混色の水   作:とて 

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こんにちは!
混色の水の投稿を始めてから早寝早起きを心がけていますが、早寝って難しいですね。なにかコツがあれば教えて欲しいです。
では、どうぞ!


11話

青葉青果VS桐皇の練習試合。第1Qから激しいPF勝負となっていた。青峰が川崎を躱し、ゴールを決める。川崎はドリブルで中に入り、パワーでゴールを決める。そのやり合いであった。今吉はパスを回しながらそれに驚いていた。

 

(まさか、本当に青峰と同じ実力なんか…!?見るまでは信じられへんかったが…。ということは…海野と沼咲もっていうことかいな。陽泉さんが調子悪かったわけではなさそうやな。)

 

第1Q終盤、残り30秒切ったところで青峰が決める。すぐにリスタートし、沼咲が運ぶ。沼咲は時計を横目で確認し、水木に合図をする。水木はその意図がわかり移動し始めた。

 

「傑!」

 

川崎が外に出ながらパスを受ける。青峰はそれを追いかけようとしたが、水木のスクリーンにかかる。

 

「チッ…。」

 

川崎は受け取ったボールをそのまま綺麗なフォームで放った。若松が驚く。

 

(あいつ、3Pもあんのかよ!?)

 

ボールは綺麗な弧を描きゴールに吸い込まれた。そこで笛がなる。川崎が青峰を見て少し笑う。

 

「俺の勝ち。」

 

「うっせ、次だ次!」

 

「大輝から点入れ始めたから同じじゃね?」

 

沼咲がひょこっと2人の前に出て言う。その言葉に2人とも少し考える。青峰が笑いながら口を開く。

 

「なにが勝ちだ!‪w茂樹の言う通り、ゴール数同じじゃねーかwww!!」

 

「うっさい!最後3P決めたから点数は俺の勝ちだし!」

 

「たった1点じゃねぇか!?」

 

「1点でも勝ちは勝ちです!」

 

青峰と川崎は何故か掴み合いの喧嘩を始めそうになった。

 

「青峰くん!」

 

「傑!」

 

桃井が青峰を、海野が川崎を呼ぶ。海野が続ける。

 

「早く戻れ。茂樹も2人を刺激するな。」

 

川崎は大人しく戻って行った。そのあとを沼咲も追っていく。青峰も桃井に引っ張られて戻っていく。第1Qは26対21で、青葉青果のリードで終わった。

 

 

 

青葉青果のベンチでは、桑田のもとに全員が集まっていた。

 

「傑、良くやった。相手の出方次第だが、次は武則を中心に攻める。傑、青峰はどうだった?」

 

川崎が口を開く。

 

「正直キツいですね、流石はキセキの世代のエースという感じです。単純なスピードが速いのはもちろんなんですけど、加速減速の切り替えが上手いです。」

 

「チェンジオブペースか、それに加えてあの変則スキルとなると、3人以外が抑えるのはきついだろうな。優馬、Cの若松はどうだ?」

 

凪佐が口を開く。

 

「まぁ、上手いんですけど、この前の紫原よりは遥かにマシです。ただ…」

 

「ただ?」

 

「うるさいです。」

 

桑田はポカンとしてしまった。次の瞬間、ベンチで笑いが起こる。沼咲が口を開く。

 

「俺も見てて思ってたわそれwww…まぁ、それ以外は問題ないってことだろ?」

 

「あと、動きが読まれてる感じが少しします。」

 

「動きが読まれてるだと?!」

 

桑田がその言葉に引っかかる。水木も口を開く。

 

「あ、俺も読まれてる感じします。」

 

「お前も…ということは…。」

 

海野が口を開く。

 

「たぶん、対策練られています。それも高校バスケではありえないほどに。」

 

沼咲が続ける。

 

「たぶん、桃井さん…あのマネージャーが色々やってるんだと思いますよ。いわゆる諜報部員的な役割だと思います。」

 

桑田が納得したように口を開く。

 

「そうか、ということは3人の情報は取られていると考えた方が良いか。武則下げて、奏を入れる。武則、それでいいな?」

 

「はい。その方が見やすいです。」

 

「では、行ってこい!」

 

 

 

両校の選手がコートに戻る。桐皇ボールから始まり、今吉がボールを運んでいく。沼咲が前に立ち塞がる。今吉が口を開く。

 

「パスで回す布陣かいな、どこから来るかわからんし、嫌やなぁ。」

 

「え?そんなことないっすよ!」

 

今吉は沼咲の迫力に少し下がる。しかし、下がった瞬間に手からボールが抜けた。

 

「なっ…!?」

 

沼咲は今吉のボールを奪い、そのまま上がっていく。青峰がすぐに追いつき、ゴール前に立ち塞がる。青峰のすぐあとに川崎が走ってきていた。

 

(また川崎の野郎にパスか?)

 

「いや、面白いことやるよっ!」

 

沼咲が誰もいないところにボールを送る。

 

「あ?…なっ!?」

 

その先には舟木がいて、ボールをタップして、逆サイドへ送った。

 

「今のは…!?」

 

青峰がボールの先を見ると水木がいて、そのボールをオーバーハンドでゴールへ送った。ボールの先には沼咲がいて、ボールを受け取ってそのままダンクを決めた。青峰はパスに気を取られ、沼咲のマークを外してしまっていたため、間に合わなかった。

 

「なんつー、速さや。」

 

今吉は既に4人が攻め上がっていたことに驚く。桐皇のメンバーは青峰以外戻れていなかった。桐皇は直ぐに切りかえてボールを運ぶ。今吉は先程より、沼咲と距離をとっていた。

 

「怖いのっ!」

 

今吉は諏佐にパスを回す。諏佐の前には舟木が立ち塞がる。諏佐はフェイントを入れ、あっさりと舟木を抜いた。

 

「くそっ…。」

 

「悪いが、初心者に止められる程弱くない!」

 

ゴール前で凪佐が立ち塞がる。

 

「やらせない!」

 

諏佐は凪佐の後方にバウンドパスを送る。フリーになった若松がとって、そのままダンクを決めた。

 

「どっせーいっ!」

 

「くっ…!」

 

沼咲が2人に駆け寄る。

 

「しょうがない、相手は全国に通用する選手だ。」

 

2人は少し悔しそうにするが、すぐに気持ちを入れ替えた。沼咲がボールを運ぶ。

 

(分かってはいたけど、単純に勝負させたらあの3人に全国選手の相手はキツイよな。)

 

今吉が目の前に立ち塞がる。沼咲はすぐに誰もいないところへボールを送る。そこには舟木がいた。すぐに誰かにボールを送ろうとした…が

 

「ない!?」

 

パスコースがなく、ボールをキャッチする。それぞれにきっちりマークがついており、容易にパスを出せなかった。

 

「こっちだ!」

 

川崎が3Pラインの外に出てパスを貰う。だが、すぐに青峰が追いつく。

 

「来いよ。」

 

「遠慮なく。」

 

川崎は3Pのフォームに入るが、すぐに青峰がブロックに入る。それを見てドリブルに切りかえて、抜きにかかる。しかし、青峰はしっかり付いてきた。それをターンで抜く。

 

「!?」

 

抜きにかかった瞬間に青峰が後ろから手を入れ、ボールを弾く。そのボールを諏佐が拾い、すぐに今吉に回す。その前に沼咲が立ち塞がる。

 

「悪いけど、そちらさんの穴をつかせてもらうよ。」

 

今吉は桜井に回す。桜井はクイックリリースで打とうとするが、水木が素早く反応し、飛ぶ。しかし、桜井は一旦下げて、3Pを放った。

 

「すみませんっ!」

 

「くそったれ!」

 

綺麗な弧を描いて、ボールはゴールに吸い込まれた。

 

「…ちっ…!」

 

ベンチで桑田が舌打ちをする。美和が口を開く。

 

「分かってはいましたけど、あの3人が狙われたらどうしようもないですね。」

 

「あぁ。あの3人もだいぶ上手くなったが、全国で勝ち抜いていくなら、基礎的な能力が足りていないのは事実だ。一石二鳥で身につくわけではないが、課題だな。」

 

海野が口を開く。

 

「俺たち3人がフルで出続けるのは無理ありますしね。少なくとも、俺と傑はフルで動き続けるのは無理です。」

 

 

 

桐皇は徹底的に3人を狙って攻め、川崎が青峰と対等に渡り合うも、無情に点差が開いていった。第2Qは43対62の桐皇リードで終わった。15分のハーフタイムになった。青葉青果のベンチは珍しく沈んでいた。その中で沼咲と海野は何故か余裕そうに話している。桑田が口を開く。

 

「前半の結果は良くないが、これから先戦っていく上では必ず起こったことだ。3人はそこら辺の高校生ならば負けないと思うが、県上位、全国レベルではまだ通用しない。が、そのことを今嘆いてもしょうがない。武則、後半行けるな?」

 

「はい、もう十分です。」

 

「では後半は…傑?」

 

桑田が話を進めようとしたところで、川崎の汗の量に驚く。川崎は前半、青峰の相手をずっとしていた。川崎はキセキの世代と同等以上の実力を持っているとはいえ、青峰とスタイルが違いすぎて、普段より体力を消費していた。

 

「傑、第3Qは休め。」

 

「はい。すみません。」

 

桑田は再び考え込む。ここから逆転するならば川崎は不可欠であった。しかし、無理に出しても第4Qで潰れてしまったらどうやっても勝てない。海野が口を開く。

 

「平気です。予定外ではありましたけど、第3Qは点差を縮めるのを重視します。そのために茂樹には動いてもらう。」

 

「おー、おっけー。」

 

桑田が2人の顔を見て口を開く。

 

「わかった。第3QはPG武則、SG蒼、SF奏、PF茂樹、C優馬で行く。指示は武則が今から説明する。」

 

海野が第2Q中にとっていたメモを取り出して説明をし始めた。

 

 

 

桐皇ベンチ。若松が座りながら口を開く。

 

「前半あっしょー!!!」

 

「うるさい。」

 

今吉が若松のタオルに顔を投げつける。若松がタオルを取りながら

 

「いやでも実際、あの3人は流石っすけど、他3人は大したことないっすよ。」

 

「そうやなぁ。」

 

原澤がそれを遮り、手を鳴らしながら口を開く。

 

「はいはい、油断はいけませんよ。情報なしでやってたら陽泉さんと同じ目にあっていましたし。とはいえ、このまま終わる可能性も十分ありますしねぇ。」

 

「いや、それはねぇ。」

 

青峰が突然口を開く。

 

「あいつらはこんなもんじゃねぇ…少なくとも茂樹が大人しすぎる。」

 

今吉が思い当たる節があり口を開く。

 

「あの、陽泉戦で見せたあれか?でもあれは第4Qのみ、時間制限ありの技やろ?」

 

青峰はため息をつく。

 

「バカか。だとしたら、俺たちはあんな苦戦しなかった。」

 

「何が言いてぇんだ青峰!」

 

若松が立ち上がり、青峰に掴みかかろうとしたのを、諏佐と桜井が止める。青峰が続ける。

 

「油断すんなってことだよ。」

 

原澤は頷きながら口を開く。

 

「青峰くんの言う通り、油断は禁物ですよ。後半も集中を切らさずに行きましょう。」




いかがだったでしょうか
最近、色々と追加設定を考えています。話より若干優先してますが、まだストックはあるのでご安心ください。
次の投稿は5月30日(日)18:00です。
お楽しみに!
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