
前に進めばいいのか、それとも左右。あるいは後方に向かって歩くのか。
正解も、正解を導き出すための方程式も、判断するための基準が真っ新なこの空間には存在していないが故に、彼の歩みは非常に緩慢だった。
「……ああ、夢じゃなくて敵の罠にはまった可能性もありえるのか」
その最中、思い出したのはイャガの顔。
彼らを食べると称したあの女に敗北したというのなら、彼女の胃の中という可能性もあるだろう。
思考が見出した可能性が、彼の足に速度を与えてくれる。
胃の中だというのなら、そこには胃酸があるはずだ。体内に取り込まれた食物がいつ溶かされてもおかしくはない。
「……っ」
そんな未来を想起して、歯軋りした彼の徒歩が焦りから疾走に変ずる。
永遠神剣の力がない状況での走りは戦闘時に比べれば赤子と同じようなもの。
走っても走っても前に進んでいるような感覚はなく、ただいたずらに体力を消耗している気分にすらなってくる。
それがきついのは、肉体的な消耗よりも精神的な部分。体力が保とうと心が保たない。
心の奥底に澱みとなって積もった早く変化が見つかって欲しいという半ば懇願じみた願い。
それが言葉となって口から発せられそうになった、そんな瞬間のことだった。
「こんにちは」
この空間に入ってから初めての他者の存在。
その姿は、彼もよく知るもの。
「ユー……いや、違う。誰だお前」
一瞬、間違えそうになったがすぐに違うと断じる。
他者を見つけたことへの喜びと安堵はすぐに消え、代わりに燃料を投与され燃え上がるのは怒りの炎。
ミニオンの単色とは似て非なる、青と白の混じった空色に近い髪を揺らしながら、小学生、あるいは中学生ほどの体格の少女がそれを受けて微笑む。
それはあまりにも異質だったが、けれど妖精のような容貌の彼女が微笑むのは非常に絵になる光景。
「ユーフィーの姿を真似るとか、ふざけたことをしやがって」
出現を隠すことができる障害物など何もない空間に、突如として現れた少女。
どうあがいても普通ではない彼女に向けて、けれど武器も何もないままに殺意にも近しい激情を向ける。
ふざけた理由だったら殺してやる、と全身にて語りながら、その一挙手一投足から目を離さない。
「少しは落ち着いてください」
「お前がユーフィーの姿を取るのやめたら考えてやるよ」
「それができるんだったら私だってやっています」
「あ? どういう意味だよ」
発露されている敵意が揺れる。
問いかけに、まだ気がつかないんですかと呆れた様子。幾度となく聞いたユーフォリアの呆れた声も、きっと形があったならばこのような表情で発せられたのだろう。
そう思うと、彼女の姿を騙っているその存在への敵意がユーフォリアはそんなこともできないのに、という八つ当たりじみたものへと変わっていき。
「では、ユーフォリアの代わりに改めて名乗りましょうか」
「ユーフィーの、代わりに……? まさか」
その言葉に何かを察し、敵意が一瞬完全に喪失する。
彼の頭に浮かんだ仮説を読み取ったのか、もう一度微笑み、その女は名乗った。
「私は、永遠神剣。永遠神剣”鞘”『調律』。それが、あなたが契約した、『悠久のユーフォリア』というエターナルが永遠神剣になった存在の真の名です」
永遠神剣の区別の仕方というのは一種類だけではない。
神剣使いであれば誰もが知る永遠神剣の位階。出力とその力の規模。それ以外の区分は、あまり知られていないだけで当然存在する。
その区分の名前は”系統”。位階が十の分け方であるならば、系統は三種類。
マナに属する『天位』と呼ばれる神剣と、それが生み出した十位から一位までの無数の神剣。
マナの天敵たるナルによって構成される『地位』と呼ばれる神剣と、それが生み出した十の位階に分けられる無数の神剣。
そして、その二つのバランスをとる”鞘”と呼ばれる永遠神剣。
天位、地位、鞘。一位よりも上位に立つ三種の永遠神剣の総称をコズミックバランサーと呼ぶ。
「それがあんただと?」
「はい。そして、私の転生体が
あなたが掴んじゃったせいで台無しです、と苦笑する少女……いや『調律』。
ユーフォリアがあの姿になった理由はわかった。彼女がもとより永遠神剣であり、いずれは目覚めるはずの存在だったから。もとよりそう目覚める可能性があったというだけのこと。
あるいは、ユーフォリアが己が内に眠る鞘の力を引き出すという形だったのかもしれないが、少なくとも彼女に付随する力だということには間違いはない。
けれど同時に、『調律』の発言からするならば、鞘『調律』という武器に変わったのは彼女ではなく彼にあるようだ。
「私の意識と力が目覚めるほどの回復をしていなかったから、あたしが自分のマナを無意識に使って鞘の形に変わった」
「その変化を起こしたのが、俺があの子の手を引っ張って逃げようとしたこと」
「はい」
あの時、ユーフォリアと初めて出会った日。
まだ彼女がミニオンを倒せるなんてことを知らなかった彼は、彼女の手を引きミニオンから逃げようとして。
その瞬間に、ユーフォリアは永遠神剣に変わった。
「でもなんでまた」
「当然のことですよ。あなたの中身は違うかもしれませんが、肉体は私の契約者の転生体なんですから。ついつい嬉しくなって契約しちゃってもおかしくありません」
「……おい、それ、あんたのミスってだけなんじゃ」
ジト目で見れば、すいっと顔をそらす『調律』。そこに威厳はなく、まるでただの少女を相手にしているようだ。
超常の存在とは思い難く、敵意がどんどん消えていく。
「いや、でもしょうがないじゃないですか。人体を構成するマナなんて無数の配列方法があるんですよ。それなのに、その配列が私の元契約者と全く同じなんですから、ついつい勘違いしてもおかしくないです」
「まあ、それのおかげで助かってるから文句を言うつもりはないけどさ。……契約してなかったら、知らないうちにイャガに食われてたかもしれないし。あんたがこのタイミングで出てきたのも、その辺りに理由があるのか?」
彼女が何者なのかは教えてもらった。ここがどこなのか……はまだわからなくても契約している相手と真正面から向かい合えるのだから大体の想像はつく。
けれど、なぜこのタイミングで彼を呼んだのかはまだ教えてもらってない。
「ええ、そうです。まだあなたは食べられてませんから。ここから一発逆転、やっちゃいましょう」
そう言って、その女はくすりと笑った。
200:名無しのエターナル
あー、くっそ。ようやく目が覚めたわ
スレ立ててくれたのユーフィー? ありがとね
201:名無しの転生者
イッチのご帰還だ!
ユーフォリアちゃんへの感謝は現実で言おうな!
202:名無しの転生者
イッチ、気絶してから一ヶ月くらい経つんだっけ?
203:名無しの転生者
実はなイッチ、もう五つ目のスレは終わってたりするんや
204:名無しの転生者
イッチの帰還が久しぶりすぎてスレそのものが歓喜に沸いてるような気すらしてくるや
205:名無しの転生者
ついでにこの後イッチの激怒でスレが熱くなるぞ
206:名無しの転生者
この一ヶ月、イッチの心配とユーフォリアちゃんへのセクハラしかなかったもんな……
207:名無しのエターナル
ぶっ殺すわ
今の俺はユーフォリアに対する穏やかな愛情とイャガに対する激しい怒りで目覚めたハイ・エターナルだぞ
これまでに比べて非常に強くなった自覚がある
208:名無しの転生者
イッチ、そんなに強くなったんか
209:名無しの転生者
こりゃイャガもけちょんけちょんだな
210:すこすこ侍
うぎゃああああああっ!?
211:名無しの転生者
す、すこすこ侍ーっ!
212:名無しの転生者
一体何があった侍!
213:名無しのエターナル
イャガをけちょんけちょんにできる証明として、まずはユーフィー相手にセクハラしようとしてた侍からボッコボコにした
今まではユーフィーの中の永遠神剣が勝手にやってたけど、俺もできるようになったぞ!
214:名無しのユーフォリア
え、なんですそれ……ゆーくんそんなことしてたんですか? もうっ
215:名無しの転生者
三位の永遠神剣でも世界観全く違う世界にまで影響を及ぼせるのか……
216:名無しの転生者
世界移動って、永遠神剣のルールが存在する世界の間だけかと思ってたけど違ったんだな
217:名無しの転生者
でもイッチはそんな力に目覚めようと学園祭にはもう参加できないんだよなぁ……
218:名無しの転生者
イッチが眠ってる間に終わっちゃったもんな
219:名無しの転生者
イャガの方もなんかスーパーパワーアップしたらしいぞ
220:名無しの転生者
なんだっけ? マナを一方的にボコれるナルとか言うのを吸収して取り込んだとか言ってたね
221:名無しの転生者
そのレベルの相手にいくら時深さんたちが手を貸してるとは言ってもただの神剣使いが勝負の均衡を保たせてるってかなりやばいよね
222:名無しの転生者
と言うかエターナルのくせにイッチが貧弱すぎる
223:名無しのエターナル
まあ、今まではね
224:名無しの転生者
なんかイッチが余裕すぎて不気味なんだけど
イッチはもっとこう……雑魚と同じ目線の高さで争ってて?
225:名無しの転生者
ハイ・エターナルとか言う謎の存在になったって言ってるけど、イッチただ一ヶ月寝てただけじゃん?
226:名無しの転生者
むしろ体鈍ってるのではないか?
227:名無しの転生者
時深さんに手取り足取り鍛え直してもらおう
228:名無しの転生者
テンションだけがハイになったエターナルかな?
229:名無しのエターナル
ハイ・エターナルになってできるようになったこと?
まあ、ユーフィーを人型に戻せるようになりましたね
230:名無しの転生者
イッチ! めっちゃ重要じゃんそれ!
231:名無しの転生者
イッチの目的達成! 勝った! 第三部完!
232:名無しの転生者
むしろ第一と第二はどこだよ
233:名無しの転生者
でも、イッチいくらなんでも急激に強くなりすぎじゃない?
234:名無しのエターナル
いやあ、ちょっと眠り姫と会ってきてな
235:名無しの転生者
わけわからん
236:名無しの転生者
むしろ今回の眠り姫枠はイッチで王子様枠がユーフォリアちゃんだろ
237:名無しの転生者
別に王子様のキスで目覚めたわけでもないけど
238:名無しのユーフォリア
むぅ……女の人と会ってたんですか? あんなに皆に心配かけてたのに……
239:名無しの転生者
ほら、イッチ
ユーフォリアちゃんが激おこだぞ
240:名無しの転生者
まあそりゃ目の前で浮気宣言されればね
241:名無しの転生者
自分がどれだけ教えても強くなれなかったのに、ちょっと寝てる間に別の女に育てられていたイッチを見たらそりゃ怒るわ
242:名無しのエターナル
寝てる間もユーフィーといちゃいちゃしてただけなんだよなぁ……
243:名無しの転生者
草
244:名無しの転生者
ついにイッチもいちゃつく側に回ってしまったか……
245:名無しの転生者
それは夢の中で好き放題されてたユーフォリアちゃんが怒るだけなのでは……?
246:名無しの転生者
夢の中でも自分が出てくる +1ポイント
夢の中の自分といちゃつく −100000ポイント
247:名無しの転生者
ポイント下がりすぎぃ!
248:名無しの転生者
でもユーフォリアちゃんめっちゃ心配してたしね
そりゃこんなことを堂々と言われたらキレるわ
249:名無しの転生者
イッチが目覚めるまで、だいたい10レスに一回は心配の発言でてきたからなぁ……
250:名無しのエターナル
心配かけてごめんね、ユーフィー
もうこんなことにならないようにするよ
251:名無しのユーフォリア
うぅ……約束、ですよ?
252:名無しの転生者
いちゃつくな
253:名無しの転生者
イチャつきは俺たちの見えないところでだけやってくれ頼むから
254:名無しの転生者
あ、そうだイッチ
時深さんが目覚めたらくるように言ってたってこの間ユーフォリアちゃんが言ってたぞ
255:名無しのエターナル
あいあいー
じゃ、また後でー
256:名無しの転生者
おつおつー
257:名無しの転生者
おつおつー
258:名無しの転生者
おつ
259:名無しの転生者
……イッチ、なんか変わったような?