今日は特別ですが、これから毎週日曜18:00に投稿していきます。
短いですが、どうぞ。
横須賀南幸台高校VS大木高校の第1Qは16対2で、横須賀南幸台優勢で終わっていた。そして、第2Qが始まる。大木の主将 加藤が根潮の肩に手を置く。
「そろそろ行けるな、根潮。」
「じゃあ、中も頑張ってくださいよ?」
「言っとけ。」
両校のメンバーがコートに入った。大木のボールから始まる。新城はマークが着く前に根潮に回す。根潮はスリーポイントラインより手前かつ高い位置でボールを受け取った。田中が急いでマークにつく。
「ほいっ!」
「えっ…?!」
根潮は下半身を動かさず。腕の力だけでシュートを放った。ボールの位置も高いままだったので、田中は反応できなかった。ゴール下でポジションを取ろうとした新藤が驚く。
「全員、下がり始めた?てか、届くのかよあれで…しかも、その軌道…。」
新藤は長くCをやっている。ゴール下でリバウンドを取る回数も多かった。そのため、入るシュートか入らないシュートかはわかってしまう。その目でハッキリと確信した。
「入る…。」
根潮の放ったボールは綺麗にゴールリングを潜った。見ていた銀波が口を開く。
「ありえない…ですよ…。」
笠松も苦い表情になった。
「人間技じゃねーよありゃ…。」
シュートは長い距離になるほど、体全体の動きの力を上乗せして飛ばす。ゴール下等であれば腕の力だけで飛ばせるが、スリーポイントとなると、ほとんどの選手はそれ以外の力も使わなければ届きもしない。少なくとも、日本の高校生でそれをできる人間はいなかった。沼咲が笑う。
「やっぱやべぇなあの人。」
「座ってスリーポイント打ってた人だからな、あれが出来ても不思議ではない。」
「はぁ?!」
笠松が海野の言葉に驚く。横須賀南幸台のメンバーもそのシュートに呆気に取られていた。工藤が口を開く。
「すぐリスタートだ!」
「はい!」
新藤がボールを中に入れる。しかし、大木は全員自陣に戻っており、隙がなかった。工藤が叫ぶ。
「俺に回せ!」
「工藤さん!」
丸坂から工藤にボールが渡る。その目の前には加藤が立ち塞がる。
「ほら、来いよ。」
「舐めんな…よっ!」
工藤はシュートフェイントを入れ、加藤を抜きにかかる。しかし、加藤はしっかりついてきていた。工藤はターンをし、加藤を躱す。加藤は笑っていた。
「もらったー!」
飯田の手が工藤の持っていたボールを弾く。
「なっ、いつの間に…。」
加藤がルーズボールをすぐに取る。
「根潮!」
根潮が既に走っており、それを田中が追いかけていた。加藤から根潮にボールが渡る。根潮はハーフラインを超えたあたりでボールを受け取り、すぐにシュートを放とうとした。田中は追いついても止められないことを分かっていた。
「くそっ…(そっからも届くのか?!)」
「2度もやらせるか!」
橋本も追いかけており、根潮の放つボールに飛びつこうとした。
「よっと。」
根潮はターンをしながら橋本を躱し、シュートを放った。そのシュートは綺麗にリングをくぐる。田中と橋本が顔を上げると根潮は笑っていた。
「やっぱ試合って楽しいー…。」
その後の試合展開は一方的となった。根潮のスリーポイントを連発し、それを囮に他のメンバーが点を取っていった。横須賀南幸台の攻撃は止められ始め、点を取れず、点を取られることが多くなった。
──────ピィー!
試合終了の笛が鳴り響く。41対80、大木高校の勝利。根潮は1人で16本のスリーポイント、48点を決めた。笠松は結果に引いていた。1人で50点近くを決める。強豪と弱小の試合ならば十分ありえるが、強豪同士、なおかつ横須賀南幸台の守備力は県No.1。
「なんだあいつ、しかも体力も十分にある。黄瀬、真似できるか?」
「無理っす。ゴールに近ければ可能っすけど、スリーは絶対無理っす。」
青葉青果のメンバーが立ち上がる。沼咲はニコニコしていた。
「楽しみになってきた!」
青葉青果のメンバーが立ち上がったのを見て、桑田も立ち上がる。
「では、私も失礼します。決勝リーグ、王者の座を貰いに行きます。」
「あぁ、楽しみにしてるぞ青葉青果高校。」
黄瀬も立ち上がる。
「ぬぁぁぁ!俺も楽しみになってきたっす!沼咲っち、海野っち、川崎っち!全中のリベンジさせてもらうッスよ!」
帰ろうとしている3人を指さす。沼咲が笑う。
「こっちのセリフだよ。」
「あと、銀波っち〜、今度ご飯行こうっす!」
「ぜひ、行きましょう。」
しばらくして、海常のメンバーも座席を立ち始めた。黄瀬が隣で動かない笠松に首を傾げる。
「どうしたんすか?笠松先輩。」
「今年の決勝リーグ…去年以上に楽しめそうだ。」
笠松は笑っていた。
「そうッスね。」
観客席後方で、決勝リーグ進出を決めた厚木千賀高校のメンバーも見ていた。魚崎が笑う。
「強いやつがたくさんいるなぁ。これは北の王者として頑張らないとね〜。」
大木高校のベンチの片付けが終わっても会場出口で根潮はコートを見ていた。加藤が声をかける。
「根潮、帰るぞ。」
「…沼咲、海野、川崎。あの3人とついにやれるのか。」
「根潮!」
「あ、はい。」
『海常』、『青葉青果』、『厚木千賀』、『大木』、決勝リーグ進出の4校が出揃った。
いかがだったでしょうか。
次の話から4000字前後で1話ずつ投稿していきます。
次回の投稿は4月3日(日)18:00です。
どうぞお楽しみに。