「申し訳ない。間に合わなかった…」
「
「いかようにして我らの力添えをして頂く所存か?」
「
「確かに…金子のことになると毛嫌いする者が多いが、金子がなければ我らは瞬く間に盗賊と異なるところがなくなるであろう…」
「お話がお分かりになる方でよかった。そうです…金子は使う人や対象によってその性格が変わるだけであって、金子そのものに性格はないのですから…」
「我らに助力すると、鬼どもに狙われるやもしれませんぞ…」
「私も若い頃は、随分やんちゃなことをして…今にして思えば、よく命を落とさずに済んだものだと…それに、鬼狩り様に助けて頂けなければ、今日、私はここで命を落としておりました。今更、何を恐れることがありましょう」
「齢七十を超えるとおっしゃると…もしや、御一新*1の動乱をくぐりぬけておられるのか?」
「戊辰の際は…事情があって参加できませんでしたが…尊王攘夷の思想にかぶれた時期もございましたな…」
「さすが御一新前後の動乱をくぐりぬけられた方は、肝の据わり方が違う。…我らが棟梁であるお館様にそなたのことを伝えよう。…詳しくはお館様やご内儀様に話されるがよい」
「承知しました。仔細はお館様にお話させて頂くにせよ、あなた様のお名前をお教え願いませんか?」
「
「柱?…確か鬼狩り様の中でも別格の強さを誇り、中核をなすお方と聞き及んでおりますが…いや、そんなお方に命を救って頂けたとは…」
「いや、某はそんな大層なものではない…して、そなたの名前は?」
「これは大変失礼しました。私は…渋沢栄一と申します」
行冥は知らなかったが、鬼殺隊に大変な
渋沢栄一。その創設に関わった企業は数百社を超える。しかも、その企業は東京ガスやアサヒビールなどなど名だたる企業が大半である。
なお、彼が生まれたのは江戸時代の末期で、亡くなったのは昭和に入ってからなので、鬼滅の時代軸では存命しています。