今日のレミリア様は何かおかしい。
そもそも急に夜の散歩に誘われたわけだし。
更にこれだ。
「……紅鷹」
「はい、なんでしょうか?」
「な、何でもない」
「……分かりました」
何かを言おうとして、結局止める。
これが紅魔館を離れてからもう7回繰り返されていた。
ちなみにさっきのは8回目。
何を言いたいのか分からないのでは対応のしようもないし、何も出来ない。
従者は主人が言いたくなるまでは待たなければならないのだ。
「紅鷹……その……お前は、私が好きなのよね?」
更に3回同じやり取りがあった後、小さな丘の上でレミリア様の言葉が変わった。
だがそんなこと聞かれるまでもない。
「勿論ですレミリア様。主人としても、一人の女性としても愛しております」
「……紅鷹。その……今だけは呼び捨てにして……良い」
「呼び捨て、ですか」
「めっ命令……だ。 呼び捨てに……しろ」
妙に必死なレミリア様。
……命令とまで言われたら断るわけにはいかないな。
「レミリア。 これでよろしいですか?」
「…………」
レミリアは顔を少し赤くして無言で頷く。
というかレミリアが動かないからここで散歩は終わりということなのだろうか?
「えっと……」
「紅鷹……私は女としての魅力には欠けるかも知れない」
え?
僕が話そうとするとレミリアは不思議なことを言ってきた。
あのプライドの高いレミリアが、こんなことを言うなんて。
「知識もないし……まだまだ子供だ……でも……」
「…………」
「お前を……好きだと思ってる気持ちはある」
レミリアは少し泣きそうな目で必死に話してる。
きっと恥ずかしくて仕方ないんだろうけど……僕はその必死のレミリアに何も言えなかった。
「だから!……お前が嫌じゃなければ……キッキキキ……」
「……分かりましたレミリア。もう伝わりましたよ」
……つまりはそういうことか。
確かに普通お互いの気持ちが分かれば、一度くらいはしてても良いものだった。
でもどこか僕は嫌われるのが嫌で控えてたのかもしれないな。
それが逆にレミリアを不安にさせてたのに。
「紅鷹……?」
近寄った僕を不安そうな瞳のレミリアが見上げる。
大丈夫、そんなに怖がらなくて良いですよ。
「……失礼します」
そして僕はそっとレミリアのことを抱き締め、上からその可憐な唇に自らの口を合わせた。
「ん!……ん……」
一瞬驚愕の表情になったレミリアだったが、すぐに驚きはなくなり目を閉じた。
そしてしばらく時が止まり、僕は口を離した。
「あ……」
「愛してます、レミリア」
「……わた……しも……」
顔を真っ赤にして、トロンとした表情ながらもレミリアは僕の言葉に答えてくれる。
そんなレミリアを苛めてみたくて、僕はもう一度レミリアにキスをした。
「んぅ!?」
驚きに目を広げるレミリア。
そんなレミリアをもっと苛めたくなり、その唇を唇で挟む。
「ふぁ……や……」
一瞬抵抗しそうになるレミリアだが、力が入らないのか少し身動ぎしただけだった。
無論そんなことで逃げられるわけもなく、僕はレミリアの唇の味を楽しんでいた。
「はぁ……あぁ」
レミリアの吐息が色っぽくなり、僕はたまらなくなってその舌に舌を絡めた。
レミリアの唾液を舐めとるように舌を動かし、レミリアを思うがままにする。
「んん!!……ぁぁ……」
さて僕自身はまだ満足はしてないが、もう足に力が入ってなく、僕に支えられているレミリアを開放してあげようか。
もう息も絶え絶えだし、凄く可愛いしね。
「……バカ」
力が入らないのか、僕に寄りかかったままレミリアは呟く。
その頬も耳も真っ赤で、レミリアが恥ずかしがってるのが良くわかった。
「……すみません。レミリアが可愛すぎるんです」
「……バカ」
僕の言い方にもう一度レミリアは呟くとギュッと僕に抱きついた。
月の浮かぶ闇夜、僕とレミリアはただ抱き合い、幸せを感じていた。
おまけ(後日談)
「レミリア様」
「ん? どうかしたの紅鷹……ん!?」
僕は振り返ったレミリア様の口を奪っていた。
レミリア様は驚き離れようとするが、僕が抱きしめると逃げられなくなった。
無論僕の力ではそんなこと普通不可能なんだけど。
「んん!……んんぁ……」
僕がキスをして苛めてあげるとレミリア様は力が完全に抜けてしまうのだ。
そしてそこから僕にされるがまま。
誰かが来たら別かもしれないけど、二人きりならば全く抵抗出来ないからな。
「バ……バカ! こんな所で……しかもいきなり」
「いきなりでも良いじゃないですか。 可愛いですよレミリア」
「あ……っぅ……」
呼び捨てとキスの魔力でレミリア様は翻弄。
ちょっと変な愛の形かもしれないけど、僕もレミリア様も幸せそうだから……きっと良いんだろうな。