薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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トゥークとその仲間たち

「お主の活躍もタツミ殿から聞いている。ゲンジと共に頼むぞ」

 

「あぁ」

 

「それにしても…」

 

フゲンは後ろでゲンジやヨモギ、ヒノエ達と交流するティカル達へと目を向けた。

 

「随分と個性豊かな弟子達だな…」

 

「はは…俺もそう思います」

 

同じくトゥークも苦笑しながら皆と談笑する弟子達を眺めた。そんな中 ゲンジとヒノエがトゥークの元へと歩いてくる。

ゲンジは軽く手を上げながら再びトゥークへと会釈した。

 

「トゥーク。無事に治ったようだな」

 

「おぅ。えぇと、後ろにいるのって…」

 

トゥークは後ろにいる女性が気になり、ゲンジに尋ねる。トゥークは里に来る事自体が初めてなので全員と初対面だ。するとヒノエはトゥークへと歩み寄り静かに頭を下げる。

 

「初めまして。私はヒノエと申します。里の受付嬢を務めさせていただいております。以後お見知り置きを」

 

「あぁ、えぇと、俺はトゥークだ。よろしく」

 

その優雅な動きと自身を見つめる琥珀色の瞳、そして自身に向けられる優しい笑みに緊張しながらトゥークも頭を下げる。その時、トゥークはある事を思い出した。それは自身をここまで回復させてくれた薬の持ち主がヒノエであるという事を。

 

「そうだ。アンタの薬のお陰でまたハンターを続けられるようになった。本当にありがとう」

 

そう言いトゥークは再び深々と頭を下げる。自身がここにいられるのもあの薬のお陰だ。すると、それに対してヒノエは優しく微笑む。

 

「いえいえ。お気になさらないでください。旦那様の数少ないご友人ですから」

 

「それでも命の恩人……え?」

 

突然とトゥークの思考が停止する。今、この女性は何と言った?旦那様なら分かる。これ程の美人が独身な訳はない。それにカムラの里の受付嬢2人が婚約者を見つけた事も噂で聞いている。不思議に思ったのはその後の『友人』という事だ。自身の友人の中に竜人族と結ばれた人など聞いたことない。

故に少し問いかける。

 

「えっと…旦那様…って?」

 

自身の目の前に立っているヒノエは頬を染めながら目線を斜め下に向ける。そこには「友人」という言葉を聞いて不機嫌な様子のゲンジの姿があった。

 

「まさか!?」

 

「はい!ここにいるゲンジです」

 

「えぇえぇえぇ!!?」

 

まさかのいきなりすぎるカミングアウト。ゲンジが結婚していた事にトゥークは驚きを隠せず、髪を逆立ててしまった。

そんな姿を後ろから見ていたフゲンは即座に補足する。

 

「因みにだが、向こうでお主の弟子達と話しているのが双子の妹のミノトといってな。ゲンジの2人目の妻だ」

 

「うそ…だろ!?」

 

またまた新たなる情報にトゥークはもうどんな反応をしたらいいのか分からなくなっていた。まさか噂の婚約者がゲンジだとは思いもしなかったのだ。それをトゥークへと暴露されたゲンジは頬を赤く染めていた。

 

「驚いた…まさか別れた後のたった数ヶ月でここまで進展するなんてな…。だから村長はご機嫌だったのか」

 

「ふん…」  

 

○○○○○○○

 

その一方で、

ゲンジ達と顔馴染みであるティカルは久し振りの再会に胸を躍らせていたのか、天真爛漫な振る舞いでエスラ達にお辞儀をする。

 

「お久しぶりですエスラさん!シャーラさん!」

 

「やぁティカル君。久しいな。元気だったかい?君の料理本には今でも頼らせてもらってるよ」

 

「もうシワシワになってきちゃったけど」

 

「ありがとうございます!」

 

エスラとシャーラも再開が嬉しいのか、頬を緩ませ手を上げながら返事を返す。ティカルも料理本を活用してもらっているのが嬉しい様だ。

 

 

○○○○○○○

はたまた場面が変わり、トゥークと共にきたティカルの他にも数人のハンター。その中にはジリスも混ざっており、1人のルドロスSシリーズを身に纏う青年ハンターと共にミノトと話していた。

 

「ジリスです。以後お見知り置きを」

 

「セルエだ。よろしくな!」

 

「……どうも。ミノトと申します。こちらこそよろしくお願いします…」

 

初めて見るハンター達にミノトは少しながらもオドオドとしていた。クエストの受付なら慣れているのでスムーズに行けるのだが、こういう見慣れない人との一対一もしくは一対複数の面と向かっての対応は慣れていない。

特に明るい者には。

 

「なんだなんだ?何か暗いぞコイツ…いで!?」

 

「こらセルエ!コイツとは失礼です!歳上には敬語を使いなさい!申し訳ありません…ミノトさん…厳しく言っておきますので」

 

「い…いえいえ!お気になさらず!」

 

セルエというハンターの頭にゲンコツをし、まるで粗相をしでかした子供の頭を無理矢理下げながら共に謝罪する母親の様に頭を下げるジリス。それに対してミノトは焦りながらも頷いた。

 

「ほらセルエ!謝りなさい!ごめんなさいしなさい!」

 

「いででで!?ごごごめん!ごめんなさい!」

 

「大丈夫です!もう大丈夫ですから!」

 

ジリスはセルエの頭を無理矢理下ろし、何度も強引に謝罪を促し始めた。それを見たミノトは焦り出しながら止める。

 

○○○○○○○○○

 

その後ろではヨモギとイオリに話しかけられている1人の男性ハンターがいた。そのハンターが身に纏うのはバギィSシリーズであり、ドスジャギィと同じ鳥竜種のモンスターの素材から作られた装備である。更に背負うのはその色に適している太刀『凍刃【氷華】』その氷の刃がバギィSシリーズによって寒気を強調させている。

 

「イオリです。よろしくお願いします」

 

「私はヨモギだよ!お兄さんの名前は?」

 

ヨモギに名前を尋ねられた青年は答えた。

 

「僕はリオ。よろしくね。イオリ君 ヨモギちゃん」

 

リオと名乗った青年ハンターは爽やかな笑みを浮かべながら2人と手を交わす。

 

それぞれが交流する中、フゲンは皆へと呼び掛ける。

 

「ユクモ村から来たハンター諸君には百竜夜行が起こる数日前には砦へと遠征しそこで過ごしてもらいたい。それまではここの技術に慣れてもらう。ここにいるハンター教官のウツシから翔蟲の扱いを習ってくれ。以上だ。百竜夜行が起こる時はすぐに伝える」

 

その言葉に頷いたトゥーク達。すると、

 

 

「フッ…!!」

 

今までその様子を遠くから観察していたウツシが屋根から飛び降り、軽快な動きで着地して現れた。その動きを見たトゥーク達は軽快すぎる身のこなしに圧倒される。

それを狙っていたのか、カッコよく登場を決めたウツシは仮面を取り名を名乗った。

 

「やぁやぁ!俺がこの里の教官『ウツシ』だ!よろしく頼むよユクモ村のハンターの皆!」

 

そのフランクな接し方に皆は初対面とはいえ、緊張することは無かった。

 

「来て早々だが、早速翔蟲の練習をしよう!俺について来てくれ!」

 

ウツシの呼び掛けに皆は頷くとウツシの後をついていき修練場へと向かって行った。

 

「ゲンジ達も訓練してくるといい。ヒノエとミノトもだ。交流を深めるいい機会になるだろう」

 

それに対して頷いたゲンジ達はトゥーク達が向かって行った修練場へと向かう。

 

◇◇◇◇◇

 

「あら?空が…」

道中歩く中、ヒノエの声にふと皆は空を見上げる。

 

「晴れていく…」

ゲンジの目の先にあるのは天から指す日の光。

 

集められた上位ハンター達に加えてゲンジ達G級ハンター。前回よりも強力で巨大な戦力となった事で皆の中に現れていた不安がかき消されていった。その心を象るかの様に曇り掛かっていた空が晴れていき雲から差し込む光がカムラの里を照らしていた。

 

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