混色の水   作:とて 

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こんにちは!
コロナが収まってきて外に出る人が多くなってきましたが、みなさんはどんな感じですか?
職場の方で飲み会に誘われたのですが、私はまだコロナが怖いという理由で断ろうとしています。(本当はめんどくさいだけですが)

こんな感じで前書きでは近況を書いていこうかと思ってます。
長くなってしまい申し訳ございません、ではどうぞ!


15話

放課後、美和はHRが終わった直後に朝泡に話しかけていた。

 

「ねぇ、バスケ部来てよ!」

 

「元気だなぁ、少しだったら良いけど。銀波は?」

 

「あ、そうだ!銀波くん!…どこだ?」

 

川田が寄ってくる。

 

「銀波くん、HR終わるなりどっか行っちゃったよ?」

 

「紀子ちゃんなんで止めなかったの!?」

 

「ひぃ!!…ごめん。」

 

美和の迫力に川田は少し下がって申し訳なさそうにした。美和はそれに気づく。

 

「あぁ、ごめん。違う、怒ってないから。んー、銀波くんどこ行ったんだろ?朝泡くん知らない?」

 

「あいつ写真部だろ?部室行ったんじゃね?」

 

美和はそれを聞いてすぐに荷物を持ち立ち上がる。

 

「紀子ちゃん、朝泡くん、行くよ!」

 

「はい!」

 

「え、俺も?」

 

「当たり前でしょ!」

 

美和は2人を引っ張って廊下に出ていく。そこで体育館に向かおうとする沼咲と舟木に会う。舟木は半分寝ていて、沼咲におんぶされていた。

 

「どうしたんだ、美和。てか、誰…駆!」

 

「茂樹…なんでお前もいるんだ。」

 

朝泡は海野と水木以外のメンバーを知らなかったので驚いていた。美和が口を開く。

 

「茂樹、朝泡くんお願い!」

 

「お願いって…?」

 

「体育館連れてって!紀子ちゃん行くよ!」

 

「はっ、はい!」

 

美和は川田の手を引っ張りながら歩いていった。沼咲はなにがなんだがわからずに、とりあえず朝泡の腕を掴む。それに朝泡が驚く。

 

「なんで?!」

 

「いや、連れてけって言われたし。」

 

「引っ張んなくても行くから…てか背中のやつ何?」

 

朝泡は沼咲の背中で寝ている舟木を指す。

 

「あぁ、舟木 奏。同じバスケ部だよ。因みにたけ…海野と川崎もバスケ部にいるよ。」

 

「海野は体育ん時に会った。お前ら3人ともここに来たのか。」

 

「うん、楽しいぞ。」

 

「お前らがいるんじゃ楽しくなりそうだな。」

 

2人(3人)は仲良さそうに体育館に歩いていった。

 

 

 

写真部部室、その扉が突然開く。

 

「たのもぉ!」

 

「美和ちゃん、それ道場破りするときに使うやつだよ。」

 

美和と川田が入ると、そこには10人ぐらいがいた。その端っこの方で銀波はカメラを弄っていた。美和がそれを見つける。

 

「いたぁ!銀波くん!」

 

銀波は突然話しかけられ驚く。

 

「えっと…誰ですか?」

 

銀波は美和と川田を見て首を傾げる。

 

「同じクラスの沼咲 美和!この娘は川田 紀子。」

 

「よろしくお願いします。」

 

川田は深々とお辞儀をする。1人の部員が口を開く。

 

「あの…、一応写真部の部室なので、話するなら外で…。」

 

「そうですね、部室から出ましょう。」

 

銀波は立ち上がって、カメラを持ちながら2人とともに外に出た。銀波が口を開く。

 

「で、どうしたんでしょうか?」

 

銀波は2m近くあり、美和は女子にしては身長高いが、それでもだいぶ差があった。美和が口を開く。

 

「銀波くん、バスケ部興味ない?今日の体育で見たんだけど、上手いよね。中学でも相当慣らしてたと思うんだけど。」

 

銀波が両手でカメラを2人の目線あたりに持ってきて、口を開く。

 

「僕は、写真部です。」

 

「いや、知ってるけど。写真部の活動よく知らないけど、うちの学校は兼部も出来るから、考えといてくれないかな?」

 

「兼部…か。してみたいけど、僕、体力ないですよ?」

 

「平気平気、その身長だけでも十分な武器だから。それに、交代要員もいるからどうにかなるって。」

 

「そうですか…、じゃあ兼部してみます。」

 

美和はその言葉に目を輝かせる。

 

「今日写真部は活動日?」

 

「いや、基本は週に一回集まって写真見せ合うだけで、それ以外は基本溜まり場みたいにしてるだけ。」

 

「よし!行こう!」

 

美和は銀波の腕を掴んで引っ張りながら歩き始めた。

 

「えっ…どこに?」

 

「体育館に決まってんじゃん!紀子ちゃんも行こ!」

 

「はい!」

 

「シューズはある?」

 

「体育館ばきなら…。」

 

「じゃあ、それ取りに行こう!」

 

 

 

体育館に着くと、他のメンバーは全員準備を終えていた。そこには朝泡もいた。朝泡は銀波を引っ張ってきた美和を見て少し引きながら口を開いた。

 

「マジで連れてきたんか…。」

 

沼咲が口を開く。

 

「見たことある気がするけど、誰だ?」

 

「銀波 飛鳥です、よろしくお願いします。」

 

美和は自信満々に口を開く。

 

「銀波くんは元帝光中なんだよ!」

 

その言葉に全員が驚く。そして、沼咲が指を指しながら口を開く。

 

「あぁー!ベンチにいたやつだ!飛鳥っていうのか、よろしく。」

 

銀波は覚えていたことに驚く。

 

「よろしくお願いします。」

 

「よしっ、練習始めよう!駆と飛鳥は2人とも経験者だからなんとなくで合わせてくれ。」

 

海野の合図で練習が始まった。

 

 

 

練習の終盤になり、仕事を終えた桑田が体育館に入ってきた。全員がそれに気づく。

 

「「「お疲れ様です!」」」

 

「おつかれ…?」

 

桑田が横に目をやると1人の見慣れない生徒が倒れていた。

 

「ちょっ?!君大丈夫か!?」

 

その横では川田は指でつつきながら見ていた。

 

「いつも通りらしいので、平気ですよ…たぶん。」

 

「そう…なのか?」

 

桑田は練習しているメンバーを見ると見慣れないのがもう1人居た。

 

「見慣れない生徒いるな、新しい部員か?」

 

海野が口を開く。

 

「はい、2人とも経験者です。」

 

「朝泡 駆です、昭栄中出身、ポジションはPGでした。」

 

「ほう…昭栄中か。なぜここに?強豪から誘いがあったんじゃないか?」

 

「バスケは辞めるつもりでこの高校を選びました。」

 

「そういうことか。で、そこのは?」

 

倒れている銀波を指す。すると、銀波はムクリと起き上がる。

 

「銀波 飛鳥です。ポジションはSGでした。」

 

「身長的にインサイドプレーヤーじゃないのか。出身は?」

 

「帝光中です。一軍補欠でした。」

 

「帝光中…そうか…。」

 

桑田は少し見渡し口を開いた。

 

「よし、試合やるぞ。2人の実力も見たいしな。紀子、審判を頼む。」

 

「はい!」

 

「AチームはPG美和、SG飛鳥、SF奏、PF茂樹、C優馬。BチームはPG駆、SG私、SF蒼、PF武則、C傑。時間は残り時間ギリギリまで!すぐ準備して作戦考えろ!」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

準備が終わり、チームごとに集まって話し合いが始まった。Aチームでは、茂樹を中心に話していた。美和が口を開く。

 

「飛鳥は体育で見た感じだとスラッシャー?」

 

「いや、あれは、武則くんが思ったより詰めてたから入っただけで。元々はCやってたから中の仕事もできるけど。」

 

沼咲がそれを聞いて頷く。

 

「おっけ、じゃあ終盤は中に行ってもらっていい?」

 

「はい。」

 

「あとのメンバーはいつも通り、好きにやろう。基本的に主軸は飛鳥で。」

 

「おっけー。」

 

「わかった。」

 

「うん!」

 

「え、僕中心?!?」

 

銀波は沼咲の最後の言葉に驚く。沼咲はニコニコしながら答える。

 

「うん。飛鳥と駆を見るための試合だろ?それに、飛鳥のマークは咲さんだし。」

 

「え、咲さんて…。」

 

美和が口を開く。

 

「監督のこと。説明したけど、うちは基本的に下の名前で呼び合う決まりだから。」

 

「監督もなんですか!?」

 

 

 

Bチームでは海野が中心となって話していた。桑田が口を開く。

 

「私は駆のプレイスタイルをよく知らないが、適当に合わせるから好きに使ってくれ。」

 

「元全日本代表なんだから当然。」

 

朝泡がそう言った瞬間に、その頭を桑田が竹刀で叩く。

 

「目上の人には敬語な?」

 

「はい。」

 

海野が少し笑いながら口を開く。

 

「じゃあ、ゲームメイクは任せるとして。基本的に駆を中心に攻めてくれ。駆と飛鳥を見るための試合だから。他のメンバーは最低限合わせる他は好き勝手にやって。よし、行こう!」

 

「「「おう!」」」

 

 

 

両チームがセンターラインに並ぶ。川田がボールを持ってきて口を開く。

 

「ファールはあからさまなやつ以外はほとんど取りません、負けた方は罰ゲームありです。」

 

桑田が口を開く。

 

「当然、私もやる。罰ゲーム内容は勝利チームが決めろ。」

 

「「「はい!」」」

 

それぞれのポジションに行き、凪佐と川崎がセンターサークルで向かい合う。

 

「始めますっ!」

 

川田がそう言いながら、ボールを二人の間にあげる。凪佐と川崎はほぼ同時に飛び上がり、腕を伸ばす。それを見て銀波と朝泡は驚く。

 

(たかっ?!)

 

(身長あるとはいえ、傑と…いや、傑よりも…)

 

凪佐がボールを叩く。それを沼咲がタップして、舟木に繋げる。その瞬間、沼咲と舟木は目を合わせた。

 

「(本気か、こいつ。ついに試すのか…)おっけ!」

 

舟木はそれをトスして一気にゴールへと放った。朝泡はあまりの速さに驚く。

 

「(ここから届くのか?!…)嘘だろ。」

 

その先には沼咲が走っていた。そして、ゴール前で飛び上がり、舟木からのボールをとる。そのままダンクを決めに入る。

 

「先制点貰ったァ…!?」

 

「やらせねぇよ!」

 

海野が沼咲の動きについていき、ブロックに入っていた。

 

「速いな、流石だ。」

 

そう言いながら、沼咲はダンクしようとしていた手を返して、ボールを放った。そのボールは海野のブロックの手の上を通り、ゴールに吸い込まれた。

 

「相変わらず大道芸かよお前は。」

 

「いや、お前の速さも異常だって。」

 

軽く言葉を交わして、沼咲は自陣へと戻っていった。戻ってくる沼咲に銀波が話しかける。

 

「相変わらずすごいですね。」

 

「おう!奏たちがいるからな。」

 

呆気に取られていた朝泡に桑田が声をかける。

 

「あれが今のうちのスタイルだ。お前はお前のスタイルでやれ。」

 

「はい。」

 

朝泡がボールを運んでいく。その前には美和が立ち塞がる。朝泡は美和のディフェンスに関心していた。

 

「(上手いなこいつ。元青葉中女バス…流石は県上位レベルだな。でも…)お前に俺を抑えるのは無理だ。」

 

「くっ…!?」

 

朝泡はあっさりと美和を躱して、中に切り込んでいった。舟木がカバーに入る。舟木が近づく前に、ストップ&ジャンプでシュートを放とうとした。舟木は急いでジャンプした。

 

「ふん…?!」

 

朝泡はシュートを打たずに、フリーになっていた海野にパスをする。受け取った海野はそのままシュートを打とうとしたが、沼咲が距離を詰める。朝泡が叫ぶ。

 

「外に出せ!」

 

海野はその言葉通り、後ろにボールを放る。その先には朝泡が走っていた。朝泡はクイックシュートを放つ。美和と舟木は反応しきれなかった。ボールは綺麗にリングをくぐった。

 

「よしっ!」

 

沼咲が少しにやけながら見る。

 

「上手いなぁ、あいつ。飛鳥、見せてけよ!」

 

「はい、わかってます。」

 

美和がボールを運んでいく。美和の前には朝泡がいた。美和はすぐに銀波にパスを出そうとした。それを朝泡が読み、防ごうとした…が、美和が放ったボールは強烈な逆回転をし、手を出した方向と真逆に飛んだ。

 

「はぁ?!!」

 

ボールが行く先には沼咲がいて、キャッチし、すぐに3Pを狙いに行く。

 

「やらせるかよ!」

 

海野がすぐさま距離を詰める。

 

「じゃぁ、行けっ!」

 

沼咲はシュートを左手で放とうとしたボールを右手で叩き、サイドへ回した。中で銀波がとる。その前には桑田が立ち塞がった。

 

「さぁ、見せてみろ!」

 

「じゃあ、遠慮なく。」

 

銀波はノーフェイクでシュートを打ちにいった。桑田が飛び上がる。銀波の放ったボールが桑田に弾かれる。

 

「高い…ですね。」

 

「女だからって舐めるなよ?」

 

ルーズボールを水木がとり、ドリブルで駆け上がる。舟木がついていく。しかし、急に舟木の動きが止まった。

 

「スクリーン…だっけ?」

 

「よく覚えたな。」

 

海野が舟木にスクリーンをかけ、舟木が止まる。

 

「よっしゃ!」

 

水木はボールをコートに叩きつけ、飛び上がった。落ちてくるボールに合わせて、オーバーハンドトスをした。

 

「やらせねぇ!」

 

「あっ!?」

 

水木の放ったボールを沼咲が叩き落とす。沼咲は着地してすぐにルーズボールをとる。そして、コートを見渡す。

 

「そこだぁ!」

 

戻りきれていなかった銀波にパスを出す。銀波はそれを受け取り、目の前の桑田を見る。

 

(この人は上手い…)

 

銀波はまたすぐにシュートに入る。桑田は飛び上がりボールを弾こうとした。だが、銀波が後ろに飛んでいることに気づいた。

 

「なっ…(3Pラインだぞここは?!)」

 

そのボールは綺麗な弧を描き、リングに吸い込まれた。桑田が口を開く。

 

「3Pでフェイダウェイとは…しかもとても綺麗なシュートだな。」

 

「中学の時に当たった選手がよく打ってたので、それを練習して真似しました。」

 

「今はこんな選手がいるのか。」

 

そこで体育館にチャイムが鳴り響く。桑田がそれを聞いて叫ぶ。

 

「マズイ!全員5分以内に片付けと着替えを済ませて学校から出ろ!校長に怒られる!!」

 

「…は?」

 

「どういうことでしょうか?」

 

「「「はい!」」」

 

朝泡と銀波が首を傾げたのを他所に他の全員は片付けを急いで始めた。




いかがだったでしょうか。
次の投稿は11月28日18:00です。
どうぞお楽しみに
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