混色の水   作:とて 

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こんばんは!
GW中、仕事は休みですが、やりたいことが多いため、投稿頻度は変わらずです。
では、どうぞ。


5話

4月 GW前、8人が練習している体育館に桑田が入ってきた。海野が全員に声をかけ、桑田のもとに集合する。桑田が嬉しそうに口を開く。

 

「GW、練習試合3つ決まったよ!」

 

沼咲が口を開く。

 

「3つもですか!?」

 

「まず初日に県内の公立緑高校、真ん中らへんに秋田の陽泉高校、最終日に東京の桐皇高校。」

 

海野が高校名に驚く。

 

「緑高校と桐皇高校はわからないですけど、陽泉高校は秋田の王者ですよね?」

 

「そう、陽泉高校は全国でも上位レベル。緑高校は県予選で2、3回戦レベルだけど、桐皇高校は最近レベルを上げてきた高校よ。」

 

水木が質問をぶつける。

 

「どういう人脈ですか?」

 

「陽泉高校と桐皇高校の監督とは昔からの知り合いでね、連絡して無理やりとりつけた。その2校は今年、キセキの世代を獲得した学校よ。4人は知ってると思うけど、陽泉高校にはCの紫原、桐皇高校にはエースの青峰、まぁ出してくれるかはあちらさん次第だけど。」

 

初心者3人組がビビる。凪佐が口を開く。

 

「俺らがいて戦えるんですか?武則たちが強いのは知ってますけど。」

 

美和が自信満々に口を開く。

 

「平気!その武則たちに教えて貰ってんのよ?負けたらそいつらのせいよ!」

 

沼咲が口を開く。

 

「そうそう。まぁ、負けさせねーよ。」

 

3人は自信からか笑っていた。桑田が声をかける。

 

「じゃ、練習再開して!少なくとも緑高校には絶対勝って!陽泉高校と桐皇高校と戦えるように鍛えていくわよ!」

 

「「「おう!」」」

 

 

 

GW初日、青葉青果高校体育館にて、対緑高校の練習試合が行われた。結果は103対43、圧勝であった。その試合を見ていた少女が1人。

 

「強い…青葉中の3人は知ってたけど、あとの3人は??あの監督もどこかで見覚えがある気がするけど。帰って急いで調べなきゃ!」

 

足速に体育館を出ていく。そこで後ろから声をかけられる。かけたのは沼咲であった。

 

「君は元帝光中のマネージャーさんだよね?お久しぶり。」

 

「えっと…、桃井 さつきです。沼咲 茂樹くんだよね?」

 

「桃井さんって言うのか、もしかして陽泉か桐皇のマネージャー?」

 

桃井は核心をつかれそうで驚く。

 

「…はい、桐皇高校バスケ部マネージャーです。」

 

「ごめんごめん、警戒しないで。情報のない高校とやるんだもん、偵察するのはわかるよ。で、どうだった?うちの高校は。」

 

怒られると思ったのにむしろ歓迎気味だったので桃井は驚いていた。

 

「えっと…強いと思います。全国レベルと遜色がなく…。」

 

「ありがと、そりゃよかった。次は明後日に陽泉高校とやるけど、それは秋田に行くから。良かったら撮った映像渡すよ。あ、連絡先交換しよ?」

 

桃井はさらに驚く。むしろ対策しまくってくれというような言い方であったからである。桃井は言われた通り、連絡先を交換した。

 

「大輝に言っといて、舐めてるようなら潰すよって。」

 

そう言い残し、沼咲は体育館の中に去っていった。桃井はしばらく立ち尽くし、ハッとしてすぐに自分の高校へと戻って行った。

 

 

 

秋田県 陽泉高校体育館。その入口に青葉青果高校の9人がいた。海野が先陣をきる。

 

「青葉青果高校男子バスケットボール部です、今日はよろしくお願いします!」

 

「「「お願いします!」」」

 

陽泉の監督 荒木と主将 岡村が迎える。荒木が口を開く。

 

「よろしく、咲の教え子と試合ができるのは嬉しいよ。岡村、更衣室に案内してあげて。」

 

「はい。主将の岡村です、よろしく。」

 

「主将の海野です、全員1年生ですので、お手柔らかにお願いします。」

 

「ゴリラさんじゃん!お久しぶりでーす。」

 

沼咲が叫び気味に声を出した。岡村はその口調と見た目に見覚えがあり、驚く。

 

「茂樹か!?久しぶりじゃな、元気だったか?」

 

「元気元気ー!ゴリラさんもお元気そうで、相変わらずのゴリラっすね‪w」

 

「ゴリラじゃないっ!」

 

岡村が沼咲の頭にゲンコツを入れる。それでも笑いながら話していた。荒木が口を挟む。

 

「懐かしむのは良いが、早く案内してやれ。他のやつが困ってるだろう。」

 

「そうじゃった、後で話そう。更衣室案内する、女子には隣の更衣室用意してるから。」

 

岡村と沼咲が楽しそうに会話するのを先頭に更衣室へと歩いていった。荒木が口を開く。

 

「久しぶりだな、咲。」

 

「お久しぶりです雅子さん。この度は練習試合を引き受けて下さりありがとうございます。」

 

「あんだけ言われたらね。1年生だけとは聞いていたが、本当にあの3人をとったんだな。」

 

「ほか3人含めて、面白いチームになってますのでそちらの一軍さんの練習相手としては充分だと思います。」

 

「言ってくれるじゃないか。」

 

 

 

全員の着替えが終わり、アップ中、川崎が紫原を見つけ、近づく。

 

「紫原、久しぶりだな。」

 

「んー?川崎だっけ、今日も絶対勝つかんね!」

 

「直接やることあったらまた叩きのめすよ。」

 

短い会話をし、それぞれの方へ戻っていく。それを見ていた岡村が紫原に声をかける。

 

「なんじゃ、青葉青果のやつと知り合いか?」

 

「中学ん時に試合しただけだしー、てか、あいつ以外にも2人、海野と沼咲ってやつもー。てか、顔がうるさいゴリラ!」

 

「ほんとうるさいアル、アゴ!」

 

劉も便乗して岡村をいじる。

 

「ひどいよ、お前ら!?」

 

「まぁまぁ、アゴリラだから仕方ねぇ。」

 

福井も宥めながら便乗する。

 

「主将なんだと思ってんの!?」

 

「てか、珍しいな。紫原が過去の試合相手覚えてるとか。」

 

「そー?」

 

陽泉のレギュラーメンバーは楽しげに会話している。アップが終わり、それぞれのベンチの監督のもとに集合する。青葉青果は陽泉のメンバーを見て驚いていた。水木が口を開く。

 

「すっげぇ!優馬より大きいやつもいんじゃん、特にあの紫ロング!」

 

「あいつがキセキの世代、C紫原敦。マッチアップはポジション的に優馬にはなるが、彼はあの体格だが、スピードもある。傑、余裕があったらカバーしてやれ。」

 

「了解です。」

 

桑田が説明をしつつ、川崎に指示を出した。桑田が続ける。

 

「陽泉高校は例年、中に大きい選手を集めてる。さっき雅子さん…陽泉の監督に聞いたが、Cの紫原は208cm、主将でPFの岡村は200cm、SFの劉は203cmらしい。去年までは岡村と劉のツインタワーが有名だったが、今年は2人を超える紫原が加わり、中から点を取るのは普通のチームならまず不可能になってる。」

 

沼咲が口を挟む。

 

「いやでも、優馬は202cmだし、傑も193cm。相手のSGとPGは大して背ないしどうにかなるんじゃないすか?」

 

「普通のチームならと言っただろう。うちはバレー部出身が3人もいるし、空中戦では引けを取らない。」

 

「なーるー(なるほど)。」

 

「スタメンは前回と同じ、PG茂樹、SG蒼、SF武則、PF傑、C優馬でいく。今回は出し惜しみなしで行く、奏はいつでも行けるようにアップしとけ。」

 

「「「はい!」」」

 

「よし行ってこい!」

 

スタメンの5人がコートの中央へと行く。マネージャーの川田はカメラを設置して置いてある、ギャラリーへと行こうとした。そこに沼咲が声をかける。

 

「紀子ちゃん、今日撮ったデータ後で頂戴?帰ってから見直しとかしたいからさ。」

 

「明日学校でみんなで見る予定だと思うけど?」

 

「こう見えて復習大事にする主義なんだよ、よろしくね!」

 

そう言い残し、コートへ駆けて行く。

 

 

 

両校のスタメンがコートの中央に並ぶ。陽泉高校PG福井 SG鈴木 SF劉 PF岡村 C紫原。青葉青果高校PG沼咲、SG水木、SF海野、PF川崎、C凪佐。岡村が海野と握手をする。

 

「1年生のみと聞いていたんじゃが、全員身体は出来ているようじゃな。手加減はせんぞ?」

 

「期待に添えるように頑張ります。」

 

センターサークルに紫原と凪佐が対峙する。紫原が口を開く。

 

「川崎が相手じゃないの?あんたじゃ勝負にならないと思うよー? 」

 

「お手柔らかにお願いします。」

 

──────ピーッ

 

審判の笛とともにボールが宙を舞う。2人の腕がボールに向かって伸びる。紫原は川崎じゃないと知って軽く飛んでいた。だが、圧倒的に凪佐が高く飛んでいた。

 

「えっ…!?」

 

凪佐の手がボールを叩く。そのボールは沼咲の手元に納まった。福井がマークに着く。

 

「てめぇ、紫原!軽く飛びやがったな!」

 

「ごめーん。」

 

「余裕そうっすね。」

 

紫原に喝を入れる福井に声をかける。福井はその瞬間、普通の選手とは違うと気づく。

 

「いや、全力でやらせてもらうよ…!?」

 

福井が少し目を離した瞬間に沼咲の手からボールが消えていた。

 

「はぁ!?どこ…。」

 

「ゴリラ!マーク外すな!」

 

珍しく紫原の怒号が飛ぶ。岡村はその声で川崎がゴールへ走っていることに気づく。川崎はそのままゴール下で飛び上がる。飛んだ手の先にボールが来ていた。

 

「お先に失礼します!」

 

川崎が両手ダンクを決める。岡村はその後に追いつき、言葉を漏らす。

 

「速いのー!?」

 

「遅いですよ…えっとゴリラさん?」

「お前今日初対面じゃろうが!?」

 

怒る岡村を背に自陣に戻っていく。陽泉はすぐにリスタートし、福井がボールを運んでいく。

 

「さっきのは驚いたが、もうやらせねーよ。中はうちの専売特許だ!」

 

福井がゴール下にいる劉にボールを回す。海野がマークにつきながら口を開く。

 

「大きいですね、何食べたらそんなに大きくなるんですか?」

 

「知らないアルよ!」

 

劉はゴールに背を向けながら、パワードリブルで、ポジションを取っていく。そして、そのままダンクのために飛び上がる。

 

「結局は高さアル!」

 

「それは同感ですね。」

 

海野がそう言った瞬間に劉の目の前に凪佐が飛び上がる。その体勢はバレーのブロックのように両腕をあげていた。劉より高い位置から両手を劉のもつボールにのせた。

 

「ふんっ!」

 

「くっ…!?」

 

凪佐のブロックが決まり、零れたボールを海野が拾い、前を走る沼咲へと繋ぐ。福井が前に立ち塞がる。

 

「今度はやらせねーよ!(ネタは分かんねーが、さっきよりは余裕もある。)」

 

「1人見逃してないですか?」

 

沼咲はボールを隣に上げる。沼咲の陰から水木がそのボールに飛びつく。スリーポイントラインより手前であった。鈴木は水木のスピードに置いてかれていた。

 

「うりゃっ!」

 

水木はバレーボールのオーバーハンドパスの形でそのままボールをゴールへと送った。自陣ゴールで守っていた紫原も反応が遅れ、間に合わない。

 

「よしっ、戻ろ!」

 

沼咲と水木はボールの行方を見ずに戻っていく。ボールは綺麗にゴールに吸い込まれた。

 

「マジかよ、冗談だろこいつら。」

 

福井がつい言葉を漏らす。紫原が4人に文句を言う。

 

「ねー、俺なんもやってないんだけどー!」

 

「お前…!」

 

キレそうになる福井を岡村が制す。

 

「紫原、もう少し前で陣取っといてくれんか?お前に攻めに回れとは言わんが、相手が強すぎるしのー。」

 

「わかったー。」

 

紫原はぶっきらぼうに返事をする。だが紫原は違和感を持っていた。岡村も内心焦っていた。攻撃からゴールまでの時間が短すぎて紫原がいても間に合わないかもしれないということに。福井が岡村に声をかける。

 

「考えてもしょうがねぇ、第1Qはなんとかするぞ!」

 

「そうじゃな。」

 

試合は始まってまだ1分も経っていなかった。




如何だったでしょうか?
ルール上間違っていることなどがありましたら、コメントでご指摘ください。
その他、感想、ご意見、ダメ出し、お待ちしております。(あまり強いダメ出しだと落ち込むので、優しくお願いします。)
次回の投稿は4月30日(金)18:00の予定です。お楽しみに。
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