東方安楽記   作:ムマ・N

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永遠の紅

紅鷹は私の完全なる従者。

紅鷹は私のもの。

紅鷹は私を愛して、本当に紅鷹は私の愛してる?

この魔法の宝石を私のために作った紅鷹。

でもそれはただの感謝の気持ち?

わからない。

私が、夜の王がここまで悩まさせられるなんて。

でもダメ。

紅鷹が成長するまで待てると思ったけど、私はもう耐えられない。

紅鷹……紅鷹……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……」

 

私は悪夢の中に目を覚ました。

悪夢の内容は最悪な気持ちながら覚えてる。

く、この私があんな……私はこんなに弱い奴だったか?

 

「……くそ」

 

私は、立ち上がり窓に目を向けた。

夜空に浮かぶ月。

どうやら私の夜らしい。

 

「咲夜」

 

「はいお嬢様」

 

「身支度を整えて。 少し、いや大切な用事があるわ」

 

「……? かしこまりました」

 

私の態度に咲夜は少しだけ疑問を持ったみたいだけど、関係ない。

咲夜は完璧な従者。

私の命令を完璧にこなしてくれる。

今夜が勝負。

私はやるしかない。

必ずあいつを、私のものに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……今日はレミリア様にお会い出来なかったなぁ」

 

月の浮かぶ闇夜、結局僕は咲夜さんに押し切られ、起きるのが遅いレミリア様を待たずに自室に帰らされてしまった。

なんでも咲夜さん曰く、僕が眠そうだと咲夜さんがレミリア様に怒られるらしい。

咲夜さんにはお世話になってるし、出来れば迷惑かけたくないけど……一日一回は会いたかったなぁ。

 

「……はぁ」

 

僕はレミリア様の望むような従者になれてるだろうか?

いやまだ足りない。

でも急がないと。

人間の僕には寿命があるんだ。

時を操れる咲夜さんや、魔女であるパチュリー様。

妖怪である美鈴さんに吸血鬼のレミリア様。

みんな長い寿命を持ってる。

僕だけが死ぬ。

でも死ぬ前に……レミリア様の望む存在に……。

 

「紅鷹」

 

「……え? レミリア様?」

 

なんでだろう?

レミリア様がなんで僕の部屋の窓の所に。

それもそんな悲しいお顔をなされて。

 

「紅鷹……起きてたみたいね」

 

「……はい、レミリア様。 すみません主の起床に立ち会わず」

 

「そんなの別に良い……」

 

レミリア様?

僕に迫ってくる、レミリア様。

そのお顔はとても苦しそうだ。

僕は何をしたら良いんだ?

そしてレミリア様は僕の顔の目の前まで来ていた。

 

「紅鷹……あなたは私のもの。 だから受け入れなさい」

 

「!?」

 

レミリア様!?

なんでレミリア様は僕の首を……噛んで……。

あぁそっか……これは吸血鬼であるレミリア様が眷属を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……紅鷹」

 

私はきっと最低なことをしただろう。

紅鷹は私が何をしても抵抗しない。

それがわかってて私はこんな真似をしたんだから。

一瞬驚いた顔をしていたけど、紅鷹の顔は何故か穏やかだった。

なんで?

あなたは血を吸われたのよ?

 

「……レミリア様」

 

「紅鷹!?」

 

紅鷹の意識はすぐに戻ったらしく、急に私を抱きしめてきた。

その力は強く……でも、とても安心出来るものだ。

 

「ありがとうございます、レミリア様」

 

「あり……がとう?」

 

私は紅鷹の言葉がしばらく理解できなかった。

私は無理矢理紅鷹を眷属にしたのに……ありがとう?

 

「なんで……」

 

「僕は嬉しいんです。 愛するレミリア様の眷属になれて」

 

「あ……」

 

紅鷹のその言葉で、私の力はフッと抜けていった。

そっか……始めから何も心配する必要なんてなかったたんだ……。

紅鷹は始めから私を愛してた……そんなわかりきったことを疑う必要なんて……なかった。

 

「……ごめん……なさい紅鷹」

 

急に自分が恥ずかしくなった私は、恥も何もかも捨てて紅鷹に謝った。

ちゃんと私を愛してくれていた紅鷹に。

 

「……謝る必要なんてありませんよレミリア様。 それに……泣かないでください。 僕が悲しくなりますよ」

 

ぎゅっと私が落ち着くように紅鷹は私を抱きしめてくれる。

それがなんだか凄く嬉しくて……始めて私は他人の胸の中で涙を流して泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅鷹……良い? あなたは私のもの。 それは間違いない」

 

「はい、レミリア様」

 

泣き止んだレミリア様はまだ残る涙を拭きながらそんなことを言ってきた。

どうやら僕の体は凄く吸血鬼に馴染むみたいで、レミリア様に噛まれた傷は早くも再生を始めていた。

しかし吸血鬼になってもあんまり感覚は変わらないんだなぁ。

 

「でも同時に、私は紅鷹のもの。 私を愛する限り、私をものに出来るのよ」

 

「そんな、僕がレミリア様をものにするなんて」

 

「……あなただけなんだから。 私を泣かせたあなたが、私を唯一ものに出来る」

 

そう言ってレミリア様はもう一度僕に抱きついてきた。

僕は少し驚いていたけど、笑って抱きしめ返してあげた。

 

「……紅鷹。 私の眷属になったんだから……私に頼るだけではなく頼らせなさい」

 

「はい、レミリア様」

 

「私を愛して。 一番、ずっと、思いっきり」

 

どこか言い聞かせるようなレミリア様の言葉。

でもその全てが僕にとって嬉しくて、思わずこう口にしていた。

 

「もちろんです。ずっとあなたを愛しますよ……レミリア……」

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