混色の水   作:とて 

25 / 27
どうも。
どうぞ。


25話

IH予選神奈川県予選決勝リーグ2日目、青葉青果と厚木千賀の第1Qは殴り合いのような展開であったが、最終的には21:12、青葉青果の優勢で終わった。インターバルが終わり、第2Qが始まる。

 

青葉青果高校{PG:朝泡駆(10)、SG:海野武則(11)、SF:舟木奏(9)、PF:沼咲茂樹(5)、C:銀波飛鳥(8)}

厚木千賀高校{PG:堂野滝昌(5)、SG:魚崎緋月(4)、SF:笹塚遊(6)、PF:三玉祐希(7)、C:永友正人(8)}

 

選手たちがコートに戻る。魚崎はメンバーが半分以上変わっていることに驚いていた。

青葉青果ボールで試合が再開した。朝泡がボールを運ぶ。その前に堂野が立ち塞がった。堂野が口を開く。

 

「お得意のポジションシャッフルか。お前は元昭栄中の…。何故青葉青果に進んだ?あいつらに誘われたか?」

 

「俺の事知ってるんすね。高校バスケはやるつもり無かったんすけどね、あいつらとなら楽しくなりそうだったんでっ!」

 

「行かせるかよっ!」

 

朝泡は右から堂野を抜きにかかったが、堂野はすぐに反応してその前に出た。朝泡はボールをその場でドリブルし止め、逆サイドから堂野を抜いた。

 

「なっ?!(流石は昭栄中のPG…。)」

 

魚崎がカバーに入ろうと足を向けた瞬間に朝泡は魚崎の後ろにボールを投げた。

 

「くそっ!」

 

魚崎の裏から海野が出てきてそのパスを受け取る。

 

「ナイスだ。」

 

海野が中に切り込む。三玉がすぐに海野の前に立ち塞がる。

 

「これ以上やらせるか…?!」

 

海野は三玉の股の下にボールを通し、沼咲に繋いだ。

 

「うっし。」

 

沼咲はボールを受け取ってすぐにゴールへ放った。沼咲のシュートが綺麗に決まる。

戻る3人を魚崎が睨む。

 

「チッ…堂野、10番はどうだった? 」

 

「流石は元昭栄中の司令塔ってところだ。だが、手が届かないレベルではなさそうだな。」

 

「そうか…永友!」

 

「11番はまだわからねーよ。それよりもお前ら2人とも翻弄され過ぎじゃねーか?」

 

「うるせっ。やりかえすぞ!」

 

堂野がボールを運ぶ。堂野の前に朝泡が立ち塞がる。

 

「(悔しいが、こいつもキセキの世代ほどじゃねーが天才の類だ。だとしたらまずは)笹塚!」

 

堂野から笹塚にボールが渡る。笹塚の前には舟木が立ち塞がっていた。

 

「さっきの7番には驚いたが…俺を舐めるなよっ!」

 

笹塚は舟木を抜いた。

 

「あっ…。」

 

笹塚はあまりにもあっさりと抜けたので呆気に取られた。

 

(何を考えてる…さっきの7番の方がまだ…)

 

「よいしょっ。」

 

「な?!」

 

後ろから気の抜けた声が聞こえた瞬間、笹塚の持っていたボールが弾かれた。笹塚が後ろを見ると、舟木が笹塚の方に手を伸ばしていた。

 

「ナイス!」

 

沼咲がボールを拾う。一気に攻め上がろうとした瞬間にボールを引いた。

 

「おっと。」

 

「チッ…。」

 

魚崎が沼咲のボールを取ろうとしていた。魚崎が沼咲の前に立ち塞がり、その間に厚木千賀のメンバーは戻り始めた。朝泡が沼咲の後ろに走る。

 

「一旦戻せ。」

 

沼咲は朝泡の方に視線を向け、体勢を緩くした。沼咲を見て魚崎の重心が上がった。

 

「りょー…かいっ!」

 

「くっ?!」

 

沼咲は急にロールして魚崎を抜き去った。しかし、戻っていた三玉と堂野が沼咲の前に立ち塞がる。

 

「行かせるかよ!」

 

沼咲は厚木千賀のゴールを見た。その視線に2人が驚く。

 

(まさか…。)

 

(ここから届くのか?!)

 

沼咲の3Pラインより少し後ろに立っている。2人とも打たないと頭で理解していても体が先に動いていた。2人の重心が上がる。

 

「なっ!?」

 

「くっ??」

 

「いぇい!」

 

沼咲は2人の間から抜き去り、そのままドリブルしダンクを決めた。着地する沼咲を堂野と三玉が睨む。沼咲は笑顔で振り返った。

 

「そんなもんすか?先輩。」

 

「なっ、てめぇ…。」

 

「やめろ三玉。切り替えろ!」

 

永友がボールを入れ、堂野がボールを運ぶ。その前には朝泡が着いていた。堂野は突破口を探していた。

 

(あの9番(舟木)、守備特化型なのか?違うとしても…)

 

堂野は舟木の姿を見失ってることに気づいた。本来マークのはずの笹塚がフリーになっている。突然、堂野の手元からボールが消えた。

 

「なっ?!」

 

堂野がついていたボールは朝泡の方に弾かれていた。

 

「ナイス奏!」

 

「チッ…くそっ!」

 

抜こうとした朝泡のボールを堂野はなんとか弾いた。ボールがコート外に出る。

 

「あぶな…。こいつ…。」

 

堂野の後ろには舟木が立っていた。朝泡が舟木に駆け寄る。

 

「すまん、タイミングミスった。てか、お前後ろから取るならついでにスクリーンかけろよ。」

 

舟木は目を逸らした。

 

「…茂樹たちならすぐ抜く。」

 

「悪かったな!」

 

「うん、お前が悪い。」

 

突然現れた沼咲は朝泡の肩に手を置いていた。

 

「うるせっ、てめぇらと一緒にすんな!」

 

「早くリスタートしろ!」

 

海野が見かねて3人に怒鳴る。

 

「はーい。」

 

沼咲がボールを入れ、堂野が受け取る。1回ボールが出たことにより、厚木千賀の選手はしっかりの戻っていた。朝泡の前には堂野が着いている。

 

「スピードに乗ってなきゃそう簡単に抜かれねぇよ。」

 

「そりゃ良かったっすね。ほい。」

 

突然、朝泡がボールを中に投げた。堂野は驚いて後ろに目を向ける。高い位置で銀波が受け取る。永友がマークに着いていた。

 

「やっと来るか…お前はSGじゃないのか?」

 

「えぇ、最近はSGやってますよ?」

 

「はぁ?!」

 

 

 

コートの外では第2試合の海常高校と大木高校が見ていた。海常の笠松が銀波を見て驚いていた。

 

「黄瀬!お前の友達はSGじゃねーのかよ?!」

 

「いやSGのはずっすよ?あれ?でもたまに人数足りない時とかCやってたかも…?」

 

黄瀬は首を傾げた。

 

「どういうことすか?」

 

「俺が聞きてーんだよっ!」

 

笠松が黄瀬をどつく。

 

 

 

永友は体を入れさせないように守備をしていた。銀波はゴールに背を向けていた。銀波が突然力を抜き、永友の体が前に流れる。

 

「なっ!?」

 

「僕は確かに今はSGですけど…。」

 

銀波は滑らかに体を外に流し飛び上がった。永友もなんとか反応して飛び上がる。

 

「なっ…(こいつ、高いし、手長ぇ…。てかこのフォーム…。)」

 

銀波はリングより高い位置からフックシュートを放った。ボールは勢い良くボードにぶつかり、リングに吸い込まれた。

 

「フックシュート…?!」

 

銀波が永友を見る。

 

「僕が最初に習ったポジションはC、つまりもとCです。この程度ですか?現役Cさん。」




いかがだったでしょうか?

次の更新は6月12日(日曜日)20:00です。

どうぞお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。