薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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訪れる二人のハンター

トゥーク達がユクモ村に来てから数日が経った。ヒノエが共鳴する事も百竜夜行が起こる文が届く様子もない。

 

だが、それでも気を緩める事は無かった。トゥーク達は翔蟲の訓練を欠かさず行い、ゲンジやエスラ達も鈍ることを防ぐべく武器訓練に打ち込んでいた。

今日も訓練に行くべく、ゲンジは準備をする。トゥーク達ユクモ組に加えてエスラとシャーラ、ヒノエにミノトは先に向かっていた。

 

自身も防具を装備し終え、外へと出ると、ふとカムラの里の入り口に掛かる巨大な橋の方へと目を向けた。

 

「…ん?誰だあれ?」

 

そこには二つの人影が見えた。よく目を凝らしてみるとそれは二人のハンターだった。

目線に気づいたのか、ハンターはこちらに向けて歩いてくる。見たところ上位装備を纏っていた。

 

その姿が鮮明に見える程まで近づくと、そのうちの一人の男性ハンターが自身に尋ねてくる。

 

「なぁなぁ!そこのアンタ!ここがカムラの里で間違いねぇよな!?」

 

「え?あぁそうだが」

初めて来たのか、やや急ぎ口調であった。それに対してゲンジは頷くと、その青年ハンターは目を少年のように輝かせると透き通った水が流れる川に囲まれたカムラの里を見回した。

 

「すげぇ!!マジでユクモ村に似てるなぁ!親近感が湧いちまうぜ!」

 

「はしゃぎ過ぎですわよフルガさん。近所迷惑ですわ!」

 

すると、共に来ていた褐色色の肌を持つ女性ハンターがまるで母親かのように青年ハンターを注意した。

 

「えぇと…」

その様子を見ていたゲンジは状況が飲み込めないまま、二人のハンターへと素性を尋ねた。

 

「…お前らは誰だ?見たところハンターの様だが」

 

「俺は『フルガ』」

 

「私は『ククルナ』“ラングローナ”とお呼びくださいまし」

 

◇◇◇◇◇◇

 

それから、ゲンジは二人から詳細な紹介をされる。話によると、彼らがトゥークの言っていた二人のハンターのようだ。

 

ククルナ__ラングローナという少女は黒く長い髪と褐色の肌が特徴的な女性ハンターでラングロS装備を身に纏い、弓『アルクウノブラン』を背負っていた。

二人目のフルガという男性は逆立つ髪を後ろに一纏めにし目元に赤色の線を塗るという特徴的なメイクを施していた。装備しているのはボロスSシリーズであり、武器はリオレウスのハンマー『火竜砕フラカン』を背負っていた。

 

装備から見ると二人とも上位の中でも中の上と言ったところだろう。ククルナという少女は歴代最大サイズのラングロトラを狩猟するため。その一方で、フルガという青年ハンターはなんとジエンモーランの撃退作戦に参加していた故に遅れたらしい。

 

女性ハンターはともかく、フルガには驚きを隠さなかった。ジエンモーランといえば大砂漠を泳ぐ『古龍』であり、常軌を覆す程の巨躯を持つことから『超大型モンスター』として部類されている。

 

毎年、多くのハンターによって撃退作戦が行われるが、実力が見合ってなければ参加はできない。その点で見ればフルガという青年ハンターの実力は申し分ないだろう。

 

話を聞き終えたゲンジは自身も名を名乗る。

 

「俺は『ゲンジ』だ。ここの専属ハンターをやってる」

 

「おぉ!?アンタが師匠の友人の!?」

 

「友人じゃねぇ…!」

やはり自身を知っているのか、二人のハンターは驚きの表情を浮かべた。だが、何故かジリスもそうだが自身がトゥークの友人という設定で通っているらしくそれが気に食わない。一方で、もう一人のフルガよりも少し背の高いモデル体型のような女性ハンターは顎に手を添えながら自分の身体をジロジロと見回す。

 

「な…なんだよ」

 

「…ふむ。貴方がかの有名な『薄明』ですの?随分と小さなお体ですわね」

 

「んぐ…」

とても突かれたくない点をお嬢様口調で見事に突かれた事でゲンジは額に青筋を浮かべる。まぁ取り敢えず我慢だ我慢。

 

「まぁいい…。トゥークの知り合いならついてこい。まずは里長に挨拶して修練場に行くぞ」

 

「「修練場?」」

 

やはり二人も首を傾げる。

 

◇◇◇◇◇◇

 

その後、フゲンに軽く挨拶させると修練場へと案内した。

 

修練場へと着くと既にトゥークやティカル達は新しい武器の動きにも挑戦しており、その中にはヒノエやミノトの姿もあった。

 

「すげぇ…!!」

 

「驚きましたわ…山に囲まれた土地にこんな場所があったとは…!」

 

二人は初めて見る狩場を想定した修練場を見て唖然とする。それもそうだろう。こんな狩場を想定した修練場を設置してある村や里などそうそう見当たらない。

すると、ゲンジに気づいたのか、丁度、修練でひと段落ついた皆がこちらへと顔を向けた。

 

「お〜い!フルガ!ククルナ!」

 

「「師匠!」」

 

その中からトゥークが手を振った事で二人は顔を向けると、手を振り返した。

 

◇◇◇◇◇◇

 

一度、訓練を中断すると、トゥークはゲンジ達に二人を紹介した。

 

「コイツがククルナでコイツがフルガだ」

 

「よろしくな!」

 

「以後お見知り置きを。カムラの里の受付嬢さんに金銀姉弟の御三方」

 

ククルナという女性ハンターからはややお嬢様感が伺える。トゥークによると、本当にお嬢様だったらしい。一方でフルガは脳筋という印象を受けるが、本人曰くそれは自覚してるようだ。

 

一方で、紹介を受けたカムラ組にて、同じ弓使いが仲間になった事にヒノエは親近感を抱き、両手を握る。

 

「同じ弓使い同士よろしくお願いしますね。ククルナさん」

 

「えぇ。よろしくですわ。ヒノエさん」

 

スムーズに打ち解けており、何よりだ。そんな中、同じようにその場面を見ていたフルガはゲンジへと目を向ける。

 

「なぁ、お前 双剣の扱いがスゲェんだってな!後で見せてくれよ!」

 

「あぁ…別にいい。取り敢えずお前とあのククルナだっけか?二人には里の技術に触れてもらう」

 

◇◇◇◇◇◇

その後、二人は共に訓練へと参加した。トゥーク達が来た時と同じようにウツシから翔蟲の使用方法や鉄蟲糸技について基礎から教えてもらい、その後、実践演習へと入る。

 

「よっしゃぁぁあ!!やるぜぇぇ!!」

 

「腕がなりますわ!」

 

正に熱血と呼ぶに相応しい程の気合の入れようであり、二人とも持ち前の実力によって、数日遅れといえども、即座に翔蟲を使いこなし皆へと追いついてきた。

中でもフルガはジリスと同じく20歳にも満たない年に上位ハンターへと成り上がった天才であり、彼女と同じく翔蟲の扱い方も即座にマスターしてしまった。

 

次々とハンターが到着し、里の戦力は着々と上がりつつあった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

それと同時期。カムラの里から遠く離れた土地の遥か上空にある積乱雲の中を悠々と泳ぐ影があった。

 

__対は何処…対は何処…。

 

悲しみに暮れながら誰かを探しているのは1匹の古龍であった。

 

次々と雲が突き抜けていき、出てきた場所は何と寒冷群島であった。カムラの里に近いその寒冷地帯には古の遺物や氷漬けにされたモンスターなど、数多くの時代に残された者達が眠っていた。

雲を突き抜けて寒冷群島へと降り立った古龍は巨大な口を開けると、体内から赤と黒が入り混じったエネルギーの塊を吐き出した。

 

吐き出されたエネルギーは一点に着弾すると凄まじい竜巻を発生させた。その竜巻により、近くにて歩行していた白色色の甲殻を持つ飛竜『ベリオロス』山吹色の皮膚に青い斑点を持つ凶暴な飛竜『ティガレックス』青い皮膚と立派なトサカを持つ鳥竜種『ドスバギィ』は恐れるかのように次々と移動を開始した。

それだけではない。水没林へと移動すると再び竜巻を発生させた。すると地を這う水流と名高い『ロアルドロス』瞬足のモンスター『ナルガクルガ』が同じ方向に向けて移動する。

 

モンスターが移動するその方向の先は正にカムラの里を防衛する砦である。

 

古龍は意図的にカムラの里へと向かわせるかのように次々と竜巻を発生させモンスターを追い立てていった。

 

悲しみと共に何かに恐れを無しそれを排除する防衛本能が働いているかのように。

 

___かの恐ろしき竜…今こそ討ち滅ぼさん_!!!

 

怒りと悲しみと恐れに支配された古龍『イブシマキヒコ』はカムラの里のある方向へと目を向けると再び荒れ狂う積乱雲の中へと消えていった。

 

 

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