赤さん   作:オラキング

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第1話

     登城人物

赤さん……「岩倉君」とも呼ばれる。五、六十で頭飾りと前掛け、ベビー服。

赤さんの父

 〃  母

郡司  ……赤さんの友人。

美果……赤さんと交際している。

長野勘良……赤さんの友人。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                クレジット

 

シーン1 へや

   面接官長野勘良と赤さん。

   対峙している。

長野「そばとうどんどっちが好きですか?」

赤さん「はい。うどんです」

 

タイトルバック『赤さん』

 

シーン2 岩倉家

   天婦羅特盛りの饂飩。

   赤さん、食べる。

   老けすさんだ父親、かけうどんを食べ

   る。

   とし老いた母親も。

   赤さんソシャク。

 

シーン3 ドア前

   真新しいインターホン押す。

郡司「赤さん、バスケ行きましょう」

 

シーン4 足つぼマッサージ店

   SPが立つ背に、郡司。

赤さん「なんか、物々しいくない?」

   マッサージ、継続。

郡司「(終って。キリツ)さ、いこー」

 

シーン5 都市の上空からの映像

   テロップ『半年後。』

 

シーン6 満留賀

   背中越しに、赤さんが見える

長野、座りつつ「太ったな」

赤さん「まあね」

長野「最近閑散期だから、映画娘と行ったわ」

赤さん「なんてやつ?」

長野「なんだっけ… でもむっちゃ踊ってたわ」

赤さん「そんなんあったっけ…」

長野「TSUTAYAも行った」

赤さん「あそう」

長野「ドラえもんいるじゃない?」

赤さん「ニートでしょ」

長野「のび太の大事な親友ね」

長野「ジャイアンに子孫とノラえもんが訪ねてきてさ」

赤さん「…ノラえもん?」

長野「赤いやつな」

長野「ジャイ子とちいさいいとこが泣いて帰ってきてね」

赤さん「うん」

長野「お菓子とまんがが盗られたって」

赤さん「うん」

長野「『動物指キャップ』のゾウのはなをつかって、中学生のやつらをノックアウト」

赤さん「ひみつ道具ね」

長野「ありがとう、ってジャイ子はよろこぶよ」

赤さん「そのあとは?」

長野「店番をジャイ子に頼むと、ジャイ子が落ち込んでいる。ワケを聞くと『Pre Pre(プリ プリ)』っていうまんが誌のコンクールに落選した、と」

赤さん「なるほど。ひみつ道具だ」

長野「そう。『ソノウソホント』を出して貰う」

赤さん「それで?」

長野「『Pre Pre』の新人賞に選ばれるってはなして、発表の誌面を見せる」

赤さん「快哉(かいさい)」

長野「そう。いとこが『ジャイ子ちゃんには、優しいな』って」

赤さん「そのあとは?」

長野「ジャイアンが『ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ』だしてって」

赤さん「うん」

長野「それで小さい町をつくるんだ」

赤さん「うん」

長野「町では駄菓子もまんがも、ただ。『ガリバートンネル』で小さくなって、遊べるんだ」

赤さん「よかったじゃん」

長野「ところが、町ではジャイアンリサイタルを開催してね」

赤さん「え…」

長野「逃げたら、首ねっこつかまれる」

赤さん「だめじゃん」

長野「そこに子孫が再びやってきて、『きみが暴力振るうから、未来ではきらわれ、うらまれている。それをなんとかしたくて、ぼくはノラえもんを連れてきた』って言う」

赤さん「うん」

長野「ジャイアンはそれを聞いて、小さい町をみんなに自由に解放する」

赤さん「なるほど」

長野「近所の子は、みんな悦ぶ。そして、のび太とドラえもんが、やったねって」

赤さん「あーそうか」

長野「ノラえもんは、ドラミちゃんだった」

赤さん「うん」

長野「って、俺かんがえた」

赤さん「え? オリジナル?」

 

シーン7 部屋

   見上げる、騎乗位の女(ひと)。

   フカン。突き上げれているが、やがて

   はてる。赤さん、美果に股をぬぐうテ

   ィシュをあげる。

 

シーン8 電車内

   ながれる車窓

   ホームにたどり着く。

   イヤホンの男、そそと、ドア近くに。

 

シーン9 ホーム

   乗客でやや、あふれる。

   老人の清掃員、働く。

 

シーン10 店・マエ

   スタンドの看板に、『カレー野郎』

   出た赤さん、父、母。

父「美味しかった?」

 

シーン11 カレー野郎

   座っている、バイトと店主。

   …座ったきりの2人。

店主「全然 客こねえなー」

バイト「そうですね」

店主「なんでかなー」

バイト「まずいからじゃないですか」

 

   間。

 

店主「(外して)お前 今 なんつった?」

バイト「耳栓してたんですか?」

 

シーン12 ゴルフ場

   中年、構え

   方向確認。ゴルフ場の生き物Aが、ボ

   ール拝借。

   ……ない。

中年「おい!!(追いかける)」

   ×   ×   ×

   中年、戻ってきて「なんなんだよ‥」

   ポケットから、ティーに置く。

   気になる。

   ゴルフ場の生き物Bが手をのばす。

中年「ちょっとまて!! おい!!(茂みの中へ)」

   ×   ×   ×

   ティーショット。

    宙を舞う。

   ボール飛来。ゴルフ場の生き物Cのビ

   キニの下に、収まる。

中年「何してんだよ!! だれだよお前!!︎」

   ×   ×   ×

中年「なんなんだよ‥」

   ショット。

   (ゴルフ場の生き物Dの)まわしに。

中年「何の山だよ︎!! おい!!」

   ×   ×   ×

フロントで、「ちょっと!!」、ベル鳴

   らす。

   後方。プラスチックのは…、と赤さん、

   係員から。

受付きて

中年「なんかいるよ!! 同じ奴だか 違う奴だかっ」

受付「あーー すいません たまに野生のトリとかタヌキとかボールを」

中年「ちがうあれは!! 人っ人!!」

 

シーン13 満留賀

   食べ掛けの天ざる、長野の端に

赤さん「出かける時たまに……」

 

シーン14 岩倉家・前

赤さん「あれ……窓しめたかな」

   ×   ×   ×

赤さん「(窓みて)ああ しめたか」

 

シーン15 満留賀

赤さん「って」

長野「あーー あるある!」

 

シーン16 長野家・前

長野「あれ……メシくったっけ?」

   ×   ×   ×

長野「(食べた食器をみて)ああ くったくった」

 

シーン17 満留賀

長野「とかね! はっはっは」

赤さん「ないよ」

長野「……」

赤さん「……」

 

シーン18 近所の公園

   トトロ トトロ トトロ トトロ

   森の中に~トトロ

と、紙の鍵盤を(圧巻の技巧で)

たたきながら歌うスーツの男 演奏終了。                                         

赤さん「ムチャクチャうまいな」

メラ「ほんとですか」

赤さん「あぁ。たいしたもんだ」

メラ「でも、コンクール落ちてばっかなんですよねー」

赤さん「プロになりたいんだ」

メラ「ええ。あの、乗り換えでつかう駅で、おじいさんが、きびきび清掃してるんです。あれみて、オレいいのかぁって」

赤さん「(座って)だいじょうぶ、叶えられるよ」

メラ「ほんとですか。なんか、ありがとうございます。戻りますね」

 

シーン19 アパート・前

メラ、ドア前にて、「薬いかがですかーー?」

   バイクの通過する音

隣のドアに、「薬いかがで」

   さっきのドアに施錠の音

   メラ、ドアに耳を近づける

 

シーン20 夜・駅前

   夜のとばり

   赤さん、振り向く

声「あの そこの方」

男「すいませんが トイレに行ってる間だけここに座っててもらえませんか?」

   ×   ×   ×

   占い師の席に座る、赤さん。

赤さん「なんでワシが…」

   ×   ×   ×

   通行するサラリーマン。

   通行するおばさん。

   …戻ってくるおばさん。

   往きつ、戻りつ、それから。

赤さん「反復横とび?」

おばさん「よ よろしいですか?」

赤さん「はあ‥」

おばさん「あの…電車乗る時に、キップ買う時にですね」

   赤さんきいている。

おばさん「今 こお… テレビ画面みたいなのに指あてるのありますよね ピッて 反応しないんです わたし あてても あてても」

   赤さんきいている。

おばさん「相談したらすっきりしました ありがとうございました」

   スラッとしたロングヘアのひと、立ち

   止まる。

赤さん「ワシなんかしました?」

 

シーン21 占い師の机の前

占い師「ありがとうございました」

スラッとしたひと「岩倉君?」

赤さん「…誰?」

スラッとしたひと「あたしよ、あたし」

 

シーン22 カフェ

赤さん「まさか渡辺君とはね」

ルリ「顔もいじってないよ」

赤さん「何やってるの?」

ルリ「見ての通り水商売よ。でも、こんど、自分の店持つの。ショパンとかヴェートーベンとか、BGM、クラシックにしようと思って」

赤さん「夢だね」

ルリ「そ。ステージつくってショーやりたい。ミュージシャン呼んでさ」

赤さん「いいな。よし、きょうは奢る!」

   ×   ×   ×

赤さん「(iPhoneを見て)オヤジ遅いな… トイレ行ってくる」

ルリ「うん」

   ルリ、最中の、ペスカトーレを食べつ

   づける。

   爺さんの、親父入店する。進む。

   が、窓際の席には、ルリだけ。

   戻り

父「すみません、ここら辺に、男性ふたり来てませんか?」

ルリ「あ、もしかして、岩倉君の?」

父「あれ、もしかして、声変わりしました?」

 

シーン23 CLUB apis lazuli

   いならぶ、竿在りホステス。

   (ステージに、書類、片手)

ルリ「イイジマ…? ナカイよぶの?」

男「え…?」

   ×   ×   ×

   舞台袖。

   メラ、シンセの側。手の平に、「人」

   の字を書いて飲む。

   椅子に譜面。『もののけ姫』

 

シーン24 居酒屋

赤さんとメラ「カンパ〜イ‼︎」

   乾いた音、ジョッキをかわす。

赤さん「やったね!」

メラ「はい、ありがとうございます!」

赤さん「クラシック好きだって、聞く?」

メラ「第九とか」

赤さん「大工、じゃなくて?」

メラ「えぇ、なにそれ! ミヤとかフネとかですか?」

赤さん「フネじゃなくて、フナ大工な」

メラ「ベートーベンですよ」

赤さん「じゃ、現代は?」

メラ「永ちゃんでしょ」

赤さん「永吉矢沢?」

メラ「永吉矢沢。キャロル、ベース担当」

赤さん「昔『キャロル』ていうテレビで、むっちゃ好青年だったわ! いまはアレだけど」

メラ「……」

メラ「すいませーん、もつ煮込みくださーい!」

 

シーン25 薬屋・前

受付の声「もつにこみさーーん」

 

シーン26 薬屋

赤さんの声「も…… もつ煮込み……?」

もつにこみの女性「はい(受けとりへ)」

赤さん「ムコ養子にしてください 守りましょう もつにこみ!」

もつにこみの女性「は?」

 

シーン27 モールにあるトイザらス

お父さん「(数個のおもちゃ見せて)どれがいちばんいい?」

まだちいさい娘「これ」

お父さん「コレにする?」

まだちいさい娘「これもいい」

赤さん「……」

岡さんの声「ダメよ。1つじゃなきゃ」

   ×   ×   ×

赤さん「コレください」

長野「なんで、買ってんの?」

 

シーン28 スポーツジム 携帯の会話

郡司「お父さんわるいの?」

 

シーン29 トイザらス・入口

赤さん「来週もこのままだと」

郡司「履歴書書いてんでしょ」

赤さん「ああ、ばあさんのリフォーム代がさ」

郡司「100歳超えてるからね」

 

シーン30 岩倉家

   赤さん母、TV見ている。

   時計を一瞥して

母「あんた、留守番してくれる?」

赤さん「夕方から、出掛けるよ」

母「だいじょうぶ、買い物はしないから」

ルリの声が聞こえる「ただいまー」

 

シーン31 同 玄関

   ルリと、施設の石田が、車椅子の

   赤さん祖母を連れて帰る。

母「すまないねえ、ルリちゃん」

赤さん「お前は帰れよ」

ルリ「あれー、ひどいなぁ。ねえ?」

   と石田に。

 

シーン32 部屋

   仰向けの美果、バイブを挿れられなが  

   ら

美果「なら、会われへんな」

赤さん「ごめん。カカして」

美果「カカオチームきらい」

赤さん「いつも来るからね」

美果「消しても出る、消しても出る」

赤さん「上海丐人賊(かいじんぞく)読んじゃった」

美果「クサナギ…?」

 

シーン33 岩倉家 深夜

   ノートPCの光が、暗闇のルリの名刺を照らす

   まじまじと、液晶を見る父の顔

   画面にはCLUB apis lazuliの公式サイトの、 ルリの写真数枚

 

シーン34 いえいえ

おばさんA「この前山田さんトコ、押し込み強盗にやられたらしいわよ…」

おばさんC「物騒ねえ」

おばさんB「うちもこの前薬屋さんが来てね その人は素直に帰ってくれたけど」

おばさんC「へーー」

おばさんA「ああ、あの背の高いひとは大丈夫」

おばさんB「ね」

おばさんC「だれ?」

おばさんA「だけどやっぷり家に来る人には気をつけないと」

おばさんB「ねーー」

おばさんC「私なんか、そこら辺大丈夫よ!」

 

シーン35 おばさんC家

訪問者「化粧品のセ…」

   上がり框の上から投擲する

   顔面に

   (戻り)

おばさんC「聞かないから もう」

おばさんB「いきなり?」

おばさんA「…奥さん?」

 

シーン36 おばさんC家

訪問者「浄水器の…」

   突きをひとたち

   ふっとぶ

   (戻り)

おばさんC「だめ 聞いちゃ」

おばさんB「そこまでしなくても奥さん……」

おばさんA「なんで?」

 

シーン37 おばさんC家

訪問者「宅配便です えーと」

   いきおい、Mrs.(ミセス)問答無用に変身したC、

   飛び込み体当たりでK.O.

   (戻り)

おばさんC「(右ヒジの勲章を見せ)そん時」

おばさんB「宅配便でしょ!?」

おばさんA「なんにも届かなくなるわよ」

 

シーン38 おばさんC家

訪問者「車の…」

   下着類を解いた、Mrs.(ミセス)問答無用

   絶叫して退散する

   (戻り)

おばさんC「百パー」

おばさんB「何をしてんの 奥さん!?」

おばさんA「それ一番あと引くわね」

 

シーン39 原家・農家の大きな屋敷

   トラックに乗ろうとするプラユットに

原「なあ、配達ぎゃくにしてね」

プラユット「え、本当ですか?」

 

シーン40 創作イタリアン・前

プラユット「(ドアで)ありがとうございました」

   徐(やお)らとおりに

女「お兄さん、タイの方?」

プラユット「はい」

女「プーミポン国王の絵があるけどみる?」

プラユット「見たいテレビがある」

女「昨年発ケン」

プラユット「え、本当ですか?」

 

シーン41 画廊

女「3歳の時の絵なの」

プラユット「え、本当ですか?」

女「お安くするわよ」

プラユット「お金ないス」

   プラユット、出口に

   そこに偉丈夫

大躯(おおがら)な男「いくら持ってますか?」

 

シーン42 クレープ店・前

女アルバイト「はーい、どうぞー「

   赤さん貰う

 

シーン43 狭い路地

   プラユット走る、振り返る

大躯な男の声「待て、コラー!」

   プラユット、大通りに 左折

   男の視界が赤さんとらえ乱れる 転倒

赤さん「(走り出して)逃げろ、逃げろ」笑

 

シーン44 道

   プラユット、横断

   その後、赤さんも

   が、転ぶ

赤さん「痛(いった) ちょっとまって」

 

シーン45 公園

赤さんの片手、潰れたクレープ「うわっ、ぐっちゃぐっちゃ」

プラユット「ありがとう 今度ごちそうするよ」

赤さん「東京詳しいの?」

プラユット「お店じゃないよ」

赤さん「え…、飛行機乗るの?」

プラユット「ウチ京成線よ」

赤さん「え、密入国?」

プラユット「おいおい…」

   着信音

プラユット「あっ奥さんからだ」

   プラユット通話に

赤さん「うわっ…、クリーニングだ…」

プラユット「すみません、スーパー知りません? バナナ買わなきゃ、ですけど」

赤さん「(潰れたクレープ差し出し)あるゾ」

 

シーン46 飲食店(先の創作イタリアン)

女性店員「あ、1円足りないです」

   長野1円硬貨置く

   出口へ

女性店員「ありがとうございました」

 

シーン47 通り

   (長野)出てくと、

女「お兄さん! 絵に興味ない?」

 

シーン48 バス

   携帯を見ている美果

美果「……ねえ、時間大丈夫?」

前方のシートからひょっこっと顔をだす赤さん「あと30分あるわ!」

美果「よかった、なら間に合うわね」

赤さん「うん」

 

   間

 

美果「つーかチョー腹減った!」

 

シーン49 原家・前

   トマトやラディッシュの料理

プラユット、ビデオカメラに美果捉え「美味しい?」

美果「ちょっと替わって」

美果、ビデオカメラむけ「プラユット君、感想は?」

プラユット「え?!」

美果「五木ひろしで」

プラユット「えェ?!」

美果「じゃあタイの歌手でいいから」

   ×   ×   ×

赤さん「いやいや、お呼び頂き光エイです」

原「ありがとうはこっちですよ 彼口には出しませんよ、出しませんけどクニに帰りたいような顔をしてることがあって 仲良くしてあげてほしい」

赤さん「そうですか」

 

シーン50 スーパー銭湯

   マッサージチェアの赤さんとプラユッ

   ト

赤さん「お父さん、俺と同いって言ってたよね?」

プラユット「うん。毎日5時に起きて、畑行ってる」

赤さん「偉いね」

赤さん「遅いな、メラ」

プラユット「行きたいとこある。」

赤さん「どこ?」

プラユット「がーねっと★がぁーるって、知らないよね?」

赤さん「バンド?」

プラユット「チョーアイドル チョー地下アイドル」

赤さん「なんで、知ってんの?」

プラユット「あ、奥さんからでんわ」

   プラユット、離れる

メラ、来て「おー、もう入った?」

赤さん「おーおー。もう入った」

メラ「じゃあ、ちょっと待ってて」

赤さん「なあ、メラ。アイドル見に行かない?」

メラ「なんでー?」

赤さん「いこうよ」

メラ「やだ、あんなうた」

プラユット「話した?」

 

シーン51 ライブハウス DENKI

   序奏入る

   赤さんとプラユット観ている

センター、モノローグで「ずっとずっと、あなたを見ていた。

悴(かじか)んだ手も気にせず、走っていたね。」

赤さん「声低っ!」

   パフォーマンスするがーねっと★がぁ

   ーる。

男「フリ揃ってない」

   パフォーマンス。

男「音程外れた」

   パフォーマンスつづく。

男「テンポが狂った。」

プラユット「…あのアイドル詳しいんですか?」

男(水戸)「お、見ない顔だな。」

 

シーン52 オペ室

   一斉。ライトが点く。

   白い心電図等、器具が並ぶ。

   白いライト。

   患者。ピントは合ってないが、ルリの  

   面影。

 

シーン53 ソフマップ1号店

プラユット「(歩きながら)ここが、ソフマップ?」

水戸「そう。奥に、イベントのチラシ、掲示されてる。」

プラユット「じゃあ、また来ようね、赤さん」

赤さん「うん、まぁ」

   ×   ×   ×

   チラシの前

水戸「お、やまとなでしこ、来週あるじゃん」

プラユット「プリティーで?」

水戸「友達が好きなんだよ。なんなら、DVDもココで買えるから」

赤さん「予習するワケね」

プラユット「ねぇ、これなんて読むの?」

水戸「ガイセンだよ。って田中景子じゃん?」

赤さん「田中景子?」

水戸「1年前まで、がーねっと★がぁーるでセンターだった」

プラユット「それは行かなきゃ」

水戸「おい、4人から写真撮れるゾ。」

プラユット「あと1人か…。赤さん、いない?」

赤さん「え…、いまから呼べるのは…」

 

シーン54 ライブハウス・前 夕になる

ルリ「やっぱりミューズだわ〜」

水戸「なかなかよかった。」

ルリ「そうだ。ご飯の前におふろ入らない?」

プラユット「(上気して)銭湯でしょ? 行こう行こう」

赤さん「掘られるよー」

ルリ「テンション低いわね。写真撮れたンでしょ?」

赤さん「アイム・ソーリー」

ルリ「あたし貴方のためにもっと女の子になるわ。」

赤さん「おっぱい見せない! てか、なんであんの!」

ルリ「Fよ♥」

赤さん「オー・マイ・ガット」

 

シーン55 いえ・門の前

   吠える飼い犬。

メラ「あの…薬を売りに…」

   隣、宅配業者がいる。

   宅配業者が荷物渡す。

   帽子も。

   犬が吠えている。

宅配業者「……」

   宅配業者、門扉に置いた両手を支えに、

   それに跳び乗る。

   そこから猛犬にダイブ。

   門を開ける業者。

   ダイブ。

   門を開け、三たびダイブ。

   業者、敷地を出ると、続いて、塀から

   しかけようと…

メラ「もういいでしょ」

 

シーン56 ルリ家

ルリ「!」

ルリ「これ」

   (背中に)おでき。

   チューブを指にとり…

ルリ「く……(とどかない)」

ルリ「か……(とどかない)」

ルリ「頭使お(壁面の角にくすり塗る)」

   角に押しあて、もぞもぞと

ルリ「(鏡写し)もうちょい下か」

   おれ的創意工夫。体を右前、右後ろ、

   左…。

ルリ「(鏡写し)まあいいだろう」

ルリ「バンソコ貼っとっか」

   ちゃぶ台にバンソーコーを据え

   仰向けに、おおいかぶさる

ルリ「(鏡写し)ずれたか」

   おおいかぶさる

ルリ「(鏡写し)おしい」

   ズレ、ふえる

   ×   ×   ×

メラ「最初から呼べばいいのに(手当てしながら)」

ルリ「そうだったね いてて」

 

シーン57 ラーメン屋

赤さん「ライスおかわり」

   しかし、誰もいない。

赤さん「おじさーん ライス‥ たぶんワシより年下だと思うけど おじさーん」

   ×   ×   ×

   赤さん店をでる。

   誰もいない。

   ラーメン屋あるじ、トイレから

ラーメン屋あるじ「あーーー いっぱいでた あっやれれたっ‼︎」

   ×   ×   ×

ラーメン屋あるじ「しかもお前半分ぐらい残しやがって‼︎ くっそーー‼︎」

   いすに手を置く。

ラーメン屋あるじ「まだあったかい」

ラーメン屋あるじ「(飛び出して)逃がすかっ‼︎」

   ×   ×   ×

赤さん、引き戸閉め「……閉めたと思ったけど」

   赤さん、インスタントライスをひらく。

   茶碗にいれ、食べる。

赤さん「(コップを挙げ)すいません おひや…」

   ×   ×   ×

赤さん、店をでる「もーーー」

   誰もいない。

ラーメン屋あるじ、半裸で「(息も絶え絶え)くっそーーー‼︎」

   テーブル見る。

ラーメン屋あるじ「あーーっもどってくってやがる‼︎ くっそー‼︎」

 

シーン58 夕・ルリ家

   テレビでインタビューされる女の声「(照れながら)え、黄色で告白しました」

テレビディレクター「黄色?」

女性「はい、カカオで。カレ、凄くシャイなんですけど、黄色だと、話が弾んで」

   洗濯物を干しているルリ、見ている。

   部屋の定てん

 

シーン59 川縁の道

   頰に手をあて思案、往くルリ

   空にメッシージ

〈ルリ〉  ビーフシチューつくった(๑>◡  

      <๑)

〈赤さん〉 美味しそぅだね

〈ルリ〉  こんどつくったげる

〈赤さん〉 それって、奥さんみたい(笑)

〈ルリ〉  からかわないで。

〈赤さん〉 からかう?

〈ルリ〉  あたしのキモチ、知ってるでし

      ょ

      ……好きなの

   ルリ、キャーと顔を赤らめ、頰を両手

   で覆い、

   小走り

 

シーン60 みち

メラ「薬いかがですかーー」

   メラてくてく進み、右手の家へ

 

シーン61 家

メラ「あの ごめんください」

   引き戸を開ける

メラ「薬 いかがで……」

   襖から顔を覗かせるMrs.(ミセス)問答無用

   緊張

   廊下にでる

   緊張

   Mrs.(ミセス)問答無用、ピクとなる

   メラ、半開きの戸に触れた手カタとな

   る

   緊張

   2人のアップ

   家の電話のベル、思わず_

   その隙に、赤さん戸をしめる

Mrs.(ミセス)問答無用「あっ」

   逃走

 

シーン62 事務所

   荷物の隣、記入しているメラ。

メラ、いすを立ち「お願いします」

事務員「はい」

   ×   ×   ×

   メラ、事務所をでる。

   振り返る。

   看板『宅配野郎 公園前営業所』。

 

シーン63 いえ

   前に宅(、)配(、)野(、)郎(、)のトラックが停車する。

   ×   ×   ×

   居間にMrs.(ミセス)問答無用がいる。

   ×   ×   ×

トラックのドアが開く。

   件の宅配業者、あらわれる。

   門前に立つ業者、メラを見つけ、ちかづき、帽子をメラに被せる。

   業者、門に向かう。

   ×   ×   ×

   Mrs.(ミセス)問答無用、玄関の戸に影を視認。

   Mrs.(ミセス)問答無用、俄かにダッシュ。

   戸が開く。

Mrs.(ミセス)問答無用「⁉︎」

   業者の掃除機に取り付けた圧縮袋に捕

   らえられる。

   業者、掃除機を操作。圧縮。

   業者、伝票をだす。

業者「着払い?」

 

シーン64 CLUB apis lazuli・ステージ裏

   メラ頭を下げる「ありがとうございま

   した」

   拍手。

   暗転、はけてくる、メラ。

ボーイ「あ、メラ君、ママがよんでるぞ」

メラ「え? なんで?」

 

シーン65 岩倉家・朝

   赤さんフスマの間から見る

   赤さん父床に臥せ、切れぎれと呼吸し

   ている

   赤さん携帯手に取る 画面みて

赤さん「なに?」

 

シーン66 ファミレス

   ルリ、真剣な表情でメラを見ている

   オカマホステスが食事にオジサンよろ

   しく、がっつく

メラ「あの、カカオやってる?」

赤さん「やってない」

   赤さん切る

 

シーン67 岩倉家

   2度襖の間を見る赤さん

   玄関へ

 

シーン68 ファミレス

メラ「罪なやつさ♪」

 

シーン69 岩倉家

   赤さん母、廊下で玄関のムスコに

母「ちょっと」

 

シーン70 ファミレス

   着信音

メラ「あ、掛かってきた」

   でて

メラ「はい」

 

シーン71 道

   清掃活動中の、赤さんとメラ。

赤さん「ごめんねえ、手伝わせちゃって」

メラ「いいですよ。そんなことより、あのおじいさん、お父さんって言って下さいよ」

赤さん「え、矢沢永吉ドラマ出たこと知ってんの」

メラ「知ってますよ mixiで貸してくれるひといて」

赤さん「そうなんだ」

メラ「憧れなんんですよ 駅の名前いったのに」

赤さん「ももクロ減ったらしいよ」

メラ「知ってますよ ハナシ逸らしてません?」

 

シーン72 岩倉家・玄関

ルリ「フロ入らせてー(つなぎにドブの汚れ)」

赤さん「おつかれー」

 

シーン73 岩倉家・浴室前

   シャワー浴びるルリ

タオル運んでいた赤さん、ソバの父に「どうしたの?」

 

シーン74 岩倉家・浴室

   シャワーのハンドルを締めるルリ

   室外に出ようとするものの

   ストップモーション

   石鹸に滑る足

ルリ「い…」

 

シーン75 岩倉家・居間

   ルリの声が聞こえる「いた!」

   みんな〈父はテレビ見ている〉、「!」

 

シーン76 夜・駅前

ルリ「大丈夫ですよー、治りますよ。」

 

シーン77 岩倉家

   固定電話で

母「そう? 今帰ってきて、聞いたら、杖だっていうから。」

ルリ「ぜんぜん。あたしの不注意です」

母「うん…そう? でも、明日、息子行かせるわ」

ルリ「ほんとにいいって」

母「いや、やっぱり心配」

   ルリ、エスカレーターを降り(てい)

   ると、長蛇の列を見つける。

ルリ「?」

 

シーン78 駅前

占い師「次の方」

ルリ「儲かってるのね」

占い師「あ、あなたは。」

ルリ「手相? 占いって、女の子好きよねー」

占い師「冷やかしなら、お引き取りを」

ルリ「冗談。さッ。」

   占い師みる

占い師「ん。」

ルリ「?」

占い師「お母さん」

ルリ「?」

占い師「岩倉さん…」

   ルリうなずく

占い師「ズバリ、あす進展のチャンスです!」

ルリ「え、あすねんざの見舞いに」

占い師「(赤さん)いいよ、いいよ、ぼくがお茶淹れるよ

(ルリ)大丈夫、すぐに持っていくから!

(ルリ)あ!(転ぶ)

(赤さん)ほらいわんこっちゃない…(ルリを起こしてあげる)

(ルリ)ひゃっ、手冷たーい

(赤さん)あぁ、今日は風が冷たいんだ

(ルリ)こうやってすれば、あったかいよ(赤さんの手を自らの手で包みこむ)

(赤さん)……

(ルリ)(包みこんだ手を、頰にあてる)ほら、あったかくなってきた

(ルリ、瞼を閉じる)

(赤さん、キスする)」

ルリ「チョーヤバいんだけど」

占い師「曙太郎?」

 

シーン79 ルリ家

   白磁器置く

赤さん「いいよ、俺が淹れるよ」

ルリ「大丈夫、あたし持ってくから あ!」

   赤さん、携帯出て

赤さん「ええ、明日? 無理無理。明日子供会あんだわ。悪いね、メラ君、また呼んで。うん、じゃ」

赤さん、振り向く「ん どしたァ?」

ルリ「痛(イタ)いなー」

赤さん「あごめん (携帯出て)え今夜? 無理無理 明日子供会あんだわ そう うん、ツギ郡司んとこ行くから(切)」

赤さん「ん、どしたァ?」

赤さん、紅茶をお盆で…「ありがと」

   赤さん、飲む

赤さん、立っているルリに「飲まないの?」

ルリ「……」

   ルリ、やおら赤さんの許に

赤さん「ちかくない?」

   きゅうに

ルリ「あァ!」

   ルリ、向こうを指さす

赤さん「なに?」

   赤さん、ルリの口づけを手で制し

赤さん「なにしてんの?」

 

シーン80 岩倉家

   台所で母が涙を流す

   畳部屋で横たわる父

赤さん「親父、寝てるみてぇじゃなぇか。こんな歳まで働かして、ごめん。でも、親父の話聞いて、カッコイイなって。…ずっと聞きたかったことがある。親父、渡辺君のこと、すきなの?」

父「あァーー、よく寝た。風呂入る、風呂」

   母、涙拭い、タマネギ切る

 

シーン81 交番

   警官2名に赤さん、見下ろされる

警官A「パンツの中まで手を入れたと、証言が出てる。認めるのかな? 今回は女の子が悲鳴をあげたからよかった。余罪も10じゃきかないね。わかってるね、罪の重さは(警官Bに向く)」

警官B「すみませんでしたー」

 

シーン82 交番・前

警官A「本日は、ご協力ありがとうございました」

赤さん「いえいえ、オトナとして当然のことをしたまでです。ではわたしは用があるので」

警官A「はい、お気をつけて」

 

シーン83 郡司家・居間

   テーブルにコンビニのやきとりの串数

   本

郡司「(キッチンの冷蔵庫から)金八に森クン出てたの知ってる?」

赤さん「島根県出身の?」

郡司「そうなの?」

赤さん「殿さまの医者の家の子で、自分も軍医してて」

郡司「そうなんだ」

赤さん「代表作が舞姫」

郡司「森鷗外のこと言ってる⁈ びっくりした」

赤さん「SMAPでしょ」

郡司「知ってるんだ」

美果「ただいま。」

赤さん「あ美果さん、お邪魔してるよ」

郡司「(美果に)あした帰り遅くなるから」

美果「なにがあるの?」

郡司「会合。」

美果「シチュー、つくっとけばいいよね」

郡司「そうだね。総務会長がさ、路チューやらスピードやら、不倫に渋面(じゅうめん)なんだ」

赤さん「そうか」

郡司「赤さん、仕事はじめるんでしょ?」

赤さん「ああ、7日から。カンリョウがうるさくて」

 

シーン84 大広間

白人長官「The reduction of the duty of the Japanese car is thought about in the future.However, a relationship of mutual trust is necessary to reach it.」

   大臣の後ろの赤さん聞いている

   会談するひと 赤さん大臣に訳

 

シーン85 満喫

   トイレ、ドア閉まる

   トイレで成人誌を捲る

   ×   ×   ×

   店員、ドアを叩く

   ×   ×   ×

店員の声「すみません! 本持ち込まないで貰えますか?」

赤さん「!」

   携帯だし

赤さん「原さん お久しぶりです …うん …うん えぇーッ」

 

シーン86 ラーメン店

   画面がメラを捕らえる

メラ、携帯見て「えぇー!」

 

シーン87 仏蘭西館・前

   原、心配そうに 右往左往

原「あ、赤さん」

赤さん「心配要りません。原さんの気持ちを、アイツにガツンと言います」

原「あ、あ、ありがとう」

赤さん「うん 行くぞ! メラ」

メラ「(ラーメン食べながら)あいよ」

 

シーン88 仏蘭西館内

   ステージ上、小袖の女性

   踊っているが帯を解き、素肌があらわ

   になる

   赤さん「すいません」と原ら3人、立

   っている客を掻き分ける

   ステージから女はける

原「…」

声「どーも」

水戸「スーパーイージーです」

   2人センターマイクへ

プラユット「はーい おマッタサンです」

プラユット「いや僕ね、大学行かなかったから、大学にスゴイ興味があってね」

水戸「えぇ大学に興味があるの?」

プラユット「当たりきたりきのこんこんちきよ」

水戸「言葉が古いよ」

プラユット「『あしたからゲバルトだ! バリケードするぞ!』」

水戸「古いよ」

プラユット「それで、女子大生と下宿してさ。『できちゃった。』とかさ」

水戸「ないですよ」

プラユット「『我慢してくれ。(ポケットから千円札いくらかだす素振り)これで堕ろして』

『ヒドイ』」

水戸「ありません」

プラユット「私椿アヤメ。愛らしい声、比類なき知性。誰もがうらやむ美貌。なぁに、私とお茶したい? あら、大学を出てないの? お帰りになって下さる〜」

水戸「はぁ⁉︎」

プラユット「私椿アヤメ。いらっしゃい、お客さん、ご指名ありがとう。脱いで。(にぎって顔に近付け)臭ッ。(にぎって顔に近付け)臭ッ。小便の臭いがする!」

水戸「何の話⁉︎」

プラユット「大学に行きたいんですよ」

水戸「大学なんていいことないですよ 大阪から上京したけど、なまりを馬鹿にして」

プラユット「え、なまりって広東語?」

水戸「僕中国の富裕層じゃないですよ」

プラユット「じゃあ、こんな大学はどう? おもちゃ学科」

水戸「なにするの?」

プラユット「第1にデータを集めて、研究開発します」

水戸「データを採るわけね」

プラユット「街の声をリサーチしないと」

水戸「はいはい」

プラユット「それで、『お嬢さん、おもちゃ試しませんか?』って車に乗せて…」

水戸「おとなのおもちゃ」

プラユット「校歌もあります。」

水戸「校歌はいいよ」

プラユット「ちょっと聞いてよ お嬢さん

      こんな大学 海千山千」

水戸「ラップ」

プラユット「快感を知ってるか お嬢さん

      きみのchannel 探さん探さん」

水戸「やめてくれる」

プラユット「だめ?」

水戸「そんなとこ出て、何になれるの?」

プラユット「めちゃくちゃにしちゃう」

水戸「うるさいよ」

プラユット「うるさい? お前が偉そうにソコとかアソコとか選り好みしてるからだろ⁉︎」

水戸「はあ⁉ なに言ってんの? お前が荒唐無稽なことばっか言うからだろ⁉」︎

プラユット「荒唐無稽ってなんだよ」

水戸「荒唐無稽だろ⁈ ありもしないお前の妄想聞きたくないっつーの」

プラユット「解散するぞ‼」

   (とこの辺り女が袖から、舞台に乱入)

水戸「解散しろよ‼」︎

   女、水戸にドロップキック

女「ごめんなさい。アタシこの人の嫁。主人が失礼したわ!」

水戸「(女を小突いて)うるせえよ。入って来んなよ!」

女「なによ!」

   女と水戸、取っ組み合う

水戸「帰れよ! アマ!」

3人一礼「ありがとうございましたー」

赤さん「…」

 

シーン89 仏蘭西館・楽屋口

   閉じた扉

赤さん、扉開け「この奥だ」

 

シーン90 楽屋

   メンバーの女、イタバをみつけ「コー

   くんとりこぴだ」

ストリッパー「映画よかったよね?」

メンバーの女「まじ小林たけし作監は神かと。3期の作画崩壊を払拭して、ダンスシーンはダイナミックで、コーのオリジナリティを表現していたかと。」

ストリッパー「はい。3期の2話は特に残念でした。」

赤さんの声「納得できるかよ」︎

   ストリッパーとメンバーの女、振り向

   く

原「お願いだ、帰ってきてくれ 御尊父に顔向けできない」

プラユット「だから言った通りッス 原さんには悪いとは思ってます」

赤さん「そればっかりじゃないか」

水戸「僕がいけないんです」

赤さんら「……」

水戸「僕が無理に付き合わせてしまって でも絶対有名になります」

原「おまえか! プラユットをたぶらかしたのは!」

赤さん「原さん、落ち着いて」

原「俺はずっと、プラユットと野菜つくってきたんだ」

水戸「俺だってずっと、がーがる語り合ってきたんだ」

 

シーン91 飯田家

   キッチンの家政婦。鍋にはシチュー。

   前のダイニングのソファーには、夫が

   新聞をひろげる。

   家政婦、冷蔵庫を開け、ルーの箱を出

   す。

   ルーを鍋にあけ、お玉でひと混ぜ。

   冷蔵庫に残りのルーを仕舞う。

家政婦「ダンナ様、シチューができました。」

夫「おう」

家政婦「奥様、呼んでまいります。」

夫「いや、いい。わたしが」

   ×   ×   ×

   書斎で、書類に目を通す飯田真智。

夫「真智さん、ご飯できたぞ。」

飯田「(老眼鏡をはずして)はい(と、目頭を押さえる)」

 

シーン92 メラ家

   押すと機械音

メラ「?」

   ×   ×   ×

メラ、ドアを開けて「お、姉貴」

メラの姉「ごめんねー。えっれぇ時間ないの」

その夫「ごめんねヨシイチ君。アルフィーのライブなんだわ。キッザニアで遊んでくれるだけでいいから。あ、キッザニアで遊ぶだってぇー恥ずかしぃ」

メラ「キッザニア?」

 

シーン93 キッザニア

   キッザニアの看板

   メラの姉とその夫、ニコニコで手を振   

   り

メラの姉「たのしんできて」

メラ入場し「(サイフを忌々しく見つめ)なんで俺が払うんだよ…」

   こども3人喜々として入場

   ×   ×   ×

長女「スチュワーデスがいい!」

次女「キャビンアテンダントがいい!」

三女「客室乗務員がいい!」

メラ「…ゼンブ同じッ!」

長女「おじさんは?」

メラ「スカート履いて、ビーフorフィッシュ? ってバカ! 男だし! 大人だし!」

長女「勤務地は二丁目?」

メラ「なんでだよ! むしろ寄せてってるからそれは」

長女「じゃ、行ってくるね!」

メラ「聞けよ! 午後は?」

長女「原宿がいい!」

次女「表参道がいい!」

三女「明治神宮前がいい!」

メラ「…だいたい一緒」

 

シーン94 焼肉店

メラ「って! なんで焼肉店なんだよ! 原宿なら、クレープにしよう! クレープで!」

長女「めずらしくかわいい姪が、会いに来てるんだよ。そんなこと言っていいの?」

メラ「3カ月前に、ディズニーランド行ったろ?」

長女「すいませーーん!」

店員「はい」

長女「シャトーブリアン下さい!」

メラ「(サイフを忌々しく見つめ)どんだけ食うんだよ…」

 

シーン95 メラ家の近くの道

次女「あ! お寿司屋さんだ。」

長女「よかった、クレープ我慢して」

メラ「もうメシ食ったろ?」

長女「お土産よ(と店内へ)」

メラ「(サイフを忌々しく見つめ)いくらつかうんだよ…」

メラの姉(リョウコ)「ちょっと」

メラ「?」

リョウコ「外務省のひとから聞いたんだ」

 

シーン96 メラ家

リョウコ「びっくりだ。なんで会社やめたんだ?」

メラ「……」

リョウコ「もう歳なのに、心配かけて…。簡単に考えてるだろうけど、いつまでも、あまい考えもつのはやめなさい。後悔しても、知りません」

   メラ、テレビをつける。

リョウコ「ちょっとヨシイチ」

   テレビに映るスーパーイージー ドロ

   ップキックを受ける水戸。

リョウコ「聞いてるの、ヨシイチ? ヨシイチ?!︎」

 

シーン97 テレビ局・スタジオ

   「O.A.」の赤ランプが消え…

AD「ハイ、ありがとうございました!」

   プロデューサー、セットに入りながら

プロデューサー「よかったよ、原ちゃん」

芸人A「ありがとうございます!」

プロデューサー「次も頼むよ」

水戸「ちょっと西ちゃん、打ち上げが『だるま』って本当?」

プロデューサー「本当。『富久』が定休日でさ!」

水戸「ちょっと頼むよ西ちゃ〜ん。ランク下げるつもりじゃないのぉ?」

プロデューサー「勘弁してよ水戸ちゃん」

水戸「あ、そうだプラユット、お前桜新町のイタリアン、知ってるよな?」

芸人A「オレもそっちがいいス」

プラユット「えーボク、野菜きらいなんだけど」

 

シーン98 屋根有の通路

   キラキラしたコンコース

ルリ「今日はありがと」

赤さん「いや、世話になってるから」

ルリ「学校では、ナヨナヨしてるって、いじめられてた」

赤さん「……」

ルリ「中学校でもそうで、保健室登校になった。でも岩倉君がいっしょに給食食べてくれて、いっしょに帰ってくれて、嬉しくて」

赤さん「……」

ルリ「それで高校でアーチェリーはじめて、インターハイで優勝できた」

赤さん「……」

ルリ「岩倉君がいたからだよ」

赤さん「……」

ルリ「でもさよなら_」

赤さん「さよならって?」

   メラ、あらわれる

赤さん「え?」

ルリ「私たち、旅に出ます!」

 

シーン99 ルリ家

   部屋のかべ

   ボードの写真の中に、メラとふたりの

   ハワイ写真

 

シーン100 官邸

記者が所どころ席に着いている

(会見者きて)記者、居住まいを直す

会見者、壇に礼し、振りかえると、郡

郡司「今般、第2次飯田内閣が発足致しました。今回新たに内閣官房長官に就任致しました郡司知且です。これまで防衛大臣を務めて参りましたが、国民・国家の為に精進して参りたいと思います。併せて沖縄基地負担軽減を担当致します。宜しくお願いを致します。」

   資料をめくる

郡司「それでは第2次飯田内閣の閣僚名簿を発表を致します。内閣総理大臣 飯田真智。総務大臣 内閣府特命担当大臣◇マイナンバー制度 高市太郎」

   記者聞いている

 

シーン101 官邸 広間

   写真撮影の為階段にいる郡司、ひとをみ止め、礼

飯田「……」

飯田、最敬礼で応える

準備で集まりつつある

 

シーン102 霞が関・オフィス 男PCをのぞいて

男「どう? できた…?」

女「あとちょっとなんです」

男「残ってることは?」

女「大使館への連絡が…」

男「俺がやっとく。他には?」

女「(画面見ながら)だいじょううぶそう…ですね」

男「うん」

   赤さん、じっと見ている

男「(赤さんに)お先失礼します」

男「お疲れ様です」2人、帰社

ハゲた主任「アレはできてるな」

赤さん「そうなの?」

ハゲた主任「赤さんももう上がっていいですよ」

   ×   ×   ×

iPhone操作し通路を進む赤さん たたきながら

カカオの画面『会えないかな 電話してい?』

   うちこむと、送信

 

シーン103 タクシー車内

着信音

美果 バックの携帯を取り一べつ

無視して、戻す

美果「……あ、そこです」

 

シーン104 満留賀

長野「とかね! はっはっは」

赤さん「ないよ」

長野「……」

赤さん「……」

 

シーン105 PUB・前

   タクシーが停車

 

シーン106 PUB

   混む店内 美果入り口から中に すすむと手を挙げる

フードの男「…」

   男のテーブルに来る美果

   美果、笑顔を見せている

 

シーン107 満留賀

長野「いやいや、なんか考え事とかしててさ。メシくってても…」

 

シーン108 長野家

   長野、口をあけている。

長野「ああ」

   のみこむ。

 

シーン109 満留賀

長野「とか飲むの忘れる時ない?」

赤さん「いや、かんだら飲むから、オレは」

長野「いや……そうだけど。(茶を一服)いや、そうじゃなくて。記憶をなくすとかいうレベルじゃなくて、日常の中で無意識になる時ってたまにあるよねって話」

赤さん「(食いながら)ふんふん」

 

シーン110 長野家・前

ズボンを脱いだ長野、立ちすくむ

長野「あれ……しりふいたっけ?」

 

シーン111 満留賀

長野「とかさ」

赤さん「どこ行こうとするの? 途中で」

 

シーン112 長野家・前

あわまみれの長野、立ちすくむ

長野「……風呂出たっけ?」

 

シーン113 満留賀

長野「とか」

赤さん「あるかな…」

 

シーン114 長野家・前 スズメのさえずり

女子の格好の長野、立ちすくむ

長野「なにしてんだオレ……」

 

シーン115 満留賀

長野「とかさ! わかるでしょ?」

赤さん「いや、なにしてるの? 朝帰りなの?」

長野「ちがうよ」

声「おぅ、奇遇だなぁ」

   赤さん、ニラむ

長野「長官!」

   郡司、おぉ、と手をあげる

長野「お知り合いなんですか?」

郡司「あぁ、来月ですが、旅行に…」

 

シーン116 メラ家

   メラ、帰宅 部屋の明かりの紐を引く

   付かない

メラ「(そうか)」

   暗闇でイスに掛け鍵盤を押さえ、うたって書く

 

シーン117 岩倉家・前

   赤さんキャリーバックかたてに見ている

   路上に停まった、ラグジュアリーな外車

 

シーン118 岩倉家

   父はプラユットの腕時計を見ているが、母「東京ミッドタウン?」

プラユット「それまで相方の部屋に居候して

たんだけど、遠いし、汚いし、やってやってたなー」

母「そうなの」

プラユット「それから朋輩(ほうはい)と銀座で飲んで、表参道でカットして貰って、カラーして貰って、服買って、ちょっと金欠スねー」

母「ねえ、サイン頂戴よ」

プラユット「ゼンゼン」

父「時計もえぐいなー」

プラユット「(サイン書きながら)いや、たまたま誕生日だったんで。自分へのご褒美ていうか」

声「ただいまー」

プラユット「(サイン返しながら)あ、帰って来たね」

赤さん「ごめんな。飛行機が遅れて」

プラユット「いえいえ」

赤さん「で、話って?」

プラユット「うん。まあね。明日で芸人辞めます。」

赤さん「え?」

プラユット「タイからエビを買い付けて、加工業者や小売店に大量に売る会社をつくる。」

赤さん「お笑い辞めちゃうの?」

プラユット「相方からは、お笑い愛してないのか?って言われちゃった」

赤さん「うん…」

プラユット「でも上手くいけば、今の収入なんて目じゃないんだぜ? 投資するなら、カネがあるイマでしょ!」

赤さん「そうか…。ん? でなんで俺に会いに来た?」

プラユット「いや、それなんだけど、タイの

養殖業者がぼくを信用してなくて、だから」

赤さん「だから、俺に、役人を紹介しろと?」

 

シーン119 官邸・通路

秘書官「明日は公政会との会食があります」

飯田「何時から…?」

秘書官「7時です。」

飯田「わかりました。またフグを食べるのよね?」

秘書官「はい。公政会は前の会長の大山氏が政界を去ったものの、今の鈴木会長が総裁選の次点になった経緯があります。」

飯田「わかった、大事な同志ってところね」

秘書官「はい。」

飯田「じゃあ先に上がるわね。(秘書室を覗いて)みんなも、なるべくね」

   通路を進む飯田 携帯のメッセージの着信に気付き、取り出す

郡司からのメッセージ『いつものバーで』

 

シーン120 夜空に林立する高層ビル

 

シーン121 暗がりの脇道

   人影が路地裏をすすむ

   倒れる音

   人影振り向く

郡司「逃げろ…」

   美果(影の主)こころなしか、不安な顔つき

赤さん「お前らが何をしようとしているか、こっちは全部わかってるんだ!」

美果聞いている

赤さん「1950年、宇宙には知的生命体も多数存在すると考えられるのに、なぜ地球に飛来した痕跡がないのか、という『フェルミのパラドックス』。マイケル・ハートは論文で、太陽系が属する天の川銀河には、人類以外に高度な文明を持つ生命体はいない筈だと結論づけた。」

   美果冷たく笑む

赤さん「そして2019年、ジョナサン・キャロル=ネレンバックらは、研究論文で『フェルミのパラドックス』に新しい視点を提示した。しかし研究者の想定を根底からくつがえす事態が発生し、危機が訪れていた」

美果「ほーすべてお見通しというわけ?」

赤さん「見ろ。元の顔になってる」

   倒れた者の顔、異星人のそれになって  

   いる

赤さん「あんたらにとって幸運だったのは、郡司と飯田首相が愛人関係だったことだ」

美果「……」

赤さん「大山氏は半年前まで、政界に強い影響力があった。そこで大山氏に接近しあんたは見事愛人となった。それから大山氏の勧めで、郡司と夫婦になった。その後、大山氏にスキャンダルが飛び出したが、あんたらは新しい首相の飯田さんと郡司が、親密な関係であることをつかんでいた」

美果「……」

赤さん「あんたらは飯田首相といれ替わり、この国を支配しようとした。そこで私的な繋がりのある郡司をターゲットにしたが、失敗することを懸念し、外務省をはじめ官僚と深い交流がある私を照準に加えた。首相を狙う計画として、あんたらは見事、郡司の殺害に成功、きょう、飯田首相を狙った…!」

美果「わかった…。降参だ。しかし、我々が日本だけを狙ったと思うかしら?」

赤さん「……」

美果「ワシントンのホワイトハウスの計画は完了をしようとしてるわ、我々の指揮下にはいるのは、時間の問題よ…」

赤さん「なら私を倒して行けばいい。さあ、撃てーー」

美果「バカな坊や…(銃口を向ける)」

   電話の着信

美果「(出て)私だ。…うん…うん、何だと?!」

赤さん「2日前、アメリカに渡り、お前らの仲間はすべてマークした…。 もう終りだ」

美果「己(おのれ)~!!」

   美果、巨大化

 

シーン122 野営

自衛官「狙撃用ー意、撃て!」

   戦闘車両が一斉発射

   炎に包まれる美果

 

エンディングテーマ曲

 

シーン123 郡司家・外観(一軒家。表札に「郡司」)

   捜査員が詰掛ける

 

シーン124 郡司家・中

   家宅捜索にあたる人びと

捜査官「やはりヤツらの司令部に繋がる手掛かりはありませんね」

赤さん「そうか」

別の捜査官「疲れてますか。赤さんは交際されていたんですよね?」

赤さん「忘れたさ」

               E N D

 

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