The Rising Of The Primis -プリミス達の成り上がり-   作:トモヤムクン9

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ほぼ一年間更新できずすみません!


追記:また近接武器の記述をしていなかったため追加しました。


Round 2: Summons another world

「なんてことだ!勇者が8人も召喚されたぞ!?」

「こんな事例聞いたことがない。一体どうすればいいのだ」

 

(……ん?なんだ、誰の声だ?)

謎の本から出てきた光に包まれて気を失っていた俺『タンク・デンプシー』は意識を取り戻し、床に突っ伏している身体を起こし周りを見渡した。

 

辺りを見てみると、俺が立っている床付近には謎の紋様が光りながら浮かんでいて、石でできた壁とローブを着た集団に周りを囲まれていることが分かった。

 

他には、紋様が描かれた床周辺に同じくの謎の光に巻き込まれたニコライ、武雄、リヒトーフェンが床に突っ伏していることが確認でき、その奥にも4人誰かいることが確認できる

 

(どこだここ、俺達さっきまで図書館にいたはずだよな。この聖職者みたいな奴らは何なんだ?)

 

(それに俺たちの服装がどういうわけか旅をしていた時の軍服に戻ってやがる…ってことは…やはり武器もいつもの(M1911)になってるな)

 

そう思い警戒しながら俺はまた辺りを見渡すと、どうやらリヒトーフェン達が目を覚ましたみたいだ。

 

「はあ…ここは何処なんじゃ?」

 

「先ほどいた部屋とは異なる場所…まさか我らは何処かへ転送されたというのか」

 

「ウーン…っハ!?ここはどこ?俺は誰?じゃねえマジでどこなんだよ!?」

 

「落ち着けニコライ。おいそこのローブ野郎、お前らは誰なんだ」

 

各々が発言するがこのままじゃ埒があかないので俺は近くにいたローブ男に声をかけた。

 

「勇者様方、どうかこの世界をお救いください!」

 

『『・・・は?』』

 

「…なんだって?勇者?」

 

「それはどういう意味ですか?」

 

発言した言葉に俺たちが戸惑っていると弓を持った男が質問した。

 

「色々と込み入った事情がありますが、ご理解していただける言い方ですと、勇者様達を古の儀式で召喚させていただきました。この世界は今、存亡の危機に立たされているのです。勇者様方、どうかお力をお貸しください」

 

 ローブ男達が深々と俺達に頭を下げる。

 

「いきなり助けてって言われてもな…」

 

「まあ話だけなら…」

 

「嫌だな」

 

「そうですね」

 

「元の世界に帰れるんだよな? 話はそれからだ」

 

 盾を持った男が話を聞こうと喋っている最中、遮るように剣・弓・槍の男がが口を挟んだ。

 

 こんなよくわからん連中に囲まれているのに随分と余裕そうだな、肝が据わっているのかただ馬鹿なだけなのか。

 

 話だけでも聞けよ…まあ結果は変わらんだろうが、変に口を出さない方がいいな。

 

「人の同意なしでいきなり呼んだ事に対する罪悪感をお前らは持ってんのか?」

 

 剣を持った男、一見高校生くらいの奴がローブを着た連中に剣を向ける。

 

「仮に、世界が平和になったらポイっと元の世界に戻されてはタダ働きですしね」

 

「確かに、あり得なくない話だな」

 

 弓を持った奴の意見に同意だけしてローブ男達を睨みつける。俺たちに関しては元の世界に戻されるどころか文字通り消されかけたからな。

 

「こっちの意思をどれだけ汲くみ取ってくれるんだ? 話によっちゃ俺達が世界の敵に回るかもしれないから覚悟しておけよ」

 

 おいおい現状不利な位置にいるのによく強気でいられるな。

 

「ま、まずは王様に謁見して頂きたい。報奨の相談はその場でお願いします」

 

「……しょうがないな」

 

「ですね」

 

「ま、どいつを相手にしても話はかわらねえけどな」

 

「あーあ、俺たちまためんどくさい事に巻き込まれちまったよ…なあ武雄、隙を見てここからおさらばした方がいいんじゃね?」

 

「ニコライ、ここは大人しくついて行こう。今回ばかりは今までの旅のように上手く行くとは思えん」

 

ローブ男の代表が扉を開け付いてきてくれと案内し、盾以外の3人は偉そうな態度をしながら付いて行き、俺たち4人も不本意ながらもついて行くことにした。

 


「リヒトーフェンこれはどういうこと状況だ。お前なら何か知っているんじゃねえのか?」

 

案内されてる道中で俺はこういう状況に詳しいであろうリヒトーフェンに声をかけた

 

「デンプシー、ワシに聞けば何でも分かると思っているだろうが今回に関しては全く分からんな。そもそもこの状況を作り出したのは貴様じゃからな?」

 

「それは悪かったって…だからお前に聞いているんだろ?」

 

「そう慌てるではない、ワシに聞くよりこれから会う王に聞いた方が早いかもしれんぞ」

 

そうリヒトーフェンとやり取りしている内に謁見の間に辿たどりついた。

 

 

「ほう、こやつ等が古の四聖勇者達と謎の兵士達か」

 

 謁見の間の玉座に腰掛ける偉そうな老人が俺達を見るなり呟つぶやいた。

 

 どの世界でも王様ってのはこんな感じの奴しかいないな。

 

 それに同席している貴族達からの視線に違和感を感じる、勇者として歓迎してるようには思えない。

 

 今気にしても仕方ないので俺たち4人は王に対する作法として跪くことにした。

 

「ワシがこの国の王、オルトクレイ=メルロマルク32世だ。勇者達よ顔を上げい」

 

俺たちは姿勢を元に戻す。 

 

「さて、まずは事情を説明せねばなるまい。この国、更にはこの世界は滅びへと向いつつある」

 

何だ?ここもゾンビやアポシコン共が押し寄せてんのか?と思いつつ話を聞く。

 

 王の話をまとめるとこうだ。

 

 現在、この世界には終末の予言ってのがあって世界を滅ぼす「波」という災厄を勇者たちが食い止めなければならない。

 

 それで予言の通り龍刻の砂時計という道具の砂が落ちだしたらしいのだ。

 

 この龍刻の砂時計は波を予測し、一ヶ月前から警告し一ヶ月ごとに災厄が訪れるとのことだ。

 

 当初、この国の住民は予言を放っておいた結果、予言の通り災厄が舞い降りたと。

 

 次元の亀裂がこの国、メルロマルクに発生し、凶悪な魔物が大量に亀裂から発生した。

 

 その時は辛うじて国の騎士と冒険者で退治することが出来たが、このままでは次の波を乗り切れないと考えた結果この国のトップ達は伝承に乗っ取り、勇者召喚を行った…ということらしい。

 

 ちなみに言葉が分かるのは四聖勇者が所持している伝説の武器に能力があるからだとか。

 

 ん?だとしたらなんで俺たちはこの世界の言葉が分かるんだ?四聖武器は剣・槍・弓・盾のことで、その伝説の武器を持ってんのが隣に青年4人であって俺たち4人はさっきの話に出てきた武器は持っていないぞ。

 

「それで…ワシら8人がその勇者として召喚されたわけか?じゃが貴公の話によれば勇者はそこの4人であろう。ならばワシらは一体何として召喚されたんじゃ?」

 

「それはワシにも分からん、何せこのような事態は今まで無かったからな、勇者と共に召喚されたのだから何もないことはないだろうが…それについては後で言及するとしよう」

 

リヒトーフェンが王の話に対して質問をした後、次に声を上げたのは剣を持った男と他3人だった。

 

「それで、召喚された俺達にタダ働きしろと?」

 

「都合の良い話ですねほんと」

 

「…そうだな、自分勝手としか言いようが無い。滅ぶのなら勝手に滅べばいい。俺達にとってどうでもいい話だ」

 

「確かに助ける義理も無いよな。タダ働きした挙句、平和になったら『さようなら』なんてされたらたまったもんじゃない。というか帰れる手段があるのか聞きたい。その辺りどうなの?」

 

「ぐぬぬ……」

 

帰れる手段か…盾の青年が言ったことは確かに気になるな、例え世界が平和になっても元の世界に帰る術が無く永住ですなんてことになったらたまったものではない、最悪用済みとして殺される可能性もある。

 

すると王の臣下の者が前に出て話し始めた。

 

「もちろん、勇者様方には十分な報酬を差し上げる予定です。他に援助金も用意できておりまので是非、勇者様方には世界を守って頂きたく、その為の場を整える所存です」

 

「へー……まあ、約束してくれるのなら良いけどさ」

 

「俺達を飼いならせると思うなよ。敵にならない限り協力はしておいてやる」

 

「……そうだな」

 

「ですね」

 

さりげなく帰る手段についての話を逸らしやがった…。

 

たとえ俺が帰る手段について追及してもまた白を切られるだろう。 

 

「では勇者達そして兵士達よ。それぞれの名を聞こう」

 

 

 そうしていると一番左側にいた剣の勇者から順番に槍・弓・盾が前に出て自己紹介を始めた。

 

 

「俺の名前は天木錬だ。年齢は一六歳、高校生だ」

 

「じゃあ、次は俺だな。俺の名前は北村元康、年齢は二一歳、大学生だ」

 

「次は僕ですね。僕の名前は川澄樹。年齢は一七歳、高校生です」

 

「次は俺だな、俺の名前は岩谷尚文。年齢は二十歳、大学生だ」

 

「…では次」

 

 

何だこの王様、ナオフミという男の自己紹介になった途端に興味がなさそうな態度をしやがった?

 

まあいい次は俺たちの番か。 

 

 

「俺はアメリカ海兵隊所属タンク・デンプシー伍長だ」

 

「俺は元ロシア軍所属ニコライ・ベリンスキー軍曹だ。今は赤軍に所属している。よろしくな」

 

「我は大日本帝国軍所属、正樹武雄大尉である」

 

「ワシはドイツ軍第935部隊所属エドワード・リヒトーフェンだ。主に兵器や医学の研究をしている」

 

ざっくりと俺の自己紹介をする。歳も言うべきなのだが、115の影響でどうも自分の年齢を思い出せない。

 

それと俺達以外の4人が驚いているな。軍人だって名乗ったからか?

 

 

「ふむ。レンにモトヤスにイツキ、それとタンクにニコライにタケオにエドワードか」

 

 

「王様!俺、俺を忘れてるって!」

 

 

「おおすまんな。ナオフミ殿。何分人が多いものでな」

 

これもしかしなくてもこの王様ワザとやってるのか?。もしそうならさっき尚文の時だけ妙な反応をしたのも納得がいく。

 

「では名前を確認したところで皆の者、己のステータスを確認し、自らを客観視して貰もらいたい」

 

「ステータス?」

 

ステータスって何だ?

 

 

「すまぬが、そのすていたす?とはどのようにご覧になれるだろうか」

 

 

 武雄が王様に尋ねた。

 

 

「何だお前等、この世界に来て真っ先に気が付かなかったのか?」

 

 

 錬が俺達を情報に疎い連中だと呆れたように言う。

 

 というか何だその馬鹿にしてると言わんばかりの表情は、喧嘩売るのが得意なのか?

 

 

「なんとなく視界の端にアイコンが無いか?」 

 

「ん?」

 

 言われるまま、視界の端を見ると何か妙に自己主張するマークが見えた。

 

 

「それに意識を集中するようにしてみろ」

 

 気に障るが言われた通りにすると、軽い音と共に視界に大きく文字が表示された。

 

タンク・デンプシー2.0

 

 職業 見捨てられた英雄 Lv1

 

 武器 M1911(ハンドガン)

    エレメントクリスタル(英雄の武器)

    コンバットナイフ

 

 装備 フラググレネード

 

 特殊武器 OVERKILL Lv1

 

 異世界の軍服

 

 スキル 装備・特殊武器換装 召喚の鍵 蘇生+(ラストスタンド)

 

 魔法 無し

 

ステータスはこれの事か。何だか近未来って感じな機能だな。何々…レベル1!?ゾンビどもと散々戦ってきたのにレベル1なのかよ!

 

ということは…ああ、やっぱり、畜生いつも通り武器もハンドガンとナイフ以外持ってないか…いや、他に武器を持ってるみたいだ、何?杖にはめ込んでたクリスタルが武器として枠に入っているだと?これ単体で使えるのか?

 

それと特殊武器はラグナロクDG-4やアナイアレイターとかの事か。毎回作ったり、ミステリーボックスから引き当てないと駄目だった今回は最初から持っているのか。

 

それに自分の健康状態もわかるなんて中々便利な機能だ。他にもスキルもあるが、後で確認しておこう。

 

「なるほど網膜に直接投影されておるのか?。実に興味深い…」

 

リヒトーフェンはこの機能に興味津々だな

 

「何だよレベル1って、プレステージ回してなかったか俺達?」

 

「何の話をしているのだニコライ」

 

「Lv1ですか……これは不安ですね」

 

「そうだな、まともに戦えるかどうか分からねぇな」

 

「ていうかなんだコレ」

 

「勇者殿の世界には存在しないので? これはステータス魔法というこの世界の者なら誰でも使える物ですぞ」

 

「そうなのか?」

 

「この奇妙なモノが誰でも使えるとは…ここも摩訶不思議な世界だ」

 

 

 この世界じゃ常識ってことに俺達は驚いた

 

 肉体を数値化して見ることが出来るのは中々に便利だ。

 

「それとおぬし達兵士に確認してもらいたいのだが、職業は何になっておるか言ってみたまえ」

 

「俺たちが勇者かどうかってことか?俺のは『英雄』って書かれてる、武器にもな、ニコライお前の方はどうだ?」

 

「俺も同じく英雄になってるぞ」

 

「我も同じく」

 

「ワシもじゃな。それにしても英雄などとは…一体何を指しているじゃろうな」

 

リヒトーフェンが考える素振りをしている。

 

「なるほど…勇者ではないが同等の力を期待できそうじゃな…」

 

王様も確認が取れたことで満足しているようだ、すると他の勇者がステータスの数値について聞き始めた。

 

「それで、俺達はどうすれば良いんだ? 確かにこの値は不安なんだが」

 

「ふむ、勇者様方にはこれから冒険の旅に出て、自らを磨き、伝説の武器を強化していただきたいのです」

 

「強化? この持ってる武器は最初から強いんじゃないのか?」

 

「いいえ。召喚された勇者様が自らの所持する伝説の武器を育て、強くしていくそうです」

 

「その武器が武器として役に立つまで別の武器とか使えばいいんじゃね?」

 

 

 元康が槍を回転させながら意見する。

 

 

「そこは後々片付けて行けば良いだろ。とにかく、頼まれたのなら俺達は自分磨きをするべきだ」

 

 錬がそういって場をまとめた。

 

「っつーことはよ、今後俺達8人で行動をするのか?」

 

「お待ちください勇者様、英雄様方」

 

「ん?」

 

 ニコライが話していると大臣が会話に遮ってきた。

 

 

「勇者様方は別々に仲間を募り冒険に出る事になります」

 

「それは何故?」

 

「はい。伝承によると、伝説の武器はそれぞれ反発する性質を持っておりまして、勇者様方だけで行動すると成長を阻害すると記載されております」

 

「本当かどうかは分からないが、俺達が一緒に行動すると成長しないのか?」

 

 そう話していると視界に文字が浮かんできた。

 

 他の奴にも出てきたようで目で追っている。

 

『補足、伝説の武器を所持した者同士で共闘する場合。反作用が発生します。なるべく別々に行動しましょう。』

 

確かに伝説の武器に関しては書かれているが肝心の「英雄の武器」については何処にも書かれていないな…

 

「ほんとみたいだな…」

 

尚文がつぶやく

 

「なあナオフミだったか?そっちに英雄の武器について何か書いてあるか?」

 

俺は気になって尚文に聞くことにした。

 

「え?そんなのはこっちには出てないけど…ヘルプには書かれてないのか?」

 

「ああ、英雄の武器だと反作用が発生する何てことは書いてなかったから少し確かめたかったんだ」

 

すると俺達の話を聞いてニコライ達が寄ってきた。

 

「デンプシーもか?俺のヘルプも伝説の武器のことは書いてあったが『英雄の武器』については書かれてないぜ」

 

「我のところも書かれておらん」

 

「同じくワシもじゃ。まさかワシらだけ例外ということか?」

 

俺達4人だけ例外ってのも何かおかしい気がするが…。

 

「それだったら2人ずつで組めるんじゃないか?」

 

話を聞いていた元康が提案したが、それに王が反応する。

 

「待ちたまえ、残りはワシが仲間を用意しておくとしよう。なにぶん、今日は日も傾いておる。勇者殿、今日はゆっくりと休み、明日旅立つのが良いであろう。こちらは明日までに仲間になりそうな逸材を集めておく」

 

「「ありがとうございます」」

 

「ああ、助かる」 

 

「ありがたきお言葉」

 

それぞれ王に感謝し、結果分からず仕舞いのままその日は王様が用意した来客部屋で俺達は休むこととなった。


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