薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
「いくら何でも早すぎるだろ…」
「これが百竜夜行だ。気合い入れろよトゥーク」
容赦なく迫り来る第二陣にトゥークは冷や汗を流す。それに対してゲンジはフゲン達と共に並び立つ。
すると、見張り役から報告を受けたウツシが通達のためにフゲンの前に現れた。
「伝令…第二波接近。ディアブロス、タマミツネ、ジンオウガ…その他4体のモンスターを確認…!!」
「うむ…」
「ッ…厄介な奴らを呼びやがって…」
その報告にフゲンは頷き、ゲンジは舌打ちをする。
それは過去において最も不吉な報告であった。ただでさえも強力なモンスターが3体いるにも関わらず、それと共に4体も続いているのだ。その数はまさかの7体である。
「7体か…」
フゲンは歯を食い縛る。人数的に武器組は14人。一体につき二人が当たらなければならない。引き続きフゲンは続く4体のモンスターについて問う。
「4体のモンスターの詳細は?」
「はい…。ティガレックス、ゴシャハギ、トビカガチ、そしてラージャンの模様…」
それは更に恐ろしい凶報であった。アンジャナフよりも凶暴とされる轟竜ティガレックス。更にイビルジョー と並び古龍級生物の一角となっている金獅子ラージャンまでもが続いていたのだ。その知らせは辺りにいる者の戦意を削いでいった。
「嘘だろ…金獅子もかよ…」
ラージャンは限りなく目撃例が少ないとされている。だが、それはただ単に珍しいという意味ではない。目撃した者が無事に帰還し報告する事が稀であるからだ。
イビルジョー の何tもの力を持つ顎を拳でこじ開ける。テオテスカトル、クシャルダオラの空中からの襲撃を受け止め地面に叩きつける。という一介のモンスターの常識を覆す行動を取った報告が上がっているのだ。
たった一体でそれ程の戦闘力を持つモンスターの到来に皆は戦意を喪失していく。トゥーク達は何とか立て直そうとするも、ラージャンと遭遇した事が無いために何も言えなかった。
「落ち着け」
そんな中 ゲンジが声を上げる。
ゲンジ、エスラ、シャーラはたった一度だけ、ドンドルマに滞在していた頃にて目撃し、捕獲に成功した事がある。故にラージャンの弱点も熟知していた。
「確かにラージャンは強い。だが、その反面 体力が異常に少ねぇ。だから俺とシャーラ姉さんで相手をする。一度だけだが、捕獲した事があるからな」
ゲンジの言葉だけが喪失していた戦意を再び取り戻し安心感をもたらす。だが、その他のモンスターもラージャン程ではないが、十分に危険である。皆の顔からは完全に恐怖感が消えたわけではない。
それをカバーするのが、カムラの里の独自の技術だ。
それは『操竜』である。
「それに、操竜もあるだろ。それだけで大分楽になる」
モンスターを操り他のモンスターへと攻撃を与える事ができれば大概のモンスター達を即座に撃退に追い込む事が可能であり不利な状況をすぐに覆す事ができるかもしれない。
「お主の言う通りだ。ウツシよ。引き続き鉄蟲糸での援護を頼むぞ」
「御意…!」
フゲンは頷き、ゲンジの案を即座に飲み込むと、鉄蟲糸の達人であるウツシに指示を出す。指示を出されたウツシも力強く頷いた。
その時だ。
「グゥォオオオオオオオオ!!!!!」
砦の入り口から巨大な咆哮が聞こえてくる。それはバゼルギウスと並ぶ程の威圧感を放つ声であった。
その声に全員はモンスターの進行方向へと目を向けた。見るとそこには黒い毛並みと頭に長い2本の角を持つ牙獣種がおり、柵を跳躍で乗り越えながら砦へと侵入してきた。
『金獅子ラージャン』
それに続き、次々と巨大なモンスター達が侵入してきた。超帯電状態のジンオウガ、口から黒い息を吐き出しているディアブロス 、全身の毛並みを逆立てているトビカガチ、鬼面を光らせているゴシャハギ、泡を纏うタマミツネ、荒々しく息を立てているティガレックス。
「来たか」
フゲンは百竜刀を構える。それに連動するかの様に武器組である全員もそれぞれの配置に着くと武器を構えた。
すると
7体のモンスター達の巨大な足音が響き一斉に進撃を開始した。