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IH予選神奈川県予選決勝リーグ2日目、青葉青果と厚木千賀の第1Qは殴り合いのような展開であったが、最終的には21:12、青葉青果の優勢で終わった。インターバルが終わり、第2Qが始まる。
青葉青果高校{PG:朝泡駆(10)、SG:海野武則(11)、SF:舟木奏(9)、PF:沼咲茂樹(5)、C:銀波飛鳥(8)}
厚木千賀高校{PG:堂野滝昌(5)、SG:魚崎緋月(4)、SF:笹塚遊(6)、PF:三玉祐希(7)、C:永友正人(8)}
選手たちがコートに戻る。魚崎はメンバーが半分以上変わっていることに驚いていた。
青葉青果ボールで試合が再開した。朝泡がボールを運ぶ。その前に堂野が立ち塞がった。堂野が口を開く。
「お得意のポジションシャッフルか。お前は元昭栄中の…。何故青葉青果に進んだ?あいつらに誘われたか?」
「俺の事知ってるんすね。高校バスケはやるつもり無かったんすけどね、あいつらとなら楽しくなりそうだったんでっ!」
「行かせるかよっ!」
朝泡は右から堂野を抜きにかかったが、堂野はすぐに反応してその前に出た。朝泡はボールをその場でドリブルし止め、逆サイドから堂野を抜いた。
「なっ?!(流石は昭栄中のPG…。)」
魚崎がカバーに入ろうと足を向けた瞬間に朝泡は魚崎の後ろにボールを投げた。
「くそっ!」
魚崎の裏から海野が出てきてそのパスを受け取る。
「ナイスだ。」
海野が中に切り込む。三玉がすぐに海野の前に立ち塞がる。
「これ以上やらせるか…?!」
海野は三玉の股の下にボールを通し、沼咲に繋いだ。
「うっし。」
沼咲はボールを受け取ってすぐにゴールへ放った。沼咲のシュートが綺麗に決まる。
戻る3人を魚崎が睨む。
「チッ…堂野、10番はどうだった? 」
「流石は元昭栄中の司令塔ってところだ。だが、手が届かないレベルではなさそうだな。」
「そうか…永友!」
「11番はまだわからねーよ。それよりもお前ら2人とも翻弄され過ぎじゃねーか?」
「うるせっ。やりかえすぞ!」
堂野がボールを運ぶ。堂野の前に朝泡が立ち塞がる。
「(悔しいが、こいつもキセキの世代ほどじゃねーが天才の類だ。だとしたらまずは)笹塚!」
堂野から笹塚にボールが渡る。笹塚の前には舟木が立ち塞がっていた。
「さっきの7番には驚いたが…俺を舐めるなよっ!」
笹塚は舟木を抜いた。
「あっ…。」
笹塚はあまりにもあっさりと抜けたので呆気に取られた。
(何を考えてる…さっきの7番の方がまだ…)
「よいしょっ。」
「な?!」
後ろから気の抜けた声が聞こえた瞬間、笹塚の持っていたボールが弾かれた。笹塚が後ろを見ると、舟木が笹塚の方に手を伸ばしていた。
「ナイス!」
沼咲がボールを拾う。一気に攻め上がろうとした瞬間にボールを引いた。
「おっと。」
「チッ…。」
魚崎が沼咲のボールを取ろうとしていた。魚崎が沼咲の前に立ち塞がり、その間に厚木千賀のメンバーは戻り始めた。朝泡が沼咲の後ろに走る。
「一旦戻せ。」
沼咲は朝泡の方に視線を向け、体勢を緩くした。沼咲を見て魚崎の重心が上がった。
「りょー…かいっ!」
「くっ?!」
沼咲は急にロールして魚崎を抜き去った。しかし、戻っていた三玉と堂野が沼咲の前に立ち塞がる。
「行かせるかよ!」
沼咲は厚木千賀のゴールを見た。その視線に2人が驚く。
(まさか…。)
(ここから届くのか?!)
沼咲の3Pラインより少し後ろに立っている。2人とも打たないと頭で理解していても体が先に動いていた。2人の重心が上がる。
「なっ!?」
「くっ??」
「いぇい!」
沼咲は2人の間から抜き去り、そのままドリブルしダンクを決めた。着地する沼咲を堂野と三玉が睨む。沼咲は笑顔で振り返った。
「そんなもんすか?先輩。」
「なっ、てめぇ…。」
「やめろ三玉。切り替えろ!」
永友がボールを入れ、堂野がボールを運ぶ。その前には朝泡が着いていた。堂野は突破口を探していた。
(あの9番(舟木)、守備特化型なのか?違うとしても…)
堂野は舟木の姿を見失ってることに気づいた。本来マークのはずの笹塚がフリーになっている。突然、堂野の手元からボールが消えた。
「なっ?!」
堂野がついていたボールは朝泡の方に弾かれていた。
「ナイス奏!」
「チッ…くそっ!」
抜こうとした朝泡のボールを堂野はなんとか弾いた。ボールがコート外に出る。
「あぶな…。こいつ…。」
堂野の後ろには舟木が立っていた。朝泡が舟木に駆け寄る。
「すまん、タイミングミスった。てか、お前後ろから取るならついでにスクリーンかけろよ。」
舟木は目を逸らした。
「…茂樹たちならすぐ抜く。」
「悪かったな!」
「うん、お前が悪い。」
突然現れた沼咲は朝泡の肩に手を置いていた。
「うるせっ、てめぇらと一緒にすんな!」
「早くリスタートしろ!」
海野が見かねて3人に怒鳴る。
「はーい。」
沼咲がボールを入れ、堂野が受け取る。1回ボールが出たことにより、厚木千賀の選手はしっかりの戻っていた。朝泡の前には堂野が着いている。
「スピードに乗ってなきゃそう簡単に抜かれねぇよ。」
「そりゃ良かったっすね。ほい。」
突然、朝泡がボールを中に投げた。堂野は驚いて後ろに目を向ける。高い位置で銀波が受け取る。永友がマークに着いていた。
「やっと来るか…お前はSGじゃないのか?」
「えぇ、最近はSGやってますよ?」
「はぁ?!」
コートの外では第2試合の海常高校と大木高校が見ていた。海常の笠松が銀波を見て驚いていた。
「黄瀬!お前の友達はSGじゃねーのかよ?!」
「いやSGのはずっすよ?あれ?でもたまに人数足りない時とかCやってたかも…?」
黄瀬は首を傾げた。
「どういうことすか?」
「俺が聞きてーんだよっ!」
笠松が黄瀬をどつく。
永友は体を入れさせないように守備をしていた。銀波はゴールに背を向けていた。銀波が突然力を抜き、永友の体が前に流れる。
「なっ!?」
「僕は確かに今はSGですけど…。」
銀波は滑らかに体を外に流し飛び上がった。永友もなんとか反応して飛び上がる。
「なっ…(こいつ、高いし、手長ぇ…。てかこのフォーム…。)」
銀波はリングより高い位置からフックシュートを放った。ボールは勢い良くボードにぶつかり、リングに吸い込まれた。
「フックシュート…?!」
銀波が永友を見る。
「僕が最初に習ったポジションはC、つまりもとCです。この程度ですか?現役Cさん。」
いかがだったでしょうか?
次の更新は6月12日(日曜日)20:00です。
どうぞお楽しみに