先週はすみませんでした。
今週からちゃんと毎週投稿します!
(無理でしたすみません。後書きをお読みください。)
では、どうぞ。
IH予選神奈川県予選決勝リーグ2日目。1日目の勝者は青葉青果と海常。2日目の組み合わせは、青葉青果VS厚木千賀、海常VS大木である。第一試合の青葉青果と厚木千賀の試合に注目が集まっていた。
青葉青果のベンチでは川田のみが緊張で固まっていた。美和が川田の肩に手を置く。
「何緊張してんの?紀子。」
「え、だって美和ちゃん…お客さんの数が昨日より…。」
「まぁ、昨日の試合でIHの枠が絞られたからね。この後のキセキの世代の試合を抜いたとしても、うちの試合に対する興味が大きいんでしょ?」
神奈川県高校バスケのIHへの枠は2校。その1つはここ数年、王者海常が取り続けていた。つまりは、基本的に決勝リーグの残りの3校は残り1つの枠を争うことになる。大木高校は昨日青葉青果に負けた。今日の試合で青葉青果が勝てば、青葉青果は2勝。1年生のみでIH出場、その期待に多くの観客は集まっていた。
川田は観客席を見ながら震えていた。川田は全く緊張している様子のなさそうな美和に驚いていた。
「なんで、美和ちゃん緊張してないの?」
「私たちが緊張してもしょうがないでしょ?それに、あいつら見てみ。」
美和がベンチでそれぞれの準備をしているメンバーを指さす。
監督の桑田と、PGを務めることの多い海野と朝泡は、ゲームメイクの確認をしていた。
舟木は寝ており、その横で、川崎と凪佐と銀波は今日の夕飯はどこにするか話していた。
川田はいつも通り過ぎるメンバーに呆気に取られていた。
美和がベンチの後ろを指さす。川田がその方向を見ると、沼咲と水木はまた大道芸のような動きをしていた。美和が微笑みながら口を開く。
「うちのチームは他とは違う。1年生のみの新設校で決勝リーグまで来たら注目されるのは当然。でも、種目は違えど、みんな全国経験者。選手が緊張してないのに、私たちが緊張する理由はないでしょ?」
強ばっていた川田の表情が軽くなった。
「ありがとう、美和ちゃん。」
「うん。」
2人が話している様子を横目で見ていた桑田が、川田の緊張が解けたのを見て口を開く。
「よし、集合!」
桑田の声に反応して、メンバーが集まる。
「さっき控え室で話した通り、スタートは茂樹、蒼、武則、傑、優馬。今日の試合は最終確認よ!」
「「「はい!!!」」」
桑田が大きな声で「最終確認」と言った瞬間に、厚木千賀のメンバーの目が鋭くなった。
桑田は横目でそれを見てニヤける。
「明日に疲れは残すなよ?」
「「「はい!」」」
──────ピーッ
笛が鳴り、両選手がコート中央に並ぶ。
青葉青果高校{PG:沼咲茂樹(5)、SG:水木蒼(7)、SF:海野武則(4)、PF:川崎傑(6)、C:凪佐優馬(8)}
厚木千賀高校{PG:堂野滝昌(5)、SG:魚崎緋月(4)、SF:笹塚遊(6)、PF:三玉祐希(7)、C:永友正人(8)}
海野と魚崎が握手をした。魚崎が口を開く。
「最終確認とは舐められたものだな。」
「いえ、舐めてはいませんよ。よろしくお願いします。」
海野はお辞儀をして、自分のポジションについた。魚崎が永友の肩に手を置く。
「おい、相手のジャンプ力はすごいが、負けるなよ?」
「わかってる。」
センターサークルで凪佐と永友が向かい合った。永友は凪佐を睨んでいた。
「随分舐められたものだな、うちとの試合が最終確認とは…。」
「すみません…。」
──────ピッ
笛の音とともにボールが空中を舞った。凪佐と永友は同時に飛び上がり、手を伸ばす。永友の手が僅かに上にあった。
「よっしゃぁ!!!」
永友がボールを叩き、魚崎がとり、堂野にパスをした。
「もーらいっ!」
「な?!」
堂野がボールをキャッチしようとした瞬間に、沼咲がそのボールをカットした。堂野はすぐに追いかけようとしたが、沼咲はすぐに横にボールを放った。
「ほいさっ!」
沼咲の影から突然水木が出てきて、オーバーハンドでボールをゴールに放った。堂野はあまりの速さに呆気に取られた。魚崎が口を開く。
「外れるぞ!リバ…?!」
ゴールの近くには既に凪佐が走り込んでいた。ゴール下で凪佐が飛び上がる。
「ふんっ!」
──────ドガッ!!
凪佐はボールをリングに叩き込んだ。厚木千賀のメンバーはほぼ全員コートの中央に取り残されていた。凪佐は自陣に戻る時に、永友とすれ違った。凪佐は横目で永友を見ながら口を開いた。
「ジャンプボール取れて良かったですね。」
「なっ…てめぇ…?!」
魚崎が永友の肩を掴む。
「やめろお前。油断したのは事実だ。うちが先手を取られるのは久しぶりだが、やることは変わらない。」
「…わかってる。」
「取り返すぞ!」
三玉がコートにボールを入れ、堂野がボールを運び始めた。ハーフラインを越えたあたりで沼咲がその前に立ち塞がる。
「やる気満々っすねぇ。」
「舐めるなよ、1年!」
堂野は左にボールを振って、次の瞬間に右から沼咲を抜きにかかった。
「よしっ!」
堂野は思わず抜いたのを確信して声を漏らした。
「…かかった。」
「な?!」
沼咲の後ろから水木が現れ、堂野の持つボールを弾いた。
「イェイ!」
「ナイス…武則行け!」
零れたボールを沼咲が右手で拾い、左足を軸に回転しながらボールを前に投げた。海野は既に前に走っていた。笹塚は反応が遅れ、追いかけていた。海野は3Pラインでボールを取り、立ち止まった。その隙に笹塚が海野の前に立ち塞がる。笹塚が海野を睨む。
「何のつもりだ?…はぁ?!」
海野は突然ボールを放った。ボールは綺麗な弧を描き、リングを潜った。海野が口を開く。
「こういうつもりです。」
「くそっ。」
魚崎が笹塚の肩を叩く。
「気にするな。」
「あぁ、わかってるよ。だが、このままだと…。」
「わかってるよ。だいぶ早いが、この試合を落とす訳にはいかないしな。堂野!」
魚崎が堂野に声をかける。堂野は魚崎と目を合わして頷いた。笹塚がボールを入れ、堂野が運ぶ。ハーフラインを越える前に堂野が口を開く。
「行くぞ!」
「「「おう!! 」」」
厚木千賀の選手たちが一斉に走り出した。堂野が笹塚にボールを回す。笹塚の前に海野が着く直前に、笹塚は堂野にボールを返す。沼咲が急いで堂野に着こうとした瞬間に魚崎にボールが回された。厚木千賀の選手はハーフコート内で超速パスワークを見せた。水木と凪佐はそのスピードに困惑していた。堂野が魚崎にパスをする。水木は何とか着いていこうとしたが、その瞬間に三玉のスクリーンにかかり、魚崎は3Pライン付近でフリーでボールを受け取った。魚崎がシュートフォームに入る。
「やらせるか!…あ。」
川崎がボールを弾こうと飛びついた瞬間に、魚崎がボールを中に入れる。そのボールは三玉に渡り、三玉はジャンプシュートを決めた。
「よしっ!」
「ナイス!」
厚木千賀の5人は急いで自陣へ戻って行った。
沼咲がボールを運ぶ。沼咲の前に堂野が立ち塞がった。沼咲は厚木千賀のディフェンスの形に違和感を持っていた。
「(ゾーン?いや、若干違うような…。とりあえず…)よいっ。」
沼咲はボールを横に放った。誰もいなかったはずの場所に水木が現れ、川崎にボールが回る。川崎がボールをキャッチした瞬間に、魚崎と三玉が前に立ち塞がっていた。
「ダブルチーム?!」
沼咲はそれを見て、違和感の正体に気づいた。
「回せ!」
沼咲が声を荒らげる。川崎が急いでパスコースを探そうとした瞬間、川崎の持っていたボールが弾かれた。
「うそっ?!」
そのボールを弾いたの堂野であった。魚崎がそのボールを拾い、攻守が交代する。魚崎がドリブルで青葉青果のコートに侵入した。沼咲がその前に立ち塞がる。
「行かせないっすよ…あー、こりゃつらいな。」
魚崎はすぐにボールを横に流した。魚崎の影から堂野が出てきて、沼咲を抜きにかかる。沼咲は急いでそのコースを塞いだ。
「甘いよ、1年!」
堂野はすぐに魚崎に戻し、魚崎が沼咲を抜いて行った。
「行かせない!」
水木が急いで魚崎の前に行くが、魚崎はターンをして、軽く躱した。
「うそんっ!?」
「行かせるか…やばっ?!」
海野が追いついて魚崎の前に立ち塞がったが、魚崎はその瞬間にボールをゴールへ放った。その先には三玉が飛んでいた。
「うしっ!」
──────ガシャッ!
三玉のダンクが決まる。魚崎は戻りながら沼咲の横を通った。
「神奈川県を舐めるなよ?1年。」
「…。」
沼咲は黙ってそれを見送った。海野と川崎が沼咲に駆け寄る。海野が口を開く。
「知ってはいたが、やはり実物はやばいな。」
沼咲は少し楽しそうに口を開いた。
「流石は神奈川NO.1のスピード型チームだ。面白くなってきたな。」
「決勝リーグは面白いね。」
川崎も楽しそうにしていた。海野が2人の様子を見て笑う。
「そうだな。」
まだ試合は始まったばかりである。
いかがだったでしょうか。
ストックが10話分ぐらいできたら少し投稿頻度増やそうと思ってます。
次回の更新は5月15日(日曜日)18時(午後6時)です。
どうぞお楽しみに。
【追記】
すみません、無理でした。来週、5月29(日曜日)18時(午後6時)に2話投稿します。本当すみません。出来たら3話投稿します。