仕事の方も始まり、また途中でダウンするかもしれないですが、今のところ5話までは出来ているので、暖かい目でお読みください。
黒子がコートに入り、青葉中ボールで始まった。海野は出方を伺いながらボールをついていた。赤司が話しかける。
「テツヤのことは気にしなくていい、いや正確には…気にしても意味がない。」
「海野!」
沼咲が声を荒らげる。海野は反射的にボールを左右に振る。今までついていた手の下に別の腕が見えた。海野はそれをロールで躱して、赤司とともに抜きにかかる。赤司の手がそれを阻み、ボールは外に飛んで行った。キセキの世代は驚いていた。沼咲が黒子の存在に気づいたこと、そして海野が反射だけで黒子、更には赤司までもを抜こうとしたことに。
「いや、サンキュ沼咲。」
「なんかお前ら気づいてねーなーって思ってて。」
「お前の視野と一緒にするな。」
海野が再びボールをつき始める。今度はすぐに川崎にパスをする。ゴールの最深部まで一直線のパスであった。押し合いながら紫原が口を開く。
「あんたの力じゃ無理だよ。」
「確かに…なっ!」
ゴールに背を向けていた状態からターンしながら膝を抜いて、後ろに飛びながらシュートの体勢に入る。
「くっ…!?」
紫原は必死に手を伸ばすが間に合わない。川崎の手からボールが離れた瞬間、後ろから伸びた腕によって叩き落とされる。それは緑間であった。
「みどちん、ナイス〜!」
「あちゃぁ、2人かよ。」
「悪いが、これ以上やらせん。」
ルーズボールを黒子がとり、青葉中側コートにぶん投げる。直線的な軌道で、その先には青峰が走っていた。
「ナイス、テツ!」
青峰がそのボールを受け取り、ゴールに向かうが、その前に沼咲が立ち塞がった。
「速ぇな、お前。」
青峰は変則的なドリブルを見せ、沼咲を躱そうとする。だが、沼咲は一切釣られずに、青峰の動きについて行った。青峰はそのままコートの端までドリブルしていった。しかし、ゴールからは離れている。
「そんなもん?」
沼咲が挑発をすると、青峰はコート外に倒れながら横飛びをした。そして、ボールをゴールの裏から、ゴールに投げる。沼咲は反応しきれず見送る形になった。
「マジかい…。」
不安定な軌道ながらもゴールに吸い込まれていく。青峰は楽しそうに立ち上がりながら口を開く。
「最高だぜ…、お前名前は?」
「沼咲 茂樹、よろしく〜。」
「茂樹か、俺は」
「大輝だろ?流石にあんたらの名前は一方的に知ってるよ。」
青峰と沼咲が話し込みそうな流れになったのを審判が阻止、赤司と海野が謝りながらも試合が再開する。第2Qの残りは帝光の猛追が始まり、49対27で帝光中有利で終わった。帝光中と青葉中のプレーに会場が湧いていた。
「青葉中強すぎだろ!!?」
「嫌でもやっぱキセキの世代には勝てないだろ!」
「いやでも、もしかしたら…???」
観客は青葉中が勝つかどうかで盛り上がっていた。帝光中のベンチもどうやって勝つかで話し合っていた。一方で青葉中は、今日の夕飯の話をしていた。
審判の合図とともに両校の選手がコートに戻る。帝光中はスタメンのキセキの世代5人。青葉中は田中と佐藤が抜け、猪木(中2){14番}と月川(中2){8番}が入った。海野、沼咲、川崎はまだ夕飯の話をしていた。沼咲が偉そうに言う。
「絶対焼肉だろ!最後だぜ?」
「いや、最後は唐揚げ!」
川崎が強く言い返す。海野が矛先を猪木に向ける。
「猪木、何が良い?お前のにする。」
「えっと…生姜焼き?」
「「「採用!」」」
「えぇー。」
こんな感じに決めて良いのか首を傾げる猪木と、先輩たちの真面目に雑な感じに少し引いていた月川であった。ジャンプボールの位置に着く。紫原が川崎に声をかける。
「余裕そうだね?」
「いや、全然。ところで紫原くんは何の食べ物好き?」
「俺はお菓子ー。」
「あー、そりゃ大きくなるわなー。」
──────ピーッ
紫原と川崎が一緒のタイミングで飛ぶ。手のひら1枚分の差で川崎がとり、海野にボールが渡る。
「チッ…」
「今度は勝てた。」
海野がドリブルで進んでいく。その前に赤司が立ち塞がる。赤司は天帝の目を使い、強者がわかる領域を作り出していた。海野はそれを察知してすぐに沼咲に回す。沼先には青峰がついている。
「よっしゃこい!」
「おー、んで?」
一瞬で青峰を抜き去った。紫原が急いでカバーに入る。紫原が沼咲に足を向けた瞬間に沼咲がゴールにボールを放った。
「なっ…!?」
その先には川崎の手があり、空中でボールをキャッチし、そのままダンクを決めた。
「大輝、もう少し本気で来いよ。」
自陣のコートに戻りながら青峰を挑発する。川崎も戻りながら、沼咲に近寄る。
「やっばいよ、疲れたよ俺。」
「わかるー、とりあえずあとは(力を)抜こう。海野、それでいいよな。」
「あぁ、このQは猪木と月川を中心にやる。俺もあれ(赤司)の相手はこのQはやらん、最後まで持たなくなる。」
「「「「了解!」」」」
第3Qは青葉中は猪木、月川を中心に攻め、帝光中はそこのミスマッチを利用して攻めるという試合運びであった。第3Qが終わり、89対38で帝光中有利で次のラストQに進む。
第4Q、帝光中ボールで始まった。青葉中は猪木、月川の代わりに田中(中2){9番}、牧野(中2){13番}が入った。赤司がボールを運ぶ。その目の前には沼咲がいた。
「君は、青峰のマークじゃなかったのか?」
赤司はそう言いながら周りを見渡す。すると、緑間には田中、黒子には海野、青峰に川崎、紫原には牧野がついていた。
「何を狙っているかはわからないが、どちらにせよ、僕を止めるのは不可能だ。」
赤司はアンクルブレイクを決めに行こうとする…が、沼咲は一切釣られずに抜かれもしなかった。
「それで?それだけか?」
「くっ…。」
赤司は黒子にパスをしようとしたが、沼咲がそれをカットした。
「なにっ…!?」
沼咲がドリブルで上がっていく。瞬時に反応した青峰が立ち塞がる。
「大輝の相手は俺じゃないよ。」
前方にパスを出す、受け取ったのは川崎であった。
「おらっ!」
ダンクを決めた。赤司が抜かれ、青峰が囮に引っかかった。が、直ぐに切りかえて、赤司が運んでいく。今回はハーフライン超える前に緑間に渡す。ハーフラインからスリーの姿勢に入るが、田中は真っ先に距離を詰めていた。
「スリーだけだと思うなよ!」
田中がブロックに飛ぶ直前に、ワンドリブルを入れて躱して再びシュート体勢に入った。
「俺のシュートは…」
高弾道のシュートが綺麗な回転をしてゴールに入る。
「落ちん!」
緑間はシュートが入ったかどうかを確認せずに戻って行った。沼咲が田中に駆け寄る。
「ドンマイ、お前とは1年違うんだ、今はなるべく食い下がれ!」
「はい!」
沼咲→田中→海野のパスが繋がる。海野の前に黄瀬が立ち塞がる。
「行かせないっすよー!」
「君には無理だよ。」
ノーフェイクで黄瀬を抜く。
「あーー!!!」
紫原がすかさずフォローに入る。海野は無視してダンクの姿勢に入った。
「チョーシのんじゃないよ!」
紫原は圧倒的な高さで止めに入る。海野は空中で一旦あげたボールを下げて、下からゴールに放った。青峰と川崎、牧野はリバウンドの準備に入るが、ボールはゴールに吸い込まれていった。
「なっ…。」
「紫原くん、高いだけ?」
海野の挑発に紫原がキレる。赤司が制する。
「今はまだ勝てない。だがそれは個人の話だ。チームで負けるわけがないだろ。」
帝光中VS青葉中。結果、101対82。青葉中が脅威の粘りを見せた。キセキの世代は疲れたような表情をし、青葉中の3人はやりきったような表情をしていた。黄瀬が3人に声をかける。
「3人とも名前なんて言うんすか?」
「海野。」
「川崎。」
「沼咲。」
「なんで苗字だけなんすか!?」
「いや」
「モデルには」
「悪いやつしかいない。」
「どっかから文句来るっすよ!?てか、そんなキャラじゃないすよね3人とも!!?」
黄瀬と3人が騒いでいるところに他の5人も寄ってくる。青峰が沼咲に声かける。
「お前ら、高校入っても続けるよな?」
「たぶん続けるよ。大輝たちと試合できたからどっかから声かかると思うし。」
「高校に入ったら1VS1で勝負しろよな?」
「あ、ずるいっす!俺も沼咲っちとやりたいっす!」
「あぁ、覚えてたらね。」
紫原は川崎に声をかける。
「次も負けないかんね。」
「次があったらな。」
他のメンバーは海野と話していた。しばらくして、会場の様子を見て解散した。3人は他のメンバーと別れ、会場の廊下のベンチで座っていた。沼咲が口を開く。
「終わったなぁ。」
「流石にキセキの世代は強いな。」
「高校どうする?」
沼咲が海野に問う、川崎も同じことを聞きたかったらしく黙って頷く。海野は少し考えて口を開く。
「中学も自由にやらせてもらったけど、高校もそれが良い。同学年同じチームにもうちょい欲しいし。」
「確かにねぇ。」
「わかる。」
3人が座っているところに沼咲の姉 沼咲 美和が来た。その目は少し涙ぐんでいた。
「おつかれ、3人とも。」
「あー、すまんな。」
沼咲が申し訳なさそうに、少し笑って謝った。川崎がニヤつきながら。
「泣かせたー!」
「最低だと思うぞ。」
海野もニヤつきながら弄る。
「お前らも負けてんだからな!?」
沼咲が笑いながら返す。その様子に美和も笑う。4人とも笑っていた。そこに1人の女性が来る。
「君たちは先程試合をしていた青葉中の海野、沼咲、川崎だな。君は…。」
美和の顔を見ながら首を傾げる。美和が意図に気づき頭を下げる。
「すみません、私は沼咲の姉です。すぐ行きます。」
「あぁ、いいよ。そのままで。」
「なんすか?」
沼咲が口を開いた。
「私は桑田 咲。昔は全日本でも戦ってたんだが…。」
美和がその名前に反応する。
「えっ!?全日本って、元全日本代表SFの桑田 咲選手ですよね??私、ファンでした!!」
「よく知っているな、後で書いてあげるよ。」
海野が口を開く。
「んで?その元代表がなんの用ですか?」
「あぁ、悪い。今は教員をやっているんだが、来年から神奈川の私立青葉青果高校で働くんだ。そこでバスケ部の顧問をやる、そこに君たち3人をスカウトしたい。」
「私立青葉青果?」
4人とも聞いたことがない高校だった。桑田が高校のパンフレットを4人に渡す。そこには新設と書いてあった。
「来年から新設される高校だ。要するに君たち3人中心にチームが作れる。そしてそこでともに全国制覇を狙う。」
桑田の目は真面目で、一切のふざけた様子はなかった。沼咲が口を開く。
「人数揃うんすか?」
「あぁ。そこに関して君たちにも頑張ってもらいたい。スポーツにも頭にも力を入れる予定は今のところないらしいから、そこそこぐらいの人間が集まる高校になる。そこで運動神経の良さそうなやつをそれぞれ1人ずつ誘って欲しい。練習にさえ来させれば後は私がどうにかして入れる。」
その顔はにやけているようで3人とも引いていた。美和が口を開く。
「私も!…私も入っていいですか?」
「お姉さんだったか?悪いが2年生以上の募集は、」
「私も同じ学年です。青葉中女子バスケ部主将PGです、拙い経験値ではありますがマネージャーは出来ると思います!」
「青葉中女子バスケ部…県内でも有数の学校だが、誘いが来ているんじゃないか?」
「断ります!私は3人と一緒の高校行くんで!」
美和の様子に3人が笑う。沼咲が口を開く。
「俺たちは美和が来るんだったらそこ行ってもいいっすよ。なぁ?」
「海野が決めてくれればそこに行く。」
川崎は判断を海野に促した。海野が口を開く。
「はい、その条件さえ通れば行きます。全日本にいた人の指導を受けられる機会なんて無いでしょうし。」
桑田の表情が緩む。とても楽しみそうに。
「わかった、というか受験さえ突破してくれれば受け入れる。スポーツ推薦はないから普通の推薦、もしくは一般受験してくれ。私立だから多少は優遇できる。」
そこで4人の意思が固まった。高校の舞台はどうなるのか…。
どうでしたでしょうか?
次回は日常回となりますので、少しばかり文量少なくなります。
次回の更新も来週、4/18(日)18:00となります。